平林勉講師の「思考と体系の館」 セレクトVer

法律と学習の「考え方」を一緒に身につけましょう!

平林 勉講師

【プロフィール】
2008年行政書士試験合格。2010年横浜国立大学大学院 国際社会科学研究科修了。2013年高等学校教諭一種免許取得(公民)、中学校教諭一種免許取得(社会)。2017年司法書士試験合格。

2011年より行政書士試験の受験指導を開始。現在では、初学者向けの「合格講座 本科生」から、中上級者向けの「中上級講座」など中核講座のメイン講師を担当する一方、少人数で知識と技能を徹底指導する「特別ゼミ」、司法書士試験受験経験者向けの「行政書士スピードマスター講座」など、多岐にわたる活躍を見せている。
とりわけ、高い視座からみた「学習方法論」と「法律伝達力」は高い評価を得ている。またカウンセリング予約がとれないほど、直接の指導を求める受験生が後を絶たない。

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第225回 やる気が出ないときの学習法

 22.12.19

 
やる気が出ない…

そういう時があると思います。
(単に、体調が悪いという噂もありますが。)
 
こんな時は、何もしないのが一番!!
というわけにもいかないのが、仕事と勉強です。

この場合でも、ノルマ設定を崩すことはできないので、
私は、その中身のハードルをすごく下げることにしています。
 

例えば、講義の予習なら、細かい判旨のポイントや
相互の関係を詰めたりするような精密な作業をせず、
講義の流れを意識しながら、簡単に脚本みたいなものを
浮かべてみる。
 

勉強であれば、目標のページ数までは進めるものの、
目次を中心に学習の概要を掴んでみることに留めたり、
苦手な部分だけをスポット的に読んでいったり。
 
 
大切なことは、
 
目標としていた地点まで不完全ながらも到達すること。
 
これで、予定は狂いません。
 
 
やったことにして、とにかく前に進むと。
 
どうせ、何回も同じことをするのだから、
少し粗くても、不完全でもとにかく回転させていく。
 
 
このような考え方が重要だと思います。
では。
 
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第224回 あなたは朝型?それとも夜型?

 22.12.16

 
 
まず、朝型か夜型かという議論の前に、
現在のご自身のライフサイクルの中で、
学習できる時間を可能な限り確保してみましょう。
 

その上で、合格に必要な学習時間を確保することが
出来ないという場合
に、初めて
「朝型か夜型か」という話になります。
 

前提として、ライフサイクルにテコ入れをすると
身体に無理があることが多いです。

(もちろん、元々自堕落な生活で…という場合には話は別です。
むしろ、勉強すると体調が良くなる気がします。)

そのため、ライフサイクルを維持しつつ、
十分な学習時間が確保できる。

これがベストですが、
どうしても足りないということがあると思います。

あと1時間、いや30分時間が余分に取れれば…
ということになったら、検討すべきことです。
 
 
さて、話を戻して。

朝型か夜型かですが、
合格者の多くは、圧倒的に「朝型」です。

寝る時間を少し遅らせて…
とはいうものの、夜は疲れているし、
1日の嫌な出来事を思い出したりして、
全く集中できない。

また、LINEやメッセンジャーなどが
飛んでくることもあり、落ち着かない。


これに対して、朝は、1日の始まりであり、
身体も夜に比べてかなり回復している。

また、活動時間外であることが多く、
イレギュラーな連絡も特に入ってこない。

そんなわけで、
朝型学習に切り替える方が多いのです。
 

具体的には、いつものライフサイクルに比べて、
45~90分程度早く起きることを心がけます。

その上で、コーヒーや紅茶のようなもの
(夏であれば、冷たい水)を飲み、身体を起こします。
 
そして、学習にすぐに移ります。
(寝る前に、学習をスタートできるように全てを
 準備しておくのがポイント。
 テキストや問題などの該当頁を開いておき、
 筆記用具も全て用意しておく。
 スタンバイOKというやつです。)
 
あとは、決められた時間までやり切れば終了。
 

最後に注意点。

これは、自分も感じていたことなのですが、
いつもよりも早く起きると、どうしても
睡眠負債が溜まってきます。

徐々に起きられなくなるのは、このためです。

そこで、昼間や夕方のどこかのタイミングで構わないので、
15~20分ほどの仮眠を取るようにしましょう。
昼休みなどが一番良いかもしれません。
15分の仮眠は、本当に体力を回復させます。


『学習時間を、現在のライフサイクルでまずは確保。

 その上で、必要な学習時間が足りなければ、少し朝で補てん。』

このイメージが大事です
 
 
これで、朝どのくらい早く起きれば良いかを計算できるはずです。
 
ぜひお試しを。
では。
 
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第223回 過去問をやったといえるのはどのレベルか?

 22.12.12

 
 
前回、学習は「過去問」を軸として
することが一番良いというお話でした。
 
 
ここでいう、過去問を「やった」とは
どういうレベルを指すのでしょうか。
 
 
まずは、
 
問われている内容が理解できること。
 
これが、前提です。
 
 
これは、講義・テキストを一読していれば
比較的容易なはずです。
 
 
ここから、次のようなことを意識すれば、
過去問を「やった」ことになります。
 
 
1 キーワードの確定 → 想起すべき条文・判例の確定
 
2 似たような知識があれば対比
 
3 思い出し方を考える
 
 
 
具体的な問題で見てみましょう。
 
 
外国人の人権に関する次の文章のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らし、妥当でないものはどれか。(H27-3)
 
 
→ 権利の性質上、日本国民のみを対象としているもの
と解されるものを除き、保障される。
 
(まず、該当テーマの共通の理解や視点があれば、
思い出せるようにします。
これは、問題によっては特に必要ない場合もあります。)
 
 
 

 
国家機関が国民に対して正当な理由なく指紋の押捺を強制することは、憲法13条の趣旨に反するが、この自由の保障はわが国に在留する外国人にまで及ぶものではない。
 
→ キーワードを「指紋の押捺を強制」と確定させます。


 
その上で、「何人も保障される。」という判例を
想起できるようにします。


 
また、比較知識として、
「指紋押捺制度としては、合憲である。」
ということも想起できるようにします。
 
 
 

 
わが国に在留する外国人は、憲法上、外国に一時旅行する自由を保障されているものではない。
 
→ キーワードを「外国に一時旅行する自由」と
確定させます。


その上で、該当の判例知識を想起できるように
します。


また、比較知識として、
「入国の自由・出国の自由・再入国の自由」
について、判例がどのような立場であったか
ということも想起できるようにします。
 
 
 

 
政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等、外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。
 
→ キーワードを「政治活動の自由」と確定させます。


 
その上で、「政治的な意思決定等に影響を
及ぼす場合等を除いて、保障される。」という点、
「在留更新申請の際に、消極的な自由として
   考慮されることがある」という点を
思い出せるようにします。
 
 
 

 
国の統治のあり方については国民が最終的な責任を負うべきものである以上、外国人が公権力の行使等を行う地方公務員に就任することはわが国の法体系の想定するところではない。
 
→ キーワードを「公務員に就任」と確定させます。


 
その上で、「国民主権の原理が妥当することから、
外国人が権力的地位にある公務員に就任することは
想定されていない。」
ということを想起できるようにします。


 
また、似たような知識として、
「選挙権の保障」がありますから、
あわせて確認をしておきます。
 
 
 

 
社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、その政治的判断によってこれを決定することができる。
 
→ キーワードを「社会保障上の施策」と確定させます。
 
その上で、「自国民を外国人よりも優先的に取り扱うことも許される」
ということを想起できるようにします。
 
 
このように、
各設問に対して、当該条文・判例を問うために
必ず使わなければならない「キーワード」を確定させ、
どのようなことを思い出せばよいのかを確認していく。
 
そして、似たような知識があれば、混乱しないように、
簡単にメモ書きを残しておき、整理しておく。
 
結論がどちらだったかを思い出すのが難しいものがあれば、
制度趣旨や目的(理由付け)から思い出せるように
何回か訓練する。
 
 
これが、過去問を「やった」というレベルです。
 
 
個人的には、
本試験において得点が取れない方は、
過去問に対する姿勢が甘いです。
 
また、上記のように過去問をやっておかないと、
テキストの読み込みも甘くなります。
 
 
過去問を漫然と解くこと自体には、
何の意味もありません。
 
もう一度過去問の喰らい尽くし方を
確認しておきましょう。
 
 
では。
  


第222回 最後は、テキストしか読まなくなる

 22.12.05

 
 
学習の初期段階は、
とにかく過去問から離れないことです。
 
 
過去問を15年分くらいやれば、
おおよその試験範囲と出題のレベルが掴める
はずです。
 
 
テキストの抽象的な記載をずっと読んでいても、
問題が解けるようにはなりません。
 
 
まずは、テキストをさらっと読み流したら、
すぐに過去問に取り掛かりましょう。
 
 
過去問をどんどん読んでいって
 
 
テキストの内容が
どのように問われているのか。
 
どのレベルまで
記憶していないといけないのか。
 
どの辺りが
まだ出ていないのか。
 

ということを体感していく必要があるのです。
 
 
 
これを体感した後は、
すぐにテキストに戻ります。
 
 
すると、テキストの記載が以前よりも
立体的に見えてくるはずです。
 
 
あぁ、ここはこんな問題があったな。
 
 
ここは、ここまで覚えていないと
全然話にならなかったよな。
 
 
という具合です。
 
 
 
とにかく、学習の初期段階では
 
 
 
1 過去問を一通り読み込み
 
 
2 テキストの記載を読んだだけで、
  どういう問題が出ていたのかを
  想起することができる
 
 
 
この状態にもっていくことが重要です。
 
 
これが出来てくると、
まだ出題されていない部分についても、
 
「ここは、こういう問題が出そうだな。」とか、
 
「ここはこのぐらい覚えておけば大丈夫だな。」などの
 
予想が比較的簡単に立てられるようになってきます。
 
 
 
すると、学習の内容は
段々と絞られてきます。
 
 
そもそも、
 
過去問は、
テキストの記載を立体化させるツール
 
に過ぎません。
 
 
とすれば、テキストを読んだだけで
どういう問題が出るのかを想起できるようになれば、
 
過去問演習をする必要は
ほとんどなくなるわけです。
 
 
 
したがって、学習の理想としては
 
 
 
テキストを一読 → 過去問の検討 → テキストを再読してどういう問題だったかを連想する
 
 
ということを繰り返し行い、
最終的にはテキストを読むだけで
あらゆることが連想できるようになる。
 
 
こうなることです。
これを目指してみましょう。
 
 
 
過去問「のみ」で合格することは
絶対に無理ですが、
 
過去問「なし」で合格することも
絶対に無理です。
 
 
まずは、過去問に関して
一通り習熟することを目指しましょう。
 
 
 
話はそれからです。
 
 
今度は、
何をもって過去問をやったと言えるか?
という点について言及してみようと思います。
 
では。
  


第221回 わんこそば勉強法

 22.12.02

 
 
わんこそば勉強法は、
自分が司法書士試験の受験をする際に
編み出した方法です。
 
 
わんこそば勉強法とは、
その名のとおり、
 
学習する内容を可能な限り細分化すること
 
です。
 
 
例えば、民法であれば
 
1 総則(最初~無効・取消し)
2 総則(代理~時効)
3 物権(総論)
4 物権(用益物権~留置権)
5 物権(先取特権~抵当権)
6 債権総論(最初~債権譲渡)
7 債権総論(多数当事者の債権・債務~詐害行為取消権)
8 債権総論(債権の消滅)
9 債権各論(総論~売買)
10 債権各論(賃貸借~不法行為)
11 親族法
12 相続法
 
 
こんな要領で、
民法を12分割にしてしまいます。
 
これを、該当範囲の過去問等も含めて、
12分割にして、薄いバインダーノートに閉じ込みます。
 
 
これで、わんこそば勉強法の準備は完了です。
 
 
 
日々出かける際には、
1冊バインダーノートを引っ張り出して
持っていきます。
 
 
ポイントは、その1冊が1日の学習のノルマであり、
なるべく帰宅するまでに終わらせるように
隙間時間も含めて頑張って勉強することです。
 
 
このようにすると、まず、1日のノルマが
「物理的に」明確なので、やる気が出ます。
 
また、薄いので、いつでもどこでも
大体取り出すことができます。
 
 
最も重要なことは、

帰宅するまでに、ある程度終わらせること

です。


帰宅すると、
どうしても色々とやることが出てきてしまいます。
 
また、なぜか帰宅すると一気に眠気も押し寄せてきます。
 
 
学習を継続するコツは、

「なるべく出かけている間の時間を使って
 学習ノルマをほぼ終わらせてしまうこと」

です。
 
 
自分は、わんこそば勉強法を編み出してからは、
「やりたくないなー」というよりは、
「あぁ、早くノルマ達成させないと。頑張らねば。」
という感覚に変わってきました。
 
 
自宅における勉強も、講義を視聴したり、
分からないところを深く調べてみたり
というように、
 
「ある程度空間がないとできないこと」
に集中して時間を使うようになり、
かなり効率的な学習ができるようになりました。
 
もし、ライフワークに合いそうであれば、
ぜひお試しください。
 
では。
 
  


第220回 基本事項の徹底

 22.11.28

 
 
今年の本試験の反省の素材は
多くでてきました。
 
 
過去問で学習してきたことは、
きちんと本番で発揮できたか。
 
 
 
過去問だけでは不足する部分を補えていたか。
 
 
 
出題が予想されていたところは、押さえられていたか。
 
 
 
難しい問題をきちんと避けられていたか。
 
 
 
……と、
本試験の反省事項は、本当に多いです。
 
 
 
大切なことは、
基本事項の徹底ですね。
 
 
基本事項の「徹底」です。
 
 
個人的には、
「徹底する」という意味合いが
分かった瞬間に
合格を勝ち取れる
のかなと思います。
 
 
 
例えば、
 
入門(合格)講座=簡単なことをやる。
 
中級講座=やや難しいことをやる。
 
上級講座=すごく難しいことをやる。
 
という構図なのだと思ってしまう方は、要注意です。
 
 
 
これらは、
 
基本事項をどれだけ深く見るか。
 
どれだけ徹底させるか。
 
という点に違いがあるだけで、
習得する知識「量」に
大きな差があるわけではありません。
 
 
 
この基本の理解を徹底させる。
というのが本当に難しいんです。
 
 
 
自分も、一昨年の年末年始辺りに、
憲法の勉強を徹底的にやっていましたが、
基本事項の理解が出来ていないところが
いくつもあり、愕然としました。
 
 
それは、細かい判旨や細かい条文の解釈ではなく、
もっとダイナミックなところ。
 
そもそも論のところの理解に問題がある
ことに気付かされたわけです。
 
 
 
また、改正民法の学習をした際にも、
現行民法の問題点を合わせて確認していきました。
 
 
すると、
 
「あ、この制度って…
 こんな趣旨もあったんだ…」とか、
 
「あ、この部分はあの制度と
 根本的な考え方は同じなんだ」とか。
 
 
あらためて、基本事項の徹底の不足を
痛感させられたこともありました。
 
(とはいえ、試験対策上、
そこまでは不要だなーとは思ったりします。
基本なのに、試験対策上不要とはこれいかに。
この辺りが法律の学習の面白いところでもあるわけで。)
 
 
細かい知識を覚えれば受かる。
 
テキストを暗記すれば受かる。
 
 
 
本当にそうでしょうか。
 
 
ぜひ、本試験を徹底的に反省してみましょう。
 
 
では。
 
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では。
 
  


第219回 実は危険な思考

 22.10.17

 
 
大人の受験勉強は、子どもの頃の受験勉強に比べると、
様々なことを並行(考慮)しなければできないのが普通です。
 
 
(子どもの頃の受験でも、様々なことを
 並行させなければいけなかったという
 ケースも考えられますが、例外的な場合のため、
 除外します。)
 
 
 
ここに、時期によるプレッシャーがかかれば、
肉体的にも精神的にもきつくなる。
 
 
これは、当然のことです。
 
 
 
この時に、よくある考え方が
 
 
 
苦しいのは自分だけじゃない。みんな同じ。だから頑張ろう。
 
 
 
というものです。
 
 
 
実際に、こういった助言・アドバイス
がなされることがあると思います。
 
 
 
個人的には、これは実に危険な思考だ
と考えています。
 
 
 
苦しいのは自分だけじゃない。
 
 
 
ここは、そのとおりだと思います。
世の中に大変な状況の方は多くいることでしょう。
 
 
 
もっとも、「みんな同じ」という部分は本当でしょうか。
 
 
 
置かれている環境やその人自体の体力・
性格・考え方等は、全く異なる
はずです。
 
 
 
だから、「苦しいのは自分だけじゃない→みんな同じ」
 
 
 
という理論は成り立ちません。
 
 
 
ゆえに、「だから頑張ろう」にも繋がりません。
 
 
 
苦しくて、辛くなった時、
 
 
「ちょっと休もうか。疲れを抜こうかな。」
 
 
と考えることもあるでしょう。
 
 
 
この時、「いや、でもみんな同じだ。
だからここで休んではいけない。頑張ろう。

 
 
 
と思うのは、ちょっと考えた方が良い。
そういうことです。
 
 
 
受験勉強には、体力と気力がいります。
 
 
体力・気力が削がれきっている状況下で
学習を継続しても、たいした成果は得られません。

 
 
 
だから、いま自分が苦しいのであれば、
思い切って休息をすること。
 
 
これも、大切な考え方です。
 
 
 
他人と比べない。


自分がいま苦しい。
 
それを認めてあげて、休息をするのも、
大切だということです。
 
 
 
最近、明らかにオーバーワークに
なっている方が多いような気がします。
 
 
 
この辺りが上手く伝わることを
願っております。
 
 
 
 
では。
 
 
 
  


第218回 不安との付き合い方?

 22.10.10

 
 
カウンセリングでも
上位にあがってくるテーマです。
 
 
結論から言います。
 
 
 
不安は絶対に消えないし、
不安なまま合格せざるを得ません。
 
 
 
たとえば、模擬試験で240点くらいの点数を
連発していて、テキストの内容も項目だけ
見ればスラスラ説明できる。
過去問正答率もほぼ100%。
 
 
こんな人は、不安とかないまま、
絶対の自信をもって合格すんだろうなぁ。
 
 
なんてことはないということです。
 
 
 
大体ね、
「自信をもって。」と言いますけれども、
「自分を信じて」と書いて「自信」。
 
 
この世の中で、一番信用できないのって
自分自身ですから。
 
 
他の人に任せた方が上手くいくんじゃないか
と思うことなんて多々あるわけで。
 
 
だから、不安なんて絶対に消えないし、
そのまま合格していかざるを得ないんです。
 
 
 
それでは、不安とはどうやって
付き合えばいいのか。

 


これはとても単純で、

本試験における全ての行動をルール化(マニュアル化)すること
 
です。
 
 
たとえば、


本試験当日の朝は何を勉強するか。
 


お昼ご飯は何を食べるか。
 
 
 
試験1時間前は何をするか。
 
 
本試験中、知らない肢が出たらどうするか。
 
 
2択になったらどうするか。
 
 
特に、本試験において、
「こういうことが起きたら、どうするか。」
ということを具体的に決めておくこと。
 
 
知らない問題が出たらどうしよう。
これが一番の不安だと思います。
 
 
そのため、
「それでは知らない問題が出たら
 このように対処しよう」
決めてしまえばいい
わけです。
 
 
こうすることで、不安はなくなりませんが、
不安とは上手く付き合うことができる
のではないかと思います。
 
 
細かい条文・判例を学習するよりも、
よっぽどこういうことを考えた方が力がつく
と思いますよ。
 
 
では。
 
 
 
  


第217回 基本事項の徹底

 22.10.3

 
 
悩んでいる時こそ、シンプルに。
シンプルに考えることが重要です。
 
 
 
直前期の学習は大きく2つです。
 
 
1 できない部分をできるようにすること
 
 
2 当たり前すぎることを確認すること
 
 
 
 
まず、1についてはいわずもがなです。
 
 
もっとも、この点について間違った方向へ
学習されている方が散見されましたので、
念のため補足しておきます。
 
 
「できない部分をできるようにする」というのは、
今まで学習してきた部分なのだが、
 いまいち理解・
暗記が進まない箇所
」を指します。
 
 
今まで学習したことがない部分で、
答練・模試で出題された部分。
よし、ここを今からやっていくぞ。
 
 
…それは無理やろ。ということです。
 
 
学習範囲を広げるのは厳禁です。
この点は、誤解なきようにして頂きたいです。
 
 
 
それから、2について。
 
 
当たり前すぎることの確認は、
本試験までに必ず1回はやっておきましょう。
 
 
「こんなの知っているよ。」という部分を、
これでもかというくらい舐めまわす。
 
 
 
基本事項がまとまっているようなテキストを、
丹念に読み込む。
 
丹念に読み込むというのは、
制度趣旨等を把握しながら、「理解→想起」をしていくこと
です。
 
 
重要なことは、
「そうだったな。うん。そうそう。」
というように、納得をするだけでなく、
そこからきちんと
だから、こういう要件だった。
 だから、こういう定義だった。
というように、思い出すようにしていくこと。
 
 
当たり前すぎることの確認は、
この「思い出す」という工程を
経ていなければ、ほぼ意味がありません
 
 
この2つの学習をやりきれば、
本試験です。
ゴールまであと少し。

 
もう少し補足したいことがありますが、
これはまた次回にまわします。
では。
 
 
 
  


第216回 模擬試験の復習は、合否にほぼ影響しない その1

 22.9.26

 
 
模擬試験の復習は、どの程度行うべきか。
 
というご相談をよく受けます。
 
 
結論から言うと、模擬試験の復習は、
当日の2時間程度を予定しておき、
特段の事情のない限り、翌日に持ち越さないことです。
 
 
この結論は、下記の2つの理由によります。
 
 
1 合格体験記や合格者インタビューで、
模擬試験の問題のおかげで(的中したおかげで)
合格したという話を聞いたことがほぼない。
 
 
2 自分自身、10年以上資格試験を受け続けて、その経験がない。
 
 
 
まず、1について。
 
 
合格レベルの勉強をしていれば、
模擬試験に出題され、かつ、重要な論点については、
確実に学習をしています。
 
 
そのため、たとえ模擬試験で間違えたとしても、
「あぁ、あの部分は、実は頭に入っていなかったのか…」
という反省をしておけば足り、
わざわざ模擬試験の問題を復習する必要がありません。
 
 
また、模擬試験特有の知識であったとしても、

模擬試験でしか見たことがない知識であった×本試験でそれが出題された×それが解答するために必須の知識であった×その問題を間違えたせいで180点に届かなかった

という可能性はどの程度でしょうか。
 
 
冷静に考えれば、ほぼ0%になることは分かるはずです。
 
 
以上より、模擬試験の問題を復習すること自体は、
特に合否に影響しないこととなります。
 
そのため、合格者の声から模擬試験の復習を
重点的にすべきであるというものも出てこないのでしょう。
 
 
 
2については、完全に自分の経験です。
 
 
かれこれ、10年以上、なんらかの資格試験に
挑戦し続けていますが、
「模擬試験の復習をしていてよかった…」
という感想をもったことは、一度もありません。
 
 
というか、模擬試験の復習自体、
面倒な時は(というか疲れた時は)、
1分もやらなかったことも多々あります。

それでも、後悔したことは一度もありません。
 
 
完全に、個人的な理由によるものです。
 
 
それでは、模擬試験の復習はどのようにするのが正解なのでしょうか
 
 
この辺りを、次回の記事で書いてみようと思います。
 
 
では。
 
 
  


第215回 本試験から逆算をしてみよう! 最終回

 22.9.19

 
 
前回の続きです。
前回は、3週間くらい前まで戻ってきました。
 
 
今回は、一気に現在まで戻ってきましょう。
 
 
◆1~2か月前
 
 
苦手な部分を中心に、全体の範囲を高速回転していきます。
 
 
超・直前期のポイントは、
「忘れる量よりも、覚え直す量の方が多い」
という状態を作ることです。
 
 
忘れないでおこう、というのはまず無理なので、
相対的に覚える量の方が多いというイメージで
学習をしていけばよいでしょう。
 
そのためには、一日で見られる分量を多くして
いく必要があるわけです。
 
 
平均的な合格者のイメージでいうと、
大体2~3週間程度で、
全範囲を確認している感じです。
 
すると、民法・行政法で1週間ずつ。
その他の科目を合間に挟むか、1週間時間を取るか。
こんなイメージですね。
 
 
合わせて、模擬試験や答練等も
定期的に受けて
おきましょう。
 
 
模擬試験や答練は、点数にこだわるのも大事ですが、
それは、あくまでも受講する前の話。

大きな目的は、盲点の発見や、苦手な部分の炙り出し

 
です。
 
 
大丈夫だと思っていたら、全然ダメだったという部分が
発見されることもあるでしょう。

(例えば、行政代執行法の条文が完璧に覚えていた!
 …と思ったら、問題を解いてみたら、
 全然対応できなかった…とか)
 
 
また、「あれ?ここってそういう意味だったのか…
勘違いして覚えていたな…」ということもあるでしょう。
 
(例えば、弁明の機会の付与は、聴聞手続に比して
 簡易な手続だから、代理人も選任できない…と
 思っていたら、そこは普通に選任できた…とか)
 
 
こういった部分は、模試や答練によって炙り出されるため、
そこを徹底的に潰します。
潰したら、すぐに高速回転に戻ります。
また、模試を受けます…
いか繰り返し。
 
 
このようなサイクルが
上手くまわってくれば、合格は目前
 
 
ということで、今の時期の学習は、
上記のようなサイクルになっているか?
を確認するようにしておきましょう。
 
 
☆ 忘れることは気にしない!覚える量の方が多ければよい!
☆ 模試・答練でチューニングをしっかり!
 
 
では。
 
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第214回 本試験から逆算をしてみよう! その2

 22.9.12

 
 
前回の続きです。
 
本試験前のスケジュールは、逆算方式で。
それでは、一緒に、本試験日にワープしつつ、
現在に遡ってみましょう。
 
 
 
●試験当日
 
 
勉強ができるのは、午前中のみ。
時間でいえば、10:0011:30の間くらいですから、
最大で90分程度でしょうか。
(朝早く起きてやるという方法もありますが、
模擬試験で試したことがない方はやめておきましょう。)
 
 
本試験当日は、
絶対に出る範囲の暗記の確認
問題を解ける感覚を呼び起こすこと
意識を向けましょう。
 
 
もし、自分だったら、本試験当日は、
憲法・行政手続法・行政不服審査法の三法について、
条文を徹底的に読み直しておくと思います。
 
 
特に、行政手続法と行政不服審査法は、
条文の暗記ができていれば、満点が狙えます。
すると、いきなり24点が約束されるということです。
 
 
また、当日は、絶対に解ける問題、お気に入りの問題を
5問前後もっていきます。
 
 
本試験当日は、なぜか
「なんか全然解けない気がする…」という気持ちになるため、
その気持ちを相殺するイメージに切り替える必要があります。
 
そこで、今まで解いたことのある問題を持ってきておいて、
それを解くことで、感覚を呼び起こすわけです。
 
 
☆ 憲法・行政手続法・行政不服審査法を短時間で一気に読めるように訓練しておく
☆ 当日に持っていく問題をセレクトしておく
 
 
 
●試験1週間前
 
 
試験1週間前は、苦手事項や
自分が覚えきれていない部分の詰め込み
を行います。
 
 
1週間前から、何回も見ておけば、
理屈が分からないものでも、
3040%程度は覚えられます。
 
 
いわゆる丸暗記になるのですが、
本試験では、この辺りの詰めがあるだけで、
10点前後は伸ばすことができるでしょう。
 
 
(例えば、民法の契約各論は、理解というか
 覚えてくださいという部分が多いです。
 そのため、1週間前に一気に覚え込むぞ!
 というようにしておくのもアリです。)
 
 
なお、時間に多少余裕があれば、
本試験の感覚を掴むことも重要です。
 

そのため、5年分の年度別過去問等も
パラパラ見ておくとよいでしょう。
 
 
☆ 試験1週間前から詰め込む知識事項を、今のうちにセレクトしておく
 
 
 
●試験2~3週間前
 
 
いわゆる、重要知識事項の確認
しておきましょう。
 
 
「重要知識事項=当然の知識になっている」ことが
多いはずですから、「何をいまさら…」と思う
知識事項も多いはずです。
 
 
(例えば、特別区は、普通地方公共団体ではなく、
 特別地方公共団体に分類される。とか、
 時効の利益は、時効完成前に放棄することができない。
 というような知識です。)
 
 
重要知識事項の確認と、苦手部分の詰め込みのどちらを
1週間前に持ってくるのかが悩ましいですが、
重要知識事項は、今まで触れてきた回数も多く、
記憶も定着していることが多いと考えられるため、
あえて、2~3週間前にまわしておきます。
 
 
現在の学習では、習得済みの論点を飛ばし、
苦手な部分を中心に勉強しているという方が多いと思いますが、
2~3週間前にもう一度確認する機会を設けることにしておけば、
そこまで不安にはならないのではないかと思います。
 
 
☆ 重要事項の確認は、超直前期に一度はやろう。
 
 
 
3週間くらい前までフィードバックしました。
長くなったので、続きは、次回に。
 
 
次回は、現在に戻ってこれそうです。
では。
 
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第213回 本試験から逆算をしてみよう! その1

 22.9.5

 
 
行政書士試験は、超直前期に入ってきました。
 
 
ここからの学習スケジューリングは、
本当に合否を分けますので、
慎重かつ迅速にいきましょう。
 
 
 
最適なスケジュールを設定するためには、
本試験から逆算して考える必要があります。


 
要は、明日が本試験に変わりました!
さて、何をやりますか?
 
 
本試験まで1週間猶予があります!
何を最低限やっておきましょうか?
 
 
1か月前、2か月前…
というように、本試験まで時間がなければないほど、
純度の高い、つまり、即得点につながる行動をするはず
ですよね。
 
 
これが、逆算して考えるというものです。
ちょっと考えてみてください。
 
 
 
次回は、具体的に一緒に考えてみましょう。
 
では。
 
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第212回 模擬試験の反省は、具体的に考えること

 22.8.29

 
 
模擬試験の反省は、具体的に考えるべきです。
 
 
なんとなく出来なかった…
あぁ勉強不足だな…
 
と考えることには、本当に何の意味もありません
 
 
下記の記事を参考に、具体的に考えてみましょう。
https://ameblo.jp/goukaku-passport/entry-12375840193.html
 
 
 
模擬試験の成績が悪くて落ち込むということ自体は、
悪いことではありません。
 
ある程度勉強してきた自分がいて、
その結果とのギャップを感じることで落ち込むわけですから。
 
ある程度頑張ってきた自分がいるからこそ、落ち込む
わけです。
 
 
 
ですから、

今の学習方針にどういう微修正を加えれば良いか?
それだけ考えたら、とにかく前に進むしかない。
 
そう思います。
 
 
 
 
それから、模擬試験1回分の結果だけで
全てを判定するのも良くないことです。
 
 
 
例えば、行政法が11問しか取れなかった。
民法が3問しか取れなかった。

あぁ、自分はこの科目の到達度が
まだ足りていないんだなぁ…
と判断するのはまずいということです。
 
 
 
本当に学習は足りていないんでしょうか。
 
 
目標得点まで、あと何問でしたか?
 
 
それを積み増すためには、
どのようなことをしておく必要がありましたか?
 
 
それは、本当に必要な学習ですか?
 
