明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第283回

2019年5月11日(土)実施

中小企業に寄り添う国際法務の専門家として~中小企業の海外展開支援のニーズと、『国際弁護士』のなり方

【講師】樋口 一磨 氏(弁護士(日本・ニューヨーク州)、「弁護士法人 樋口国際法律事務所」代表、元伊藤塾塾生)
 


講師プロフィール

樋口 一磨 氏(弁護士(日本・ニューヨーク州)、「弁護士法人 樋口国際法律事務所」代表、元伊藤塾塾生)

樋口 一磨氏
1976年 千葉県柏市生まれ
1995年 慶應義塾大学志木高等学校卒
1999年 慶應義塾大学法学部法律学科卒
2002年 一橋大学大学院言語社会研究科修了 在学中に司法試験合格
英ケンブリッジ大学Summer School for English Legal Methods
2003年 司法修習終了(千葉・56期) 弁護士登録 大原法律事務所勤務
2007年 University of Michigan Law School, LLM 修了
2008年 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, LTD (シカゴ)勤務
在任中 ニューヨーク州司法試験合格・弁護士登録
2011年 樋口一磨国際法律事務所(現・弁護士法人樋口国際法律事務所)設立 
 
主な活動:東京弁護士会国際委員会副委員長(2011年度〜)、国際法曹協会(IBA)国際売買委員会オフィサー(2012年度~)、国際若手法曹協会(AIJA)日本代表(2016年~)
著作:「中小企業海外展開・法務アドバイス」(共著・経済法令研究会)、「中小企業法務のすべて」(共著 商事法務)、「International Commercial Agency and Distribution Agreement」(共著 Wolters Kluwer)など
講演:国際取引、中小企業の海外展開、国際的な紛争解決などについて、国内のみならず国際的なカンファレンス等での登壇多数
メディア:フジテレビ「突撃Liveグッディ!」など、国際問題を中心としたコメンテーターとしての出演、コメント提供多数

講師からのメッセージ 

私がお伝えしたいポイントは二点あります。一点目は、中小企業の海外展開支援という弁護士の活動領域のニーズと魅力です。二点目は、誰でもその気になれば国際法務を扱えるということです。
海外案件といえば、大手渉外や外資系の事務所が主に扱うものという印象はありませんか? たしかにそれも一面ですが、大手事務所などが扱うのは大企業や大規模な案件が中心であるところ、実際には、国際法務のサポートを必要としつつも、そのような事務所は敷居が高いと感じている中小企業がたくさんあります。ところが、日本経済が縮小する中で、中小企業が海外に展開していくことは不可避となっている一方、そのリーガルサポートができる弁護士はかなり不足しています。依頼者に寄り添いながら、専門性を高められる仕事は、とてもやり甲斐があります。
とはいえ、自分には渉外業務なんて、と思われる方も多いかもしれません。しかし、ヒト、モノ、カネのボーダーレス化が急速に進む世界にあって、弁護士だけが国内にとどまっていてよいのでしょうか? 弁護士業は、サービス業であるところ、単に資格が国単位であるだけで、依頼者が求めるニーズは世界中にあります。また、私自身、ドメスティックな環境に育ち、国内案件中心の事務所に所属しながら、自費で留学し、独自に海外のネットワークを構築し、今は国際法務を柱とした事務所を運営しています。
私の話をお聞きになった後、皆様の活動領域のイメージが国境を越えて拡がってくれることを願っています。