行政書士試験 資格・試験ガイド
行政書士試験 資格・試験ガイド
行政書士試験は、本格的な法律系国家資格試験の中で登竜門のような位置づけにあります。
合格をすると、独立・開業が可能となる資格です。そのため、勉強しなくても簡単に合格できる試験ではありませんが、正しい勉強法に沿って正しい学習を積み重ねれば、誰でも合格できる試験です。
ここでは「試験概要」「試験科目「合格基準」「試験内容」など、受験に必要な情報をご案内します。
■難易度 |
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■収入 | 年収300~1,000万円超 |
■学習期間 | 半年~ |
■学習費用 | 200,000円~ |
試験概要
受験資格 |
年齢、性別、学歴等関係なく、誰でも受験することができます。 |
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試験内容 |
1 合格基準
3 出題形式
①マークシート等による 択一式 ②自ら記入する 記述式 4 出題数 60題 |
受験費用 |
受験手数料 10,400円 |
試験日 |
11月第2日曜日 ・試験時間 午後1時から午後4時まで(3時間) |
参考 |
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試験のスケジュール
2024年 | 7月 願書配布 / 出願 11月 行政書士本試験 ◆試験日 : 11月10日 ◆受験手数料 : 10,400円 |
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2025年 | 1月 合格発表! ◆発表日 : 1月29日 |
受験者数・合格者数・合格率の推移
試験日時 | 2024年11月10日(日) 午後1時~午後4時 |
受験願書・試験案内配布 | 2024年7月29日(月)~8月30日(金) |
受験申込受付期間 | 郵送:2024年7月29日(月)~8月30日(金)消印有効 インターネット:2024年7月29日(月)午前9時~8月27日(火)午後5時 |
受験手数料 | 10,400円 |
合格発表日 | 2025年1月29日(水) |
試験科目
試験科目は、大きく1 法令等科目と2 基礎知識科目に分かれます。
法令等科目は、①憲法 ②民法 ③行政法 ④商法 ⑤基礎法学の5つに分かれ、基礎知識科目は、 ①一般知識 ②行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令 ③情報通信・個人情報保護 ④文章理解に4つに区別することができます。
試験の満点は、300点。合格点は、180点です。
配点は、「法令等科目」に重きが置かれ、その中で「民法」と「行政法」に大きな配点がなされています。
合格するには、単に180点を得点すれば良いのではなく、「法令等科目」と「基礎知識科目」それぞれに設けられた基準点を満たしたうえで、合計180点以上を得点する必要があります。
科目 | 出題形式 | 配点 | 合計 (300点満点) |
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択一式 (1問4点) |
多岐選択式 (1問8点) |
記述式 (1問20点) |
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法令等 | 基礎法学 | 2 | 8点 | 244点 | |||
憲法 | 5 | 1 | 28点 | ||||
民法 | 9 | 2 | 76点 | ||||
行政法 | 一般的法理論・統合 | 3 | 2 |
1 | 112点 |
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行政手続法 | 3 | ||||||
行政不服審査法 | 3 | ||||||
行政事件訴訟法 | 3 | ||||||
国家賠償法・損失補償 | 2 | ||||||
地方自治法 |
3 | ||||||
総合問題 | 2 | ||||||
商法 | 5 | 20点 | |||||
基礎 知識 |
一般知識 | 14 | 56点 | 56点 | |||
行政書士法等行政書士業務と 密接に関連する諸法令 |
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情報通信・個人情報保護 | |||||||
文章理解 | |||||||
合計 | 216点 | 24点 | 60点 |
合格基準
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(1)行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50%以上である者。
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行政書士試験は、法律家になるための試験ですので、当然重要になってくる科目です。
中でも民法・行政法は実務に出てからも必須の法律となります。 -
(2)行政書士の業務に関連し必要な基礎知識科目の得点が、満点の40%以上である者。
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出題数14問ですが、勉強範囲は幅広いため、独学では非効率な学習になりがちです。
基礎知識の基準点を突破するためには、メリハリの利いた勉強が必要となります。 -
(3)試験全体の得点が、満点の60%以上である者。
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1と2の基準点をクリアしても、総得点で34点分不足しています。
基礎知識は範囲が広く、出題予測も難しいため、法令等科目での得点獲得がカギとなります。
得点に換算すると・・・ (1)122点/244点 (2)24点/56点 (3)180点/300点 以上が基準点となります。
出題内容
試験は、筆記試験によって行われます。
