明日の法律家講座 東京校第351回
2024年9月14日(土)実施
レイシャル·プロファイリングの現状と課題
~「人種差別的な職務質問をやめさせよう!訴訟」ケースを中心に~
講師
宮下 萌 弁護士
(東京弁護士会/弁護士法人戸野·田並·小佐田法律事務所東京オフィス)
ヘイトスピーチや人種差別とテクノロジー、レイシャル·プロファイリング等に関する活動を行っている。
【 関与した主な訴訟】
「人種差別的な職務質問をやめさせよう!訴訟」弁護団員。
【 主な著書】
『レイシャル·プロファイリング 警察による人種差別を問う』(編著、大月書店、2023年)
『テクノロジーと差別 ネットヘイトから「AIによる差別」まで』(編著、解放出版社、2022年)
『AIプロファイリングの法律問題 AI時代の個人情報·プライバシー』(共著、商事法務、2023年)
『国際人権個人通報150選』(共著、現代人文社、2023年)
「保護法益から再考するヘイトスピーチ規制法―人間の尊厳を手掛かりに―」
早稲田大学大学院法務研究科臨床法学研究会Law & Practice 第13号(2019年)等。
講師からのメッセージ
本来は市民の安全を「守る」はずの警察官が、「外国人」又は「外国人風の見た目である」ということを理由とし、その人を「犯罪者」または「犯罪者予備軍」として扱う公権力による人種差別—それが「レイシャル·プロファイリング」です。
2024年1月29日、勇気ある3名の原告が、レイシャル·プロファイリングの違法性を真正面から問う「人種差別的な職務質問をやめさせよう!訴訟」を提訴しました。この裁判は、「レイシャル·プロファイリング」は許されないのだということを三権の一つである「司法」を通じて真正面から問う闘いです。
本講座では、「人種差別的な職務質問をやめさせよう!訴訟」の概説を行うとともに、日本におけるレイシャル·プロファイリングの現状と課題や社会調査を司法にどのように生かすか等についてお話します。
―人々の尊厳が守られる社会にするため、誰もが安心して暮らせる社会を作るため、差別がない社会を作るため、私たち一人一人に何ができるか―
本講演会がこのような問題について皆様と一緒に考える機会になれば幸いです。