 
 
この辺りまで深く掘り下げておかないといけない。
 
 
もしも、目標得点にはあと4問足りなかった。
 
それを達成させるには、◯◯までやっておく必要があった。
 
これを、今からやるのは現実的ではない。
 
こういうことになるのなら、
それは問題が難しかっただけなのです。
 
 
 
したがって、その1回分だけで
その科目の本当の力を判断することは出来ません。
 
 
 
あくまでも、何回か受験をした上での
平均値で考えないといけないのです。
 
 
 
実際、民法の成績がずっと7問前後で推移していた方で
あるにも関わらず、本試験では3問しか取れなかった
という合格者もいます。
*平成26年度合格者です。平成26年度の民法は明らかに
難易度が高すぎました。
合格者でも4問がやっとというレベルです。
 
 
 
さて、この方は、民法が苦手なのでしょうか。
 
民法をもっと頑張って勉強すべきでしょうか。
 
 
答えは「NO」です。
平均値で見るとは、そういうことです。
 
 
ご参考までに。
 
 
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第211回 答練の活用法

 22.8.22

 
 
答練は、その名の通り「解答の練習会」です。
 
 
そのため、以下のようなことを意識して、取り組まれるとよろしいです。
 
 
 
1 問題の難易度を予測しながら解く
 
 
2 満点ではなく、「合格点」をとるように心がける
 
 
3 知らない知識は、無視する
 
 
 
まずは、問題の難易度を予測しながら解くことが重要です。
 
 
どのような試験でも、問題の難易度にはバラつきがあります。
 
 
そこで、答練においても、簡単な問題や難しい問題を
バラバラと配置しています。
 
 
 
一般的に、難しい問題を全部落としたとしても、
他でミスをしなければ合格点は割らないとされています。
 
 
(単純な指標としては、正答率〇%以上の問題を全部取って、
正答率〇%未満の問題を全部落としても合格点になる、
というものがあります。
実際には、こんな単純な話にはならないのですが、
参考にすべきこととは思います。)
 
 
 
とすれば、試験においては、難しい問題と簡単な問題の区別が
ある程度つくような「眼」が養われていると、相当有利になる
わけです。
 
 
したがって、答練の問題を解く際にも、
取れそうな問題から解くように心がけ、
難しい問題を避けるような訓練をしていくべきである
ということになります。
 
 
(言うのはすごく簡単ですが、実行するのはかなり難しいです。
だから、訓練がいるんですね。)
 
 
 
それから、満点をとるようなイメージは避けること
 
 
各答練会においては、必ず「合格ライン」というものが
設けられています。
 
 
逆に言えば、作問者側は、満点を取らせないようにしている
ということです。
 
 
(本試験で満点を取ることが不可能である以上、
答練においても満点を取れるような設計にすべきではないからです。)
 
 
 
したがって、上記の問題の難易度を予測しながら、
全問全力でいくのではなく、合格点をとるようなイメージで
受けられた方がよいのです。
 
 
 
この話が、次の「知らない知識は無視をする」ということに繋がります。
 
 
満点を取らせないためには、どうしても一般の受験生が
知らないような知識を混ぜて出題をせざるを得なくなります。
(本試験でも、そうですよね。)
 
 
その知識は、あくまでも「練習のために」、そして、
「満点を取れないように」わざと盛り込んでいるということです。
 
 
したがって、その知識を習得しても、本試験対策としては
「ほぼ意味がない」ということになります。
 
 
 
答練において、テキスト・過去問の範疇を超える問題が出ていれば、
 
 
「これは、分からない問題が出たときの対処の仕方を練習してほしいんですよ。」
 
 
「こういう問題に時間をかけないように、きちんと飛ばせていますよね。」
 
 
という作問者からのメッセージでもあると考えておけば良いです。
 
 
 
答練は、活用法を誤ると、
本試験対策に向けてむしろマイナスに働きます
 
 
特に、直前期のナーバスな時期になると、
「なんだよ。こんなこと知らねえよ。これも覚えないといけないのか。」
というように、完全にパニックになってしまう方もいらっしゃいます。
 
 
 
正しく答練を利用し、今後の学習をしてほしいと思います。
 
ご参考までに。
 
  


第210回 直前期における過去問の学習方法

 22.8.15

 
 
この時期の過去問演習について
ご相談を受けました。
 
 
要は、テキストと過去問をしっかりと勉強していくと、
どうしても時間が足りなくなるという相談です。
 
 
 
直前期だから、テキスト等で知識の整理・暗記をしたい。
 
 
でも、問題を解いていないと不安だから、
過去問もやっておきたい。
 
 
どちらもやると、時間がなくなる…
 
 
 
こういうジレンマですね。
 
 
 
以前にも書いていることなのですが
少しアップデートして書いてみます。
 
 
 
問題を解くプロセスは
 
 
 
1 問題文を読む
 
 
2 問題が聞いている条文・判例が何かを確定させる
 
 
3 その条文・判例の内容を思い出す
 
 
4 その内容を問題にあてはめる
 
 
5 正誤判定をする
 
 
 
このように分析できるのではないか
と思います。
 
 
 
もっとも、択一問題を解くうえで
最も重要なプロセスは、2及び3です。
 
 
もっと切り詰めると、2です。
 
 
 
通常、問題を解くために必要な条文・判例知識が何なのかを
確定でき、その内容を正確に思い出すことができれば、
問題を解くことは比較的簡単であるはずです。
 
 
 
したがって、2及び3の工程が上手くいっていれば、
おそらく、今読んでいる問題を正解できる可能性は
とても高いということになります。
 
 
 
よって、直前期における過去問の演習は、
上記の2及び3の部分を中心に行い、
その後の4及び5のプロセスを省略してしまう
というのが一つの手です。
 
 
 
例えば、以下のような問題を読んでみてください。
 
 
 
Aが登記簿上の所有名義人である甲土地をBが買い受ける旨の契約(以下「本件売買契約」という。)をAB間で締結した。甲土地はAの所有に属していたところ、Aの父であるDが、Aに無断でAの代理人と称して本件売買契約を締結し、その後Dが死亡してADを単独で相続したときは、Aは、Dの法律行為の追認を拒絶することができ、また、損害賠償の責任を免れる。(行書H3029-イ)
 
 
 
この問題は、
 
 
「Aに無断でAの代理人と称して」、
「Dが死亡してAがDを単独で相続した」
 
 
というところがキーワードです。
 
 
 
ここを読んで、「あ、無権代理。」と思い、
「あ、無権代理と相続の話だ。」
 
 
と思えたとします。
 
 
 
無権代理と相続の論点だと気づくことができているわけですから、
その内容を思い出すことが出来れば、絶対に答えを出せるはずです。
 
 
 
ここで、問題文の検討を止めます。
 
 
 
すぐに、解答を見て、論点が合っているかを確認します。
 
 
合っていれば、その問題は解けたものとして、
次に進んでしまいます。
 
 
 
これで大丈夫なのか?
 
 
 
大丈夫です。
 
 
 
なぜならば、当該論点の内容の整理・暗記は、
テキストの読み込みを通してきちんと行っているからです。
 
 
問題を解く意味は、
テキストの内容を適切な時に思い出すことができるか否かの確認のため
ですから、これでも良いのです。
 
 
(もちろん、学習の初期段階でこれを行っても
あまり効果は高くありません。
あてはめというのはちょっとコツがいりますから、
ある程度問題慣れをしてこないと省略できないのです。)
 
 
 
これが、いわゆる問題・解答同時演習という方法論です。
(ドラゴン桜が元ネタです。非常に素晴らしい方法論だと思います。)
 
 
 
もし時間が足りないということであれば、
問題演習は、上記のように「論点当てゲーム」のように
こなしてしまうと良いかもしれません。
 
 
 
残りの時間を整理・記憶に当てると、
かなり効率的な対策が出来るのではないかと思います。
 
 
 
ご参考までに。
 
  


第209回 結局のところというお話

 22.7.25

 
 
こんにちは。
平林です。
 
 
時代の流れで、スマホやスタディサプリや
色々なものが登場しておりますが、
学習法の基本的な方向性は変わっていません。
 
 
 
結局、重要なことは
 
 
これと決めたモノについて、これでもかというくらい読み込む。繰り返す。
 
 
ということ。
 
 
 
同じモノを、何度も繰り返し読んで刷り込む。
 
 
ということ。
 
 
 
 
徹底した反復学習
 
 
 
ここなんですね。
 
 
 
 
また、
 
 
基本知識から順序立てて考えられる力
 
 
これは、全ての試験の本質ですね。
 
 
 
暗記すべき量が多い試験であっても、
基本知識からきちんと立論する力を
意識しておくことが重要です。
 
 
 
直前期になると、どうしても
細かい知識を追い求めがちです。
 
 
しかし、重要なことは
 
 
細かい知識を「覚える」のではなく
 
 
「基本知識から捉えると原則的なのか?例外的なのか?」
ということを押さえること
 
 
です。
 
 
 
 
ある知識を習得する際に必要なことは、
 
 
どういう基本知識から派生した問題なのか。
 
 
を捉えることです。
 
 
 
これを忘れないように。
 
 
 
では!
 
 
  


第208回 処理速度を上げる最大のコツ

 22.7.18

 
 
よく相談される事項の一つに
 
 
 
問題を速く処理するためには、どうすればいいでしょうか?
 
 
 
というものがあります。
 
 
 
 
これに対する回答は、主に2つ。
 
 
 
1 処理手順をマニュアル化出来る部分については、あらかじめマニュアル化しておく
 
 
2 当たり前の領域を引き上げる
 
 
 
処理手順は、あらかじめ考える順序を確定できるものを
「処理手順ノート」のような形でまとめておくことを
お勧めします。
 
 
 
もっとも、これだけでは不十分です。
 
 
 
処理マニュアルというのは、
あくまでも「手順の確立」です。
 
 
 
やり方が分かるということと、
それを「ミスなく」、「素早く」行うということは
全くの別問題です。
 
 
 
処理手順を確立したら
確実に実行できるように訓練です。
 
 
 
何回も何回も泥臭くやり込むのです。
 
 
 
すると、今まで考えないと出来なかったことが、
何も考えずに「自動的に」することができるように
なってきます。
 
 
これが重要です。
 
 
およそ試験において重要なことは、
いかに「頭を働かさずに、自働的に行うことができるか」です。
 
 
 
はっきり言えば、考えているうちは
まだまだ修行が足りないということです。
 
 
 
1回、2回くらい試してみて、
「上手くいかないんですよね。」というのは、
 
 
 
あなた、試験のことなめとるんか?
 
 
 
制限時間の中で、問題を解くという訓練に対する認識が
甘いと言わざるを得ません。
 
 
 
処理手順が確立していないのであれば
まずは王道と思われる手順を学びましょう。
 
 
手順はある程度分かっているというのであれば、
それを何回も繰り返して自分のものにしましょう。
 
 
 
こういったシンプル思考は、
本当に重要なことだと思います。
 
 
では!
 
 
 
  


第207回 学習に迷いが生じたら‥

 22.7.11

 
 
学習に迷いが生じたときは、
やはり過去問に戻るべきです。
 
 
 
過去問をしっかりと読んで、
 
 
『問われている知識の幅・深さ・記憶の程度』
などを今一度確認すべきです。
 
 
 
漫然とテキストを読んだり、
適当に模試の復習をするより、
よっぽど過去問を鬼のように読んだ方が、効率が良いです。
 
 
 
1 どのようなテーマが問われていますか
 
 
 
2 そのテーマでは、どのようなことがよく聞かれますか
 
 
 
3 どこまで覚えておけば良いですか
 
 
 
4 該当テーマでよく分からないことが聞かれたら、どういう方向で考えれば良いですか
 
 
 
 
こんなことをもう一度しっかりと確認してみましょう。
 
 
 
全ては過去問が教えてくれるはずです。
 
 
 
では!
 
 
 
  


第206回 問題への嗅覚と合格

 22.7.4

 
 
あぁー、この問題…〇〇だから簡単だけど…
 こういうの間違える受験生って多そうだなー。
 
 
 
と感じることがあります。
 
 
 
その嗅覚が働く場合というのを分析してみると
以下のような問題に対して、感じます。
 
 
 
1 基礎概念αと基礎概念βを混ぜ合わせてでたらめにしている問題
 
 
2 単純条文知識だが、他の知識と混同しやすい問題
 
 
3 解答肢だけが基本だが、他の選択肢が細かい知識である問題
 
 
 
 
1は、例えば、意見公募手続と相互保証主義を
混ぜ合わせるような問題です。
 
 
基礎概念の理解はあるものの、
体系的な位置づけがよく分かっていないと
間違えてしまうという問題です。
 
 
 
次に、単純条文知識。
 
 
憲法や行政法に多く出題されるものです。
こういう問題を落とすとなると、
普段の学習の姿勢を見直さなければなりません。
 
 
 
そして、解答肢だけが基本である問題。
 
 
これに気づかないでスルーしてしまうと
難しい知識ばかりと闘わなくてはいけなく
なります。
 
 
 
 
また、「合格しそうだな。」という感覚と
「うーんまだまだ修行しないとダメかな。」
という感覚はどこからくるものなのか。
 
 
これをずっと考え続けていたのですが、
上記のようなところが大きく関係している
ことに気づいたわけです。
 
 
 
つまり
 
 
 
1 基礎概念の正確な理解・記憶
 
 
2 対象となる条文の完全な暗記
 
 
3 自分が知っている知識を探しにいくことができる心の余裕
 
 
 
 
この辺りがしっかりしていると、合格する。
 
 
そうでなければ、合格しない。
 
 
この当たり前のことに改めて
気づかされたわけです。
 
 
反省。そして、すぐに実行。
 
 
これが大事です。
では!
 
 
 
  


第205回 繰り返すときのコツ

 22.6.27

 
 
7月に入ると、同じものをとにかく
淡々と繰り返す学習に突入します。
 
 
これは、基礎講座の方であれ、
中上級講座の方であれ、
変わりません。
 
 
 
繰り返すときのコツですが、
これは、とにかく
 
 
「理由付け、そうとしか思えないように自分を仕向けること。」
 
 
だと思います。
 
 
自分なりの理解でもなんでもいいです。
もちろん、講義中の説明等でも結構です。
 
 
 
自分が、本試験の現場でテキスト記載の知識が問われたら、
「どのように考えて思い出せるようにするか。」ということを
考えながら何回も繰り返し読んでいく。
 
 
これが、何よりも重要です。
 
 
 
覚えていくという感覚よりも、
「どうやったら、この結論になるとしか思えないようになるかなー」と
考えながら読んでいくのが正解です。
 
 
 
 
行政指導は、あくまでも相手方の任意の協力だから~
 
 
 
とか
 
 
 
敷金の返還請求は、目的物を明け渡した時に発生するんだから~
 
 
 
というような基本的な事項を大切に。
 
 
その基本事項から、なるべく派生させながら読んでいきましょう。
 
 
覚えようとするのではなく、
「派生的に考え抜いてやろう。」
という方向です。
 
 
 
自分自身、昔はこういう勉強方法が全く出来ておらず、
試験を受けても全然成績が上がらなかった記憶があります。
 
 
 
しかし、上記のように、
 
「あぁ、要は、基本事項を常に念頭において考えていき続ければいいのか。
これやってたら、知らない問題が出ても同じように考えていけばいいもんな。
 そうか、基礎が大事だっていうのはそういうことだったのか。」
 
と考えるようになってから、急激に成績が伸び始めました。
 
 
 
ぜひ、トライして頂きたいと思います。
 
 
では、また!
 
 
  


第204回 同じ「こと」を繰り返すのと、同じ「もの」を繰り返すのは違う

 22.6.20

 
 
「同じことを繰り返しながら、違う結果を望むこと、それを狂気という。」
 
 
byアインシュタイン
 
 
 
 
非常に、科学的なお言葉です。
 
 
同じことを繰り返しているうちは、
同じ結果しか生まれません。
 
 
だからこそ、少しずつ違うものを
取り入れる必要があるのです。
 
 
 
この言葉は、少し誤解されてしまうことがあります。
 
 
 
すなわち、
「同じことを繰り返すことは、ダメなのか。
 よし、それでは新しい問題集を買ってきて
 バンバン解いてやろう。」とか、
 
 
「このテキストは1回読んだから、
 違うテキストを読み進めていくことにしよう。」
といったような発想です。
 
 
 
これは、同じ「こと」を繰り返すという「愚かさ」と
同じ「もの」を繰り返すことの「偉大さ」
の違いが分かっていません。
 
 
 
同じ「こと」を繰り返すというのは、
漫然と、ひたすら同じ工程を繰り返すこと。を言います。
 
 
例えば、過去問集やテキストを、何にも考えないで、
ただひたすら繰り返していくというような行動です。
 
 
*こういう行動をされているか否かは、
「回転数」にこだわった言動があるかで分かります。
自分は、過去問集を20回やった。テキストを10回転した。という発言や、
大体何回転すればいいですか?という疑問等がそうです。
同じ「もの」を繰り返すことが重要だと分かっている方は、
そもそもこんなことを気にしません。)
 
 
 
同じ「もの」を繰り返すとは、
同じ「もの」から新たな発見を見出そうと、試行錯誤する
工程を言います。
 
 
例えば、過去問一つ取ってみても、

「この問題のキーワードは、
 どこにするとよりコンパクトになるかな。」とか、

「この条文は、どういう趣旨なんだろう。
 趣旨を構築して、なんとか記憶を保持できるようにならないかな。」とか、

「うーん、ここを一刀両断出来るような大きな考え方はないかな。」

などを考え続けていくような行動です。
 
 
 
色々なことを考えながら、自分の頭に引きつけていく勉強ですね。
 
 
 
これをやろうとすると、過去問とテキスト以外に
手を出す「余裕」がなくなります。
 
 
同じ「もの」を常に新しい目線で見ていかなければならないからです。
 
 
*もう過去問集やテキストから吸収することはなくなった。
新しい発見なんかない。と思ったところから、自分の限界が確定します。
そういう限界を勝手に作るから、手を広げたくなるし、
成長も止まってしまうのです。
 
 
 
過去問・テキストを読む
 

 
前回よりも、もっとコンパクトに理解する方法や考え方を発見するために一生懸命読む
 

 
他に手を広げる余裕がない
 

 
そのまま本試験日が来てしまった
 

 
完全ではないのに合格した
 
 
 
 
これが、一番良いループです。
 
 
 
 
 
過去問・テキストを読む
 

 
ほぼ覚えられたから、新しい「もの」をやろうとする
 

 
どんどん手を広げる
 

 
消化不良が起きる
 

 
本試験で混乱する
 

 
不合格になる
 
 
 
というループが一番まずいです。
 
 
 
 
と、ここでよくあるご相談が、
「それでは、同じものから新しい発見をするためには、
 どういう勉強をすればいいですか?」というものです。
 
 
 
相当きついことを言います。
 
 
 
この質問の隠れた趣旨は、
 
「過去問のキーワードをよりコンパクトにするには
 どうすればいいかを考える、共通の視点を考えてみる。
 勉強してきたことと比較しながら考えてみる。
 ということを常に意識しながら勉強するということは
 分かっているのですが、それはとても大変な勉強であり、
 やる時間も余裕もありません。
 なので、もっと手っ取り早く効率的に出来る方法を教えてください。」
 
 と、結局、どんな方法論を知ったところで、
ここにいきつきます。
 
 
 
自分が知る限り、合格されていった方から、

「いやー、大変な勉強はしたくないんですよね。
 もっと楽に効率よくできる勉強方法はありませんか?
 時間も限られているので。」

という趣旨のご相談を受けた記憶はありません。
 
 
*以前してきたが、合格年度には全くそういう趣旨の相談が
 なくなったという方もいらっしゃいます。
 
 
 
実は、この点を一番考えるべきなのかもしれません。
 
 
 
では、また!
 
 
  


第203回 高速回転におけるコツ

 22.6.3

 
 
行政書士試験の学習も佳境に入ってきた。
ということで、そろそろ高速回転に入りたい。
という相談が増えてきました。
 
 
 
その際、必ず相談いただくのが、
 
 
そんなに早く読めないのですが…
 
 
というものです。
 
 
 
前提として、テキストや過去問等をこなす
時間を短縮する方法は、2つしかありません。
 
 
 
1 書かれている内容の理解を深める
 
 
2 読まないで飛ばす箇所を設ける
 
 
 
当然のことですが、書かれている内容の理解が深まらない限り、
テキストを読むスピードは上がりません。
 
 
今までの学習は、ここを重点的にやっていた。
といっても良いでしょう。
 
 
 
今までしっかりと学習されてきた方は、
おそらく理解がかなり深まってきているはずなので、
学習の当初よりはテキストを読み進めるスピードが上がっているはずです。
 
 
 
しかし、これだけでは限界があります。
 
 
人間が処理することができるスピードに大きな差はありません。
(例外的な場合を除く)
 
 
 
したがって、理解を深めただけでテキストの回転数が
他人と比べて飛躍的に上昇するかというと、
そこまでは上がりません。
 
 
※個人的なイメージでいくと、理解が深まっている場合でも、
読み進めるスピードは2~3倍程度に上がるくらいです。
毎日20頁位が限界だったという場合、40~60頁程度にしか上がらない
というイメージです。
 
 
 
しかし、試験に合格するためには、
1日に100頁とか150頁といったように、
最終的にはかなりのスピードでまわしていかなければなりません。
 
 
 
そのために必要なのが、2です。

つまり、物理的に読む箇所を飛ばしてしまうことです。
 
 
 
試験対策の勉強は、極論、
 
 
できないことが出来るようになる。
 できることが増えれば増えるほど、合格可能性が上がる
 
 
わけです。
 
 
 
したがって、「既に出来ていることを確認していく」という時間は、
試験対策に向けた勉強としてはほぼ意味をなしていないということになります。
 
 
 
そこで、自分の中で、
 
 
「あぁ、この判例のポイントはもう掴めているな。
 しばらく読まなくても大丈夫だ。飛ばしておこう。」、
 
 
「あぁ、この条文の要件・効果は完全に覚えてしまっているな。
 いちいち確認するのは大変だから、飛ばしておこう。」
 
 
 
というように、習得している箇所を丁寧に飛ばしていきます。
 
 
これにより、物理的に読む箇所が減るため、
1と合わせることにより、飛躍的に読むスピードが上がるはずです。
 
 
 
これが、基本的な学習のイメージです。
 
 
 
すると、次に来る相談が
 
 
 
「でも、本当にそこが大丈夫なのか判断がつかないのですが…」
 
 
 
というものです。
 
 
ここについて、別の機会に考えてみたいと思います。
 
 
では。
 
 
  


第202回 徹底した基本の繰り返しこそが、応用力を養成する

 22.5.30

 
 
新しいことや苦手なことを学習する場合
以下の工程を辿ります。
 
 
 
テキストを簡単に一読する
(分からない用語などがあれば軽く調べるくらいで、深くはやらない。)
 

 
該当範囲の問題を読んで、何がポイントなのかを掴む
 

 
そのポイントを、テキストに戻って確認する
(何が、どのように問われたかを端的にメモする。)
 

 
上記の工程から、何をどの程度覚えておけばいいのかを抽出する。
あとは、テキストを読みこみ、時々問題集を読み直して解けるようになっているかを確認する。
 
 
 
 
 
以上、とってもシンプルですが
これが学習の「基本」です。
 
 

自分の知っていることばかり勉強していると忘れがちですが、
どんな学習をするのであれ、この工程を辿っておけば、
必ず合格ラインに行きつくことができます。
 
 
 
まずは、学習の「基本」をしっかりとこなしましょう。
 

 
速読がどうとか、記憶術がどうとか。
その前に、学習の「基本」を忠実にやるべきです。
 
 
 
さて、この工程の中で、知識の習得、
つまりは「理解と暗記」をしていくわけですが、


知識の習得の「基本」は、
 
 
「大きな視点で荒く理解&記憶」をしていき
「徐々に細部を詰めていく」ことです。
 
 
 
知識の習得の基本は、
視点を発見していくことです。
 
 
そして、同じ視点から常に物事を見続けることです。
 
 

すると、違う条文・判例であるはずなのに、
「あぁ…まぁそりゃあそうなるよな。」と
納得することが多くなるはずです。
 
 
納得が出来るのであれば、特に覚え込む必要はなく、
学習する時に同じ視点で見続けるだけでよい。
ということになります。


これがポイントです。
 
 
ここで同じ視点で見ることが面倒になり、
やめてしまってはいけません。
 
同じ視点で、何度も同じ知識を納得し続けることが、
「根本的な思想」を理解することにつながるのです。
 
 
 
逆に、納得がいかない。
 
つまり、同じ視点から考えると矛盾するように
思えるものに遭遇したらどうするか。
 
 
この場合、同じ視点で考えたときの
「不都合性」を見抜きます
 
根本的な思想は同じはずですから、
ある視点から考えると矛盾するということは、
何か「不都合性」があるということです。
 
 
 
その不都合性を捉えていくことが、何よりも重要なのです。
 
 
 
視点を抽出する → 視点から出せるものは全部そこから考えるようにする → 矛盾したら不都合性を捉える
 
 
 
これが、思考力です。
基本的な思考は、「応用力」を生み出します。
 
 
変な角度から問われたり、自分が知らない条文・判例から問われた場合、
上記の思考で考えていけば、一定の結論に達することができます。
 
 
これが、2択症候群を脱却する一番のポイントであると考えられます。
 
 
 
応用力のない知識をいくら増やしても合格は難しいです。
 
 
徹底して、基本を理解しよう。
そして、繰り返そう。
その先に、応用力があります。
 
 
難しいことをやれとは言っていません。
簡単なことを、飽きずに(というか飽きるくらい)
繰り返してくれと言っているのです。
 
 
「出来ない」というのは、基本的には嘘だと思います。
本当は、「出来ない」んじゃなくて、「やりたくない」だけなんです。

基本を徹底的に繰り返すことは、本当に面倒でやりたくないことです。
 
 
でも、これをすることなしに、
合格は本当に難しいです。
 
 
では!
 
  


第201回 現場思考と勘はやっぱり違う

 22.5.23

 
 
現場思考とは
 
あらかじめ学習してきた「条文・判例を思い出す道筋」から
応用させて考えることをいうと定義づけしてみましょう。
 
 
 
これに対して、とは、
 
問題文の事情から一般的な感覚に則して
(つまり、一般人100人にアンケートを取ってみましたという要領で)
考えることをいうと定義づけしてみましょう。
 
 
 
 
本試験等を解いているときには、
全然解けている感覚がなく、「あぁ…これはダメだ…」
となっているにも関わらず点数が高い方っていますよね。
 
 
そして、上記と同じ感覚であり、かつそのまま点数が低いという方も。
 
 
 
この違いは、「現場思考」で解いているのか
「勘」で解いているのかの違いである。
 

これは、間違いないと思います。
 
 

例えば、次のような問題を読んでみてください。
 
 
収用対象とはなっていない土地について、隣地の収用によって必要となった盛土・切土に要する費用は損失補償の対象になるが、それにより通路・溝等の工作物が必要となったときは、当該工作物の新築に係る費用は補償の対象とはならない。(H30-21-4)
 
 
 
この設問は、行政書士試験の範疇外であると考えられます。

土地収用法に関する細かい知識を問う問題は,過去問でも出題実績がないからです。 
 
 
したがって、この設問に対して、
事前に知識として把握している受験生は皆無であったはずです。
(なお、本問全体を解くうえで、この肢を判断する必要はありませんでした。
もし、判断しないと答えが出ない問題であったらという仮定の下に考えてみましょう。)
 
 
 
ここで、損失補償が必要な場合について、
きちんとした道筋から判例等を捉えようと勉強していた方は、
 
特定の人物だけに損失が生じる場合で、特別な犠牲がある場合とかに必要だったよなぁ…、うーん、隣地の収用によって必要となったってことは、特定の人に対してだけ損失が生じているってことだよね。しかも、盛土・切土、通路・工作物か…一般的には結構費用もかさばりそうだよな。特別な犠牲と認定しても問題はなさそう…これは、×かなぁ。
 
 
という要領で、本問を検討することになると思います。
 
 
 
これに対して、勘でいく方は
 
えー、通路とか作る必要あるのに、補償いらないだって。そんなわけないでしょ。こんなのが通ったら、みんな怒るよ。これは、×。
 
 
という要領で、本問を検討することになると思います。
 
 
 
結果的に、どちらも×と判断できているので、
差がついていないようにも思いますが、
後者がいかに危険な橋を渡っているかが分かるでしょうか。
 

一般的な考えが法的な常識と異なることが多々あることは、
学習をしていればいるほど感じられるはずです。
 

後者のように、いつまでも勘で解いているうちは、
ある一定の成績でピタッと止まります。
 
 
以降は、余計な知識のせいで基本知識がブレて間違えたり。

それに気づかずに、さらに知識を増やそうとしたり。
 
いわゆる泥沼というやつです。
 
 
この辺りの感覚が身についてくると、
択一式の成績はかなり安定してくるはずです。
 
 
なお、行政書士試験においては、
上記のような現場思考が出来なかったとしても
法令等科目であれば20/40問くらいは取れます。
残りの20問から、なんとか8問前後取りたいというイメージです。
 
 
上記のような点数に届かないという方は、
単なる勉強不足です。
まずは、過去問ちゃんとやりましょう。
 

上記と同じくらいの点数で止まっているという方は、
普段の勉強の中で、
「一定の道筋から条文・判例を思い出す」
という工程が不足しています。
 

分からないことに対して、勘でやっているうちは、
試験には通らないと思います。
 
 
一定の道筋から、条文・判例を思い出せるように、
日々テキストを読む。問題を解く。
 

この感覚がどうにか伝わると良いのですが。
では。
 
  


第200回 合格ペース

 22.5.16

 
 
ペースです。
 
 
造語はあまり好きではないのですが、
あえて「合格ペース」という言葉を使ってみました。
 
 
カウンセリングやネットで情報を
見ているときに感じることなのですが、
成績が伸びないと悩まれている方の中には、
 
 
 
圧倒的に勉強量(not勉強時間)が不足している
 
 
 
ケースが多いです。
 
 
 
いや、それだと絶対に合格圏に入らないよと。
 
これを、「合格ペース」と定義しておきましょう。
 
 
 
自分の考える合格ペースは、以下のとおりです。
 
 
行政書士試験の場合、合格者のレベルを聴く限り、
2週間程度で全科目を全回転している方が多い。
 
 
 
また、今の時期は、一週間で100150頁分
(どちらかというと150に力点があります)の
テキスト及び過去問をこなされている方が多いです。
 
 
 
時々、1日5頁とか10頁分の学習をしている
という話を聞きますが、そのペースだと、
覚えたことを忘れるほうが早くなってしまい、
せっかく勉強した時間が無効化してしまいます。
 
 
 
 
まずは、自分の学習が合格ペースになっているか
を検討するべきです。
 
 
 
 
合格ペースに達していないという場合、
やり方に大きな変革をもたらすべきです。
 
 
 
では。
 
 
  


第199回 試験勉強の基本中の基本

 22.5.9

 
 
試験勉強の基本中の基本のお話です。
 
 
読む人によっては、
「いやいや、そんなの当たり前でしょ。」
と思うような内容かもしれませんが
実はこの「当たり前」が重要なのだと。
 
 
自分は、そう思います。
 
 
 
試験勉強は、大きく2つの勉強しかありません。
 
 
 
1 試験に対して必要な知識が概説されているものを読む(テキスト等)
 
 
 
2 試験問題(過去問題)を解く
 
 
 
そして、重要なことは、

2つの勉強を切り離さないで
相互リンクを意識し続けること

です。
 
 
テキストを読んでいるときは、
テキストの記載内容を頑張って覚えようとする。
理解しようとする。
 
 
問題を解いているときは、
問題の内容を理解し、適切な知識を思い出し
解答しようとする。
 
 
 
これが当たり前だと考えていませんか。
 
 

実は、ここに大きな落とし穴があります。
 
 

上記のような学習は、2つの勉強の「相互リンク」が全くありません。
 
 
端的に言えば、テキストの記載内容と問題文を
完全に分離してしまっているのです。
 
 
 
正しい学習は、この2つを常にリンクさせること
 
 
 
どうするのが正解か?
 


簡単です。
 
 

現在学習している教材を意識しないで読む
というのはあり得ないと思うので、
その逆である

「現在学習していない教材」の方に最大限の意識を置く

のです。
 
 
 
例えば、テキストを読むときであれば、
テキストの記載内容の理解・記憶をすることに重点を置くのではなく、
 
 
当該テキストの記載内容が、
過去問では「どのような角度で、どのレベルまで問われていたか」
ということを思い出しながら読むのです。
 
 
 
「ここの内容は、過去問だと、○○みたいな感じで聞いてきてたよな。
 結構テキストの記載内容をガチガチに覚えていないとダメだったはず
だから、相当ここは力を入れて覚えないと。」
 
 
 
という要領です。
 
 
 
このとき、さらに思い出す道筋も考えます。
 
 
 
「ええと、この部分は、△△という趣旨から考えることが重要だったよな。
この趣旨から××という結論になるんだ。
よし、テキストのこの部分が問題で聞かれたら、今の道筋から思い出すようにしよう。」
 
 
 
というように、思い出す道筋を決めていくのです。
 
 
何回も繰り返していくと、当該道筋がなくても
覚えてしまうものも出てくると思いますが、
それはそれでラッキーと思っておけば良いです。
単なるラッキーです。

だから、常に思い出す道筋を考えることが重要なんです。
 
 
(テキストから目線を外しても、どんな内容だったかを思い出せないんです。
という相談を受けることが多いですが、これは勉強の方法が違うことから
起きる現象です。
正しくは、どういう道筋で思い出していけばいいかが分かりません。
という疑問を持つようになることが正解です。)
 
 
 
逆に、問題を解くときには、
問題を読み過ぎてはいけません。
 
 
必ず、「テキスト」の記載内容を思い出すようにします。
 
問題のテーマ(条文・判例)を把握したら、
当該条文・判例が記載されていたテキストを思い出します。
しかも、決められた道筋で。
決められた道筋で思い出すことが重要です。
 
 
ここで、必要な条文・判例を思い出せたら、
それを問題文にあてはめていきます。
 
 
すると、一応の解答が導かれます。
 
 
このように、問題を読むときは、
問題を読むことに重点を置くのではなく、
 
 
「問題文から、テキストの記載内容を、一定の道筋で思い出すこと」
 
 
に重点を置くべきです。
 
 
 
これが、試験勉強の基本中の基本です。
 
 
このことをまとめると、
 
 
「テキストを読むときは問題を意識して、
 問題を読むときはテキストを意識する。」
 
 
ということになります。
この基本中の基本が出来ていない方が多いように思います。
 
 
 
これが出来るようになると、いわゆる現場思考というものの作法も
分かってくるのですが、それはまた日を改めて書いてみようと思います。
 
 
では。
 
 
  


第198回 あなたはどちらのタイプ?

 22.5.8

 
 
マルチタスクって…何ですか。
 

と、最近よく考えてしまいます。
 
 
昔からそうなのですが、
タスクの異なる内容を同時並行で行うのが苦手です。
 

なので、一つのことを集中的に行うと
他のことが大抵おろそかになります。
 
 
これは性格的な問題だと決めつけているので、
やり方を工夫していくしかないですね。
 
 

資格試験の勉強でも同じです。
 

合格者の中には、
1日中同じ科目の勉強をしていた方や
午前・午後・夜で違う科目をコツコツやられていた方が
いらっしゃいます。
 

どちらが良いというものではありません。
 

これは性格上の問題なので
自分に一番合う方法を採用すればいいのです。
 
 

私が午前・午後・夜に分けて違う科目を勉強しろ!
と言われたとすれば、
能率は…半分程度まで下がるような気がします。
 

そういうものです。
 
 

伊藤塾のある講師は、私とは逆に1日の中で
学習内容を分けていく方針だったはずです。
 
 

勉強というのは、
自分を知ることから始めるのが大事だ。
 
 
と思います。
 
 

では!
 
  


第197回 過去問から離れないように離れる

 22.4.25

 
 
最近の学習相談や内容の質問を受けている中で
ちょっと心配になったことがあります。
 
これがタイトルにも関係しています。
 
要は、あまりにも過去問から逸脱した相談や
質問が増えてきたなということです。
*特定の誰かを指しているわけではありません。
 例の如くですが、念のため。
 
 
 
どんな試験においても、重要なことは
過去問から離れないようにすることです。
 
 
 
過去問から離れないように、
知識事項をしっかりと理解・暗記すること
 
 
これが合格への最大の近道なのだということを
もう一度確認した方が良いと思います。
 
 
 
過去問だけでは足りない?
 
 
 
もっと広げていかないと?
 
