明日の法律家講座 東京校第359回

2025年1月17日(金)18:30~20:30

カモフラージュされた軍事組織

 講師

佐藤 文香 先生

佐藤 文香 先生
(一橋大学大学院社会学研究科教授)

1997 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了
2000 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学
2002 博士(学術)
2003 中部大学人文学部専任講師
2005年 一橋大学大学院社会学研究科助教授、2015年同教授

 
【 主な取り組み・活動】

2011-12 ハーバード・イエンチン研究所客員研究員、2016-21 外務省女性・平和・安全保障に関する行動計画評価委員、2021-23 国際ジェンダー学会会長、2024-現在 日本女性学会代表幹事。
2002 女性学研究国際奨励賞、2023 女性文化研究賞を受賞。


【 主な著書】

『軍事組織とジェンダーー自衛隊の女性たち』(慶應義塾大学出版会、2004年)
『女性兵士という難問ージェンダーから問う戦争・軍隊の社会学』(慶應義塾大学出版会、2022年)

講師からのメッセージ  

2022年に元自衛官の女性が実名で性暴力を世に訴えたことで、自衛隊の女性たちの処遇にスポットライトが当たりました。自衛隊とは無縁な一般の人々にとって、旧態依然たる組織風土は驚きをもって受け止められたことでしょう。そもそも、憲法9条を擁する戦後日本の歴史の中で、女性たちはどのような軍事的貢献を果たしてきたのでしょうか。本講演では「カモフラージュ」という分析枠組みを用いて女性たちの果たしてきた実践的・象徴的な役割を分析します。軍事組織に女性の数が増え、その職域が拡大していくという流れが、ジェンダー平等とは無関係な理由からも促進されうることに光をあててみたいと思います。