明日の法律家講座 東京校第341回
2024年5月11日(土)実施
「結婚の自由をすべての人に」訴訟の現状と今後
~ 性的マイノリティの「個人の尊厳」の観点から~
講師
寺原 真希子弁護士(弁護士法人東京表参道法律会計事務所)
1997年 東京大学法学部卒業、司法試験合格(52期)
2000-2005年 長島・大野・常松法律事務所等、都内の法律事務所にて勤務
2006年 米国New York University School of Law入学
2007年 同校卒業、法学修士(LL.M.)学位取得、米国ニューヨーク州弁護士試験合格
2008年 米国ニューヨーク州弁護士登録
2008-2010年 メリルリンチ日本証券株式会社(現:BofA証券)にて
リーガルカウンセル(企業内弁護士)として勤務
2010年- 榎本・寺原法律事務所
(現:弁護士法人東京表参道法律会計事務所)共同パートナー
【関与した主な訴訟】
「結婚の自由をすべての人に」訴訟(東京弁護団共同代表)
選択的夫婦別姓訴訟(2022年より弁護団長)
【主な著書】
『同性婚法制化のためのQ&A』(岩波書店、2024年)(共著)
『夫婦同姓・別姓を選べる社会へ ~わかりやすいQ&Aから訴訟の裏側まで~』(恒春閣、2022年)(共編著)
『ケーススタディ 職場のLGBT-場面で学ぶ正しい理解と適切な対応』(ぎょうせい、2018年)(編著)
講師からのメッセージ
日本では、現在、法律上の性別が同性同士であるカップルについて、婚姻という選択肢が認められていません。婚姻ができないことにより、同性カップルは、婚姻に伴う様々な法律上・事実上の保護を受けることができず、また、自分たちの関係性が国によって保護されていないという事実自体が、性的マイノリティの人々の個人の尊厳を傷つけ続けています。この講座では、原告らが訴訟において何を主張しているのか、婚姻の平等(いわゆる同性婚)がなぜ必要なのか、国はどう反論しているのか、下級審の裁判所はどのように判断してきたかを説明した上で、今後の訴訟の流れについても触れます。