 
 
合格に近い勉強をしている方は
以下のような質問が増えてきます。
 
 
 
1 ○年度の問題△と○年度の問題□の結論がどうして変わるのかが分からない。
 
 
 
2 ○年度の問題△は、どういう理由でこの結論になっているのかが分からない。
 
 
 
3 ○年度の問題△の類似知識で見ておいた方が良いものは何かあるか。
 
 
 
4 この条文・判例は、どこまで覚えておけばいいか。
 
 
 
 
ざっと挙げると、こんな感じです。
 
 
 
 
とにかく、過去問にこだわって
その部分を徹底的に理解・暗記しようとするからこそ
出てくる疑問。
 
 
また、下手に手を広げないように
慎重に手を広げているからこそ出てくる疑問。
 
 
 
最近、意識がちょっとズレてしまっている方が多いようにも思えます。
 
 
今一度、学習の方向性を見定めてみる
いい時期かもしれません。
 
 
 
では。
 
  


第196回 どこまで覚えればいいか?

 22.4.18

 
 
最近、特に「条文」の暗記についての認識に
差があるなぁと感じることが多いです。
 
 
覚え込みの「認識」の差です。
 
 
数回受験して不合格になっている場合
例外的な場合を除いて、認識のレベルを見直した方が良いでしょう。
 
 
たとえば、次の問題は、認識レベルの差を体感できるものと思います。
 
 
次の空欄にあてはまる語句を挿入せよ。(H27-12改)
 
 
申請 ―― 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の[ ア ]に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が[ イ ]をすべきこととされているものをいう。
 

不利益処分 ―― 行政庁が、法令に基づき、[ ウ ]を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。
 

行政指導 ―― 行政機関がその任務又は[ エ ]の範囲内において一定の行政目的を実現するため[ オ ]に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
 
 
 
この問題は、本来であれば語群がありますから
それをヒントにしてもなんとか解答できるはずです。
 

もっとも、語群がなければ解答できないようであれば、
その受験生が合格する可能性は、ほぼ0でしょう。
 
 
行政手続法では、定義を正確に覚えられているかが繰り返し問われています
 

このような問題に対応するためには、
定義を正確に暗記していく必要があるわけです。
 

もちろん、丸暗記は無理ですから、
概念の理解を前提にして構いません。
 

また、本試験では、本当にまっさらな状態から
定義を言わせることはありませんので、
最初の数文字はヒントとして見ても良いでしょう。
(たとえば、行政指導の定義であれば、
「行政機関がその任務~」までは答えを見ても良いということ。
そこから先を諳んじて言ってみるわけです。)
 
 
ここで、ある受験生Aは、こう考えます。
 
 
「あー、こういう定義を聞いてくる問題があるんだ。まぁポイントをしっかりと覚えておけばいいかな。どうせ、定義を正確に暗記するなんて無理だし。」
 
 
 
これに対して、ある受験生Bは、こう考えます。
 
 
「うわー、定義の穴埋め問題か。結構出題されてるよなぁ。どこが抜かれるか分からないし、似たような言葉が出たらパニックになるなぁ…よし、ここは多少の助詞のミスは多めに見るとしても、ほぼ全て言えるくらいに覚えておこう。」
 
 
この場合、受験生Bが正解です。
 

とかく、受験生Aは、不正確な知識が多く
また、手を広げていく方向にあります。
 
 

受験生Aは、暗記という認識レベルの差が甘すぎます。
その程度の暗記では、本試験では歯が立ちません。
しかし、それで十分だと本人は思っている。
 

だから、模擬試験や本試験で成績が伸びないのがどうしてか分からない。
 

だから、模擬試験や本試験で問われた未知の知識をさらに押さえようとする。
 

しかし、それが原因ではないので、成績は伸びない。
 

また、未知の知識を押さえようとする。
 

…以下繰り返し。
 
 
本来は、受験生Bのように、
基本的な知識を「正確に」押さえることに集中すべきなのです。
 

受験生Bのように、正確に覚えようと努力をすると、
些末な知識に付き合っている暇がまずなくなります。
手を広げたくても、広げる余裕がないのです。
 
 
単純な知識レベルでいえば、受験生Aの方が高いでしょう。
 

しかし、本試験で闘わせると、100%受験生Bが勝ちます。
 
 
本試験では、応用的な知識で差がつくことはまずなく、
基本的な知識の正確な理解・記憶で差がつくからです。
 
 
成績が伸びないと悩んでいる方は
この認識をもう一度あらためるべきです。
 
 
では。
  
 
  


第195回 学習が乱れた場合のキャッチアップ法

 22.4.11

 
 
学習環境が大きく変わったため
乱れが生じている方も多いかなと思います。
 
 
この場合、どうすればいいのだろうか。
 

自分が考えるキャッチアップ法は
以下のとおりです。
 
 
1 オールリセットをかける

2 講義等の受講の方法を見直す

3 問題中心の学習に切り替える
 
 
 
まず、オールリセットをかけること。
 

学習に乱れが生じた場合、予定したものに
大幅な遅れが出ているはずです。
 

場合によっては、予定していたことの2~3割くらいしか
出来ていないという方も多いはず。
 

この場合、学習を立て直そうとして
無理やりリスケをしても、大体上手くいきません。
(というか、上手くいかなかったから、
予定に大幅な遅れが出ているわけで。)
 

そこで、今までの学習については
とりあえずなかったことにして、
一度ゼロベースに戻してしまいましょう。


その上で、現在の学習環境において
最善である方針を立てていくと良いです。

 
最善の学習環境を考えるときに
重要になるのがルーティン化


確実に時間を取ることができる時間を整理し
そこに講義の受講や時間のかかるインプットを行うようにしましょう。
 

最後に、学習の内容をテキストの読み込み等ではなく、
問題演習を中心とした学習に切り替えることをお勧めします。
 
 
というのも、
テキストの読み込み学習というのは非常に負荷が強いため、
心身に乱れが生じているとかなりきついものがあります。


これに対し、
問題を中心とした学習は学習の進行が可視化しやすく
(○問やったというように明確に数字化できるため)
やる気が出ます。
 

一問一答の類を使ったり、
過去問集を使ったりというように
問題を中心に勉強をすることで、
徐々にリズムが掴めてくるはずです。


リズムが掴めれば、問題を読んでいく中で
疑問に思った点や整理したくなった点を、
テキストを読んでまとめてみる。
そんなことまで出来るかもしれません。

 
以上、この3点に注意を払いながら
学習をしてみると良いでしょう。



では。
 
 
 
  


第194回 過去問は解けるのに、初見の問題が解けない。

 22.4.4

 
 
「過去問は解けるのに、初見の問題が解けない」

という現象。
 
 
これは誰もが通る道です。
 
 
原因はいつも自分自身で言っているのですが、
いざ自分の身に降りかかると
「マジかよ…何でだよ…」という気持ちになりますね。
 
 
しかし、ここはグッと堪えて
しっかりと分析→原因発見→修正を図らないといけません。
 
 
原因は、やはり
 

「根拠条文・判例が明確に言えない」
 

ことにあります。
 
 
 
制度趣旨や制度の概要はある程度分かるのですが
明確に要件や効果が口に出して言えない。
 

また、
いくつかパターンかあるうちの一部しか覚えられていない。
 

そういう中途半端な状態です。
 
 
 
そのため、他の制度の要件と少し混ぜて聞かれたり、
他の概念とすり替えて聞かれたりするとすぐに翻弄されて間違える。
 
あげく、価値判断という名の勘で解いてしまい間違える。
 
 
この繰り返しです。
 
 
ここから、過去問の選択肢ごとに、
丁寧に条文・判例を理解して覚え込む。刷り込む。
 
これを徹底させます。
 

ここで手を広げてはいけません。

手を広げないで、
過去問の範疇から徹底的に刷り込む。
 
 
分かってはいるけれど、本当に難しいですね。
 
 
もし、成績が上手く伸びないと悩んでいるのであれば、
もう一度ここを徹底してみましょう。
 
 
過去問で問われている条文・判例は何ですか。
 
 
その条文・判例を明確に言えますか。
 
 
その条文・判例を人に説明できるくらい理解できていますか。
 
 
 
一緒に頑張りましょうね。
 
 
それにしても…受験勉強は大変ですね。
 

では。
 
 
 
  


第193回 なるべく少ない暗記で対処する

 22.3.28

 
 
そろそろ学習が進んできて、
覚えるものもどんどん増えてきている。
 
そんな頃かと思います。
 
 
 
量に圧倒されて、
学習を止めてしまう方が多くなるのも
この時期が一番多いです。
 
 
 
覚えることが多いな…と考えたら
とにかく、「定義」、「趣旨」の理解を徹底
してみましょう。
 
 
 
行政書士試験は論文式の試験ではないので
結構「定義」や「趣旨」が適当に考えられがちです。
 
 
 
しかし、要件・効果、付随する判例などは
元は定義や趣旨から構築されていることが非常に多い。
 
 

そのため、枝葉の知識を覚えるよりは
まず定義や趣旨をかっちりと理解してしまうこと。
 
 
そして、常に、それらを意識してみること。
 
 
この要件は、定義を場面みたいにしているだけじゃないか。
とか
 
 
この判例は、趣旨から考えたら
当然のことを言っているじゃないかとか。
 
 
 
常に考え続けること。
 

 
考えて出す訓練をすること。

 
 
これが、本当に大事です。
 
 
 
単なる暗記は、本当に脆いものです。

ちょっと語調が変わっただけで
分からなくなることも多々起こります。
 
 
(たとえるなら、「6+4=10」と暗記しても
「3+7=?」となってしまうということです。)
 
 
 
覚えるのが大変だと思うなら
発想を逆転すること。
 
 
なるべく覚えないで対処するためには
最低限どこを覚えておき、
そこから、どのように考えるようにすればいいのか。
 
 
こういうことをずっと考え続けるのが
大事だと自分は思います。
 
 
 
体調に気を付けながら
また頑張っていきましょう。
 
 
 
では。
 
 
 
  


第192回 大量の過去問の処理方法

 22.3.21

 
 
行政書士試験で言えば、行政法。
 

過去問だけでも300~500問以上ある場合、
それをこなすだけで精いっぱいで他のことに手が出せないと。
 

こういう状態です。
 
 
 
行政書士試験の場合、
大量の行政法の過去問を目の前にして、
学習のスピードが急激に落ちる。
 
 
もし、自分が大量の過去問を処理しなければならない場合、
以下のようにこなしていくことにしています。
 
 
まずは、講義や基本テキストを読んで概略を把握します。
 

講義であれば、該当範囲の理解が進みやすいので
あるがままに聴いていけば大丈夫。
 

基本テキストを読んでいく場合、
理解がとても進むということは考えにくいので
項目と簡単な概念が分かれば十分くらいのイメージで大丈夫です。
 
 
 
その後、すぐに過去問に取り掛かります。
 

過去問に取り掛かったら、
問題文に、すぐに解答を書き込んでしまいます。
 

○ 1
× 2
× 3
× 4
× 5
 
 
といった要領です。
 
 
 
次に、問題文と解説を比較して読みながらポイントを掴んでいきます。
(※講義やテキストの内容を思い出しながらいくイメージ。)
 
 
その上で、そのポイントと思われる部分に印(マーキング)をつけていきます。
 

その際、「そりゃそうだよなぁ。普通そうなるよ。」と考えられたものは、「当然」という意味で、「ト」と付けてみたり、「◎」とつけてみたりします。
 

「普通そうなるよ」と現時点で考えられるのであれば
後で解いても解ける可能性が高いからです。
 
 
よく分からないものは、「うん、よく分からないな。」と思った上で
適当に飛ばしておきます。
「?」とかでもつけておくと良いでしょう。
 

まずは、ざっと1周することが目的なので
分からないものは気にしません。
 

ついでに言えば、とんでもなく長文の問題であれば、無視しても大丈夫です。
論点を学ぶためには、コストパフォーマンスが悪い可能性があるからです。
 
 
 

 
 
問題集を加工すると、このようになると思います。
 
 
ちなみに、「ウ」の記述に打つ消し線が入っていますが、
これは、他の問題において既に読んだことがある問題であることを表しています。
 

この場合、再びこの問題で「ウ」の記述を読んでも時間の無駄なので
削り取っています。
 
 
こうすることにより、1周目でかなり問題をスリム化することができます。
 
 
このような形で、まずは過去問集を3周くらい読んでしまいます。
 
 

そうすると
 
 
大体どのようなことが問われるのか。
 

また、
 
 
どの程度細かく問われるのか。
 

このようなことが分かってくるはずです。
 
 
 
ここから、一気にテキストを読んでいくことになるのですが
またこの話は追々。
 
 
まずは、 大量にある過去問をどんどん読み下していくことが重要です。
 

過去問は解くものと思っているうちは
まず過去問を制覇することは不可能だと思います。
 
 
では。
 
 
  

第191回 平均的な受験生は無視をすること

 22.3.14

 
 
行政書士試験は、
基本的に「落ちる」試験です。
 
行政書士試験の合格率は、12%程度。
 

100人中約90人は平気で落ちる試験だ
ということを、まずは自覚すべきです。
 
 
ここから、非常に単純な事実が導かれます。
 

それは、「平均的な受験生」でいるうちは
絶対に合格しないということ。
 
 
 
どこかのタイミングで「普通」よりも
少し上を目指す必要があるということです。
 
 

実は、この辺りを意識できていない方は
かなり多いです。
 
 
「みんな」そんなに朝早く起きて勉強なんかしないよね。
 

「みんな」毎日記述式の問題を1問解き続けるなんてやってないよね。
 

「みんな」過去問を全年度やってなんかいないよね。
 
 
「みんな」という言葉。
 

おそらく、上記のことは事実です。
 
多くの受験生は、早起きして勉強なんてしていないだろうし
隙間時間に勉強をしているということもないでしょう。
 
 

(例えば、よく分かるのは、電車の中です。
電車の中で、何か勉強・仕事のようなものをやっている人は
どれだけいるでしょうか。
 
いつもの風景で眺める限り、1割くらいしかいないはずです。
これが普通です。
 
電車の中の移動時間くらい好きなことやりたいです。寝たいです。
それが当たり前です。)
 
 
しかし、合格率から考えれば、「みんな」というところに
埋没しているうちは絶対に合格しません。
 
 
 
「みんな」よりも、ちょっとだけ努力をする。
 
 

自分が平均的な受験生よりも
優秀な頭脳を有しているという自負がない限り、
 
絶対に「みんな」よりちょっとだけ
努力を重ねる必要があります。
 
 
 
もう一度確認してみましょう。
 
 

自分は、合格者の平均に達しているだろうか。
 
 
受験生の平均に過ぎないではないか。
 
 
 
こういう厳しいところに目を向けることを
忘れないようにしてほしいと思います。
 
 
では。
 
 
  


第190回 できることを削りとることが大事

 22.3.7

 
 
さて、勉強時間が限定されれば
されるほど大事なってくることは
 
 
「削り取る力」
 
 
です。
 
 
 
 
極論、試験勉強というのは、
「点数を取るゲーム」です。
 
 
 
点数を取るためには、
出題される問題を数多く取れば良い
ということになります。
 
 
 
問題を数多く取るためには、
「できること」を「増やさなければ」
なりません。
 
 
 
試験勉強の最大の本質は、
 
 
 
「できないことをできるようにすること」
 
 
 
です。
 
 
 
 
理解出来ていないところを理解する。
 
 
 
覚えられていないところを覚える。
 
 
 
これを繰り返せば絶対に合格する。
という道理です。
 
 
 
 
したがって、勉強においては、
 
既にできることを削り取っていくことが何よりも重要
 
なのです。
 
 
 
例えば、民法の詐欺取消前の第三者の話や行政法の即時強制のお話。
忘れたくても忘れられますか?
 
 
勉強を続けている人からすると、
忘れる方が無理という状態のはずです。
 
 
 
こういうところをほとんど勉強しないで置いておき
本試験の直前に1~2回くらい見直していくくらい
に留めて、普段の勉強から削り取るのが重要です。
 
 
 
「できる」という感覚をお伝えするのが難しいのですが
個人的には、当該論点を見た瞬間に、
「え~と」というように2~3秒考える時間も必要もなく
ポンっと知識が浮かぶレベルを指すものと考えておいてください。
 
 
 
例えば、
 
 
即時強制といえば?
 
 
と聞かれたら
 
 
 
法律上の義務が課せられていない。
 
 
行政上の目的を達成するために必要な措置ができる。
 
 
 
ということがふっと頭から出てくる感覚。
 
 
 
ここまできているものを
いちいち見直す必要はないのではないか。
 
 
逆に言えば、
この「できる」ことの確認時間を減らせば減らせるほど、
合格するまでの勉強時間が短縮される
 
 
 
ここを常に念頭におくようにしてほしいと思います。
 
 
 
では。
 
 
 
  


第189回 理想ラインと最低ラインを知る

 22.2.28

 
 
学習のノルマを設定されている方は多いと思いますが、
それをかっちりと達成していくことが出来るかというと
 
 
…うーん。
 
 
こんな感じになってしまっている方が
多いのではないでしょうか。
 
 
 
これ、自分もそうでした。
 
 
 
なんでなんだろう…とよく考えてみると
 
 
ノルマ設定を、
「何もトラブルがなければこのくらいは出来るよね。」
という感覚で
していたから
であるということに気付きました。
 
 
ここでは、これを理想ラインと呼ぶことにします。
 
 
 
理想ラインを達成することは、かなり難しいです。
 
 
 
急な仕事が。
 
 
残業が。
 
 
子どもの機嫌が悪い。
 
 
疲れて眠い。
 
 
などなど。
 
 
 
理想ラインを達成する妨げは、挙げればキリがありません。
 
 
 
そのため、ノルマを設定する際は
 
必ず最低ラインも設けておくこと
 
をお勧めしています。
 
 
 
理想は、
テキスト30頁と該当範囲の過去問をしっかり読むこと
だけれども
 
 
最低ラインとして、
まずはさらっと読んで
理解があまりできないところを炙り出すくらいでいいや。
過去問も出来れば読むくらいにしておこう。
 
 
 
最低、テキスト30頁に目を通す。
理解度は低くても、それが読めていれば、
とりあえずノルマ達成としよう。
 
 
こんなイメージです。
 
 
30頁を下回るのは、
学習スケジュールが崩れるのであまり良くありませんが、
その精度を下げるのはありです。

どうせ、10回も20回も触れるものです。
いま適当に触れていても大丈夫。
 
 
大事なことは、日々淡々と。
とにかく、勉強を進めることです。
 
 
気持ちが緩む時期です。
緩んでも構いませんが、淡々と勉強することだけは、
忘れないようにして欲しいと思います。
 
 
では。
 
 
 
 
  


第188回 当たり前の思考を磨くこと

 22.2.21

 
 
択一式の問題を解くときの、
当たり前の考え方をもう一度、確認しておきましょう。
 

択一問題を解くプロセスは
 
 
1 問題文を読む
 

2 適用条文・判例を確定させる
 

3 問題文にあてはめる
 

これだけです。
 
 

個人的な印象では、
択一問題の得点が安定しない方は、
問題文を読んだ後の「適用条文・判例の確定」が弱い
気がします。
 

問題文を読んで、
「あぁ、確かそんなようなことをテキストで勉強した気がするなー。」
と思って○にしたり
 

「えー?そんなだったっけ?何か違った気がするなー。」
と思って×にしたり。
 

せっかく勉強したことをあまり使わないで
問題文の雰囲気とその場のノリで解いている方が多い。


知識が曖昧で…っていうのも本当ですかね?
 

本当はしっかりと覚えているところなのに
きちんと適用条文・判例を確定させてから
問題文を読んでいないから流されてしまっただけ
なのではないでしょうか。
 

この辺りは、もう一度丁寧に考えてみる必要があります。
 
では。
 
 
 
  


第187回 帰る前の30分

 22.2.14 

 
 
勉強時間の確保は、
働きながらの受験生には必須の課題、
ですよね。
 
 
一般的には、平日2~3時間の確保が必要だ
と言われておりますし、自分もそう思います。
 
 
これを実行しようと考えるのですが、なかなか難しい。
 
 

例えば、
朝の1時間。昼の30分。帰りの1時間。帰宅後1時間。
 

理論上は、細切れ時間を除いても
3.5時間は出来そうな気がしますが、
体力がついていかない。
 

そういうことが多いと思います。
(自分は、帰りの1時間というのが結構試練だったりする。)
 
 
 
やってみると、実際上は、
朝30分、昼0分、帰り30分、帰宅後30分。
 

と、合計1.5時間くらいに留まってしまうケースが
多いような気がします。
 

勉強は時間数では測りきれませんが、
1日の学習が1.5時間では明らかに合格に値する絶対量としては
不足しています。
 

なんとか、最低でも2時間は確保したい。
 
 
そこで、最近お勧めしているのが、
帰る前に、自宅近くで30分~1時間寄り道しよう
大作戦です。


自宅に帰るまでは、
「よし、少し休んだら、1時間勉強しよう!」
と意気込んでみたものの
 

帰った瞬間に
 
「あれ?なんかちょっと眠気が…」

「うわ、そうだ、あれやっといた方がいいよな…」

「帰ってきた途端に、何か頼んでこないでよ…
 こっちは勉強したいのよ…」
 
なんてことがよくわるわけです。
(後者2つは、女性の受講生さんからのご相談がとにかく多い。
 家事等の負担が、女性側に寄っているという政府の統計は
 本当なんだなと思う瞬間です。
 もちろん、全ての家庭がそうというわけではありません。)
 
 
 
もし、自宅に帰って学習の妨げとなることが多いということであれば
ここは自宅「近く」までは帰るものの、30分~1時間程度、
カフェ等に寄り道をして勉強をしてみると良いかもしません。

(30分~1時間程度残業をしたと…脳内変換するイメージ)
 

自宅近くまで帰るというのがミソです。
帰宅するだけでも、結構体力は消耗します。


勉強した後に、
「うわー今から帰るのか…」
となるとまぁ大体続きません。


そこで、自宅近くまでまずは帰ってしまうことが重要です。


最寄り駅に勉強スペースがあれば良いですが、
なければ、2~3個前の駅だった構わないです。
 

自宅に帰った際の脱力感。
やらないといけないことへのプレッシャー。


これらを全て忘れて、30分~1時間程度没頭する。


2時間とかは無理なので、30分程度です。
これをやるだけでも、随分と学習時間に幅が出来るはずです。


実は、慣れてくると、直行で自宅に帰っても
 勉強モードにすぐに脳内が切り替わるようになります。
 それまで続けてみると良いかもしれません。)
 
 
お悩みの方は、ちょっとやってみてください。
 

では。
 
 
 
  


第186回 ひたすら問題を解きまくる「だけ」で足りるか?

 22.2.7 

 
 
ひたすら過去問を解くという
勉強法が流行した時代があります。
 
 
結論から言えば
この勉強法は「とても有効」です。
 
 
極論、試験というのは、
問題が解ければ良いわけです。
 
 
問題が解けるようになるには、何をすればいいか。
 
 
答えは簡単。
問題を解けばいいのです。
 
 
 
特に、学習の初期段階では、
この「問題を解きまくる」という勉強法がとても有効です。
 
 
 
『どんな問題が出るのか。』
 
 

『どういうひっかけがあるのか。』

 
 
『どの程度詳細に問われるのか。』

 
 
『どの程度まで学習しておくべきか。』
 
 
 
これらを知るためには、
問題を何回も読んで体得していくしかないから
です。
 
 
 
実は、自分も問題を解きまくる勉強法というのは
やっていました。
 
 
例えば、民法であれば、500問くらい掲載されている問題集を
ひたすら読んでいました。
それこそ、正答率も90%程度までに上がるくらいです。
 
 
 
しかし、これだけやったのに、
答練・模試、本試験では全然問題が解けなかったのです。
 
 
民法をあれだけやったのに、
いつも正答率が40%前後だったんですね。
 
 
 
この時は、

何であんなに問題を解きまくって
いるのに、点数が上がらないんだろう…

とかなり悩みが深かったです。
 
 
 
そこで、もう一度勉強法を見直してみると
当たり前のことに気づいたんです。
 
 
 
自分は、問題を解くときに、
 解いたことのある問題を
 思い出して解いているよな。
 
 
でも、問題が聞いているのは、
 解いてきた問題ではなくて、条文・判例の方だよな。
 
 
「ということは…
 そうか。問題を解きまくって出てきた条文・判例を
 しっかり読み込んで覚え込む。
 
 
「そして、問題を解くときは、『解いてきた問題』ではなく、
『条文・判例』の方をしっかりと思い出して解けばいいんだ。
 
 
 
と。今から思えば、
そりゃそうだろという話です。
 
 
でも、当時の自分にはこの視点がなかったわけです。
 
 
 
ここから一気に点数が伸びていくことになるの
ですが、まぁこの辺りは話は追々していきます。
 
 
 
実は、問題を解きまくる勉強を推奨されている方は、

本当に問題を解きまくる勉強「だけ」を繰り返していたわけではない

のです。
 
 
 
例えば、ある著作の著書は、最終的には
テキストの読み込みをしっかりと行っています。
 
 
また、肢別過去問集を推奨される方は、
最終的に図表系統の知識総整理本を併用しています。
(このことをあまり紹介せず、問題をとにかく
繰り返し解けばいいんだというアドバイスだけを
するのは、悪意すら感じます。)
 
 
 
知識を整理・記憶しながら、問題を解いていく。
 
 
聞こえはとても良いですが、
こういった連動学習は、通常無理です。
 
 
 
したがって、
まずは問題を解きまくるという
シンプルな学習を先行させること。
 
 
すると、段々と問われるポイントや覚えなければならないこと。
また、どうしても分からないところ。
 
 
こういったことが明確になってきます。
 
 
 
その上で、テキストを読みこんで
条文・判例を覚え込んでいく。
 
 
 
こういう工程を経ることが一番良いと思います。
 
 

行政書士試験には、まだ時間があります。
問題を解きまくる学習を、とりあえず6月末くらいまで
はやりましょう。
 
 

そこから一気に条文・判例の覚え込みに入るように
してみてください。
 
 

では。
 
 
 
  


第185回 正しい方向で努力を重ねる

 22.1.24 

 
 
資格試験は、特殊な能力がなかったとしても
「正しい方向で」努力を重ねれば、
必ず合格ラインに乗っかります。
 
 
 
逆に言えば、誤った方向に努力を重ねても、
全く意味がない。
 
文字通り、「無駄な努力」と
認定されてしまうのです。
 
 
 
正しい方向は、常に過去問が教えてくれます。
 
 
 
迷ったら、とにかく過去問を読んでみましょう。
 
 
 
過去問では、
どのような「テーマ」が、
「どのくらいの深さ」で、
「どの程度」問われていますか。
 
 
 
これを参考にしながら、
とにかく学習を進めることが肝要です。
 
 
 
それから、正しい方向にいっていても、
「努力」をしなければ、基本的には合格できません。
 
 
 
極論、試験なんて
 
 
 
1 出来ないことを出来るように
 
 
 
しつつ
 
 
 
2 出来る部分のメンテナンス
 
 
 
さえし続ければ
いつかできるという道理です。
 
 
 
 
すごくシンプルに勉強を捉えてみましょう。
 
 
 
 
既に出来る部分と、出来ない部分にかける時間が
同じになっていませんか?
 
 
 
 
出来る部分のメンテナンスを怠っていませんか?
 
 
 
 
長く力を保持するために
どのような工夫をしていますか?
 
 
 
 
こういう部分が明確に回答できる方は
その方向性で勉強している限り
絶対に大丈夫であるといえます。
 
 
 
すごくシンプルな内容を書いてしまいましたが、
最近、技巧的なご相談が増えてきたような気がしたので
改めて確認させて頂きました。
 
 
 
シンプルなことを確定させてから、
技巧的な部分にこだわるという姿勢が
重要かもしれませんね。
 
 
 
では。
 
 
 
  


第184回 民法の学習の注意点

 22.1.17

 
 
民法の学習の注意点を
書いてみようと思います。
 
 
 
1 問題を読んでイメージ掴む
 
 
民法は、その性質上、
具体的な事例を想定しておくと、
理解がとてもしやすくなります。
 
 
したがって、まずは、過去問や
一問一答集などを読んで、
「あぁ、こういう感じで聞かれるのか。」
というイメージを早めに掴んでしまいましょう。
 
 
 
2 論点名を見た(抽象的な問題を見た)だけで、どういう場面なのかが想定できるようにする
 
 
例えば、「制限行為能力者の詐術」とか
「仮装債権の譲受人の94条2項の第三者該当性」
とかです。
 
 
民法のテキストでは、小見出しで
上記のように付されていることが多いので
それを見ただけで「どういう場面なのか」
ということを想起できるようにすることが
とても重要です。
 
 
すると、段々と抽象的なものを
「抽象的なまま」認識できるようになります。
(実は、民法はこの力が重要。具体的な事案が
なければよく分からないというようでは
民法の実力は全然ないといっても良い。)
 
 
 
3 テキストの事案を変えない
 
 
テキストの事案を変換して
色々と考えてみるということは
実は超上級者には有用です。
 
 
逆に言えば、相当の実力がない限り
事案を変えてあれこれ考えると
大抵よく分からない議論に突入します。
 
 
しかも、それは条文の射程にも、
判例の射程にも入らないような
問題になってしまったり、
完全に何かの議論と矛盾した話になることが多いです。
 
 
 
したがって、
テキストの事案を変えて考えるということは
厳禁です。
 
 
むしろ、テキストの事案が
「なぜ、そういう結論になるのか。」
ということをしっかりと考えることが大事です。
 
 
本試験において、よく分からないことを
聞かれたら、
「あの時は、なぜそういう結論になったのか。
そこから考えたら、この問題はどうなるか。」
というように対処するのが最も効果的なので
日ごろからこの訓練をすべきです。
 
 
 
4 混乱する知識を整理する
 
 
総則や物権くらいまでならそこまで
問題にならないのですが
民法では「似て非なる知識」が非常に多いです。
 
 
テキストを読んでいる時は
全く違和感がないのにも関わらず、
 
 
問題になると、
「あれ?何かここって違う話がなかったけ?
あれ?何か似たようなことと混乱してきた…」
ということがよくあるのです。
 
 
講義の中では、きちんとページのリンクを
貼っていきますから、それを軸に勉強していけば
いいのですが、合わせて、ノートか何かに
似て非なる知識を箇条書きにまとめていくのも
良いかもしれません。
 
 
もちろん、いきなりまとめようとせず
ある程度学習が進んできた段階で
という話になりますけれども。
 
 
 
この辺りが、民法の学習の注意点です。
 
 
問題を軸に、知識をきっちりと比較しながら
抽象的な議論を飲み込めるようにする。
これがポイントだと思います。
 
 
ご参考までに。
では。
 
 
 
  


第183回 圧倒的に朝型が試験を制する

 22.1.14

 
 
朝起きて、動いて、夜に寝る。
 
 
こういう一般的な生活をしている場合、
夜に向かうにつれて体力はどんどんと
消耗していきます。
(体力ゲージみたいなものがあれば
分かりやすいんだろうなと思うことも。)
 
 
 
したがって、
朝の段階でなるべく早めにことを済ませる。
 
 
夜に向かってやることが減っていく。
 
 
こういうのが理想です。
 
 
 
また、邪魔が入りにくい。
 
 
これも朝型の大きなメリットです。
 
 
友人・仕事関係・家族も含めて、
朝の5:00くらいから既にバリバリ活動しています。
 
 
そんな方は少ないはずです。
連絡が来たり、あれをやって欲しい等の
指示が来ることもほとんどありません。
 
 
すると、平気で1時間くらい何も邪魔が
入らない時間を設けることができるわけです。
 
 
(個人的には、行政書士試験の場合であれば、
1日2時間。これくらいの時間をコンスタントに
取れれば合格できると思っています。
朝の段階でその半分くらいの時間を
こなしてしまえれば、相当楽ですよね。)
 
 
 
唯一辛いところがあるとすれば、
それは…眠い。ただそれだけです。
 
 
この点については…あ、良い動画がありますのでご参考に。
https://www.youtube.com/watch?v=8yuEweQUJTY&t=2s
 
 
ここ数年、時々観るのが、フェルミ研究所。
4~5分で1動画なので、疲れたなーという時に
参考になりそうなものを観ています。

中でも、この5秒ルールはとてもお勧めです。
考える前に行動をする。
 
 
朝起きる等の単純な行動は
反射的に動けるようにすると
とても楽です。
 
 
 
自分も、5秒数えてから
とにかく身体を持ち上げるように
しています。
 
 
意外と…すぐに眠くなくなります。
 
 
 
一緒に、朝型ライフ。
勉強をしてみましょう。
 
 
ご参考までに。
 
 
では。
 
 
 
  


第182回 もう出来ていることは勉強しない

 21.12.24

 
 
時間のない受験生だからこそ
質の高い学習を心がけるべきです。
 
 
質の高い学習とは、
時間毎に自身の能力がより多く上がること
を言います。
 
 
 
これは、言い換えれば、
 
 
自分ができないことや
弱点を中心に学習すること
 
 
です。
 
 
 
自分が、既に身につけている知識や
考え方をいくら繰り返し反復しても
ほぼ意味はありません。
 
 
自分の出来ることをいくら繰り返しても
能力はそれ以上上がらないからです。
 
 
 
既に身に付けていることを
何度も繰り返す学習をしていても
学習時間はコンスタントに増えるし
やりきった感もあります。
 
 
しかし、なぜか成績が伸びない。
しっかりと勉強しているはずなのに。
 
 
 
もう一度学習の内容を見直してみましょう。
 
 
既に分かっていることを
「確認」という名のもとに
いちいち学習していませんか。
 
 
それよりも、やらねばならないものが多く
あるはずなのに、なぜか、既に出来ていることを
繰り返していませんか。
 
 
 
これを防ぐためには
学習をしている時に
 
 
 
1 習得したと自信が持てる部分
 
 
2 少し不安だが、今は理解できていると思われる部分

3 まだ不安が強い部分
 
 
4 全く理解できていない部分
 
 
 
というように、4つくらいに分けて
印をつけておくべきです。
(例えば、◎、○、△、×という要領。)
 
 
 
すると、普段の学習では、
△・×の印がついているところだけを
ガンガンやっておき
 
 
◎・○の印を時々(数か月に1回程度及び
直前期)確認するくらいにしていくように
なるはずです。
 
 
 
時間がないからこそ
確実に能力が上がる学習を。
これが、試験勉強の鉄則です。
 
 
では、また。
 
 
  


第181回 初めて聴く講義は

 22.12.20

 
 
初めて聴く講義で分からないところが多いと
不安を感じてしまうことがあると思います。
 
 
そして、周りの受講生さんは分かっていて
自分だけが分かっていないのではないか…
という不安も。
 
 
Web受講が中心となった今は
なおさらかもしれません。
 
 
 
この点については、
3~4割くらいの内容が理解できていれば
何の問題もないと考えて頂いて大丈夫です。
 
 
そもそも講義がある。
対策講座が存在するということは
それなりに難しい知識を学習しているものと
考えてしまってください。
 
(このことは、行政書士試験に合格して、
現在司法書士試験の入門講座を受講されている方も同じですよ。
もういっぱいいっぱい…という状態なのではないでしょうか。
それは、そういうものなので、我慢するしかありません。)
 
 
 
講義中に全部の内容が分かるのであれば
そもそも復習も必要ありません。

というか、そのまま試験を受ければ
合格もしてしまうはずです。
  
(実は、講義中に全ての内容が理解できるように設計することは可能です。
  
もっとも、講義中に全てが理解できるような設計をすると、
1分辺りの情報密度が薄くなってしまい、
膨大な講義時間を要することになります。

また、到底合格ラインに達しないような簡単な知識を扱うことしか
できなくなります。
これでは、講座としての価値がなくなりますから
そういう設計の講座は存在しないはずです。)
 
 
 
多くの合格者は、
講義を利用して復習のきっかけを作ります。

理解のトリガーをいくつも作っていく
と言ってもいいです。
 

 
そして、講義の復習を何回も行い、
模擬試験などで解く訓練を行うことにより
なんとか本試験直前になんとか知識の習得が合格水準に至った。

これが、真実です。
 
 
 
最初の復習で、3割くらい理解すればいい。
 
 
次の復習では、また1割忘れているけれど
1.5割積み増して、3.5割にすればよい。
 
 
 
とにかく、繰り返し繰り返し復習をして
6割~7割程度の理解にもっていくこと
 
 
これをイメージすることが重要です。
 
 
 
最初から分かるわけがない。
これから何回も何回もやっていくんだから大丈夫。
 
 
この当たり前のことが、
実は当たり前になっていないことがあるので
今一度確認をしてほしいと思います。
 
 
 
実は、他資格の受験経験がある方
(宅建士・社労士・司法書士等)は、
この点にすごくメリットがあります。
 
 
初めは分からなかったものが
何回も何回も復習をすることにより
段々染み込んでいく感覚を知っている。
 
 
この感覚を知っていることは
本当に大きいと思います。
 
(いま司法書士試験の入門講座を受講している皆さま。
行政書士試験に合格した時のことを思い出してみて。

最初の頃って本当に何も分からなくて、
こんな試験に受かるのかな…って思いませんでしたか?
その感覚をもう1回思い出してみよう。)
 

では。
 
 
  


第180回 合格者の思考を真似るとは?