出題の形式は、「法令等科目」は択一式及び記述式。「基礎知識科目」は択一式です。
記述式とは、40字程度で記述解答する試験形式です。
択一式問題
五肢、または多肢(1~20)の中から答えを選ぶマークシート式の試験です。
A・B間において、Aが、Bに対して、Aの所有する甲建物または乙建物のうちいずれかを売買する旨の契約が締結された。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
1 給付の目的を甲建物とするか乙建物とするかについての選択権は、A・B間に特約がない場合には、Bに帰属する。
2 A・B間の特約によってAが選択権者となった場合に、Aは、給付の目的物として甲建物を選択する旨の意思表示をBに対してした後であっても、Bの承諾を得ることなく、その意思表示を撤回して、乙建物を選択することができる。
3 A・B間の特約によってAが選択権者となった場合において、Aの過失によって甲建物が焼失したためにその給付が不能となったときは、給付の目的物は、乙建物になる。
4 A・B間の特約によって第三者Cが選択権者となった場合において、Cの選択権の行使は、AおよびBの両者に対する意思表示によってしなければならない。
5 A・B間の特約によって第三者Cが選択権者となった場合において、Cが選択をすることができないときは、選択権は、Bに移転する。
個人情報保護制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 個人情報保護に関しては、一部の地方公共団体が先行して制度を整備した情報公開とは異なり、国の制度がすべての地方公共団体に先行して整備された。
2 個人情報保護委員会は、個人情報保護条例を制定していない地方公共団体に対して、個人情報保護法違反を理由とした是正命令を発出しなければならない。
3 個人番号カードは、個人情報保護法に基づいて、各都道府県が交付している。
4 個人情報保護委員会は、内閣総理大臣に対して、地方公共団体への指揮監督権限の行使を求める意見を具申することができる。
5 個人情報保護委員会は、認定個人情報保護団体に関する事務をつかさどる。
記述式問題
40字程度で解答を記述するものが出題されます。
例年、行政法から1問、民法から2問出題されています。
Aは、Bとの間で、A所有の甲土地をBに売却する旨の契約(以下、「本件契約」という。)を締結したが、Aが本件契約を締結するに至ったのは、平素からAに恨みをもっているCが、Aに対し、甲土地の地中には戦時中に軍隊によって爆弾が埋められており、いつ爆発するかわからないといった嘘の事実を述べたことによる。Aは、その爆弾が埋められている事実をBに伝えた上で、甲土地を時価の2分の1程度でBに売却した。売買から1年後に、Cに騙されたことを知ったAは、本件契約に係る意思表示を取り消すことができるか。民法の規定に照らし、40字程度で記述しなさい。なお、記述にあたっては、「本件契約に係るAの意思表示」を「契約」と表記すること。
合格した後は…
行政書士実務家を目指す
行政書士として登録後、独立開業することが可能です。行政書士の扱う分野は広く、許認可申請をすべてに精通することは困難です。そこで、多くの行政書士は自分の得意とする専門分野を持ち、スペシャリストとして活躍しています。開業前に培った人脈やネットワークを活かし仕事を展開していくケースが多いようです。
明日の行政書士講座
行政書士の魅力にクローズアップ
他の法律資格にチャレンジする
行政書士試験の学習は、あらゆる試験に適応する法律の基礎を習得することができるため、司法試験・司法書士試験・公務員試験・ビジネス実務法務検定試験 ®などにおいても大きなアドバンテージとなります。
他資格の科目比較表
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基礎法学 | 憲法 | 行政法 | 民法 | 商法 | 一般知識等 |
行政書士試験 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
司法書士試験 | ● | ● | ● | |||
司法試験 | ● | ● | ● | ● | ||
公務員試験 | ● | ● | ● | ▲※ | ||
ビジネス実務法務検定試験® | ● | ● |
行政書士試験と司法書士試験では憲法、民法、商法の科目が重なっています。行政書士試験に合格するだけの実力があれば、重なっている科目については司法書士試験対策に応用することが十分できます。そのため、登記法等の司法書士試験特有の科目に比重をおくことができ、他の受験生より優位に立てます。また、学習方法(資格試験に対する取り組み方など)を身につけているという点も大きな優位性といえます。
司法試験、司法試験予備試験※、法科大学院入試においては憲法、行政法、民法、商法が、司法試験予備試験においては加えて一般教養(一般知識等)が重複します。各試験の短答式試験は基礎的なレベルにとどまるため、これらの科目においては行政書士試験対策が大きく役立ちます。特に、行政書士試験対策において重視される行政法や民法は、司法試験予備試験では苦手にしている受験生が多いため、行政書士試験対策の経験が強力なアドバンテージになります。
※司法試験予備試験は、合格すると法科大学院を修了しなくても司法試験受験資格が得られる試験です。
公務員試験は、職種により試験科目が異なりますが、ほぼすべての試験で憲法、行政法、民法、一般教養(一般知識等)が課されます。行政書士試験のこれらの科目の難易度はほぼ国家一般職、地方上級職試験と同等であることから、行政書士試験対策はそのまま公務員試験に活きます。また、公務員試験は資格試験ではなく就職試験であるところ、行政書士資格を有していることはそれ自体が内定に向けてのアピールポイントになります。
ビジネスパーソンにとって必要不可欠な能力となる実践的な法律知識をバランスよく効率的に学ぶことができるビジネス実務法務検定試験Ⓡは、行政書士試験受験生が学ぶ民法、商法の科目を中心に出題されるため、学習経験が合格に向けた大きなアドバンテージとなります。
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