 21.12.17

 
 
合格者の思考を真似るという言葉を
よく聞きますが、

これはやや勘違いして
伝わっている気もします。
 
 
合格者の思考を真似るというのは
何も本試験において問題に対峙した時に
 

「どうやって考えて答えを出しているんだろう。」
 

というところだけではありません。
 
 
もちろん、これも大事ですが
もっと重要なことがあります。
 
 
それは、
日々の学習における合格思考です。
 

平均的な合格者は、
大体どのくらいの量を1日学習しているのだろう。
(何ページとか何問とか)
 

平均的な合格者は、
どのくらいの精度で記憶をしているのだろう。

 
平均的な合格者は、
どこまで学習の範囲を広げているのだろう。
逆に、絞っているのだろう。


隙間時間の使い方は?


落ち込んだ時の対処法は?


 
上記のことを


自分「なりに」頑張っている。
と考えているうちは、
まず合格することは不可能です。
 

自分なりに頑張っているというのは
聞こえはいいですが、所詮、限界を超えていない
勉強であることを認めているだけです。
 

全ては、
合格者の思考に合わせる必要があります。


今一度合格体験記に目を通してみよう。
 

今年の自分の頑張りは、
いわゆる「合格思考」と同様でしたか。


それとも、少し外れていましたか。


自分がどうということではありません。


合格思考から見て
自分はどうだったでしょうか。
 

ここを本気で考える必要があると思います。


これがなければ、
絶対に合格することはないからです。
 

では、また。
 
 
  


第179回 知識に毒される

 21.12.13

 
 
資格試験は、その性質上、
どうしても「論点主義」に陥りがちです。
 
 
論点主義自体は、別に悪いことではありません。
およそ試験では、論点を問わないということは
あり得ないからです。
 
 
 
しかし、学習をする時に、論点のみを単品で
学習していくことは全くお勧めできません。
 
 
論点のみを理解しようとすると
事案の特殊性に振り回されたり
基本的な概念を捻じ曲げたりしてしまう危険性があります。
 
 
 
法律の学習の基本は、条文です。
 
 
まずは、条文の趣旨をしっかりと理解した上で
きっちりと事案を条文にあてはめること。
 
 
そして、文言の不明確な部分があれば適宜解釈すること。
 
 
さらに、原則的な結論を修正する条文があれば
それを適用すること。
 
 
ここでも、文言の不明確な部分があれば
適宜解釈をすること。
 
 
 
このように、条文を適用する段階で
足がかりとなるのが「最高裁判所の判例」です。
 
 
無味乾燥な条文の適用に
解釈という息吹を吹き込むのが、判例です。
 
 
条文を適用する段階で
不可避的に生まれたのが「論点」なのです。
 
 
 
だからこそ、まずは、条文をしっかりと
適用できるようになりましょう。
 
 
(たとえば、民法94条1項を適用できない方は非常に多いです。
ゼミ等で質問をするとすぐに94条2項の第三者という論点を
展開し始められることがあります。
1項を適用せよという問題を無視して無理やり自分の知っていることに
引き付けてしまっている。そういう状態です。)
 
 
 
ここを徹底させると条文に基づいた
「骨太な理解」と「考え方」が身につきます。
 
 
これが身につけば、自然と解釈論が
頭に染み込むようになるはずです。
 
 
 
学習経験者の皆さんは、
この1年間で勉強した知識を
無理にキープする必要など全くありません。
 
というか、
正しい理解に基づいていない知識は
有害であり、毒そのものです。
 
 
毒は、一度時間を置いて抜く必要があります。

すると、1年間勉強した中で、
正しい理解に基づいた知識だけが
良い感じに残ります。
 
 
ご自身が培ってきた「良質な知識」です。
  
 
では、また。
 
 
  


第178回 合格レベルの感覚を知ること

 21.12.9

 
 
学習を始めて勉強する場合
 

もしくは本試験において
点数がほとんど取れていない場合は
 

客観的な学習の達成度が合格レベルに達しているかが分からない
ことが多いです。
 
 
 
要は、本試験で点数を取るためには
どのくらいの理解・記憶・解法スキルをもっていけばいいのか。
 
 
これが分からないことには学習が始まらないということです。
 
 
 
もちろん、試験の全範囲についてできるわけがないので
かなり範囲を絞って学習をしてみるのがお勧めです。
 
 
試験範囲の中から、グッと学習する範囲を絞り
そこだけこれでもかというくらい理解・記憶をしていきます。
 
 
突き抜けた学習というのはそういう意味です。
 
 

そんなに覚えないといけない?
と思うくらい徹底的にやり込むのがポイントです。
 
 
行政書士試験だと
行政手続法か行政不服審査法がお勧めです。
 
 
具体的には
該当範囲のテキストをガツっと読み込みます。
 

その上で
該当範囲の過去問を全部解きます。
 

さらに
該当範囲の六法を読み込んで
ガチガチに記憶してしまいます。
 

最後に、もう一度テキストを読んで
体系的に理解・記憶の調整を行います。
 

この工程を経た後に、
適当に答練・模試の問題をセレクトして
解いてみてください。
 

おそらく、めちゃくちゃ簡単に解けるはずです。
 
 
そうです。

これが、合格レベルの感覚です。
 
 
まずは、合格レベルの感覚を知ること。
 

資格試験の始まりはここに尽きると思います。
 
 
 
ご参考まで。
では。
 

 
  


第177回 わんこそば勉強法

 21.12.6

 
 
わんこそば勉強法は
自分が司法書士試験の受験をする際に
編み出した方法です。
 

わんこそば勉強法とは、
その名のとおり、
 

学習する内容を可能な限り細分化すること
 

です。
 
 
 

例えば、民法であれば
 
1 総則(最初~無効・取消し)
2 総則(代理~時効)
3 物権(総論)
4 物権(用益物権~留置権)
5 物権(先取特権~抵当権)
6 債権総論(最初~債権譲渡)
7 債権総論(多数当事者の債権・債務~詐害行為取消権)
8 債権総論(債権の消滅)
9 債権各論(総論~売買)
10 債権各論(賃貸借~不法行為)
11 親族法
12 相続法
 

こんな要領で、
民法を12分割にしてしまいます。
 

これを、該当範囲の過去問等も含めて12分割にして
薄いバインダーノートに閉じ込みます。
 
 
これで、わんこそば勉強法の準備は完了です。
 
 
日々出かける際には、
1冊バインダーノートを引っ張り出して持っていきます。
 

ポイントは、
 
 
その1冊が1日の学習のノルマであり
なるべく帰宅するまでに終わらせるように
隙間時間も含めて頑張って勉強すること
 
 
です。
 
 
このようにすると

まず、1日のノルマが「物理的に」明確なので
やる気が出ます。
 

また、薄いので、いつでもどこでも
大体取り出すことができます。
 
 
最も重要なことは、
 

帰宅するまでに、ある程度終わらせること


です。
 

帰宅すると、どうしても
色々とやることが出てきてしまいます。
 

また、なぜか帰宅すると
一気に眠気も押し寄せてきます。
 
 
学習を継続するコツは
 
 
「なるべく出かけている間の時間を使って
   学習ノルマをほぼ終わらせてしまうこと」
 
です。
 
 
自分は、わんこそば勉強法を編み出してからは
 
 
「やりたくないなー」というよりは
「あぁ、早くノルマ達成させないと。頑張らねば。」
 
 
という感覚に変わってきました。
 
 
 
自宅における勉強も

講義を視聴したり、
分からないところを深く調べてみたりというように
「ある程度空間がないとできないこと」に集中して
時間を使うようになりかなり効率的な学習が
できるようになりました。
 
 
もし、ライフワークに合いそうであれば
ぜひお試しください。
 

では。
 
  


第176回 六法は使う?

 21.12.2

 
 
六法を使うべきか否かについて
ご相談を受けました。

確かに、曖昧に答えていることが
多かったので、まとめてみようと思います。
 
 
まず、六法には以下の2種類があります。
 

1 条文+関連する判例がついているもの
 

2 条文のみが掲載されているもの
 

です。
 
 
一般的に、1は、上級者が使用することにより
効果を発揮するものです。
 

もっと言えば、学習する科目について

「一度合格レベルの知識を身につけた経験のある方が」

「再び当該科目を合格レベルの知識まで引き戻すために」

使うことが多いです。
 

(自分も、民法等が試験科目になる場合、
判例六法をめちゃくちゃ読み込み、戦闘モードへと移行します。
民法については、一度合格レベルに持っていった経験があるため
判例六法だけを読んでもイメージを掴むことができるし、
どんな問題が出るのかも想像できます。
さらに言えば、どこまで記憶しておけばいいのかも分かります。)
 
 
このように、判例六法は、
情報を集約するために使われることが多いです。
 
 
 
そのため、
テキストや過去問を中心に学習をする場合、
判例六法を使うのはかなり重いです。
 
 
したがって、六法を使うということであれば
2のような条文のみが掲載されているシンプルなものがお勧めです。
 

使い方ですが、
これは科目によって異なります。
 
 
まず、憲法・行政法です。

憲法・行政法は、
条文そのものを完全に暗記していることが
要求されます。

(そんなこと言って、全部覚えるのなんて
無理に決まってるでしょと思われた方は、
マインドが合格ラインに達していません。
ここは早急に考え直すべきです。)
 
 
そのため、憲法・行政法は、
テキスト・過去問で学習した内容を
六法を引いて確認していくと良いです。
 

テキスト・過去問読む → 該当範囲の条文を一気に素読する
 
この流れです。
 

テキスト・過去問を学習する都度、六法を引いてしまうと
学習効率が下がってしまいます。
 

必ず、一定範囲のテキスト・過去問をやったら
当該範囲の条文を六法で素読するようにしましょう。
(例えば、国会を学習したら、国会に関する条文を一気に読むようにする。)
 
 
 
次に、民法です。

民法は条文数が多いので
全てを読み込むのは通常不可能です。
 

そのため、民法は、
条文を読むテーマを決めてしまう
と良いでしょう。
 
 
例えば、民法総則は、条文を読んだからといって
理解が促進されるようなものではありません。

したがって、民法総則を学習する際には
そこまで六法にこだわる必要はないでしょう。
 
 
これに対して、契約各論は、条文そのものが
ストレートに問われることが多いです。
(改正により、その可能性がさらに高まった。)

したがって、契約各論は、テキスト・過去問を一通りやったら、
条文そのものをしっかりと読んでいくことが重要です。
 
 
 
商法は、条文を読んでも
おそらく全く理解が促進されません。

司法書士試験の合格者ですら
まともに条文を読んだことがない
という方がいるくらいです。

そのため、試験対策上、商法に関して、
六法を参照するということはほとんどない
と考えてよいでしょう。
 
 
 
いずれにしても、共通することは
 

テキスト・過去問を丁寧に学習した後に
一気に条文を読みこんでいく
 

都度、条文を参照するというのは
効率的な学習とは言えません。
 
 
このことを念頭において
六法と付き合っていかれるとよろしいかと思います。
 

では。
 
 
  


第175回 次のステップのための3つの問い

 21.11.29

 
 
カウンセリング等のご相談を受ける中で
共通するいくつかをご紹介いたします。
 
 
参考になれば幸いです。
 
 
Q1 過去問はある程度解けたのに、本試験ではその過去問知識ですらミスをしています。
 
 
これは、
「理解→想起→解答」のプロセスが上手く辿れていない可能性が高い
です。
 
 
例えば、「理解→解答」となっており、
「想起」を飛ばしていると
 

「なんとなく見たことがあるな。
 確か○だったような…」とか
 

「確か違うことが書いてあったような…」
 
 
という状態になります。
 

きちんと思い出せていない状態であるため
当然問題が解けません。
 
 
意識的に「思い出す」という訓練が必要です。
 
 
 
また、「解答→想起」と逆のパターンになっている場合は
 
「問題文が正しいことを前提にすれば理由付けができる」状態になっている
 
可能性が高いです。
 

これも、問題文が変われば
(つまり、正誤が分からない問題を見れば)、
やはり「思い出せない」という状態になります。
 
 
とにかく、問題を解く際に重要なことは

 
「理解→想起→解答」の3つのプロセスを丁寧に辿ること
 
です。
 

この訓練なしに、
やれ演習量を増やすだの問題を解きまくるだのやっても
ほぼ無意味です。
 

問題を解きまくることによる効用は
あくまでも「正しい問題の解き方」を学んでこそのものなのです。

(自分はこれに気付かず、問題を解きまくる勉強をしたせいで
2年間くらい全然力が伸びなかった経験があります。

この時、民法だけで1500問くらいは解いていたと思います。
それでも、初見の問題が解けないのです。
 
このことから、問題を解く量をいくら増やしても
点数に結びつかないことが分かります。)
 
 
 
Q2 それでは、過去問を通して、思い出す訓練はどのようにすればいいでしょうか。
 
 
これは、話すと長くなりそうなので
ヒントだけ言うと、
 
過去問を読んで答えているうちは
 過去問知識を習得したとは言わない
 
ということです。
 
 
 
Q3 ギリギリのところで、やられそうです。自分には、この試験に合格するのは無理なのでしょうか。
 
 
悔しくて、眠れなくなる。
壁を叩きたくなる。
世の中の全てに腹が立つ。

そんな状況だと思います。
 
しかし、この試験は、
きちんと勉強をすれば絶対に合格できる試験です。
 

苦しい気持ちは100%理解できるのですが
なんとか今年度の本試験問題と向き合い反省をして欲しいと思います。
 

(最近で言えば、自分も、司法書士試験に3回落ちています。
1回目は、5.5点足らず(2問不足)で落ちて、
翌年も、2点足らずで不合格(1問不足)。
その翌年は、合格点は超えているのに記述式で基準点割れでした。
さすがに呪われているんじゃないかと思いました。

悔しさのあまり、勝手に涙は出るし、寝ようとすると得体も知れない
何かに押しつぶされそうになるし。
思い出しただけでも吐き気がします。

それでも立ち上がることができたのは、
山村先生の励ましの言葉と的確な本試験分析のアドバイスのおかげでした。
あれがなければ、今の自分はなかったはずです。)
 

今回は、これくらいにしたいと思います。

これからの参考となりましたら幸いです。
 
では。
 
 
 
では。
 
  


第174回 自分がダメだったのは、「どうせ無理。」というブレーキ

 21.11.25

 
 
自分の経験なのですが
実は中学校くらいまでは
いわゆる勉強が苦手でした。
 
 
定期試験も、360人中310番くらい
になってしまうほどです。
 
 
 
この時、不思議だったことがあるのです。
 
 
 
それは、
 
 
「何で、みんなと同じ教材を使って、
同じ勉強をしているのに、こんなに差がつくんだろう。
 
自分なりには、一生懸命やっているのに…」
 
 
というものです。
 
 
 
今でも覚えているのですが、
当時成績が優秀だった人に、
 
 
「どうして、そんなに点数が取れるのか。」
 
 
ということを聞いてみたことが
あります。
 
 
 
 
その返事は
 
 
定期試験なんて、先生が毎回配っているプリントを
 覚え込んじゃえば満点取れるよ。
 別に、工夫とかそういうのじゃないから。
 
 
 
というものでした。
(今でいうと、とっても塩対応。)
 
 
 
当時は、
えぇ?覚え込むって…
自分だってちゃんと覚え込んでいるはずだけどなぁ…
 
 
 
この時の悩みはかなり深いものでした。
 
 
 
そこで、自分は今まで試したことのない
あることを試してみるのです。
 
 
無理だと思ってやってこなかったこと。
 
 
 
それは、「丸暗記」です。
 (あくまで、当時の話です。
丸暗記を推奨しているわけではありません。)
 
 
 
例えば、社会では、
先生が配ってくれたプリントを
接続詞等以外は、全部修正テープで消して
完全に言えるようになるまで頭に叩き込んでみました。
 
 
 
また、英語では
試験範囲の教科書の文章を
ほぼ空で言えるようになるまで繰り返し覚え込んでみました。
 
 
 
これは、当時の自分が、
 
 
いやいや、そんなの絶対に無理。
 出来るわけがないよ。
 ポイントだけやっておけばいいよね。
 
 
と思っていたこととは
全く逆の方向で勉強をしたのです。
 
 
 
そうです。
自分が無理だと決めつけた領域に
足を突っ込んでみたのです。
 
 
 
すると、社会は、4650点。
英語は、4950点という驚愕の数字を
いきなり叩き出すこととなったのです。
 
 
 
そうか。
あの子が言っていたのは、こういうことか。
 
 
確かに、定期試験の問題は丸暗記しておけば、
そのまま同じことが出ているじゃないか。
 
 
 
自分がダメだったのは、
「どうせ無理。」という心のブレーキが
勝手に限界を決めてしまっていたこと
です。
 
 
 
また、機会があれば書こうと思いますが
この後は高校受験や大学、資格試験へと進むにつれて
丸暗記の限界に気付きます。
(中学や高校の定期試験くらいまでしか、丸暗記の勉強は通用しない。)
 
 
 
そこで、制度趣旨や背景などを「理解」し
「自分がある知識を思い出すためのきっかけ」から把握していく
という手法を覚えます。
(今使っている、「論点想起」という言葉の誕生です。)
 
 
 
これも、
 
 
趣旨から丁寧に理解して、覚えていく
 
 
という新たなことを試した結果、
驚くほど力がついてきました。
 
 
 
さてさて。
 
 
 
皆さまはいかがでしょうか。
 
 
 
「民法を全範囲満遍なく勉強するなんて絶対に無理。
 重要なところだけやっておけばいいんでしょ?」
 
 
 
「行政法の条文をひっかけポイントと共に全部覚えるなんて無理。
 書いてあることが分かればいいんじゃないの?」
 
 
 
「行政書士試験の範囲は広いんだから商法まで手なんか回らないよ。
 捨て科目でいいんじゃないの?」
 
 
 
「行政書士試験は、頭の良い人しか受からない試験なんだよ。
 自分なんか絶対に無理。」
 
 
 
これらの心のブレーキを外して
一度真摯に向き合ってみる。
 
 
 
全てのブレーキを外して「純粋に」、
合格に必要な勉強を考えてみる。
 
 
 
勉強を再開するに際して
このことが最も重要なことなのかもしれません。
 
 
では。
 
  


第173回 これからどうするか?

 21.11.19

 
 
本試験を終えた後、一番を多い相談が
「これから、どうすればいいか」です。
 
 
 
これは、現在の状況に異なります。
 
 
現在の状況を大きく分けると
以下の4ケースになるでしょう。
 
 
 
1 択一のみで180点以上または170点前後で記述式で確実に部分点が入るというケース
 
 
2 択一のみだと合格点には届かず、記述式の採点に相当程度左右されるケース
 
 
3 記述式の採点を問わず、どう考えても合格点に届かないケース
 
 
4 合格点は確実に超えるが、一般知識等で基準点を割ったというケース
 
 
 
 
まず、1のケースです。

これは、ほぼ合格が確定している
ということになりますので
本試験の反省を行ったうえで
次のステージを視野に入れるとよいでしょう。
 
 
行政書士実務に興味がある方は
合格発表までの間、伊藤塾のHPから
実務家の先生方の動画を観まくり
イメージを掴んでおくことをお勧め致します。
 
>> 行政書士実務の魅力にクローズアップ
 
>> 明日の行政書士講座
 
 
上記の2点をチェックしながら合格発表まで
過ごされることは、非常に有益です。
 
 
 
他にも、他資格試験へとステップアップしよう
と考えられている方もいらっしゃるでしょう。
 
 
一つのヒントとして、以下のような動画を
収録しました。
試験後は緊張も緩んでいると思いますので
カチッとしたものよりは、少しラフなもの。
ざっくりとしたものをイメージしております。
>>動画はコチラ
 
 
 
 
次に、2の方です。
 
 
合格発表まで待つことが非常に辛い。
そういう状況だと思います。
 
 
この場合、とにかく本試験の反省を
丁寧に行うようにしましょう。
 
 
まず、それからです。
 
 
次に、本試験の反省を踏まえて
次のことを決める必要があります。
 
 
それは、もし今年度がダメだった場合
来年度も受験するかということです。
 
 
安易に、来年度の受験を決めることは
お勧めできません。
 
 
本試験の反省をしっかりと行い
どのようなことが足りなかったのか。
それを埋めるためには、どうすればいいのか。
それを1年間訓練する気合はあるか。
 
 
こういったことを丁寧に、
かつ本気で考える必要があります。
 
 
そのためのご相談はいくらでも乗りますので
カウンセリング等をぜひ活用してください。
一緒に考えることはできます。
>> カウンセリングのご案内はコチラ
 
 
ここが重要な岐路です。
決して、安易に来年度の受験をしようと決めたり
逆に、もう来年度はやめようと決めたりすること
のないようにしましょう。
 
 
 
 
3のケースも基本的に同様です。
 
 
もっとも、記述式の採点を問わず
合格点に届かないことが確定している
ということですから
相当頑張らなければ
来年度の合格はありません。
 
 
基礎からみっちりと。
 
 
こちらも、それをしっかりとやる
覚悟があるかを慎重に考えられる
ことをお勧め致します。
 
 
 
 
行政書士試験において、
もっとも辛いのが、4のケースです。
 
 
法律の資格試験なのに、
なぜそこで落とされるのか…
 
 
やるせない気持ちでたまらないのでは
ないかと思います。
 
 
この場合、いきなり学習を再開する
ということは、まず不可能です。
 
 
また、合格点を超えているということは
学習の方法や知識の幅にはほぼ問題はないもの
と考えられます。
そのため学習をすぐに再開せずとも
何の問題もありません。
 
 
ゆっくりと自分の気持ちと向き合うこと
が大事だと思います。
 
 
他人からの励まし等も、
今は受け入れることができないはずなので
多くは語りません。
 
 
 
ざっとではありますが、
これからどうするかについて
書かせて頂きました。
 
 
参考にして頂けますと幸いです。
 
  


第172回 合格のとき

 21.9.21

 
 
結局のところ
 
 
解法の鉄則や技術というものは
何回も訓練をしていくことが重要だ。
 
 
ということです。
 
 
 
 
「言っていることは分かるんだけど
 その場でやれっていうのは難しいですよねー。」
 
 
という発言がでるうちは
まだまだだということです。
 
 
 
意識的にやろうとするからダメなんです。
 
 
 
無意識的にできるくらいまで
訓練を積む必要があるのです。
 
 
(ちなみに、世間でいうところの
試験に強い人は、小・中学生くらいの頃から
こういった訓練を積んでいるのだと思います。
自分自身、こういった解法理論は
後発的に身に付けたタイプなので
学生の頃の成績は結構ひどいものでした。)
 
 
 
また、知識の精度についても、然りです。
 
 
 
「問題が解けないんです。
 内容は理解しているはずなんですが…。」
 
 
 
その内容を
テキストを隠して宣言できるのですか?
 
という話です。
 
 
この姿勢が甘い方が多いな。
と思います。
 
 
 
自分も、講師になってから現在に至るまで
この最後の詰めの辛さは十分に味わっているつもりです。
 
 
テキストの内容を隠して宣言していく辛さといったら、
本当に。辛いの一言では言い表せません。
 
 
(だから、勉強を1日10時間とか出来る
ということがよく分かりません。
この場合、鉄人のような体力を持っているか、
勉強の密度が低いか。いずれかです。
本当にテキストの内容をグーッと覚え込もうとすると
通常は、3~4時間程度でクタクタになります。)
 
 
 
着地点が、いつもの話に戻りました。
 
 
 
要は、
 
 
正確な知識を身に付けるとともに
解法を適切に使うこと。
 
 
 
これが、合格の秘訣なんです。
 
 
 
というか、
上記の意味が身に染みて分かった瞬間が
合格の時だと思ってもらっても良いです。
 
 
 
それでは、また。
 
【重要論点を速攻でチェックし今年の合格へ間に合わせる。】
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第171回 模擬試験の復習について

 21.9.14

 
 
模擬試験の復習は
以下のように行っていきます。
 

なるべく、当日か2日以内に
終わらせるようにしましょう。
 
 
1 自分が解いた問題冊子を見返して、次のことを行う。
 

◎解いた時の印象を思い出して、
「絶対に正解:A」、「多分正解:B」、「ダメかも:C」を
ランク付けをする
 

◎判断に迷った肢と判断しなかった肢をピックアップする
 
 
これは、効率よく復習するための準備です。
 

模擬試験が終わったら、
1時間弱で終わると思いますので
思い出しながらさらっとやっておきましょう。
 
 
この準備は、受験後なるべく早く
やらないといけません。
 

印象なんかはすぐに忘れちゃうからです。
 
 

2 解説冊子と問題冊子を照合して、次のことを行う。
 

◎作問者側が想定するランクと自身のランクを見比べてみる
→ 例えば、作問者側がAとしているにもかかわらず、自分はCと思っていたら要注意
 

◎判断に迷った肢と判断しなかった肢を、解説冊子に印をつけていく
→ 判断に迷った肢を「赤」、判断しなかった肢を「青」なんかでマークしておくと良い
 
 
本当は、受験生の正答率を軸にして検討したいのですが
受験直後はデータがありません。
 

したがって、作問者側が想定する難易度を軸にして
照合してみてください。
 

(本当だったら、1問ごとに「ここまでは判断してほしいが、
記述ウは判断不要」とかコメントを残すべきとも思いますが
この辺りは資格試験の悪しき風習ですかね。
そういうの見たことないので。)
 
 
少なくとも、作問者側がAと想定する問題は
自分が、何か大きなミスをしている可能性が高いです。
 
 
これを前提に、
判断に迷った肢と判断しなかった肢に印をつけていきましょう。
 

判断に迷ったものは、
受験時に「△」なんかをつけている方が多いと思うので
それを参考に。
 

判断しなかった肢は、
まっさらになっていると思うので分かりやすいですよね。
 
 

3 判断しなかった肢と解説を、ざっと読む
 

◎知っているものか否かをチェックする
 
 
ここは、印象値で結構です。
 

問題と解説を読んだときに、
「あぁ、聞いたことあるな。」とか
「テキストに載っていた気がするな。」と思ったのであれば
それで大丈夫です。
 
 

どうせテキストを読むのですから
ここでもう一度、テキストを読み直したりする必要はありません。
 
 
また、ここで、
「え?こんな条文・判例…読んだことないけど…」
となってしまった場合は
 

基本的に無視で結構です。
 
 
今までテキストや過去問をやってきている
にも関わらず見たことがないのですから
相当マイナーな知識であることが分かります。
 
ここは撤退です。
 
 
もっとも、「平成24年以降の新しい判例知識」と
「特に出題が予想されるテーマ」であれば
拾っておいた方が良いです。
 

新しい判例はテキストに掲載されていないこともありますし
出題予想のテーマは攻めていきたいからです。
 
 

4 判断に迷った肢と解説を、ざっと読む
 

◎知っているものか否かをチェックする
 

◎現場思考できなかったかをチェックする
 
 
模試の最中は判断に迷ったものの
解説を読んでみたら
「あぁそうだった…過去問でやったな。
 テキストにもあった気がする。」
となったとします。
 

この時やりがちなのが、
「よし、しっかりと覚え直しておこう。」
「次からは気を付けよう。」という復習。
 
解説冊子をマークして満足。
もしくは、テキストの該当箇所をマークして満足。
 

これでは、何の意味もありません。
 
 
次に、必ず思い出せるようにするにはどうすればいいか。
 

自分がそうとしか思えないようにするにはどうすればいいか。
 
 

これを考えるべきです。
 
 

適切な理由づけを持たせるのか。
 
 
ゴロ合わせを使うのか。
 

色々あると思いますが
必ず工夫をすることです。
 
 
また、現場思考で正解に持っていけなかったか?
を考えることも重要です。
 
 

このテーマが来たら
こういう方向性で考えればよかったんだよな。
とか
 

このキーワードが出たら、
大体厳格に処理されるんだよな。
とか。
 

今までご自身がテキストを読んできたときに、
使ってきた印象や理由。
 

こういったものを使うことが出来なかったのか。
 

これを反省として考えてみると良いと思います。
 
 
「模擬試験の結果は気にするな。
 模擬試験の復習は最低限にとどめておきましょう。」
 
 
この言葉自体には、本当に意味がありません。
何も具体的なことが明示されていないからです。
 

模擬試験で辛くなった気持ちは
まず「具体的に考える」ことで緩和させましょう。
(緩和するくらいです。完全に立ち直るとかは不可能です。)
 

その上で、適切な復習をさらっとやりましょう。
 
 
これさえ終わってしまえば
模擬試験の問題なんて捨ててしまっていいんです。
 

役割を果たした模試に感謝して処分してください。
 
 
歩みを止めている場合ではありません。
 
 
模擬試験で凹んでるんですって言っても、
本試験は待ってくれません。
 

そういうものです。
 
それでは、また。
 
 
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第170回 覚えるという意識は間違い?

 21.9.7

 
 
勉強しているときに
最も気を付けることは何か?
 
 
 
それは、
 
 
覚えるという意識をもって
読み込むのではなく
 
 
 
「思い出す」意識をもって読むこと
 
 
 
です。
 
 
 
 
合格者がいうテキストの読み込みとは
確実に後者を指しています。
 
 
 
「思い出す」意識をもっているかどうかは
テキストから目線をどれだけ外しているか
で分かります。
 
 
 
 
このような意識をもっている方は
 
 
 
たとえば、
 
 
 
1.即時取得
 
 
(1)意義
……
 
 
(2)要件
……
 
 
 
 
というようにテキストの項目が
並んでいる場合
 
 

「項目毎に」テキストから目線を外して
その内容を出来る限り思い出すように努力をします。
 
 
 
 
「えーと、即時取得の意義は…
無権利者から物を買ったりした場合
無権利者であったことを知らなかった人を
保護する制度…だったかな?」
 
 
 
 
「即時取得の場面は…
ということは、要件は、動産を有効な取引行為に
よって占有したことだったかな。
あ、善意無過失であることも必要だったよな。」
 
 
 
というように、項目を見ながら
どういう内容が書かれているのかを
頑張って思い出していくように
してみてください。
 
 
 
完全再現はできなくても構わないので
とにかく思い出すことに力点を置くこと。
 
 
 
実際の本試験では、択一問題として出題され
ますから思い出すヒントがたくさんあります。
 
 
 
そのため、テキストを完全再現できなくても
ある程度問題は解けるはずです。
 
 
 
繰り返しますが、覚えようとするのではなく
思い出そうとする意識をもって学習をするように
しましょう。
 
 
 
それでは、また。
 
 
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第169回 一番危ないのは。

 21.9.2

 
 
試験の直前において
一番危ないのは
 

重要な条文・判例知識の欠落
 
 
です。
 
 
 
以前、試験勉強の本質について
蛭町先生のお言葉をお借りしながら
お伝えしました。
 

もっとも、本試験は闘いです。
 
 
闘いに挑む前には
当然ながら「確認作業」は
どこかのタイミングで入れる必要があります。
 
 
(要は、「点数を上げる勉強」と「できていることの確認作業」は
全くの別次元だということ。

これが分かっている人は、おそらく試験に強いはずです。)
 

例えば、自分の場合、
普段の講義をしている時を「講師モード」と
勝手に呼んでいます。
 
 
講師モードの時は
講義で扱っている内容の理解・記憶が
とても優れた状態にあり

かつそれを言語化できるくらいまで
昇華されています。
 
 
しかし、このまま試験を受けても…
おそらく合格はしないでしょう。
 
 
 
合格するためには
「戦闘モード」へと切り替える必要があるからです。
 

(実は、講師モードから戦闘モードへ切り替える作業こそが
直前期の学習でもあります。
自分は、この感覚を忘れないために試験を受け続けています。)
 
 
 
それでは、戦闘モードとはなんでしょう。
 
 
どのように切り替えるのでしょう。
 
 
 
まずは、基本テキストと過去問を
一気に読んでいきます。
 

ここで、「できないこと」を把握します。
 

(3回転くらいすると、
できないことがかなり鮮明になります。
これは人によります。)
 
 
 
そのうえで、今度は
「できないこと」だけに集中特化して勉強します。
 
 

しかし、意外と危ないのが
 

「できている」と思っていたことが
「実はできていない」という現象
 

です。
 
 

3回転くらいでは
勘違いしていることや雰囲気で分かっているだけで
本当はよく分かっていないところなど
を完全に把握することは難しいです。
 

そのため、試験前には必ず
「確認作業」を入れます。
 
 
すなわち、重要な論点「のみ」が
掲載されているテキストを「くまなく読み込み」、
変な理解をしていないかを「確認」するのです。
 
 

例えば、行政書士試験を
もう一度受験して合格しろ!と言われたら
自分は以下のような工程を経ます。
 

1 上級インプットテキストを読み返す
(自分で作ったテキストなので、一番読みやすい)
 

2 平成18年度以降の過去問を全部解く
 

3 1、2を3回転し
できない箇所のみを本試験までに10回転する
 

4 最後の1週間で必修項目115(書籍)を読み込む
 
 
このように、最後の最後の詰めは
「確認作業」です。
 

これなしに戦闘モードには切り替わりません。

(実験したい方は、自分を捕まえて、
現在進行していない科目の基本的な質問を投げかけてみてください。
おそらく、えっとね…となることがあるはずです。)
 
 
できないことから確認作業へ。
 
 
このようなスケジューリングを
守ってみましょう。
 
 
それでは、また。
 
 
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第168回 重要論点の知識のみ段違いに力をつける

 21.8.31

 
 
直前期の学習は
どうしても弱点部分や単純暗記の部分に
集中してしまいがちです。
 

もちろん、そうなることが正解ですし
そうなることが合格が目前にきている良い証拠です。
 
 
しかし、この勉強は2つの不安を伴います。
 
 
1 重要な知識が抜けてしまうのではないか
 

2 何も習得出来ていないのではないか
 
 

1は、誰もが思うことです。
 

ずっと触れていなければ
 
忘れてしまうのではないか?
 
という不安に襲われるのが普通です。
 
 
 
また、ずっと弱点部分や
暗記事項をやっていると
 

出来ない自分を対峙し続けること
になります。
 

すると、2のように

結局何も出来ていないんじゃないか?
 
という得体の知れない不安に襲われるわけです。
 
 
 
この2つの悩みは
とてもシンプルな方法で解消出来ます。
 
 
 
重要論点のみの復習をする
時間を設ければ良い
 
 
のです。
 
 

ここで大きな効用を果たすのが
夏期直前対策講座のスピードチェック講義
などです。
 
 
これらの講義のように
重要論点のみがまとめられている教材
最後の最後でがっちり確認する。
 

これにより、
重要論点の知識がより強固になり
何よりも久々に出来る自分と出会えます。
 

めっちゃ知ってるやん、自分。
 

というやつです。
 

他の指導校に比べて、
伊藤塾は、重要論点のみをまとめ上げる技術が
著しく高い気がします。
 

ご自身のスケジュールが許せば、
ぜひ一度検討してみてください。

それでは、また。
 
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第167回 問題を素早く解くことが出来ない…

 21.8.19

 
 
カウンセリングでの相談ランキング
第2位くらいだと思います。
 

模擬試験などで問題を
素早く解くことが出来ない。
 

超直前期に、問題を
高速で読んでいきたいが
中々スピードが上がらない。
 

これを解決するには
あの有名な「ドラゴン桜」でも紹介されたあの方法。
 
 
そう。
 
 

問題解答同時プリント
 
 

の要領です。
(この教材、いつか作りたい。)
 
 
 
 
やり方はシンプルです。
 
 

まずは、過去問の選択肢を読みます。
この時、正誤の判定は行わず
あることだけを探します。
 
 

それは


論点名(どの知識が問われているか)


です。
 
 
 
 
たとえば
 
 
タクシー会社Nの従業員Oが乗客Pを乗せて移動中に、Qの運転する自家用車と双方の過失により衝突して、Pを受傷させ損害を与えた場合において、NがPに対して損害の全額を賠償したときは、NはOに対して求償することはできるが、Qに求償することはできない。(H28-34-オ)
 
 
 
 
問題文が長いため
解答に時間がかかると思いますが
 
 

要は、不法行為のテーマであり
 
 
 
「求償」というキーワードから
 
 
 
「あぁ、不法行為に基づく損害賠償と求償の問題ね」
 
 

と見抜けたら、
すぐに解答を見て論点名が合っているかを確認する。
 
 

このとき、論点名が合っていれば
あとは普段のインプット学習をしっかりすること
でなんの問題もなく解けるはずです。
 
 

なんとなく伝わりましたでしょうか。
 
 

通常、問題演習というのは
 

1 問題を読む
 

2 何が問われているかを発見する
 

3 問われている内容を思い出す
 

4 思い出した内容を問題文にあてはめる
 

5 解答する
 
 
という工程を辿りますが
問題解答同時プリント方式は
1と2の工程しか行わないということです。
 
 
 
これにより、通常よりも遥かに多くの問題を
演習することが出来るようになります。
 
 
そして、実際に問題を解く時にも
何が問われているかを即座に発見する力が養われていますから
 

どの選択肢から見た方がよいか
などがすぐに判断できるようになります。
 
 

ということで、問題を解くペースが遅い。
解かないといけない問題が多過ぎて消化できないという場合には
 

ひとまず、問題解答同時プリント方式でいく
と効率がよいということになります。
 
 
 
とにかく、
 

何が問われているかを即座に発見する力。
 
 

正確な知識が大事と言われ過ぎて
日の目を見ない力ですが
すっっっごく大事なものなんだと。
 

そういうお話でした。
 

それでは、また。
 
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第166回 受験生に共通する悩みと共通する原因

 21.8.17

 
 
色々な受験生の方と
お話をする機会があると
 

悩みはほぼ共通で、
 
 
市販の模試とか他校で模試を受けたが
上手く点数が取れないというもの。
 
 

しかも、原因がほぼ全員同じという。
 
 
 
それは、知識不足ではなく
 

「記憶が曖昧である」というもの
 

 

「あてはめ段階で混乱している」というもの
 
 

やはり、「理解→想起→あてはめ」という段階の
 
 

「想起」と「あてはめ」が弱い方が多い
 
 

ということですね。
 
 
 
 
まずは、記憶が曖昧であるという点。
合格者との差が最もあるところだと思います。
 


勉強しているのに
なんで点数が上がらないんだ。
 

という悩みの大半は
「きちんと覚える」ことで解決できます
 
 

試しに、行政手続法の「申請に対する処分」に
関する条文だけ、めちゃくちゃ読み込んで
覚えてみてください。
 

その上で、「申請に対する処分」がテーマの
過去問や模試の問題を解いてみてください。
 


すごく簡単に解けませんか?
 
 
「あ…解けた。」と思った方。
 
それです。
 

それが合格者のいう「正確な記憶」
というやつ
です。
 
 

何で問題が解けないのか。


ご自身が実感したレベルまで
記憶出来ていないからです。
 

本当に甘えを捨て去りましょう。



覚えるべきものは、覚えよう。


テキストの記載を隠して言えるようにしよう。
(なかなか言えないんですよね~と
軽い感じで相談に来られても、
いや、やってくれよとしか言いようがない。)
 


それから

問題文をもっと主体的に読むこと。



「あ、この問題はあの条文だ。」


「あ、これはあの判例を聞いているのか。」


というように、
まずは自分の理解してきた条文・判例に引き付ける。


そのうえで、丁寧に問題文にあてはめる。


もっと、問題を支配するイメージで良いと思いますよ。
この辺りは、まだ訓練が必要な方が多いはずです。
 

では。
 
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第165回 直前期における過去問の学習方法

 21.8.10

 
 
この時期の過去問演習について
ご相談を受けました。
 

要は、テキストと過去問を
しっかりと勉強していくと
 

どうしても時間が足りなくなる
 

という相談です。
 
 
 
直前期だから
テキスト等で知識の整理・暗記をしたい。
 

でも、問題を解いていないと不安だから
過去問もやっておきたい。
 

どちらもやると、時間がなくなる…
 
 
こういうジレンマですね。
 
 
 

問題を解くプロセスは
 
 
1 問題文を読む
 

2 問題が聞いている条文・判例が何かを確定させる
 

3 その条文・判例の内容を思い出す
 

4 その内容を問題にあてはめる
 

5 正誤判定をする
 
 
このように分析できるのではないか
と思います。
 

もっとも、択一問題を解くうえで
最も重要なプロセスは2及び3です。
 
 
もっと切り詰めると
2です。
 
 
 
通常、問題を解くために必要な条文・判例知識が何なのか?
を確定でき

その内容を正確に思い出すことができれば
問題を解くことは比較的簡単であるはずです。
 
 
 
したがって、2及び3の工程が
上手くいっていれば

おそらく、今読んでいる問題を正解できる
可能性はとても高いということになります。
 
 
 
よって、直前期における過去問の演習は
 
 
上記の2及び3の部分を中心に行い
その後の4及び5のプロセスを省略してしまう
 

というのが一つの手です。
 
 
 
例えば、問題を読みます。
 
 
この問題は、「Aに無断でAの代理人と称して」、「Dが死亡してAがDを単独で相続した」というところがキーワードです。
 
 
ここを読んで、
キーワードから
 

「あ、○○だ。」と思い
「あ、○○の話だ。」
 

と思えたとします。
 

○○の論点だと気づくことができているわけですから
その内容を思い出すことが出来れば
絶対に答えを出せるはずです。
 
 
ここで、問題文の検討を止めます。
 
 
すぐに、解答を見て
論点が合っているかを確認します。
 

合っていれば、その問題は解けたものとして
次に進んでしまいます。
 
 
これで大丈夫なのか?
 
 
大丈夫です。
 
 
 
なぜならば、
 
当該論点の内容の整理・暗記は
テキストの読み込みを通してきちんと行っているから
 
です。
 
 

問題を解く意味は、
 
テキストの内容を適切な時に思い出すことができるか否か
の確認のためですから
 
これでも良いのです。
 

*もちろん、学習の初期段階でこれを行ってもあまり効果は高くありません。
あてはめというのはちょっとコツがいりますから、
ある程度問題慣れをしてこないと省略できないのです。
 
 
これが、いわゆる問題・解答同時演習という方法論です。
*ドラゴン桜が元ネタです。

非常に素晴らしい方法論だと思います。
 
 
もし時間が足りないということであれば
問題演習は、上記のように「論点当てゲーム」
のようにこなしてしまうと良いかもしれません。
 
 
残りの時間を整理・記憶に当てると
かなり効率的な対策が出来るのではないかと思います。
 
 
参考までに。
では。
 
 
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第164回 試験勉強の本質を今一度捉えておくこと

 21.8.3

 
 
直前期は
とにかく時間がありません。
 
 
時間がないのであれば
 
 
とにかく無駄なことをしないこと
 
 
が重要です。
 
 
 
 
その1ページ、その1肢をやることが
 
 
「確実に点数として積み増せるもの」
 
 
になっていなければならないのです。
 
 
 
そして、実は本質的なところは…
と、ここは伊藤塾の誇る司法書士試験科の
大先輩のお言葉をお借り致します。
 
(蛭町先生、2016年に書かれたブログ記事を
 引用させて頂きます。)
 
 
 
 
======
 
 
 
わたしの思う勉強の素晴らしさは、
「過去」を問題にしない点にある。
 
 
 
さあ、やるぞと決意と覚悟を決めたのなら、
その時点から常に前を向いて、つき進めばいい。
 
 
 
倒されても、倒されても、
ずんずんと前に進むだけなのであり、
この「すがすがしさ」が勉強のもつ魅力なのである。
 
 
 
その意味で勉強には、「反省」の必要がない。
 
 
 
反省は、必ずあの時はこうすべきだった
という「後悔」を伴うことになるが、
その多くは、「無いものねだり」につながり、
時間の無駄となるからである。
 
 
 
他方、勉強では
つねに「現状の把握」が必要となる。
 
 
 
どの問題が解けて、
どの問題が解けないのかを把握していなければ、
何を勉強すべきなのか、
その対象すら決まらないことになるからである。
 
 
 
そして、勉強には
「現状の分析」が必須となる。
 
 
 
なぜ、この問題は解けて
あの問題が解けないのか、
どうすれば解けるようになるのかを
24時間考え続けるのだ。
 
 
 
「勉強の成果」は、
解けなかった問題が解けるようになることで、
明確に把握できることになるはずであるが、
むしろ、わたしの実感では、
「何ができないのか」がはっきりとし、
それを人に伝えられるようになれば、
ほぼ合格の領域に達したとみてよい。
 
 
 
できるようになるために勉強しているはず
なのだが、皮肉なことに、できないことが
明確になることが、実は勉強の成果なのである。
 
 
 
できないことが、はっきりと自覚されるから、
ますます勉強し、勉強すればするほどに、
ますます「できない自分」が鮮明になる。
 
 
 
驕る暇などないのである。
 
 
 
おそらく、これが天が勉強という
道具に与えた勉強の意味なのであろう。
 
 
 
だから、勉強をしていて、
できるようになっている実感が、
手応えが、無くなる瞬間が訪れたとしても、
大いに喜ぶべきなのであり、
そこからの「ひと踏ん張り」こそが
大切となるのだ。
 
 
 
もうそこに、合格の光が見えたのだから。
 
 
 
=======
 
 
 
この記事を読んだ時に
苦しい自分を誇れるような
気持ちになったのを覚えています。
 
 
 
先生のお言葉をお借りしながら
今一度試験勉強の本質を考えて
おきましょう。
 
 
 
まず、試験直前に不安になるのは
そしてその不安感が強ければ強いほど
合格する可能性が高くなるのは
上記の文章に答えが書いてあります。
 
 
そうです。
 
 
試験勉強は、
 
 
「現状を把握」し
「何ができない」のかを自覚し
鮮明化すること
 
 
が何よりも重要です。
 
 
 
そのため、正しい試験勉強をしている方は
常に「できないこと」を把握しようと努めるため
不安感がどんどんと増していくのです。
 
 
 
 
逆に、「既ににできること」も含めて学習している場合、
「まぁまぁできている自分」も見ることがあるため
「今年はなんかいけそうだな。」という勘違いをすること
があるわけです。
 
 
 
 
不安でたまらない?
押しつぶされそう?
いいじゃないか。
 
 
 
試験勉強の本質を突いたことを
している証明でもあるのだから。
 
 
 
 
まだ少し時間がありますから
 
 
「できないこと」を
さらに明確化するように努めること。
 
 
 
 
そうすれば、10月以降は
「純度の高い」、
「今の自分をさらに超えることができる」
部分しか勉強しなくて済む。
 
 
 
 
同じ1か月の学習でも
このような濃密な時間を過ごした受験生と
全範囲をダラダラと何も考えずに回している受験生では
大きな差になって生まれるはずです。
 
 
 
それにしても
上記のブログ記事は…心を震わす名文と思います。
 
 
 
では。
 
 
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第163回 合格に必要なこと

 21.7.26

 
 
「あぁー、この問題…〇〇だから簡単だけど…
 こういうの間違える受験生って多そうだなー。」
 

という感覚があります。
 
 
 
その感覚が働く場合を
自己分析してみました。
 

すると、以下のような問題に対して
自分はその感覚になるようです。
 
 
1 基礎概念αと基礎概念βを混ぜ合わせてでたらめにしている問題
 

2 単純条文知識だが、他の知識と混同しやすい問題


3 解答肢だけが基本だが、他の選択肢が細かい知識である問題
 
 

1は、例えば、意見公募手続と
相互保証主義を混ぜ合わせる問題です。
 

いずれも正しい概念として登場させておき
でも両者は全くの別概念ですから
基礎概念の理解はあるものの体系的な位置づけがよく分かっていない人を
誤答に導くような問題です。
 
 
 
次に、単純条文知識。
 

憲法や行政法に多く出題されるものです。
こういう問題を落とすとなると
それは普段の学習の姿勢が疑われます。
 
 
 
さらに、解答肢だけが基本である問題。
 

これに気づかないでスルーしてしまうと
難しい知識ばかりと闘わなくては
いけなくなります。
 
 
以上。
 
 
つまり
 
 
1 基礎概念の正確な理解・記憶
 

2 対象となる条文の完全な暗記
 

3 自分が知っている知識を探しにいくことができる心の余裕
 
 
 
この辺りがしっかりしていると合格する。

でなければ、合格しない。
 

この当たり前のことを
改めて実感したわけです。
 

さて、来月からは
模試が始まってきます。
 

終わったら反省。
そして、すぐに実行。
 

これが大事ですね。
では。
 
 
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第162回 効果的な勉強法とは…結局のところ…

 21.7.22

  
漫画ドラゴン桜って
学習法についてとてつもなく
参考になるのですが
 
 
中でも、一番参考にすべきは
 

教科書ボロボロ勉強法
 

ですね。
 
 

ドラゴン桜では、塾や予備校を利用せず
教科書を丁寧に読み込んでいる女生徒が
登場します。
 

そして、彼女の成績がやはり校内でも
トップクラスという設定です。
 

結局、重要なことは
 
 
「これと決めたモノについて、
 これでもかというくらい読み込む。
 繰り返す。」
 
 
ということ。
 
 

同じモノを、何度も繰り返し読んで
刷り込むということ。
 
 
「徹底した反復学習」
 
 
ここなんですね。
 
 
 
また、東京大学の入試は
国立ということもあって
高校の授業や教科書に準拠した内容を
出題するということです。
 

したがって、細かい知識を問うというよりは
どちらかというと基本知識からきちんと
順序立てて考えられる力を要求する問題が多くなると。
 
 
 
「基本知識から順序立てて考えられる力」
 
 
これは、全ての試験の本質ですね。
 
 

暗記すべき量が多い試験であっても
基本知識からきちんと立論する力を
意識しておくことが重要です。
 
 
 
直前期になると
どうしても細かい知識を追い求めがちです。
 
 

しかし、重要なことは
細かい知識を「覚える」のではなく
 

「基本知識から捉えると原則的なのか例外的なのか」
 

ということを押さえることです。
 
 
 
ある知識を習得する際に必要なことは
 

「どういう基本知識から派生した問題なのか。」
 

を捉えることです。
 
 
これを忘れないように。
 

では。
 
 
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第161回 完全な状態で試験に臨む自分。という妄想

 21.7.20

  
テキスト・過去問・六法の習熟度を100%にする。
 

完全な状態で試験に臨む自分。
 
 

それは妄想です。
 
 
 
ある年に最年長で合格された方が
次の言葉をおしゃっていました。
 
 
 
「本試験当日まで結局基礎は完成しなかった。
 不完全だった。でも、合格した。
 不完全でも受かるかもしれません。」
 
 
 
不完全ながらも、常に全体に目を通し
拾えるものを拾っていく。
 
 
このスタンスが大事です。
 
 

例えば、1000頁あるテキストのうち
500頁しか学習できなかった。
 
 
これは、まず不合格でしょう。
 
 

しかし、1000頁あるテキストのうち
500頁「分」しか学習できなかった
(理解できなかった)。
 
 
これなら、合格する可能性があります。
 
 

だったら、最初から完璧なんか目指さない。
 
 
不完全でもいい。
 
 
とにかく全体を常にまわし続けること。
 
 
とにかく高速でまわし続けること。
 
 
分からない部分を飛ばす勇気。
 
 
重要度の低い論点を飛ばす決断力。
 
 
 
この辺の思い切りのよさが
合格には不可欠です。
 
 

もう一度考えてみましょう。
 
 
 
合格に必要なスタンス。
マインドについて、です。
 

では。
 
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第160回 処理速度を上げる最大のコツは

 21.7.15

  
よく相談される事項の一つとして
 
 
「問題を速く処理するためには
 どうすればいいでしょうか?」
 
 
というものがあります。
 
 
これに対する回答は、主に2つ。
 
 
1 処理手順をマニュアル化できる部分については、あらかじめマニュアル化しておく
 

2 当たり前の領域を引き上げる
 
 
処理手順は、あらかじめ考える順序を
確定できるものを「処理手順ノート」みたいな形
でまとめておくことをお勧めします。
 

ここで重要となるのは
「自分なりの」という部分です。
 

巷には処理手順マニュアルが溢れています。
これは、他人の処理手順ですから
どうしてもしっくりこないところが出てきます。
 

まずは、一番クセのない処理手順を学び
何度もトライしていきます。
 

すると、自分なりに変えたい部分が
どんどん出てきますから
適宜改変をしていきます。
 

この繰り返しです。
 
 
ただし、処理マニュアルというのは
あくまでも「手順の確立」です。
 

やり方が分かるということと
それを「ミスなく」、「素早く」行う
ということは全くの別問題です。
 
 
処理手順を確立したら
確実に実行できるように訓練です。
 

何回も何回も泥臭くやり込むのです。
 

すると、今まで考えないと出来なかったことが
何も考えずに「自動的に」することができるように
なってきます。
 

これが重要です。
 
 

およそ試験において重要なことは
 
 

いかに
「頭を働かさずに、自働的に行うことができるか」
 
 

です。
 
 
 
はっきり言えば、考えているうちは
まだまだ修行が足りないということです。
 
 
 
マニュアルを理解したら
ひたすら訓練です。
 
 

1回、2回くらい試してみて
「上手くいかないんですよね。」というのは、
 

制限時間の中で、問題を解くという
訓練に対する認識が甘いと言わざるを得ません。
 
 
 
処理手順が確立していないのであれば
まずは王道と思われる手順を学びましょう。
 
 
 
手順はある程度分かっているという
のであれば、それを何回も繰り返して
自分のものにしましょう。
 
 
こういったシンプル思考は
本当に重要なことだと思います。
 

では。
 
 
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第159回 とりあえず過去問説は正しい

 21.7.13

  
「司法書士7ヶ月合格法」。
 

上記の書籍は、いわゆる資格試験の勉強を
し始めた頃に、何度も読んだ記憶があります。
 
どのような資格試験においても
およそ共通することが書かれているなと。

今でも思います。
 
 

この方の合格法はとてもシンプルです。
 
 
『択一過去問の正答率を99.9%以上にする。』
 
 
これです。
 
 
この方がすごいのは
講義やテキストをとりあえず差し置いて
(というか、ざっと確認して)
 
いきなり過去問にトライしているという点です。
 
 
まずは、ゴールを見据えよう。
 

どんな問題が出題されて
どんなことを覚えればいいのか。
 

そんなことを知るために
ひたすら過去問を読みまくる。
 

そんな方法からスタートします。
 
 
 
実は、これが理にかなった学習法なんですね。
 
 
学習に迷いが生じたら
やはり過去問に戻るべきです。
 

過去問をしっかりと読んで
問われている知識の幅・深さ・記憶の程度などを
今一度確認すべきです。
 
 
漫然とテキストを読んだり
適当に模試の復習をするより
 

よっぽど過去問を鬼のように
読んだ方が効率が良いです。
 
 
1 どのようなテーマが問われていますか
 

2 そのテーマでは、どのようなことがよく聞かれますか
 

3 どこまで覚えておけば良いですか
 

4 該当テーマでよく分からないことが聞かれたら、どういう方向で考えれば良いですか
 
 
 
こんなことをもう一度しっかりと確認してみましょう。
 
 
 
全ては過去問が教えてくれるはずです。
 

では。
 
 
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第158回 諦めずに努力をすれば絶対に合格できるのか

 21.7.8

  
諦めずに努力をし続ければ、絶対に合格できる。
 

すごく響く言葉です。
魔法のような言葉です。
 
 
しかし、これは若干不正確な言い回しです。
 

正しくは、
 

諦めずに正しい方向で努力をし続ければ
合格する可能性が高くなる。
 

です。
 
 
 
オブラートに包んだりしてもしょうがないことなので
はっきり書いてみようと思います。
 
 
まず、いくら勉強に勉強を重ねても
不合格になるときは不合格になります。
 

いくら、「合格レベル」の知識と解法技術があったとしてもです。
 

これは、合格率が低い試験になればなるほど顕著です。
 

特に、合格率が10%前後まで下がってくると如実に表れます。
(行政書士試験でも、え?あの人が…なんで…なんて場面にはざらにあります。)
 
 
だから、試験は怖い。十分な力を持っていたとしても
現場で何かミスをしたら終わってしまうからです。
 

また、努力についてもやみくもに頑張ればよいというわけではありません。
 

試験に合格するための方法論はある意味確立しています
正しい方法論というものです。
 

違う方向へ学習をしていると
いつまで経ってもゴールに到達することはできないのです。
 
 
さらに、自分「なりに」努力しているというのでもやはり足りません。
 

資格試験は、当たり前ですが「試験」です。
試験というのは、「客観的なもの」しか見てくれません。
 

したがって、いくら頑張ったとしても
「客観的に」合格ラインを超えるような勉強でないと意味がないわけです。
 

頑張ったという事実自体に点数が配分されているわけではないからです。
 

実は、頑張りが足りないだけだった。
これもよくある話です。
 
 
去年の本試験において、模擬試験の結果も良好で
学習のアドバイザーからも「順調にいっていますね。」と
言われていたにも関わらず悔しい結果に終わった方は
 
合格する可能性が高かったにも関わらず
何らかの危機管理のミスをしている可能性があります。
 

その観点から、本試験問題を見てみるべきです。
また、当日の自分の状態も思い出してみるのも良いと思います。
 
 
 
自分ではすごく頑張っているはずなのに
模擬試験の成績もあまり良くないし
「もうちょっとしっかりと覚えておかないとダメですよ。」
というようなダメ出しを受けている場合
その努力は、「客観的に」合格ラインにないということになります。
 

どの程度やることが合格ラインなのか。
これをもう一度体験記などを読んで確認してみると良いと思います。
 
 
 
勉強するのも、奮起するのも
紛れもない自分自身しかいないのです。
 

では。
 
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第157回 基本から考える

 21.7.6

  
やれていますか。
 

中上級講座の方は特にここを考えるべきです。
 
 
 
基本の知識から考える。
 
 

面倒ですよね。
 

でもね。
 

テキストに記載されている内容を全部覚えられますか。
 

絶対無理だと思うのです。
 

そのため、どうしても
基本から考えて導き出す訓練が必要なのです。


要は、
 

基本から考えて導き出す量が多い!
 
 
という方が、現場思考型で本試験を攻略し
 

基本から考えて導き出し、当該条文・判例を
思い出すことが「あらかじめ」出来るようにしておく!
 
 
という方が知識 重視型で本試験を攻略する
こういうイメージです。
 
 
どちらでも合格はしていますので
どちらでも結構です。
 

とにかく、考えることを怠らないこと。
 
 
思考の衰えは、本試験不合格の入り口です。
 

そのことを忘れないように。
 
何よりも。
 

合格すると、行政書士登録が出来るという重みを
知った方がいいです。
 

この試験は、どうやら暗記重視でも受かる試験のようですが、
それでは合格しても資格を使いこなせません。
 
これを死格というのです。
 

別にいいよっていうなら、止めません。
どうぞ、暗記して受かってください。
 
 
そうじゃないと思います。
行政書士の職責って。
 

どうか、この職責を感じながら
今の受験生ライフを過ごして頂きたい。
 

これを、切に願います。
 

では。
 
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第156回 択一式の普遍的な解法

 21.7.1

  
結局のところ、択一式の普遍的な解法は
 

「あれといえば、これ。これといえば、あれ」
 

です。
 
 
 
択一式の問題を間違える原因はどこにあるのでしょう。
 

1 その問題に関する知識がない
 

2 知識はあるが不正確
 

3 問題文に引っ張られてしまう
 

4 問題文を誤読する
 
 
こんなところでしょうか。
 
 
数年前に、ビジネス実務法務検定試験を受験してみて
思ったことなのですが
 
2の要素に+して3の要素がからむと厄介になる。
 

ビジネス実務法務検定は、「検定試験」という性質上
ある程度勉強をしてきた人は合格させてやろう。
そんな思いを感じる問題が多いです。
 
 
ある程度勉強をしていると大体の方向性が掴めてくる。
 

「あぁ、不正競争に該当するかは、大体このくらいの相場観だなぁ」
 

とか
 

「なるほど、このくらいまでいくと犯罪になるのか」
 
 
という、ざっとした理解ですね。
 
読んで意味が分かる状態と言っても良いです。
 

そして、検定試験では、上記のような理解があると
問題文がちゃんとリードしてくれます。
「ミス」リードではなくて文字通りリードしてくれます。
 

つまり、ある程度勉強した人が読んで曖昧な知識の状態でありながらも
きちんと問題文を読んでいけば
「うーん、こういうのは確かダメだったよね。」
というように思えるようにしてくれている。
 
 
しかし、行政書士試験ではそうはいきません。
 

言い方を悪くすると
問題文に「悪意」があります。
 

リーガルマインドとかいう名の「勘」で解こうとする人を
ことごとく排除するように問題文が作られている。
 
そんなイメージです。
 
 
例えば
 
 
全ての行政庁の処分は、行政不服審査法または個別の法律に特別の定めがない限り、行政不服審査法に基づく審査請求の対象となる。(H29-14-1)
 
 
という問題文。
これを誤りと判断してしまった方が多かったのですが
これは次のように改題するとすんなり正しい選択肢であることが
分かると思います。
 
 
行政庁の処分は、行政不服審査法または個別の法律に特別の定めがない限り、行政不服審査法に基づく審査請求の対象となる。(H29-14-1改)
 
 
いかがでしょう。

「全ての」という言葉を抜いただけで
「行政不服審査法は、審査請求についての一般法ですか?」と
聞いているだけなのが明確になります。
 

これが、「全ての」と入ってしまうだけで
「え?全て…なのか?うーん。」という
よく分からない悩みが出てきてしまう。
 

このように、問題文に少しだけ「毒」を盛るだけで
適当な理解や暗記になってしまっている人を選別することが
出来てしまうんです。
 
 
この毒に気付くには、どうするか。
 

答えは簡単で、
 

問題文「から」判断するのではなく
問題文の聞いている「論点」を丸裸にしてしまうこと。
 

つまり、この問題文は、
どの知識を問うているのかを読み取ることなんです。
 
 
論点さえ分かってしまえば
「毒」にも気づくことができます。
 
 
ゆえに、択一式の問題は、
問題文をちゃんと読んで判断しましょう。
というアドバイスは、正確には間違いで
 
 
択一式の問題は、
   問題文をなるべく読まないで
   論点だけを先に把握してしまいましょう。
  その後、論点想起をして、問題文に当てはめてみましょう。
というのが、正しいアドバイスなのです。
 
 
 
問題文をちゃんと読んでいるのに
テキストをちゃんと学習しているのに点数が伸びない方。
 

それは、問題文の「毒」に完全に殺されています。
問題文に踊らされているんです。
 
 
ぜひ
 

問題文を軽く読む→論点想起→あてはめ
 
 
のプロセスを意識して勉強していってほしいと思います。
 

今まで頑張って学習してきた方なら
そろそろ出来てくるはずです。
 
それでは、また。
 
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第155回 過去問は解けるのに、初見の問題が解けない現象

 21.6.29

  
過去問は解けるのに
初見の問題が解けないという現象。
 
 
 
これは誰もが通る道です。
 
 
 
原因はいつも自分自身で言っているのですが
いざ自分の身に降りかかると
「マジかよ…何でだよ…」という気持ちになります。
 
 
 
しかし、ここはグッと堪えて
しっかりと分析→原因発見→修正を図らないといけません。
 
 
 
原因は、やはり
 
 
 
根拠条文・判例が明確に言えない
 
 
 
ことにあります。
 
 
 
制度趣旨や制度の概要はある程度分かるのですが
明確に要件や効果が口に出して言えない。
 
 
また、いくつかパターンかあるうちの
一部しか覚えられていない。
 
 
そういう中途半端な状態です。
 
 
 
そのため、他の制度の要件と少し混ぜて聞かれたり
他の概念とすり替えて聞かれたりすると
すぐに翻弄されて間違える
 
 
 
あげく、価値判断という名の勘で解いてしまい間違える
 
 
 
この繰り返しです。
 
 
 
ここから、過去問の選択肢ごとに
丁寧に条文・判例を理解して覚え込む。刷り込む。
 
 
 
これを徹底させます。
 
 
 
ここで手を広げてはいけません。
 
 
 
手を広げないで、過去問の範疇から徹底的に刷り込む。
 
 
 
分かってはいるけれど本当に難しいですね。
 
 
 
もし、成績が上手く伸びないと悩んでいるのであれば、
もう一度ここを徹底してみましょう。
 
 
 
過去問で問われている条文・判例は何ですか。
 
 
 
その条文・判例を明確に言えますか。
 
 
 
その条文・判例を人に説明できるくらい理解できていますか。
 
 
 
一緒に頑張りましょうね。
 
 
 
それにしても…
受験勉強は大変だな。
 
 
では。
 
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第154回 どこまで覚えればいいか

 21.6.24

  
「条文」の暗記についての認識に
差があるなぁと感じることが多いです。
 
 
覚え込みの「認識」の差です。
 
 
数回受験して不合格になっている場合
例外的な場合を除いて、認識のレベルを見直した方が良いでしょう。
 
 
たとえば、次の問題は、
認識レベルの差を体感できるものと思います。
 
 
次の空欄にあてはまる語句を挿入せよ。(H27-12改)
 
 
申請 ―― 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の[ ア ]に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が[ イ ]をすべきこととされているものをいう。

不利益処分 ―― 行政庁が、法令に基づき、[ ウ ]を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。

行政指導 ―― 行政機関がその任務又は[ エ ]の範囲内において一定の行政目的を実現するため[ オ ]に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
 
 
 
この問題は、本来であれば語群がありますから
それをヒントにしてもなんとか解答できるはずです。
 

もっとも、語群がなければ解答できないようであれば
その受験生が合格する可能性はほぼ0でしょう。
 
 
行政手続法では、定義を正確に覚えられているかが
繰り返し問われています。
 

このような問題に対応するためには
定義を正確に暗記していく必要があるわけです。
 

もちろん、丸暗記は無理ですから
概念の理解を前提にして構いません。
 

また、本試験では、本当にまっさらな状態から
定義を言わせることはありませんので
最初の数文字はヒントとして見ても良いでしょう。

(たとえば、行政指導の定義であれば「行政機関がその任務~」までは
答えを見ても良いということ。
そこから先を諳んじて言ってみるわけです。)
 
 
 
ここで、ある受験生Aは、こう考えます。
 
 
あー、こういう定義を聞いてくる問題があるんだ。
 まぁポイントをしっかりと覚えておけばいいかな。
 どうせ、定義を正確に暗記するなんて無理だし。
 
 
 
これに対して、ある受験生Bは、こう考えます。
 
 
うわー、定義の穴埋め問題か。結構出題されてるよなぁ。
 どこが抜かれるか分からないし似たような言葉が出たら
 パニックになるなぁ…
 よし、ここは多少の助詞のミスは多めに見るとしても
 ほぼ全て言えるくらいに覚えておこう。
 
 
この場合、受験生Bが正解です。
 

とかく、受験生Aは、不正確な知識が多く
また、手を広げていく方向にあります。
 

受験生Aは、暗記という認識レベルの差が甘すぎます。
その程度の暗記では、本試験では歯が立ちません。
しかし、それで十分だと本人は思っている。
 

だから、模擬試験や本試験で成績が伸びないのがどうしてか分からない。
 
 
だから、模擬試験や本試験で問われた未知の知識をさらに押さえようとする。
 

しかし、それが原因ではないので成績は伸びない。
 

また、未知の知識を押さえようとする。
 

…以下繰り返し。
 
 
本来は、受験生Bのように
 
 
基本的な知識を「正確に」押さえることに集中すべき
 
 
なのです。
 
 

受験生Bのように、正確に覚えようと努力をすると
些末な知識に付き合っている暇がまずなくなります。
手を広げたくても、広げる余裕がないのです。
 
 
単純な知識レベルでいえば
受験生Aの方が高いでしょう。
 

しかし、本試験で闘わせると
100%受験生Bが勝ちます。
 
 
本試験では、応用的な知識で差がつくことは
まずなく、

基本的な知識の正確な理解・記憶で差がつくからです。
 
 
成績が伸びないと悩んでいる方は
この認識をもう一度あらためるべきです。
 

では。
 
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第153回 高速回転におけるコツ~でてくる疑念~

 20.6.30

  
高速回転においてマストなことは
 

「習得済みの部分を読み飛ばす」こと
 
 
です。
 

これが勇気のいることなのですが
マストな以上やらないわけにはいきません。
 
 
 
ただそれでも、
 

忘れてしまってないんだろうか。
 

本当は理解できていないのではないか。
 
 
こういう悩みをもつのは当然ですし
(ある意味、受験生としては最も健全な悩みである)
この悩みを解消することも重要だと思います。
 
 
 
まず、上記の悩みを解消するために必要なことは
定期的な答練・模試の受講です。
 
 
通年講座等を取られている方であれば
答練・模試がセットになっているはずなので
 
 
これを定期的に(これが重要。
不定期だとチェックできないのでコンスタントに受けるのがポイント。)
受講していきます。
 

すると、実は理解できていなかったことや忘れてしまっていた部分などが
如実に現れます。
 

この段階で、すぐに叩き潰します。
 
 
一度大丈夫だと思って飛ばしていた部分ですから
そんなに時間はかからないはずです。
 
 
 
また、重要な内容に絞り込まれている教材を併用させることも効果的です。
 

重要な内容に絞り込まれているものを
1~2か月に1度くらいのペースでざっと目を通していく。
 

こうすることにより、普段飛ばしている部分についても
重要なところだけは定期的にチェックすることができます。
 
 
まとめます。
 
 
1 高速回転のコツは、理解を深めることにある。(これは当然)

2 さらに回転数を速めるには、習得済みの部分を読み飛ばすことである。

3 2による不安を解消するためには、定期的な答練・模試を受講することが有効である。

4 また、重要論点のみが記載されているテキストを併用することも効果的である。
 

以上です。
 
 
ご参考までに。
では、引き続き応援しています。
 
 
  


第152回 短期的な目標を設定する

 20.6.23

 
  
行政書士試験においては
7月からエンジン全開です。
 

去年、惜しくも合格を逃された方にとってみれば
(総合計170点前後もしくは一般知識等の基準点割れ)
今まで学習は、どうしても身が入らないものだったはず。

本試験後からガツっと集中できる方もいますが
そう多くはなかったはずです。
(むしろ、いきなり集中できた方は、相当メンタルの強いもしくはまだ伸ばす余地があることを自覚されていた方だと思います。)
 
 
そして、そのことを後悔する必要もないと思います。
 

2月~6月は、準備期間。
学習の下地を構築すること。
 
これが目標で良いのです。
 
 

ここから、エンジン全開です。
7月以降は、各受験指導校にて模擬試験が順次開催されます。
 

この模擬試験に向けて、全力の準備を。
 
 
11月の本試験に向けて全力の準備を。
というのは、無理な話です。

遠すぎてなんとなく実感がないし
何をしたらいいのかも上手く掴めない。
 

だからこそ、短期的に目標を設定していく。
 
つまり、模擬試験ごとに全力を尽くす。走り切る。
 
 
模擬試験を終えたら、反省。
これを普段の学習に反映させたら
また次の模擬試験へ走り出す。
 
 
この繰り返しです。
 
 
単純なようですが
実はあまり出来ていない方が多いです。
 

模擬試験を本試験の延長線上に捉えている方が多いような気がします。
 

自分の中のイメージでは、
模擬試験は、本試験前の「壁」です。
 
 
壊せればそのまま走る。
 
壊せなければ、その場でチューニングする。
 

延長線というイメージだと何の障害もなく
するっと通過出来てしまいます。
 
延長線上だといって
生ぬるい覚悟で模擬試験を受けるのは愚の骨頂。
 

今の自分が出来る最大の準備を模擬試験にもっていく。全力でぶつける。
 
 
このように、模擬試験を「短期的な目標」として細かく設定し
それに向かって確実に準備をしていくこと。
 

これが、7月からのテーマです。
 
 
どうやら、多くの合格者は、7月~10月の間に
「4~6回」ほど中継地点を設けることが適切だと
考えているようです。
 

そんな形で、ぜひ今後のスケジューリングを組んでみてくださいね。
 
 
では。
 
  


第151回 そんな簡単に力は落ちない。

 20.6.16

 
  
直前期に、特に何のトラブルもなく
そのまま本試験を迎える。
 

そんな方も多くいらっしゃいますが
その逆もまたよく聞く話です。
 
 
そんな時に、どうしても
 

あぁ、やっぱり今年はダメだ。
今まで頑張ってきたのにそれが全部崩れてしまった。
 

このように思ってしまうことが多いはず。
 

この気持ちは、よく分かります。
 
 

直前に勉強の空白期間が少しでもあると
やってきたことの全てが崩れていく感覚になる。
 

あれは何ででしょうか。
いまだに解明出来ていません。
 
 
 
ただ1つだけ言えることは
 
 
頑張って刷り込んできた知識や解法は
そんな簡単に落ちません。
 

そんなやわなものではありません。
 
 

そもそも、簡単に失われるような力で
本試験に立ち向かうことはできないはずです。
 

難しいと思いますが、どうか気持ちを前へ。
前へと持っていくようにしてほしいと思います。
 

では、また!
  


第150回 日々のルーティンのつくり方

 20.6.9

 
 
 
試験勉強においては
「コアタイム」を設けることが何よりも重要です。
 
 
 
「コアタイム」がないと
日々のルーティンをこなすことができないからです。
 
 
 
ウィークリーもしくはデイリーの中で
確実に、しかも誰からも邪魔されずに学習できる時間。
 
 
 
これを作るようにまずは努力してみましょう。
(自分は、すごい朝か夜。電車の中なんかをコアタイムとして置いています。)
 
 
 
また、学習内容以前に
日々の学習にムラがあると合格は難しいです。
 
 
今日は、1問1答をちょこっと見たな。
今日は、テキストを15頁読んだな。
えっと…明日は…何をやろう。
 
 
と、こんな感じの学習だと相当厳しい。
 
 
 
なので
 
 
この時間帯ではこれをやって。
そこから、これをやって。
 
 
こんなルーティンを確実に作っていくようにしましょう。
 
 
 
なお、常に同じ日々を送っているという方も少ないと思いますから
いくつかのパターンを作っておくと良いですよ。
 
 
 
例えば
 
 
 
5:00~6:00 過去問&問題集読み
→試験の全範囲をあらかじめ割っておくと良いです。
民法は、6分割でいく。というようにしておけば
何問問題を読めばいいかがなんとなく算出されます。
 
 
 
7:30~8:30 電車の中で、朝読んだ問題に対応する。テキストを読みこむ
→テキストから問題集にいくよりは、
問題集を読んでからテキストの方が効率が良いです。
どんなことが聞かれていたかを意識しながら
読み込むことができるからです。
(もちろん、学習の初期段階ではテキストから読まなければなりませんが。)
 
 
 
9:30~18:30 仕事
→合間に、休憩。昼食を軽く取ったら……寝る!
休憩時間も学習計画の一つです。
合間に1520分ほど寝ると、体力が持続します。
 
 
 
19:00~20:00 電車の中で、分からなかった部分を再度読んでみる
→一度触れているところをやるのがポイント。
一日頑張っていますから、新規のページを読んだりするのは難しいです。
やったところをもう一度触れるくらいなら…
というようにハードルを下げるのがポイントです。
 
 
 
一応、これで一日の学習時間を
3時間想定にして立ててみました。
 
 
コアタイムを確実に作って
そこでやるべきことをしっかりと落とし込む。
 
 
日々のルーティンで淡々とこなす。
 
 
これが本当に大事です。
 
 
それでは、また。 
  


第149回 なぜ、急激に力が伸びるのか?

 20.6.2

 
 
模試の成績が全然良くないです。
今年の本試験には、絶対に合格しないと思うのですが
どうしたら良いでしょうか。
 
 
模試シーズンなると
このようなご相談を受けることが増えます。
 
 
この辺りの相談を受ける場合
法令択一が17問、一般が4問、記述式がほぼ壊滅というイメージになるのかなと思います。
 
 
 
で、です。
 
 
こういった相談をすると、大体言われるのが
「模試の結果はあくまでも模試。
 気にしないで、本試験に向けて頑張れ!」
というもの。
 
 
このアドバイスはその通りですし
自分もそうすべきだと思います。
 
 
 
しかし、ここまで壊滅的だと
もう無理……
自分が今までやってきた勉強って何だったんだよ…
 
 
という気持ちになるのもよく分かります。
 
 
 
実は、ここからなんですね。
 
 
一発で合格されている方は
ここから急激に力を伸ばして合格する
というケースが非常に多いです。
 
 
 
それでは、なぜ、急激に力が伸びるのでしょうか?
 
 
 
勉強時間が増えたから?
魔法のような講座があったから?
 
 
いいえ。
これは、あるメカニズムが関係しているからです。
(図解みたいなのが出来ると良いのですが、
自分の技術では不可能なので、イメージでお伝えします。)
 
 
 
法律の勉強は、原則として単発の知識では構成されておらず
ある程度連なった知識になっていることが多いです。
 
 
つまり、ある制度「甲」があったとして
その制度趣旨である「A」があったとします。
 
 
 


Aという趣旨で設計されている
 
 
という構図です。
 
 
すると、「甲」という制度を学習する時には
「A」という趣旨を常に意識しながら学習することになります。
 
 
Aという趣旨から考えて学習すると
a~cまでの知識は、当たり前のように思えるはずです。
 
 
 


Aという趣旨で設計されている

Aという趣旨に鑑みると、a,b,cという結論になるのは当たり前だと思う
 
 
という構図です。
 
 
しかし、法律のような社会科学は
社会の実情や価値考量に応じて例外を平気で認めます。
 
 
つまり、制度趣旨から考えれば
逆の結論になるはずなのに、なぜか違う結論になっている。
ということですね。
 
 
こういう知識を、defとします。
すると、def
 
無理やり覚えるか
なぜ筋を捻じ曲げているのかを考えて理論的に覚えるか
の2択になります。
 
 
 


Aという趣旨で設計されている

Aという趣旨に鑑みると、a,b,cという結論になるのは当たり前だと思う

Aという趣旨に鑑みると、d,e,fの結論はおかしな気がする

無理やり覚えるorなぜ筋が違うのかを考えて理論的に覚える
 
 
 
こうして、「甲」という制度について
の学習が終了するのですが
 
「甲」というテーマの問題を解くためには
上記の事柄について、完全に掌握しておく必要があるわけです。
 
 
 
つまり、「甲」という制度は
どのような趣旨で定められたのかが説明できる。
 
 
その趣旨から、当然に導かれる知識を説明できる。
 
 
趣旨から考えるとおかしな結論になるものを把握しており、それを覚えている。
 
 
 
どこか1つが欠けていても、点数が取れなくなります。
 
 
例えば、上記の知識のうちa,b,d,e,fは押さえているけれども
「c」を押さえられていないとどうなるか
 
 
 
おそらく、「c」が答えられないだけでなく
「あれ?実は、a,bと思っていたけれど…これって例外の例外なのか?
あれ?そういえば、fという話を聞いたこともあるような…」
 
 
というように
「c」が欠けているだけで既存の知識ですから簡単に壊れる
のです。
 
 
 
しかし、この人は、甲という制度は理解し
Aという趣旨も分かっています。
また、a、b、d、e、fの知識も押さえているわけですから
残りの「c」という知識だけを押さえれば
甲という出題テーマにおいては無敵になります。
絶対に正解できるようになるわけです。
 
 
 
これが、急激に力が伸びるメカニズムです。
 
 
ほとんどわかっているんだけれども
ある知識「だけ」が欠けているため
点数に全くつながらない
 
 
しかし、この直前期の段階で
そこが煮詰まってくると
一気に問題が解けるようになる
 
 
 
そんなイメージです。
 
 
 
なんだか小難しい話になりました。
参考にして頂けると幸いです。
 
 
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第148回 徹底した基本の繰り返しこそが、応用力を養成する

 20.5.26

 
 
新しいことや苦手なことを学習する場合
以下の工程を辿ります。
 
 
テキストを簡単に一読する
(分からない用語などがあれば、軽く調べるくらいで、深くはやらない。)
   
    ↓
 
該当範囲の問題を読んで何がポイントなのかを掴む
   
    ↓
 
そのポイントを、テキストに戻って確認する
(何が、どのように問われたかを端的にメモする。)
   
    ↓
 
上記の工程から、何をどの程度覚えておけばいいのかを抽出する。
 

あとは、テキストを読みこみ
時々問題集を読み直して解けるようになっているかを確認する。


以上、とってもシンプルですが、
これが学習の「基本」です。
 
 

自分の知っていることばかり勉強していると忘れがちですが
どんな学習をするのであれこの工程を辿っておけば
必ず合格ラインに行きつくことができます。
 
 
まずは、学習の「基本」をしっかりとこなしましょう。
 

速読がどうとか、記憶術がどうとか。
その前に、学習の「基本」に忠実にやるべきです。
 
 
 
さて、この工程の中で知識の習得
つまりは「理解と暗記」をしていくわけですが
 

知識の習得の「基本」は
「大きな視点で荒く理解&記憶」をしていき
「徐々に細部を詰めていく」ことです。
 
 
知識の習得の基本は、視点を発見していくことです。
そして、同じ視点から常に物事を見続けることです。
 

すると、違う条文・判例であるはずなのに
「あぁ…まぁそりゃあそうなるよな。」
と納得することが多くなるはずです。
 

納得が出来るのであれば、
特に覚え込む必要はなく、学習する時に同じ視点で見続けるだけでよい
ということになります。
 

これがポイントです。
 

ここで同じ視点で見ることが面倒になり
やめてしまってはいけません。
 
 
同じ視点で、何度も同じ知識を納得し続けることが
「根本的な思想」を理解することにつながるのです。
 
 
逆に、納得がいかない。
つまり、同じ視点から考えると
矛盾するように思えるものに遭遇したらどうするか。
 

この場合、同じ視点で考えたときの
「不都合性」を見抜きます。
 
根本的な思想は同じはずですから
ある視点から考えると矛盾するということは
何か「不都合性」があるということです。
 
 
その不都合性を捉えていくことが何よりも重要なのです。
 
 
視点を抽出する → 視点から出せるものは全部そこから考えるようにする → 矛盾したら不都合性を捉える
 
 
これが、思考力です。
基本的な思考は、「応用力」を生み出します。
 

変な角度から問われたり、自分が知らない条文・判例から問われた場合
上記の思考で考えていけば、一定の結論に達することができます。
 
 
これが、2択症候群を脱却する一番のポイントであると考えられます。
 
 
応用力のない知識をいくら増やしても合格は難しいです。
 

徹底して、基本を理解しよう。
そして、繰り返そう。

その先に、応用力があります。
 

難しいことをやれとは言っていません。
 
簡単なことを、飽きずに(というか飽きるくらい)繰り返してくれ
と言っているのです。
 

「出来ない」というのは、基本的には嘘と思います。
 

本当は、「出来ない」んじゃなくて、
「やりたくない」だけなんです。
 

基本を徹底的に繰り返すことは
本当に面倒でやりたくないことです。

でも、これをすることなしに合格は本当に難しいです。
 

それでは、また。
 
 
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第147回 問題集を解いていく意味

 20.5.19

 
 
問題集を解いていく意味って何でしょう?
 
 
そりゃあ、問題が解けるようになるためでしょう。
 

最終的にはそうなのですが重要なことが抜けています。
 
 
問題を解く目的は
 

「テキストの知識を立体化するため」
 

です。
 
 
 
テキストの記載だけでは(どんなに詳しいテキストでも)
何がポイントで、どんなことが問われるのかが見えてきません。
 
 
そこで
テキストの該当範囲に対応する問題を解いていく。
 

これによって、
 
 
「あぁ、ここってこういうことが問題になるんだ。」
 
 
とか
 
 
「ここかポイントなのか。」
 
 
ということが分かってくるわけです。
 
 
 
なので、問題を解いたら必ずテキストに戻ること。
 

そして、テキストには
問題を解いた際に必要と思われることをメモしておくこと。
 
 
例えば、請負契約の担保責任を
勉強しているとき
 
 
「ここは、担保責任の原則・例外をかっちりと言えないといけない。
問題では、ごちゃごちゃ聞いてくるから、丁寧にあてはめること。」
 
 
といったような、覚書をしておくのです。
 
 
 
要は、
 
 
テキストの記載が問題ではどのように問われるのか。
 

ここを立体化することが問題を解く大きな目的です。
 
 
これを行っていけば
自然と問題集を解く必要がなくなってきます。
 

最終的には
 

テキストだけを読んでいれば全てが分かるようになる。
 

こんなイメージが持てると合格に近いイメージです。
 
 
日々頑張って勉強されていますか。
5月~6月は、どうしても学習がダレてしまう時期です。
 
そんなときこそ、淡々と勉強を。
それでは、また。
 
 
 
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第146回 現場思考と勘はやっぱり違う。

 20.5.12

 
 
現場思考とは
あらかじめ学習してきた
「条文・判例を思い出す道筋」から応用させて考えること
をいうと定義づけしてみましょう。
 
 
これに対して、勘とは
問題文の事情から一般的な感覚に則して考えること
をいうと定義づけしてみましょう。
 
 
本試験等を解いているときには
全然解けている感覚がなく

「あぁ…これはダメだ…」となっているにも関わらず
点数が高い方っていますよね。
 
 
そして、上記と同じ感覚でありかつそのまま点数が低いという方も。
 
 
この違いは、
 
「現場思考」で解いているのか、「勘」で解いているのか
 
の違いである。
 

これは、間違いないと思います。
 
 
 
例えば、次のような問題を読んでみてください。
 
 
収用対象とはなっていない土地について、隣地の収用によって必要となった盛土・切土に要する費用は損失補償の対象になるが、それにより通路・溝等の工作物が必要となったときは、当該工作物の新築に係る費用は補償の対象とはならない。(H30-21-4)
 
 
この設問は、行政書士試験の範疇外であると考えられます。
土地収用法に関する細かい知識を問う問題は、過去問でも出題実績がないからです。
 
 
したがって、この設問に対して
事前に知識として把握している受験生は皆無であったはずです。

(なお、本問全体を解くうえで、この肢を判断する必要はありませんでした。
もし、判断しないと答えが出ない問題であったらという仮定の下に考えてみましょう。)
 
 
ここで、損失補償が必要な場合について、
きちんとした道筋から判例等を捉えようと勉強していた方は、
 
 
「特定の人物だけに損失が生じる場合で特別な犠牲がある場合とかに必要だったよなぁ…、うーん、隣地の収用によって必要となったってことは、特定の人に対してだけ損失が生じているってことだよね。
しかも、盛土・切土、通路・工作物か…一般的には結構費用もかさばりそうだよな。
特別な犠牲と認定しても問題はなさそう…
これは、×かなぁ。」
 
 
という要領で、本問を検討することになると思います。
 
 
 
これに対して、勘でいく方は
 
 
「えー、通路とか作る必要あるのに、補償いらないだって。そんなわけないでしょ。こんなのが通ったら、みんな怒るよ。
これは、×。」
 
 
という要領で、本問を検討することになると思います。
 
 
結果的に、どちらも×と判断できているので
差がついていないようにも思いますが
後者がいかに危険な橋を渡っているかが分かるでしょうか。
 

一般的な考えが法的な常識と異なることが多々あることは
学習をしていればいるほど感じられるはずです。

後者のように、いつまでも勘で解いているうちは
ある一定の成績でピタッと止まります。
 
 
以降は、余計な知識のせいで基本知識がブレて間違えたり。
それに気づかずに、さらに知識を増やそうとしたり。
 

いわゆる泥沼というやつです。
 
 
この辺りの感覚が身についてくると
択一式の成績はかなり安定してくるはずです。
 
 
なお、行政書士試験においては
上記のような現場思考が出来なかったとしても
法令等科目であれば20/40問くらいは取れます。
残りの20問から、なんとか8問前後取りたいというイメージです。
 
 
上記のような点数に届かないという方は単なる勉強不足です。
まずは、過去問ちゃんとやりましょう。
 

上記と同じくらいの点数で止まっているという方は、
普段の勉強の中で
「一定の道筋から条文・判例を思い出す」
という工程が不足しています。


分からないことに対して、勘でやっているうちは、
試験には通らないと思います。
 
 
一定の道筋から、
条文・判例思い出せるように日々テキストを読む。
問題を解く。
 
 
この感覚がどうにか伝わると良いのですが。
今後も色々と工夫をしてみようと思います。
 

では。
 
 
  


第145回 どう考えればいいんだ、何を覚えればいいんだ。~学習の基本~

 20.5.5

 
 
学習の基本は、何でしょう。
 
 
テキストを読むこと。
問題を解くこと。
 
 
 
いいえ。そうではなく。
 
 
 
極論を言えば、学習の基本とは、
 
 
 
「出来ないことを出来るようにすること」である。
 
 
 
合格される方、特に一発合格者は
この部分の修正がとても細かく出来ています。
 
 
 
テキストを読む → 問題を読む → 問題が
上手く解けない → 勉強が足りないんだ →
また、テキストを読む ……以下繰り返し
 
 
 
これが、不合格の典型的なスパイラルです。
 
 
 
勉強が足りない。
というのは、具体的に何でしょうか。
 
 
 
そもそもの理解が不足しているのか。
 
 
 
記憶のポイントがズレていたのか。
 
 
 
記憶が定着していないのか。
 
 
 
連想すべきことが出来ていなかったのか。
 
 
 
ケアレスミスをしてしまったのか。
 
 
 
その問題を解くためには
「具体的に」、「何が」、「どのように」足りないのか。
 
 
ここを掘り下げることが重要です。
ここはこだわることです。
 
 
掘り下げたことに対して
どのようなことを出来るようにすればいいのか。
 
 
 
これを着実に積み上げていけば
必ず問題は解けるようになる道理です。
 
 
 
テキストを読む → 問題を解く → 問題が上手く解けない → 上手く解けない原因はこれだ → テキストで潰す
以下繰り返し
 
 
 
これが、合格のスパイラルです。
 
 
 
トライ&エラーの繰り返しとはいいますが
エラーに対して、どれだけ「具体的な対策」を考えるか。
 
 
これが何よりも重要なのです。
 
 
 
直前期になってくると
どうしても雑な勉強になりがちです。
 
 
雑な勉強は、既に出来ることを確認してしまったり
出来ない原因を解明しないで漫然とテキストに
当たってしまったりと、良いことはほぼゼロです。
 
 
 
丁寧に勉強すること。
もう一度、考え直してほしいと思います。
 
 
では。
 
 
  


第144回 短期間に3回まわす

 20.4.28

 
 
新しいページを読み進めたり
新しい問題を解いていくのはかなり体力を消耗します。
 
 
 
とはいえ、1日に読むページ数や問題集が少ないと
どうしても合格ラインに乗っけていくのが難しいのも事実。
 
 
 
そこで、お勧めが
 
 
 
ヒンドゥー・メソッド
 
 
 
と呼ばれる方法です。
 
 
 
日本語に引き付けると
3歩進んで2歩下がる勉強」といったところでしょうか。
 
 
 
例えば、合格に必要な学習量が「1120頁」だとします。
このくらい読んでいかないと合格者が主張している回転数に届かないと。
 
 
 
ここで、頑張ってテキストを1日120頁読んでいこうと努力をしてみます。
しかし、どう考えても終わらない。
 
 
 
あぁ、やっぱり合格者と自分には何か大きな差があるんだ。
こんなに読めるわけがない。
 
 
 
このように諦めてしまうケースがほとんどです。
 
 
 
そこで役に立つのが「ヒンドゥーメソッド」です。
 
 
 
ヒンドゥーメソッドでは、
 
 
「同じページを、短期間に何度も読み込む」
 
 
ことで、理解の促進と記憶の定着を図っていきます。
 
 
 
具体的には、「140頁」読み込むのだけれども
「同じ40頁を、1日に3回読む」ようにするのです。
 
 
すると、「140頁×3=120頁」という計算になり
理論上は同じ量の勉強をしていることになります。
 
 
 
このように、同じ箇所を1日のうちに何回も読んでしまい
都度完璧にしていく方法論がヒンドゥーメソッドです。
 
 
 
もちろんやれるなら4回とか5回でも構わないですが、
可処分時間などを考えていくと3回くらいが妥当なラインかなと思います。
 
 
 
学習の効率は、ちょっとした工夫で劇的に変わっていくものです。
 
 
 
お悩みの方は、明日からぜひ試してみてください。
同じ箇所を、3回読んで120頁読んだことにしてしまう。
上手くいくと凄く爽快感がありますよ。
 
 
それでは、また。
 
 
  


第143回 行政法を得意にする方法~続き~

 20.4.21

 
 
前回の続きを書いてみたいと思います。

前回の記事のポイントは
要するに
 

過去問で出題された内容を把握することで(繰り返し解くことで)
10問前後の土台を築いてしまおう。
 

ということでした。
 
 
それでは、ここから15問前後まで引き上げるためには
何が必要なのでしょう。
 

その答えが
 
 
1 未出の知識が習得出来ていない
 
2 架空条文に騙される
 
3 引っかけポイントを読み落としてしまう
 
 
ということでした。
 
前回は、1について説明しておりますので
今回は2、3を書いていきます。
 

2の架空条文に騙される。
これは、行政法によくある出題方法の1つです。
 

たとえば、次のような問題が挙げられます。
 
不利益処分の名あて人となるべき者は、弁明の機会の付与の通知を受けた場合、口頭による意見陳述のために、弁明の機会の付与に代えて聴聞を実施することを求めることができる 。(H28-11-2)

→ × そのような規定はない。
 
 
処分の差止めの訴えの審理中に当該処分がなされた場合、差止めの訴えは、当該処分の取消しの訴えとみなされる 。(H27-18-ア)

→ × そのような規定はない。
 
 
この問題の怖いところは、趣旨等から考えると
そのような手続でも悪くないよな。と思わされてしまう点です。
 
 
上記の例でいけば、国民側からすれば、
弁明の機会より聴聞の方が慎重な手続だし求めることもできそうだよな。
弁明は書面のやり取りしかしてくれないし。
と思って、○に。
 
 
次の問題も、差止めの訴えの間に処分がされたら
確かに、既に差止めの訴えになってないもんな。
ということで、○に。
 
 
問題文に引っ張られると
こういう考えに陥りやすいのです。
 

したがって、架空条文問題の攻略のポイントは
「見たことないな。」「聞いたことないな。」
というファーストインプレッション。
 
これに尽きるわけです。
 
ここで、危ないから回避をすることが
何よりも重要。
 
 
さらに重要なことは、
当該手続の流れを「全て」把握しておくこと。

行政手続法や行政不服審査法、行政事件訴訟法は複雑に見えて
一定の手続の流れがあります。
 

この手続の流れを、何度も把握するように努めること。
これがポイントです。
 

一定の手続はそれこそ普遍なのですから
普遍のものに常に照合をかければ
「そういう手続は存在するか」はすぐに見抜けるはずです。
 
 
なので、学習の方向性は、細かい知識を追いかけるのではなくて
「聴聞手続はこういう制度になってます!」と
何回も言えるように訓練すること。
 

問題は、この手続を理解・暗記しているかを問うチェックテストの
ようなものですから
「自分の覚えている手続と照合させるとそれは違うと思います!」と
自信をもって宣言できるようになればいいわけです。
 

(ちなみに自分は、聴聞や弁明の機会の付与、審査請求の手続の流れを
言えるようにブツブツと何回も再現していました)
 
 
一定の手続そのものを覚えて
そこから外れていれば架空条文。
 
そう思えばいいということです。
 
 
さらに、ひっかけポイントを落とす。
これも、結構ありがちです。
 
 
例えば、次のような問題です。
 
申請拒否処分の取消訴訟の係属中に当該申請拒否処分が職権で取り消され、許認可がなされた場合には、当該取消訴訟は訴えの利益を失い、請求は棄却されることとなる。(H29-17-4)

→ × 訴えの利益を失うのなら、請求「棄却」ではなく、「却下」です。
 
 
これは、典型的な引っかけポイントです。
過去問でも何回か出題されています。
 

それでも、最大限の警戒をしていなければ
平気で間違えてしまいます。
 
 
これは、普段の模試・答練で、典型的だが
気付きにくい引っかけをメモして溜めておくとよいです。
 

自分は、いつもこういうミスをする。
自分は、いつもこのひっかけに気付かない。
こういうことをメモしておく。
 

問題を解くときには
それを前提に最大限の警戒をしておく。
 
 
上記の問題でいけば、
「あ、棄却ってきた。ここは、認容だ却下だという
判決の種類を引っかけてくるから注意しなければ…」と思った上で
 
 
「あ、訴えの利益を失いとなっている。これは、引っかけ問題だ。」
と気付くのが正解です。
 
 
気付けないのなら、事前に気付くように
最大限の警戒をしておけばいい。
 

単純ですが、そういうことです。
 
 
また、過去問を解くときに、
次のような練習をしておくと、
気付きにくいひっかけを洗い出すこともできます。
 

それは、ずばり、「問題文の置き替え」です。
問題文の一部分を置き替えても、日本語として通るものについては
ひっかけ問題を作りやすい。
 

そこで、日頃から、問題文の置き換えを行い訓練してみると良いです。
出題者の思惑がよーく分かるようになります。
 
 
例えば
 
仮の差止めは、処分がされることにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、申立てにより、または職権で裁判所がこれを命ずる 。(H29-19-3)

→ × 要件が違います。また、職権で行うことはできません。
 
 
この問題文を置き替えていきます。
 
仮の差止めは、処分がされることにより償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、その損害を避けるために他に適当な方法がない時に限り、申立てにより、または職権で裁判所がこれを命ずる 。(H29-19-3改)

→ 損害の要件を正しく置き替えました。出題者はこの点を聞きたいということが、問題文を置き換えることによって分かると思います。
 
 
さらに、置き替えましょう。
 
仮の差止めは、処分がされることにより償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、申立てにより、または職権で裁判所がこれを命ずる 。(H29-19-3改)

→ 「かつ、~」以下を、正しい要件に置き換えました。その損害を避けるため他に適当な方法がないというのは…差止めの訴え本体の要件でしたよね。こういうのは、正しい条文を参考にして、問題文を置き替えてみると、すごく良いです。
 
 
さらに、いきます。
 
仮の差止めは、処分がされることにより償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、申立てにより、決定をもって、裁判所がこれを命ずることができる 。(H29-19-3改)

→ 「職権」という部分を、さらに正しく置き換えました。
 
 
これで、仮の差止めの要件のひっかけポイントが理解できたでしょうか。
 

過去問は、分析のツールです。
これを最大限に活かすためには、
上記のような置き替えをしてみると良いと思います。
 
 
逆に、正解肢をどのように置き換えると間違い肢に出来るか。
しかも、多くの受験生が勘違いしそうに。
 

と考えてみるのも有用です。
 
 
問題文に振り回されてしまうという方は
このように問題文の置き替えという訓練を取り入れてみてください。
今まで見えなかったひっかけが鮮明になってくるはずです。
 
 
それでは、また。
 
 
  


第142回 行政法を得意にするためには

 20.4.14

 
 
行政法は、学習範囲が比較的狭く
過去問等も充実しているため
取り組みやすい科目です。
 

基本的な学習方針は
 
「過去問をやり込む」。
 
まずはこれに尽きる。
 
 

初期段階は、5肢択一式ではなく
一問一答方式が良いと思います。
 

テキストを読んだり、講義を聞いたりして
簡単に概要を把握する。

その後、いきなり過去問で知識を詰めていく。
 

そんなイメージです。
 
 
 
実は、この勉強をしているだけでも
行政書士試験であれば10問前後までは取れてしまいます。
(公務員試験とかなら、合格点までいくんじゃないか?とも思ってしまう。)
 
 
さて、ここからです。
 
テキストを読んで、過去問をグルグル回しても
なぜか12問の壁を超えられない。
 

やり込みが足りないんだと
もっと回転数を増やしてもやはり結果は同じ。
 
 
これはなぜでしょう。
 

この答えは
次の3つにあると考えられます。
 

1 未出の知識が習得出来ていない
 
2 架空条文に騙される
 
3 引っかけポイントを読み落としてしまう
 
 
 
まず、1つ目は言わずもがなです。
 

行政書士試験の過去問がいくら多いといっても
せいぜい200問〜250問程度です。
 
 
250問くらいで、全範囲を網羅できるほど
行政法の範囲は狭くありません。
 

また、行政書士試験において判例の出題が目立ち始めたのは
平成24年度以降です。
 
そのため、過去問をいくら解いても
「判例知識」の不足が避けられません。
 

近年の傾向に対応しているテキストであれば
この辺りはしっかりフォローされているはずですから
かっちりと読み込むようにしましょう。
 

また、今までの過去問の蓄積から
どの辺りの判例が重要なのかを探ってみることでも
対応することが出来ます。
 

ここまでは、そんなに難しいことではない。
普通にやればクリア出来てしまうことです。
 
 
問題はここから。
 
12問の壁を超えて、常に15問前後が取れるようにならないといけない。
 
 
この壁を超えるキーワードは2と3です。
 

少し長くなりましたので
それについてはまた別の機会にお伝えしたいと思います。
 

では!
 
 
 
  


第141回 記憶するときに重要なこと

 20.4.07

 
 
どうすれば、学習した内容を
正確に覚えていられるのか。
 

受験生の悩みは深いです。
 

この点について
正面からあまり答えたことがないので
少し書いてみます。
 
 
まず、必ず認識すべきことは
 

「意味のないものを記憶することは難しい」
 

ということです。
 
 

例えば、1712529436といったような
何の意味もない数字が並んでいる場合
 

これをさらっと覚えることは難しいですが
1234567891という並びの場合
連続性のある数字だなという認識が出来るため
すぐに記憶することが出来ます。
 

これは、一般的に、人は無意味なものを記憶することが
得意ではないということによります。
 
 
それでは、次のようなものはどうでしょう。
 

1332489872
 

一見すると何の意味もない数字ですが
ある法則を発見することにより
かなり覚えやすくなります。
 

1×3=3、2×4=8、9×8=72
 

この数字は、上記のように、
数式3つとその解答から成り立っています。
 

このような法則を発見できるか否か
が記憶のポイントです。
 
 

普段の学習に置き換えれば
 

「覚えるべき事項にある法則を適用する」
 

ということが重要であることが分かります。
 
 

制度趣旨を軸にして考える。
 
定義にあてはめてみる。
 
要件にあてはめてみる。
 

テキストや過去問を読むときには
ぜひこの法則を適用するクセをつけることです。
 
 

具体的な事象をいくら追いかけても、
無意味なものの記憶になってしまいますから、
 
 
なるべく抽象的な法則から導くようにすること。
 

これが、記憶をする時に何よりも重要です。
 
 
 
 
それでは、法則がないものはどうするのでしょうか。
 

これは、明快で
 

「法則がないなら、無理やり作ればいい」
 

ということになります。
 

いわゆる、ゴロ合わせや替え歌。
具体的なエピソードの中で法則化してみる。

いったようなこと。
 

あくまでも、法則通りに考えてみてもダメなもの限定になりますが
こういう力技の暗記はどうしても必要です。
 

それでも、意味内容がないよりは、
何かの法則で出せるように仕向けることが大事です。
 
 

「記憶のトリガーを作ること」
 

試験対策として重要なことは
 

知識を思い出すトリガー(きっかけ)を作ること
 
 
です。
 

それが法則なのか、ゴロ合わせなのか。
はたまた、エピソードなのか。
 

色々あると思いますが
ここをしっかりと確定させていくことを
忘れないようにしてください。
 

最後は、やはりこれです。
 

「とにかく何回も繰り返す」
 

当たり前のことですが、同じことを何回も繰り返していれば
どんなに意味のないことでも嫌でも覚えてしまいます。
 
(通勤電車で使用している電車の時刻って覚えてしまいませんか?
何の意味もないはずなのになぜか覚えてしまう。
それは、何回も繰り返し行っていることだからです。)
 

ちょっと乱れてしまいましたが
思っているところを書いてみました。
 

今後、また精査をして書き足したり
改編してみたいと思います。
 

そういえば、立ち読みでちょっと気になった本が。
「図解でわかる 暗記のすごいコツ 誰でも確実に結果が出せる35のテクニック」
碓井 孝介著 日本実業出版社

良い本だったので、買ってみようかなと思います。
 

では!
 
 
 
  


第140回 合格者の本当のスガタ

 20.3.31

 
 
どうやったら
あんなに速くテキストを読めるのか分からない。
 

どうやったら
あんなに速く問題が解けるのか分からない。
 
 
やっぱり、合格する人は優秀なんだ。
 

自分は、ダメなんだ。
 
 
受講生のお話を伺うと
そんな思いの方が多い気がします。
 
 
それは、ある意味、しょうがないことです。
 

合格体験記やYou tube、ブログ記事などは
キレイなところにスポットが当たっていることがほとんどであり
実際の血の滲むような努力の部分が見えにくくなっているからです。
 
 
1年に何件もカウンセリングを実施していると分かってくるのですが
 

合格者の方は
(ごく一部の優秀な方を除いて)
相当程度の努力をしています。
 
 
誰もが、最初からスーパーマンではないのです。
 
 
誰もが、テキストの記載が外国語のように思えてしまっていたのです。
 
 
ここから、
 
 
「あぁ、自分にはどうせ無理なんだ。」
と思うか。
 

それとも、
「まぁ、みんな最初はそんなもんでしょ。とにかくやってみよう。」
と思うか。
 
 
それだけのことです。
 
 
コツコツとテキストを読む。
 
過去問に目を通す。
 
分からないながらも、イジっていけば、
本当に段々と染み込んでいくものです。
 
 
誰もが、最初からスーパーマンだったわけではない。
 

血の滲むような努力をしたからこそ
今の力が身についているのだ。
 

この当たり前のことを
今一度確認して欲しいと思います。
 

では!
 
 
  


第139回 なるべく少ない暗記で対処する

 20.3.20

 
 
そろそろ学習が進んできて
覚えるものもどんどん増えてきている頃かと思います。
 
 
量に圧倒されて、学習を止めてしまう方が多くなるのも
この時期が一番多いです。
 
 
 
覚えることが多いな…と考えたら
とにかく、「定義」、「趣旨」の理解を徹底してみましょう。
 
 
 
行政書士試験には論文式の試験ではないので
「定義」や「趣旨」が適当に考えられがちです。
 
 
しかし、要件・効果、付随する判例などは、
元は定義や趣旨から構築されていることが非常に多い。
 

そのため、枝葉の知識を覚えるよりは、
まず定義や趣旨をかっちりと理解してしまうこと。
 
 
そして、常に、それらを意識してみること。
 

この要件は、定義を場面みたいにしているだけじゃないか。
とか
 

この判例は、趣旨から考えたら当然のことを言っているじゃないか。
とか。
 
 
常に考え続けること。
 
 
考えて出す訓練をすること。
 

これが、本当に大事です。
 
 
単なる暗記は、本当に脆いものです。
 
ちょっと語調が変わっただけで分からなくなることも多々起こります。
 

例えれば、「6+4=10」と暗記しても
「3+7=?」となってしまうということです。
 
 
覚えるのが大変だと思うなら
発想を逆転すること。
 
 
なるべく覚えないで対処するためには
最低限どこを覚えておき
そこからどのように考えるようにすれば
いいのか。
 

こういうことをずっと考え続けるのが大事だと自分は思います。
 

体調に気を付けながらまた頑張っていきましょう。
 
 
  


第138回 勉強の大きなポイントは‥

 20.3.3

 
 
学習は順調に進んでいますか?
 
 
うーん、とりあえずノルマはこなしているけれど
頭に入っているかは微妙だなぁ。
 
 
そんな方もいらっしゃるかもしれません。
 
 
今の時期はそれで全く構わないです。
とにかく、どんどん前に進めていく。
 
 
テキストをなるべく速く読んでいけばいくほど
 
 
似たような知識に出くわした時に
 
 
「あれ?これ、さっき似たようなの
あったぞ…何が違うんだろう。」
 
 
と具体的に考えることが出来るようになります。
 
 
 
制度そのものが違ったり、必要性があったり。
 
 
 
理由は様々ですが、
似て非なるものにはきちんと理由があります。
 
 
実は、似て非なるものを「違うもの」と
認識することができるようになることが
勉強の大きなポイントなんですね!
 
 
 
これに気付くためには
とにかく速く読んでいく必要があります。
 
 
 
じっくり理解していく。
 
 
聞こえは良いですが、
じっくり理解をしながら読んでいるうちは
いつまでたっても進みません。
 
 
じっくり読みたい部分には付箋を貼っておき
とにかく前に進みましょう。
 
 
まずは、ノルマをこなしましょう。
 
 
 
これをこなしたら、じっくり読みたい部分を
読んで理解を深めてみましょう。
 
 
 
オンとオフをしっかりと。
 
 
自分はまだ理解が浅いから速く読んでいくなんてできません。
と言っているうちは絶対に本試験日までに学習が終わりません。
 
 
そういうものです。
では。
 
 
  


第137回 択一の問題を解くときのおおまかな思考過程&過去問の検討方法

 20.2.25

 
 
択一の問題を解くときの、共通のツール。
つまり、思考過程みたいなものはあるのか?
 
 
 
これは、グッドクエスチョンです。
 
 
問題を行き当たりばったりで解こうとせず
きちんと一定の処理手順を確立しようとしているという証拠ですね。
 
 
 
問題を解く際、正誤判断を最終的に決めるのは
次のいずれかです。
 
 
 
1 学習してきた条文・判例にあてはめる
 
 
2 定義・趣旨にあてはめて類推する
 
 
3 価値判断という名の勘で解答する
 
 
 
今、講義で学習しているのが、試験対策に
おいて重要となる条文・判例知識です。
 
 
あわせて、当該条文・判例の趣旨など
の勉強もしていますよね。
 
 
 
問題を解くときには、上記の学習内容を
ふんだんに使っていくことが重要です。
 
 
 
まず、問題に対峙した時に出来なければ
ならないことは、「キーワードの固定」です。
 
 
これは別に難しい話ではなく
要は、学習してきた条文・判例知識が聞かれているということを
 
 
「どの言葉から気づけるようにするか」
 
 
ということです。
 
同じ言葉から、同じ条文・判例を思い出せるようにすればいいわけですね。
 
 
 
これが出来れば、通常は問題に対して解答をすることが出来るはずです。
 
 
択一式においては、あてはめ方が分からないということは起きにくいからです。
 
 
 
この思考過程を経た上で、
「あれ?なんだこの問題。聞いたことないなー。」
となることもあると思います。
(行政書士試験では、既知の問題が4割程度。残りの問題がこういう問題です。理論上は、こういう問題を半分正解させると3割ですから、4+3割で楽々合格です。)
 
 
 
この時、必ずやらなければならないのは、
 
 
 
1 どのテーマからの出題なのかを把握すること
 
 
2 当該テーマのどの部分が問題となっているのかを把握すること(要件?効果?方法?ということ。)
 
 
3 その問題となっている部分の一般論を思い出すこと
 
 
4 一般論から考えると、結論はどうなりそうかを考えること
 
 
 
こういった思考過程です。
 
 
 
これを体得するために、
 
 
テキストを読んで、問題を解いて
 
 
という往復をするわけですね。
 
 
 
漫然とテキストを読んでいても
こういうことは体得できません。
 
 
必ず、問題を横に置きながら
 
 
「なるほど、テキストのここの部分は、
 こういう一般論を覚えてあてはめていけばいいのね。」
 
 
と一つ一つ納得をしていくこと。
 
 
これが重要なわけです。
 
 
 
択一の問題が解けない人は、
上記の思考をふっ飛ばして、
いきなり価値判断で考えてしまうことが多いです。
 
 
ちゃんと考えて解いているのに、
何で解けないんだろう……
 
 
いや、それは考えていません。
ただの勘でしょ。
と突っ込みをしたくなることも。
 
 
 
参考になれば、幸いです。
では!
 
 
  


第136回 当たり前の思考を磨くこと

 20.2.11

 
 
択一式の問題を解くときの当たり前の考え方を
もう一度確認しておきましょう。
 
 
択一問題を解くプロセスは
 

1 問題文を読む
 
 
2 適用条文・判例を確定させる
 

3 問題文にあてはめる
 
 
これだけです。
 
 
個人的な印象では、択一問題の得点が安定しない方は
 

問題文を読んだ後の「適用条文・判例の確定」が弱い
 
 
気がします。
 
 

問題文を読んで
「あぁ、確かそんなようなことをテキストで勉強した気がするなー。」
と思って○にしたり
 

「えー?そんなだったっけ?何か違った気がするなー。」
と思って×にしたり。
 

せっかく勉強したことをあまり使わないで
問題文の雰囲気とその場のノリで解いている方が多い。
 
 
知識が曖昧で…っていうのも、本当ですかね?
 

本当はしっかりと覚えているところなのに
きちんと適用条文・判例を確定させてから
問題文を読んでいないから流されてしまっただけ
なのではないでしょうか。
 
 
この辺りは、もう一度丁寧に考えてみる必要があります。
 

では!
 
 
  


第135回 正しい方向で努力を重ねる

 20.1.21

 
 
資格試験は、特殊な能力がなかったとしても
「正しい方向で」努力を重ねれば必ず合格ラインに乗っかります。
 
 
逆に言えば、誤った方向に努力を重ねても全く意味がない。
文字通り、「無駄な努力」と認定されてしまうのです。
 
 
正しい方向は、常に過去問が教えてくれます。
迷ったら、とにかく過去問を読んでみましょう。
 
 
過去問では
 
 
どのような「テーマ」が
「どのくらいの深さ」で
「どの程度」問われていますか。
 
 
これを参考にしながら
とにかく学習を進めることが肝要です。
 
 
 
それから、正しい方向にいっていても
「努力」をしなければ、基本的には合格できません。
 
 
極論、試験なんて
 
 
1 出来ないことを出来るように
 
しつつ
 
 
2 出来る部分のメンテナンス
 
さえし続ければ
 
いつかできるという道理です。
 
 
すごくシンプルに勉強を捉えてみましょう。
 
 
既に出来る部分と、出来ない部分にかける時間が同じになっていませんか?
 
 
出来る部分のメンテナンスを怠っていませんか?
 
 
長く力を保持するためにどのような工夫をしていますか?
 
 
こういう部分が明確に回答できる方は
その方向性で勉強している限り絶対に大丈夫であるといえます。
 
 
すごくシンプルな内容を書いてしまいましたが
最近技巧的なご相談が増えてきたような気がしたので
改めて確認させて頂きました。
 

シンプルなことを確定させてから
技巧的な部分にこだわるという姿勢が重要かもしれませんね。
 

では!
 
 
  


第134回 少しスランプ気味な時

 20.1.14

 
 
スランプの一つの要因としては
 

同じ教材をひたすらやり込んだせいで
段々と飽きてきている
 

ということが考えられます。
 
 
同じものを何回もやっているせいで
新しい発見がどんどん少なくなってきて刺激がなくなる。
 

すると、なんとなくやる気がなくなってくる。
 
 
こういうことってありますよね。
 

頑張って同じ教材を何回もやったということですから
これ自体は、褒めるべきスランプだと思います。
 
 
ただここで注意をしなければならないのは
スランプを脱出しようと「違う教材」に手を出してしまうことです。
 

実力者が不合格になってしまう原因として
かなり多いのが
 

新しい教材に手を出してしまったせいで
せっかく固めた知識が壊れてしまうというもの
 

です。
 
 
 
いくら飽きがきていても
絶対に違う教材に手を出してはいけません。
 

同じ教材に真摯に向き合うのです。
これが、本当に重要です。
 

もっとも、飽きてしまっていると
 

どうしてもやる気が出ない…
 

こんなこともあると思います。
 
 
 
その時には、現在使用している教材で
なんとなくモヤモヤしている部分をピックアップしてみましょう。
 

よく分からないけれど
覚えている部分であったり
 

何か他と矛盾しているような
気持ち悪い感覚がある部分であったり。
 
 
そういう部分について、
判例や書籍に当たってみるのは非常に有用です。
 
 
要は、使用しているテキストからは絶対に離れず
分からないところだけを調べる
 

という勉強にシフトしてみるのです。
 
 
すると、今までスキッとしなかった部分がクリアになり
とても気持ち良い体験が出来るはずです。
 
 
こういう勉強は、図書館が一番です。
 
自ら書籍を買うと高いので…
せっかく税金を払っているのですから
図書館でリクエストして買ってもらいましょう。
 
 
体調を崩すには十分な条件が揃いまくっているようなので
どうかご自愛くださいね。
 

では、また!!
 
 
  


第133回 2科目の学習を並行させる

 20.1.7

 
 
新しい科目に入るなど
カリキュラムが次の段階へ移行する際には
 
 
必ず前の内容の習得をある程度維持しておく
 
 
ことを意識しましょう。
 
 
 
学習の性質上、基本的には、
講座の最初の進行ペースは緩いことが多いです。
 
 
そのため、進行ペースが緩い段階で
何かの学習と並行させることが重要です。
 
 
緩いから、そのまま緩く着いていってはいけない
ということですね。
 
 
 
例えば、中上級者の方であれば、
「本試験の反省&分析、及び過去問検討」
などもあるでしょう。
 
 
また、合格講座の方の場合であれば、
民法の15回目くらいまでは比較的余裕があるはずです。
 

そこで、憲法の過去問を引き続き読み続け
頭になじませておくようにしておくなどもあるでしょう。
 
 
このように、メインの学習とサブの学習を意識して過ごすと
全体的にかなりバランスの取れた学習が出来るわけです。
 
 
参考までに。
では、また。
 
 
  


第132回 勉強で本当に大切にすることは?

 20.1.2

 
「やったフリ学習からの脱却」
 
 
これは、重要な発想です。
 
 
 
学習は、常にどういうことを目的
として行っているかを考える必要があります。
 
 
 
各科目の概要をざっと掴むためなのか
 
 
 
個々の論点をきちんと理解するためなのか
 
 
 
個々の論点を覚え込むためなのか
 
 
 
問題を解く際のキーワードを確定させるためなのか
 
 
 
学習してきたことを実際に試すためなのか
 
 
 
こういったことを目的意識として
持っておく必要があります。
 
*もちろん、複数の目的があっても大丈夫です。
例えば、理解しながらキーワードを確定させて
いくというのもありです。
 
 
 
そして、それぞれの目的に応じた学習をする
と同じ科目の同じ範囲の学習をしていても
当然かかってくる時間は変わります。
 
 
 
重要なことは、自分が、当該目的を達成する
ためには、「どのくらいの時間がかかるのかを把握」しておくことです。
 
 
 
すると、「明日は、○○をやらないといけない。
ということは、○時間くらいかかるから、
朝に○分やって、電車の中で、○分。
帰ってから、○分くらいかければ大丈夫だな。」と
いったような具体的なスケジュールを組み上げることができるのです。
 
 
 
大事なことは、
何時間勉強したかということでも
何回転したかということでもありません。
 
 
 
その目的を達成するために
常に勉強をしていたら、
結果的に○時間かかって、
結果として○回転したというだけの話です。
 
 
*合格者講演などでこういう類の話が出ると
「大体1日何時間くらい勉強しましたか。」
「何回転テキストをやりましたか。」
というような質問が絶対に出ます。
 
 
そして、合格者の方がちょっと嫌な顔をする
のもなんとなく察したりすることもあります。
 
 
重要なのは、そこではなく、当該目的を達成
するために、どうやってテキストや問題集をやっていたかです。
そうしたら、結果的に○時間くらいかかって、
○回転やることになった。というだけなのです。
 
 
 
もちろん合格者平均値というものはあるので
それを提示することはありますが、
それも本当に目安に過ぎません。
 
 
 
極論、何の目的意識もなくテキストを30回転しても
おそらく合格するのは難しいのではないかと思います。
 
 
 
この辺りは、普段から本当に気を付けるべきですね。
 
 
では、また!
 
 
  


第131回 初めて聴く講義の心得

 19.12.24

 
初めて聴く講義で分からないところが多いと
不安を感じてしまうことがあると思います。
 
 
そして、周りの受講生さんは分かっていて
自分だけが分かっていないのではないか…
という不安も。
 
 
特に、Web受講を中心にされている方は
なおさらかもしれません。
 
 
 
この点については、34割くらいの内容が理解できていれば
何の問題もないと考えて頂いて大丈夫です。
 
 
 
そもそも講義がある。対策講座が存在するということは
それなりに難しい知識を学習しているものと
考えてしまってください。
 
 
 
 
講義中に全部の内容が分かるのであれば
そもそも復習も必要ありません。
というか、そのまま試験を受ければ
合格もしてしまうはずです。
 
 
(実は、講義中に全ての内容が理解できるように
設計することは可能です。
もっとも、講義中に全てが理解できるような設計をすると、
1分辺りの情報密度が薄くなってしまい
膨大な講義時間を要することになります。
また、到底合格ラインに達しないような簡単な知識を扱う
ことしかできなくなります。
これでは、講座としての価値がなくなりますから
そういう設計の講座は存在しないはずです。)
 
 
 
多くの合格者は、講義を利用して
復習のきっかけを作ります。
 
 
理解のトリガーをいくつも作っていく
と言ってもいいです。
 
 
そして、講義の復習を何回も行い、
模擬試験などで解く訓練を行うことにより
 
なんとか本試験直前に
なんとか知識の習得が合格水準に至った。
 
 
 
これが、真実です。
 
 
 
最初の復習で、3割くらい理解すればいい。
 
 
次の復習では、また1割忘れているけれど
1.5割積み増して、3.5割にすればよい。
 
 
 
とにかく、繰り返し繰り返し復習をして
6割~7割程度の理解にもっていくことを
イメージすることが重要です。
 
 
 
最初から分かるわけがない。
 
 
 
これから何回も何回もやっていくんだから大丈夫。
 
 
 
この当たり前のことが
実は当たり前になっていないことがあるので
今一度、確認をしてほしいと思います。
 
 
 
実は、他資格の受験経験がある方
(宅建士・社労士・司法書士等)
この点にすごくメリットがあります。
 
 
初めは分からなかったものが、
何回も何回も復習をすることにより
段々染み込んでいく感覚を知っている。
 
 
 
この感覚を知っていることは、
本当に大きいと思います。
 
 
では、また!
 
 
  


第130回 本当に合格者を真似ることができていますか?

 19.12.17

 
合格者の思考を真似るという言葉をよく聞きますが
これはやや勘違いして伝わっている気もします。
 
 
合格者の思考を真似るというのは
何も本試験において問題に対峙した時に
 

「どうやって考えて答えを出しているんだろう。」
 

というところだけではありません。
 
 
 
もちろん、これも大事ですが
もっと重要なことがあります。
 
 
それは、日々の学習における合格思考です。
 

平均的な合格者は、
大体どのくらいの量を1日学習しているのだろう。
(何ページとか何問とか)
 

平均的な合格者は、
どのくらいの精度で記憶をしているのだろう。
 

平均的な合格者は、
どこまで学習の範囲を広げているのだろう。
逆に、絞っているのだろう。
 

隙間時間の使い方は?
 

落ち込んだ時の対処法は?
 
 
上記のことを、自分「なりに」頑張っている
と考えているうちは
まず合格することは不可能です。
 
 
自分なりに頑張っているというのは
聞こえはいいですが、
 
 
所詮、限界を超えていない勉強であることを
認めているだけです。
 
 
全ては、合格者の思考に合わせる必要があります。
 
 
今いちど合格体験記に目を通してみよう。
また、今一度ブログの記事なども読み返してみよう。
 
 
今年の自分の頑張りは、
いわゆる「合格思考」と同様でしたか。
 

それとも、少し外れていましたか。
 
 
自分がどうということではありません。
 

合格思考から見て
自分はどうだったでしょうか。
 

ここを本気で考える必要があると思います。
 

これがなければ、絶対に合格することはないからです。
 
 
では、また!
 
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第129回 過去問をやったといえるのはどのレベルか?

 19.12.10

 
過去問を「やった」とは
どういうレベルを指すのでしょうか。
 
 
まずは、問われている内容が理解できること。
 
 
これが、前提です。
 

これは、講義・テキストを一読していれば
比較的容易なはずです。
 
 
ここから、次のようなことを意識すれば
過去問を「やった」ことになります。
 
 
1 キーワードの確定
→ 想起すべき条文・判例の確定
 

2 似たような知識があれば対比
 

3 思い出し方を考える
 
 
具体的な問題で見てみましょう。
 
 
外国人の人権に関する次の文章のうち最高裁判所の判例の趣旨に照らし、妥当でないものはどれか。(H27-3)
→権利の性質上、日本国民のみを対象としているものと解されるものを除き、保障される。
(まず、該当テーマの共通の理解や視点があれば、思い出せるようにします。これは、問題によっては特に必要ない場合もあります。)
 
 

国家機関が国民に対して正当な理由なく指紋の押捺を強制することは、憲法13条の趣旨に反するが、この自由の保障はわが国に在留する外国人にまで及ぶものではない。

→キーワードを「指紋の押捺を強制」と確定させます。
その上で、「何人も保障される。」という判例を想起できるようにします。
また、比較知識として、「指紋押捺制度としては、合憲である。」ということも想起できるようにします。
 
 

わが国に在留する外国人は、憲法上、外国に一時旅行する自由を保障されているものではない。

→キーワードを「外国に一時旅行する自由」と確定させます。
その上で、該当の判例知識を想起できるようにします。
また、比較知識として、「入国の自由・出国の自由・再入国の自由」について、判例がどのような立場であったかということも想起できるようにします。
 
 

政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等、外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。

→キーワードを「政治活動の自由」と確定させます。
その上で、「政治的な意思決定等に影響を及ぼす場合等を除いて、保障される。」という点、「在留更新申請の際に、消極的な自由として考慮されることがある」という点を思い出せるようにします。
 
 

国の統治のあり方については国民が最終的な責任を負うべきものである以上、外国人が公権力の行使等を行う地方公務員に就任することはわが国の法体系の想定するところではない。

→キーワードを「公務員に就任」と確定させます。
その上で、「国民主権の原理が妥当することから、外国人が権力的地位にある公務員に就任することは想定されていない。」ということを想起できるようにします。
また、似たような知識として、「選挙権の保障」がありますから、あわせて確認をしておきます。
 
 

社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、その政治的判断によってこれを決定することができる。

→キーワードを「社会保障上の施策」と確定させます。
その上で、「自国民を外国人よりも優先的に取り扱うことも許される」ということを想起できるようにします。
 
 
このように、各設問に対して
当該条文・判例を問うために必ず
使わなければならない「キーワード」を確定させ
どのようなことを思い出せばよいのかを確認していく。
 

そして、似たような知識があれば、
混乱しないように簡単にメモ書きを残しておき整理しておく。
 

結論がどちらだったかを思い出すのが難しいものがあれば、
制度趣旨や目的(理由付け)から思い出せるように何回か訓練する。
 
 
これが、過去問を「やった」というレベルです。
 
 
個人的には、本試験において得点が取れない方は
過去問に対する姿勢が甘いです。
 

また、上記のように過去問をやっておかないと
テキストの読み込みも甘くなります。
 
 
過去問を漫然と解くこと自体には、
何の意味もありません。
 
 
もう一度過去問の喰らい尽くし方を確認しておきましょう。
 
 
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第128回 学習の初期段階で必要なこと

 19.12.03

 
とにかく過去問から離れないことです。
 

過去問を15年分くらいやれば、
おおよその試験範囲と出題のレベルが掴めるはずです。
(合格講座受講生の場合、完成問題集+800をやると
18年分の過去問に触れることになります。)
*改正のある民法については講師等のアドバイスに
準じてください。
 

テキストの抽象的な記載をずっと読んでいても
問題が解けるようにはなりません。
 

まずは、テキストをさらっと読み流したら
すぐに過去問に取り掛かりましょう。
 
 
 
過去問をどんどん読んでいって
 

テキストの内容がどのように問われているのか。
 

どのレベルまで記憶していないといけないのか。
 

どの辺りがまだ出ていないのか。
 
 
ということを体感していく必要があるのです。
 
 
これを体感した後は
すぐにテキストに戻ります。
 
 
すると、テキストの記載が以前よりも
立体的に見えてくるはずです。
 
 
あぁ、ここはこんな問題があったな。
 

ここは、ここまで覚えていないと
全然話にならなかったよな。
 
 
という具合です。
 
 

とにかく、学習の初期段階では
 
 
1 過去問を一通り読み込み
2 テキストの記載を読んだだけでどういう問題が出ていたのかを想起することができる
 
 
この状態にもっていくことが重要です。
 

これが出来てくると、
まだ出題されていない部分についても
 

「ここは、こういう問題が出そうだな。」
 
とか
 
「ここはこのぐらい覚えておけば大丈夫だな。」
 

などの予想が比較的簡単に立てられるようになってきます。
(演習や模擬試験の問題を読んだ時に、「あぁ、そうそう。こういう問題は予想してたよ。」という感想が持てれば相当強いです。)
 
 
すると、学習の内容は段々と絞られてきます。
 
 
そもそも、過去問は、テキストの記載を立体化させるツールに過ぎません。
 

とすれば、テキストを読んだだけでどういう問題が出るのかを
想起できるようになれば過去問演習をする必要はほとんどなくなるわけです。
 
 
したがって、学習の理想としては
 
 
テキストを一読 → 過去問の検討 → テキストを再読してどういう問題だったかを連想する
 
 
ということを繰り返し行い
最終的にはテキストを読むだけで
あらゆることが連想できるようになる。
 

こうなることです。
これを目指しましょう。
 
 
過去問「のみ」で合格することは
絶対に無理ですが
 

過去問「なし」で合格することも
絶対に無理です。
 
 
まずは、過去問に関して一通り習熟すること
を目指しましょう。
 

話はそれからです。
では、また。
 
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第127回 根っこにある理解

 19.11.26

 
本試験問題を見ながら
一緒に間違えた原因を考えていると
 
 
「え?なぜそのように考えてしまうの?」
というケースが時々あります。
 
 
 
これは、各法律の根っこからの理解を
無視して
 
 
条文と判例の「暗記」に走っている
 
 
もしくは
 
 
上っ面の「理解」に止まっていること
 
 
が原因です。
 
 
 
今、勉強している条文・判例は
そもそもどのような理論が背景にあるのでしょうか。
 
 
そして、その背景から考えると
どうなるのでしょうか。
 
 
そこには、どのような不都合性が
考えられるのでしょうか。
 
 
そこで、どのような修正が
試みられているのでしょうか。
 
 
 
根っこから理解するというのは
ある意味、サボりたい欲求の究極体である
と自分は考えています。
 
 
 
多くの条文・判例知識を
いちいち暗記したくない。
 
何回も繰り返して読みたくない。
 
 
だから、共通する基本的な考え方を
そこに見出そう。
 
 
そして、その共通の理解から
一定の結論を導き出そう。
 
 
上手く出せないものだけ覚えればいいや。
 
 
 
サボりたいからこその思考ということですね。
 
 
 
こういう学習のイメージが作れると
繰り返し学習しなければならない分野がかなり限定され
いわゆる「高速回転」が可能となります。
 
 
 
本試験の反省をしっかりとすることに合わせて
「根っこからの理解」がどの程度あるのか。
 
これを確認してみるとよいと思います。
 
 
 
その確認方法は簡単です。
 
 
 
正答率が比較的高い問題の正解肢について
「なぜ、そのような結論となるのか。」
をしっかりと説明してみることです。
 
 
 
この時、
「そういう規定だから」とか
「そういう判例だから」という
問いをもって問いに答えたような説明しかできなければ
 明らかに根っこからの理解が欠けています。
 
 
 
時間のある今考えることはこういう部分です。
 
 
応援しています。
 
 
  


第126回 本気で考えること

 19.11.19

 
今年の行政書士試験の受験を終えて
今一度、「本気で考える」ということについて
書いてみたいと思います。
 
 
今年の受験をされた方へ。
 
 
考えるべきことは
 

どのテキストが良いか
どの問題集がいいか
果てはどんな講座が良いか。
 

そういうことではありません。
 
 
考えるべきは
 

来年も勉強を続けるのか否か。
 

もう1年学習する気力と体力は
残されているのか。
 

残されていないのであれば
それを回復することは出来るのか。
 
 
その上で、
今年の本試験では、何がダメだったのか。
 

それを克服するためには何をするべきなのか。
 

そのためには、どのような学習環境が必要で
どの程度の学習量が必要になるのか。

 
これらのことについて
「本気で考える」べきです。
 
 
正直に申し上げると、
今年もダメでした。また、来年も受験します。
とりあえず、どうやって勉強したら良いでしょうか。
 

という相談には、何も言うことがありません。
(特定の誰かを指しているわけではありません。
あくまでも、一般論です。念のため。)
 

このような相談をされる方が、
来年の本試験に受かるということは
まずあり得ないからです。
 
 
本試験の合格というのは、
たゆまぬ努力とその反省の繰り返し
の上に勝ち取るものです。
 

適当な努力と適当な反省で合格するほど
試験は甘くないのです。
 
 
適当な努力と適当な反省からは、
適当な相談しか生まれません。
そして、適当な結果しか出ないのです。
 
 
だからこそ、
適当に考えないで本気で向き合う。
本気で考える。
 

そして、適当になってしまっていた部分を
徹底的に正す。
 
 
今年の本試験を受けて、非常に悔しく、
得体のしれないものに心が押しつぶされそう
になっている方は
次のようなことを思っているはずです。
 
 
これ以上、何をすりゃいいんだよ。
 
 
このように思ったということは、今年度の勉強は、
去年の自分と向き合い、本気で考えて勉強をした証拠です。
 
 
本当によく頑張られたんだと思います。
まずは、そういう自分を認めてあげることが大事です。
 
 
本気で試験に向き合い、本気で頑張った方にしか
 

「これ以上、何をすりゃいいんだよ。」
 

という感情は生まれませんから。
 
 
その上で、今一度考える必要があります。
 
 
自分には、まだ気力と体力が残されているか。
 

残されていない場合
どのくらい休んだら回復できるだろうか。
 

本試験における自分の行動・考えの
どこがダメだったのか。
それを正すためには、どうすればいいのか。
 

それをするためには、どういう学習環境と
学習ツールがいるのか。
 
 
分からない部分は、一緒に考えることができます。
 

一緒に考えることはできますが
「考える」という行動を起こすためには
 

もっと言えば、打ちひしがれている自分を
奮い立たすのは
 

紛れもない自分自身しかいないのです。
 

すみません、少し厳しく書いてしまいました。
 
 
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第125回 本試験から少し時間が経ちました。

 19.11.11

 
本試験から少し時間が経ちました
 
 
とはいえ、試験が終わって
どうしても気持ちを取り戻すことが出来ない。
 
 
そんな方もいらっしゃるはずです。
 
 
まずは、正確な情報の入手です。
 
 
ただ、今年の本試験の正体は、
受験生の生の声を数百人分。
そして、提供頂く平均点と正答率のデータ。
また、記述式の解答の状況。
 
 
この辺りのデータが揃わないと
何も正確な判断が出来ないのです。
 
 
だから、今は気になりつつも
少し待っておく。
これが正解だと思います。
 
 
あれやこれや考えてしまうのは
しょうがないことだと思います。
分析会等を利用して
しっかりと考えていきましょう。
 
 
さて、今後の動き方についてです。
 
 
まず、この一週間は、試験のことばかり
考えてしまうと思いますので
特に何をするわけでもなく
日々を過ごされるのが良いと思います。
 
 
もちろん、ネット等で色々と調べてしまう
のもしょうがないことです。
 
 
正確な情報とは言い切れないという
留保をつけつつ、参考程度に見る感じです。
 
 
一週間後辺りから、各校で分析会等が
実施されると思います。
お近くの場所で開催されるのであれば
ぜひ参加しましょう。
 
 
それを受けて、自分の中であり得る可能性
を見いだす必要があります。
 
 
合格可能性が高いということになれば
行政書士実務の勉強や、各種講演会等
に参加していくと良いでしょう。
 
 
過去の合格者の中には、合格発表まで
ずっと明日の行政書士講座を聴いていた
という方も多いです。
 
 
また、ネクストライセンスを視野に
入れていた方は
その辺りの情報を集めたりしながら
合格発表を待たれると良いです。
 
 
どちらに転ぶのか分からない
という場合が、一番難しいです。
 
 
少なくとも、合格するか否かの
ギリギリのラインまできたということは
相当の努力をされたということです。
 
 
したがって、どっちに転ぶか分からないから
勉強をすぐに再開しよう。となるほうが無理
だと考えて大丈夫です。
 
 
人間、そんなに強くありません。
 
 
こちらも分析会に参加したり
公開講座を視聴したり。
勉強という感じではなく、少し気を抜いた
感じで過ごされるのが良いと思います。
 
 
大丈夫。頑張って勉強してきたことは
そんな簡単に抜け落ちませんよ。
 
 
記述式の採点を加味しても、
ちょっと合格点は厳しいなという場合は
 
 
まず来年も受験をするか否か。
ここをはっきりと決めることが大事だと
思います。
 
 
厳しいことを書いてしまい、
誠に申し訳ありませんが、
 
 
合格点に届かないことが現時点で
ほぼ確実である状態で
 
 
「今年はダメでした、また来年も受けます。」
と簡単に決めてしまうのは危険極まりないです。
 
 
少なくとも、適当に受験を継続して、
適当にやっていたら受かりましたという話は
ごく一部の例外を除き聞いたことがありません。
 
 
来年合格点を取るための勉強。
これをする気力はあるのか。
 
 
適当に受験を続けるのではなく、来
年絶対に合格してやるんだという気持ちを持てるか。
まずは、ここです。
ここを考える必要があります。
 
 
その上で、本試験において点数が取れなかった
原因は何なのか。
 
 
単なる勉強不足でした、とか
記憶が曖昧でしたとか、
そんな抽象的なことではなく、
具体的に。
本気で、具体的に考える必要があります。
 
 
終わった直後に、大変厳しいことを
申し上げてしまいました。すみません。
 
 
絶望している自分がいるなら、
そこに光明があります。
それを切り開くきっかけはお伝え出来ますが
 
 
実際に切り開くのは、
紛れもなく自分自身しかいないのです。
 
 
これが現実だと。
自分はそう思います。
 
 
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
 
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第124回 綺麗ごとを言っている場合ではない

 20.10.21

 
最終模試まで、終了しました。
おそらく、今後模擬試験を受ける
という方は、少数派のはずです。
 
 
 
ということは、次の60問スペックで
問題を解くときは…本試験ということになります。
 
 
 
ここまで来ると、もはや綺麗ごとを
言っている場合ではありません。
 
 
 
重要知識については、これでもかと
いうくらい完全に記憶してください。
 
 
 
また、現在どうしても覚えられない
ものがあれば、毎日のように見て、
なんとか記憶の片りんに残してください。
 
 
 
制度趣旨から考えて~、とか、
理論的に~、とか。
 
 
そういう時期は、もう過ぎています。
 
 
 
ここまで、学習を頑張ってきました。
 
 
 
それでも、覚えられていない部分ですから
もはや高尚なことを言っている場合では
ありません。
 
 
 
とにかく、泥臭く。這いずり回ってでも。
なんとか覚えます。
本試験で、想起できるように頑張ります。
 
 
 
最後は気合とはよく言ったものです。
 
 
 
正確には、最後が気合というレベルまで
行きついたのだから、それを誇りに思って
なんとか踏ん張れ。です。
 
 
 
私も一昨年の宅建士試験。
宅建士試験という、ちょっと違う性質の試験でしたが
やはり最後の3~4日間は、辛かったです。
 
 
理屈じゃない部分の暗記であったり
どうしても覚えられない自分への怒りであったり。
 
 
 
どれだけ受験に慣れていようが
どれだけ詳しかろうが
やはり超直前期は辛いものです。
 
 
 
頑張ってくださいなんて
陳腐なセリフでは語れません。
 
 
 
自分から言えるのは、ただ一つ。
 
 
 
とにかく淡々と。
 
 
 
本試験までにやると決めたノルマがある
はずなので、とにかく淡々とそれをこなします。
 
 
それしかないんです。
 
 
 
不安だとか
知らない問題が出たらどうしようとか。
 
 
そんなことを考えても
1ミリも本試験に役に立ちません。
 
 
だから、とにかく淡々と学習をします。
 
 
 
本気であればあるほど
何か伝わってくれるはずです。
 
 
 
なんとかあと少し。
あと少しだけ淡々と学習しましょう。

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第123回 最後に解答肢を変えると、なぜ間違えるのか

 20.10.19

 
最後の2択で間違えました。
最初は正解肢を選んでいたのに、
解答を変えてしまって間違えました。
 
 
こういった反省を聞くことがよくあります。
これを脱却するためには、
まず、惜しいとかあとちょっとだったとか。
そういう感覚を持つことを直ちに止めることが重要です。
 
 
 
そもそも、作問者は、全肢について難しめのものを
置いていくことを避けます。
 
 
応用的なものばかり入れ過ぎると、
基礎的な理解を試すことが出来なくなってしまうからです。
(もちろん、全肢応用的な問題をわざと作ることもあります。
難易度調整や捨て問と判定出来るか否かを試したいからです。)
 
 
 
以上の観点から、比較的多い肢の構造で2択になりやすいものは
 
 
1.基本
2.基本
3.応用
4.基本
5.応用
 
 
というものです。
 
 
1、24の正誤判定が出来ないというのは
そもそも基礎力が足りないということです。
これが2択症候群の原因です。
 
 
惜しいところまできているわけではなく
スタートラインに立っただけです。
 
 
 
ここから、問題の正答率を60%前後に
留める方法は次の通りです。
(正確にいうと、2択まで持っていけない方が20%程度いるので、
この時点で正答率は80%程度になる。
このうちの半分より少し多くの人が正解するようにもっていきたいということ。)
 
 
 
応用的な知識だが、重要な知識であり
テキスト等にも記載されているものを置く。
 
 
いずれもテキスト等には載っていないが、
制度趣旨や要件・効果、類似の知識から考えると答えが出るようにしておく。
(いわゆる、普通に考えたらこうなるよね。というもの。)
 
 
こうしておけば、ちゃんと学習している方が正答率を少し押し上げるので、
60%前後で落ち着く。
 
 
こんなイメージです。
 
 
 
もっとも、ここで作問者は、あることで悩みます。
 
本当に受験生は、基礎的な勉強をした上で肢を切り、
応用的な知識を正しい思考で転がしたんだろうかと。
 
 
2択ですからね。確率でいけば50%ですし。
 
 
そこで、もう一つの応用的な知識に毒を盛る
わけです。これが、いわゆるミスリード。
 
 
一般的に読むと正しいもしくは誤っているような誘導をしておき
(法律論としてではないのがポイント)
適当に考えた人を選別しようというのです。
 
 
 
一方は、基礎的な理解からすれば正しいと思われるもの。
 
他方は、一般論としては正しいが基礎的な理解からすると、無理筋なもの。
 
 
さて、これが最後に解答肢を変えると間違える症候群の答えです。
 
一周目では、正しい思考で正解を出したとします。
しかし、見直してみると、そこには一般論としては、
いかにも正しいことを言っている選択肢が残っている。
 
 
あ、なんかこっちも悪くないかも。
うーん…変えちゃえ。
 
 
こんな経験はありませんか。
これが、解答肢を変えると間違えるという罠です。
 
 
以上の観点から、解答肢を変える場合には
問題文に対して明らかな誤解や勘違いがあった場合や
読み落としがあった場合に限定されます。
 
 
模擬試験等で2択になり
間違いの方に転がった問題をきちんと分析すること。
 
 
一歩一歩の地道な作業が、合格を生み出すことは
いつの時代も変わりません。
 
 
応援しています。

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第122回 高速回転の極意

 20.10.14

 
超直前期なので、多くの方が
テキストや問題集の高速回転に入っていることと思います。
(ご自身が、これ!と決めた教材を何度も高速で回転することが重要です。)
 
 
ここから、本試験の数日前に読み返しておきたい内容を
確定させていきましょう。
 

自分は、試験前に数ページほどの紙を用意し
「うわぁ…絶対これ本番で間違える…」と
嫌な予感がしたものは、キーワードと結論をメモする作業をよくします。
 

これが、自分の中での必勝パターンです。
 
 
例えば
 
 
「処分基準」 → 「設定・公にすることは努力義務」
 
 
くらい端的なイメージです。
 
 
行政書士試験の試験範囲から想定すると
A5の紙に、大きめの字で10~15頁くらいだと思います。
(逆に言うと、これ以上はやりすぎである。)
 
 
高速回転の妨げになるのは
「くそっ、ここも覚えられていない…この場で覚えなきゃ…」
というところです。
 

覚えられていないものをその場で無理やり覚えようとすると
時間の消費が激しくなります。
 

また、すごく言い方を悪くすると、
どうせ3日後くらいに忘れています。
 
 
したがって、「覚えられていないなー」と
思ったら付箋などで印をつけておき
 
メモを取れる状況下になったら、
一気にキーワードと結論を書きだしておきます。
 
 
このまとめノートを、本試験数日前から
何度も読み返します。
 
 
自分が今まで学習してきたにも関わらず
覚えられていない「だけ」がまとまったノートです。
 

非常に密度の濃い学習になるでしょう。
 
 
とにかく、本試験までスピードを緩めてはいけません。
 

ちょっとでもスピードの妨げになるようなものは、全て後にまわす。
 
 
超直前期の学習には
格好良いことを言っている場合ではありません。
 

論理的に考えるとか、理由もしっかりととか。
そんなことを言っている場合ではない。
 
 
とにかく、キーワードと結論を目視確認して
少しでも正確に暗記する。
 

何度もブツブツ言いながら繰り返す。
 
 
そんなものです。
 
 
個人的には、直前期の学習は
思い出したくないほど嫌な時間です。
 

それこそ、無意識に、「あーーーー、もう!」
と言ってしまうくらいです。
(ここ6年くらいそういう時間を毎年味わっていますが
こういう状態になった時は、良い結果になっていることが多いです。
そのくらい追い詰められていない方は、すごく実力がある方or追い詰め方が足りない方です。
前者であるケースは稀なので大体後者です。)
 
 
これから最終模試の方は模試に向けて。
とことん追い詰めて欲しいと思います。
 
 
すみません。
単なる精神論に終始してしまいまいた。
(精神論も…受験にはすごく重要ですけれども。)
 
 
応援しています。

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第121回 点数が乱高下しないためには

 20.10.12

 
「模擬試験ごとに点数が乱高下してしまい、不安だ」
という声を聴くことがあります。
 
 
 
まず、点数の乱高下あってもしょうがない
科目があります。
 
 
 
それは、基礎法学・憲法・商法・情報法です。
 
 
 
上記の科目は、試験対策上、全範囲を網羅する
ような学習ができていません。
(合格レベルの受験生も含めてです。)
 
 
 
したがって、模試試験において、
学習の範疇外の問題が出題されれば、
必然的に点数が下がります。
 
 
 
模擬試験は、年に数回実施することが
予定されていますから、
どうしても、マイナーな分野(学習の範疇外の分野)を出題することが
多くなってしまうわけです。
 
 
 
以上の観点から、基礎法学・商法・情報法において
点数が乱高下している分には特に問題ありません。
(本試験では、そこまでマニアックなことが聞かれる
わけではない。もしくは、聞かれても、正答率が20%を
切るような難問になる可能性が高い。)
 
 
 
一方で問題なのが、行政法・民法です。
 
 
 
メイン科目ですから、学習もかなり進んでいるはずです。
それにもかかわらず、点数が乱高下してしまう。
 
 
 
この原因は、次のいずれかであると考えられます。
 
 
1 苦手なテーマが多い
 
 
2 問題文に引っ張られている
 
 
 
まず、苦手なテーマが多いというのは
原因として明確ですよね。
 
 
 
ある模試では、苦手なテーマが出なかった
ので点数が上がる。
 
 
これに対して、苦手なテーマが多く出題される
と点数が下がる。
 
 
 
こういう状況です。
 
 
 
この場合、今まで受けてきた模擬試験の出題テーマと
自分の間違える傾向を分析してみましょう。
 
 
 
すると、「あぁ…いつもこのテーマの問題を間違えるんだよな…」とか
「あぁ、いつもこの判例が聞かれると分からないんだよな…」という
部分が見えてきます。
 
 
 
これが、点数の乱高下の原因になっているわけですから
確実に潰していくようにします。
(なんとなく把握できている方も多いと思うので、
あらためて箇条書きにでもしてみてください。
それを潰せば潰すほど、確実に合格に近づきます。)
 
 
 
次に、問題文に引っ張られている場合です。
 
 
 
問題に引っ張られていると
 
当該問題との相性が良ければ
(つまり、問題から自然と問われていることが想起できれば)
点数が高くなりますが
 
相性が悪いと点数が悪くなります。
 
 
 
したがって、問題を解く際には、
必ず当該問題が聞いている条文・判例は何か?
ということを想起するようにしてください。
 
 
 
これは、択一問題を解く際の絶対のルールです。
 
 
 
問題を読んで、
「あれ?この問題、何を聞いているんだ?」
となったら、とにかく勉強してきた条文・判例を想起するように心がけましょう。
 
 
 
模試試験の点数が乱高下するのは、
「あれ?この問題、何を聞いているんだ?」となった時に
自分の考えで適当に答えている可能性が高いです。
 
 
(しかも、この場合厄介なのが、
本人は、必死に考えたうえで答えを出しているので、
なんで不正解になるんだよ…というようになってしまう点です。
実は、自分の考えで適当に答えているからですよ。
ということなのです。)
 
 
 
以上の観点から、次のことを意識して問題を解いて
いくと、悩んだ時の一筋の光になると思います。
 
 
 
1 問題を読んで自然とどの条文・判例が問われているか分かった
→ そのまま解答
 
 
 
2 問題を読んでも、どの条文・判例が問われているか分からない
→ キーワードを丁寧に探して、どの条文・判例を聞いているかを必死に考える
 
→ それでも分からなければ、細かい知識聞いている問題orそんな条文・判例
はないということになるので、×としておけばよい。
 
 
 
この辺りのルール化が弱いと
問題によって点数が乱高下してしまいます。
 
 
 
試験問題は、クールに解く必要があります。
 
 
すごくきついことを言えば、
別に「あなた自身」の考えなど聞いていません。
 
 
勉強したことからそのまま素直に解答してください。
ということです。
 
 
応援しています。


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第120回 悩みが深いのは皆同じ

 20.10.7

 
ようやく、中間模試を踏まえての
カウンセリングが終わったかなと思うと
もう最終模試ですね。


それはさておき。

 
今回のカウンセリングでは
130点~260点くらいの方まで
幅広くお話をさせて頂く機会を頂きました。


合格点に届いていない方は
間に合わないんじゃないか?
この方法は合っていないんじゃないか?
というようなご相談が多かったですが


ごく一部の場合を除いて、
方法論のミス等はありません。

 
5肢択一式が中心の出題であるという関係上
8割程度理解していたとしても
3点くれたりはしません。


0点扱いです。
これが、試験の残酷なところです。

 
学習の方向性はむしろ合っているのに
模擬試験の点数に左右されてしまい
自分のスタイルを見失ってしまう方が多い
時期です。
ここだけは、間違えないようにしましょう。

 
また、模擬試験において
比較的良い点数の方も悩みは深いです。


現時点で合格点は超えているものの
これはたまたまなのではないか。
本試験までこの力を維持できるだろうか。


点数が良いからこその悩みを抱えていました。

 
詰まるところ、模擬試験で何点取ろうとも
悩みは消えるものではなく
ましてや不安も消えるものではない。
 
ということです。


 
勉強は、いつでも理想を追い求めるものです。
完成形を目指して走り続けるものと言っても良い。


走り続けて、一定のラインに達したら
また次のラインが見える。


そしたら、また不安になって走る。
この繰り返しです。

 
いつまでたっても
完璧な自分には出会えないのです。


だからこそ、今の勉強を淡々と。
不完全なままだって合格するんだ。


悩んだってしょうがない。
今、課しているノルマを確実にこなそう。

こう思うしかないということなんですね。

 
最近は、カウンセリングでも、
「今の方向性で走り続けたら大丈夫」
ということをよく言っている気がします。


これは、上記の考え方に基づいているわけです。

 
本試験まで、短いようでまだ長い。
この時期が一番精神的に苦しいかもしれません。

 
なんとか、不安な気持ちを横に置きつつ
淡々と勉強しましょう。


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第119回 10月に入りました。

 20.10.5

 
10月からの学習は
前半戦と後半戦で上手く分けましょう。
 

前半戦は、今までの学習をもう1回転です。
メインテキストを、飛ばし読みしながら1周していく感じですね。
 

あわせて過去問演習などをされている方は
それも並行させていきましょう。
 
 
後半戦は、3つのクールに分けます。
 
 
1 弱点部分の読み込み

2 重要論点の確認

3 暗記部分の詰め込み
 
 
3は、試験直前にもってくるはずですから、
大体11月の4~7日にかけて(場合によって
は当日の午前中)行うと良いと思います。
 
 
あ、そうそう。模擬試験の最中に疲れが出てきて
頭が回らなくなったという方が何名かいらっしゃいました。
 

この場合、試験当日の午前中の使い方を考える必要があります。
勉強は軽めにしておいて、15分から30分程度寝るとか。
(正確に言うと、眠れないと思うので、
目を瞑っているだけになるとは思います。
少しでも意識が落ちると良いのですが。)
 
 
また、エナジードリンクなどを飲むという手段も
ありますが、これは利尿作用があったり、
人によっては体調が悪くなるという場合もあるので
必ず事前に試しておくようにしましょう。
もちろん、時間もきっちり合わせて。
 
 
少し話が逸れました。
 
 
2と3のバランスは、いずれでも構いません。
自分が安心する方で行かれると良いと思います。
 
 
弱点補強をして
最後に重要論点の確認をするのか。
 
 
それとも
重要論点の確認をした上で、
弱点補強をするのか。
 
 
これは、専業受験生を除いて、
並行させることがまず不可能です。
 

したがって、本試験の3週間前から
どちらを最後に回すのかを決めておかないといけません。


10/19~10/26 弱点補強 or 重要論点の確認
 

10/27~11/3  弱点補強 or 重要論点の確認
 

11/4~11/7  詰め込み
 
 
個人的なお勧めは
重要論点の確認を最後に回すことです。
 

苦手な部分の補強はストレスになり
場合によっては自信を喪失する可能性もあります。
(苦手なものばかり読むことになるので精神衛生上よろしくない。)
 
 
これに対して、重要論点の確認は
忘れてたということは多少あるかもしれませんが
基本的には全て分かっていることばかりのはずです。
 

そのため、「ここまでやったのだから、大丈夫だ。」
という精神状態に上手くもっていけることが多いのです。
 
 
10月の前半戦のスケジュールはシンプルですが
後半戦がやや複雑です。
 

今のうちにスケジュールを確定させておきましょう。
 
引き続き応援しています。
 
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第118回 それで大丈夫。

 20.9.30

 
中間模試が終了してから
カウンセリングを行っていると
 

良い得点を取られている方の勉強の様子が
驚くほど同じことに気づきました。
 
 
それは、
これと決めた教材を何度も何度も読み込んで
理解・記憶を深めるようにしている。
というものです。
 

(え?それ当たり前じゃないの?と思われた方。
そのとおり。当たり前のことを当たり前にやる
ことが合格の秘訣であることは、今も昔も
変わりません。)
 
 
合格テキストの項目から
思い出せるだけ思い出してみる。
その後、読み込みをしっかりと行う。
 
 
上級インプットテキストの習熟度を
とにかくあげるようにしている。
 
 
問題演習を中心に、何度も問題を繰り返し
まとめ表などで知識整理をしている。
 
 
使っているツールや方法などは違えど
そこに共通することは
 

「同じことを何度も繰り返し、とにかく習熟度を上げる」
 

ようにしているということです。
 
 
手を広げない。この当たり前のことを
どれだけ実践できるか。
 

これにかかっているんですね。
 
 
明日から、いよいよ勝負の10月です。
 

最終模試までは、もう少し時間があります。
そこまでに、もう1回転ガチっと詰めていきましょう。
 

もう嫌だ。また、繰り返すのか…
というようになったら合格する兆候が出てきています。
 
応援しています。
 
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第117回 結局のところ『合格の秘訣』とは

 20.9.28

 
中間模試を終え、カウンセリングも
ピークを迎えております。
 

その中で、点数が比較的良い場合や
もう一踏ん張りの場合。
また、全く合格点に達しない場合。

様々な方とお話させて頂きました。
 
 
今回点数が良かった方の問題冊子を見ると
解法技術の講座などでお伝えした解法の鉄則を
しっかりと利用されていることがよく分かりました。
 
 
逆に、点数が芳しくない方は
そもそも問題文のキーワードに印がついておらず
誤り(×)と判定した箇所もよく分かりませんでした。
 

言い換えると、当該問題について、どのように
考えたのかが問題冊子から全く読み取れなかったということです。
 
 
 
結局のところ、解法の鉄則や技術というものは
 

「何回も訓練をしていくことが重要だ。」
 
 
ということです。
 
 

「言っていることは分かるんだけど、
 その場でやれっていうのは難しいですよねー。」
 
という発言が出ているうちは、まだまだだ。ということです。
 

意識的にやろうとするからダメなんです。
 

無意識的にできるくらいまで訓練を積む必要があるのです。

(ちなみに、世間でいうところの試験に強い人は
小・中学生くらいの頃からこういった訓練を積んでいる
のだと思います。
自分自身、こういった解法理論は後発的に身に付けた
タイプなので、学生の頃の成績は結構ひどいものでした。)
 
 
 
また、知識の精度についても然りです。
 
「問題が解けないんです。
 内容は理解しているはずなんですが…。」
 
 
その内容を、テキスト隠して宣言できるのですか?
という話です。
 
この姿勢が甘い方が多いなと思います。
 
 
自分も、講師になってから現在に至るまで
この最後の詰めの辛さは十分に味わっているつもりです。
 

テキストの内容を隠して宣言していく辛さといったら
本当に。辛いの一言では言い表せません。
 
(だから、勉強を1日10時間とか出来ると
いうことがよく分かりません。
この場合、鉄人のような体力を持っているか
勉強の密度が低いか。いずれかです。
本当にテキストの内容をグーッと覚え込もうと
すると、通常は、3~4時間程度でクタクタになります。)
 
 
 
着地点が、いつもの話に戻りました。
 

要は
 

「正確な知識を身に付ける。
 とともに
 解法を適切に使うこと。」
 
 
これが、合格の秘訣なんです。
 
 
というか、上記の意味が身に染みて
分かった瞬間が合格の時だ。
と思ってもらっても良いです。
 

引き続き応援しています。
 
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第116回 単なる「技術的な敗北」に過ぎない

 20.9.23

 
伊藤塾の司法書士試験科に
蛭町先生というスゴイ先生がいます。
今日は、その蛭町先生の一説をご紹介します。
これが、実は大事かもしれません。
 

以下、引用させて頂きます。
 

『試験は戦いであり、勝利はもぎとるものです。「勝とうとする強い意思」がなければ勝機が訪れることはありません。また、「勝つための行動」をとらない限り現状を変えることはできません。
 

試験は、人間が作成し運用する以上、技術的な存在に過ぎません。不合格は皆さんの本来的な能力不足なのではなく、単なる「技術的な敗北」を意味します。冷静に客観的に、自分に不足している知識やスキルを点検し、技術的な観点から徹底した弱点補強を図るべきです。
 

「目には目を、歯には歯を、技術には技術を」を合い言葉に、本気になって受験勉強に打ち込んで頂きたいと思います。』
 
 
この中で、特に重要と思われる指摘があります。
それは、
 

本来的な能力不足ではなく
単なる「技術的な敗北」を意味する
 

という点です。
(これは自分も薄々感じることがあるので
よく「技術」という言葉を使います。)
 
 
加えて、先生は、次のようにも
述べられています。
 

自分に不足している知識やスキルを点検し
「技術的な観点から」徹底した弱点補強を図るべきである。
 

と。
 

この点を
どのくらい本気で考えることができるか。
 

これが、合否を分ける最大のポイントだと、
自分は思います。
 
 
思えば、自分が受験した
平成27年度の司法書士本試験。
 

結果としては、あと5.5点足らずの
総合点落ちでした。
この時、自分は何を考えたか。
 

「あぁ。あと2問分足りなかったか…
悔しいけど、まぁこのまま継続して勉強すれば来年は大丈夫だろう。」
 

この程度でした。
 

結果として、平成28年度は、
上乗せ点を30点確保しながら記述式の基準点を割ってしまい
落ちてしまいました。
 

これは、自分の能力の不足なのでしょうか。
 
いえ、それは違います。
平成27年度の結果に対して本気で考えることをせず

「とりあえず今の勉強を継続すればいいや」

という愚行が全ての敗因です。
 

そうです。
 

蛭町先生のおっしゃったように、
 
平成27年度本試験において、
本気で反省をし、自身の知識とスキル。
 
これらを「技術的な観点」から
見直すべきだったのです。
 
 
改めて、一発合格者のすごいことが何かが分かります。
 
以前にも記事にしましたが、
一発合格者の方がすごいのはその能力ではありません。

一発合格者がすごいのは
模試や答練ごとにこの本気の反省。

つまり、トライ&エラーを繰り返し行い
ひたすらその足りない技術を磨き続けたこと。
 
ここにあるのだと思います。
 

ここに合格の光明があります。
 

行政書士試験を控えている皆さま。
中間模試の結果が出ましたでしょうか。
 
今一度、上記の内容を参照して頂き
考えて欲しく思います。
 

模擬試験の結果に対して
 
 
どのような「技術的な観点から」反省をされましたか。
 

その反省を、現在の学習にどのように生かしていますか。
 

最終模試では、何をぶつけていく予定ですか。
 

行政書士試験は、まだ先です。
 

この間に、
 
どれだけきちんとトライ&エラーを繰り返せるか。
 

応援しています。
 
 
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第115回 試験勉強の本質を今一度捉えておくこと

 

 
直前期は、とにかく時間がありません。
 
時間がないのであれば、とにかく無駄なことをしないことが重要です。
 
その1ページ、その1肢をやることが
「確実に点数として積み増せるもの」になっていなければ
ならないのです。
 
 
そして、実は本質的なところは…と
ここは伊藤塾の誇る司法書士試験科の大先輩のお言葉をお借り致します。
(蛭町先生、2016年に書かれたブログ記事を引用させて頂きます。
 先生のブログ記事は、含蓄があり言葉の一つ一つに重みがあります。
 書籍で出して欲しいくらいです。)
 
 
======
 
わたしの思う勉強の素晴らしさは、
「過去」を問題にしない点にある。
 
 
さあ、やるぞと決意と覚悟を決めたのなら、
その時点から常に前を向いて、つき進めばいい。
 
 
倒されても、倒されても、
ずんずんと前に進むだけなのであり、
この「すがすがしさ」が勉強のもつ魅力なのである。
 
 
その意味で勉強には、「反省」の必要がない。
反省は、必ずあの時はこうすべきだったという
「後悔」を伴うことになるが、
その多くは、「無いものねだり」につながり、
時間の無駄となるからである。
 
 
他方、勉強では、つねに「現状の把握」が必要となる。
どの問題が解けて、
どの問題が解けないのかを把握していなければ、
何を勉強すべきなのか、
その対象すら決まらないことになるからである。
 
 
そして、勉強には、「現状の分析」が必須となる。
なぜ、この問題は解けて、あの問題が解けないのか、
どうすれば解けるようになるのかを、24時間考え続けるのだ。
 
 
「勉強の成果」は、
解けなかった問題が解けるようになることで、
明確に把握できることになるはずであるが、
むしろ、わたしの実感では、
「何ができないのか」がはっきりとし、
それを人に伝えられるようになれば、
ほぼ合格の領域に達したとみてよい。
 
 
できるようになるために勉強しているはずなのだが、
皮肉なことに、できないことが明確になることが、
実は勉強の成果なのである。
 
 
できないことが、はっきりと自覚されるから、
ますます勉強し、勉強すればするほどに、
ますます「できない自分」が鮮明になる。
驕る暇などないのである。
 
 
おそらく、これが天が勉強という
道具に与えた勉強の意味なのであろう。
 
 
だから、勉強をしていて、
できるようになっている実感が、手応えが、
無くなる瞬間が訪れたとしても、
大いに喜ぶべきなのであり、
そこからの「ひと踏ん張り」こそが大切となるのだ。
 
もうそこに、合格の光が見えたのだから。
 
=======
 
この記事を読んだ時に
苦しい自分を誇れるような気持ちになったのを覚えています。
 
 
先生のお言葉をお借りしながら
今一度試験勉強の本質を考えておきましょう。
 
まず、試験直前に不安になるのは、
そしてその不安感が強ければ強いほど合格する可能性が高くなるのは
上記の文章に答えが書いてあります。
 
 
そうです。試験勉強は、「現状を把握」し
「何ができない」のかを自覚し、鮮明化することが
何よりも重要です。
 
 
そのため、正しい試験勉強をしている方は
常に「できないこと」を把握しようと努めるため
不安感がどんどんと増していくのです。
 
 
逆に、「既ににできること」も含めて学習している場合
「まぁまぁできている自分」も見ることがあるため
「今年はなんかいけそうだな。」という勘違いをすることがある
わけです。
 
 
不安でたまらない?
押しつぶされそう?
いいじゃないか。
 
試験勉強の本質を突いたことを
している証明でもあるのだから。
 
 
行政書士試験の場合は、
まだ少し時間がありますから
「できないこと」をさらに明確化するように努めること。
 
 
そうすれば、10月以降は、「純度の高い」、
「今の自分をさらに超えることができる」部分しか勉強しなくて済む。
 
 
同じ1か月の学習でも、このような濃密な時間を過ごした受験生と
全範囲をダラダラと何も考えずに回している受験生では
大きな差になって生まれるはずです。
 
それにしても、上記のブログ記事は…
心を震わす名文と思います。
 
 
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第114回 ここから最終模試にむけて

2020.9.17

 
 
中間模試の復習を終えたら
すぐに最終模試へ向けて走り出しましょう。
 

今回は、一般的なスケジュール案を
提示しておきたいと思います。
 

環境に応じて可処分時間などが異なるとは思いますが
その辺りは適宜改変をしてみてください。
 
 
まず、9月中にもう一度
全科目の全回転を行いましょう。
 

2週間ほどで1回転をすることを心がけます。


これを終えたら
どうしても覚えられないものを1週間で潰します。

 
最終模試前の1週間では
前半で重要論点の覚え込みを行います。

その上で、
直前暗記モノを一気にやっつけます。
 
 

全科目を回転

なお覚えきれていない部分をもう1回転

重要論点の覚え込みと直前暗記
 
 
これが、1か月のミッションです。
 
 
全て、今まで使用したテキストを
違う角度から見ていくということになりますが
 

重要論点の覚え込みについては
厳選600肢スピードチェックテキストや
新・必修項目115を併用するのもありです。
 
 
こういう教材を、最後に覚え込むことは
非常に有用です。
 

重要論点の暗記を段違いに行っておくと
本試験において反射的に解答できることも多くなってくるはずです。
 
 
日々不安なことも多いと思いますし
気が休まらないということもあるかと思います。
 
 
これを少しでも緩和するためには
適切なスケジュールを立てて

それを淡々と1日ずつ潰していくことしか
ありません。
 
とにかく淡々と勉強を。
 
一気呵成に攻める必要はありません。
 
淡々と勉強をしましょう。
 
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第113回 重要論点の知識のみ段違いに力をつける

2020.8.31

 
 
直前期の学習は、どうしても弱点部分や
単純暗記の部分に集中してしまいがちです。
 

もちろん、そうなることが正解ですし
そうなることが合格が目前にきている良い証拠です。
 
 
 
しかし、この勉強は2つの不安を伴います。
 
 
1 重要な知識が抜けてしまうのではないか

2 何も習得出来ていないのではないか
 
 

1は、誰もが思うことです。
 

ずっと触れていなければ、忘れてしまうのではないか?
 
 
という不安に襲われるのが普通です。
 
 
また、ずっと弱点部分や暗記事項をやっていると
出来ない自分を対峙し続けることになります。
 

すると、2のように、結局何も出来ていないんじゃないか
という得体の知れない不安に襲われるわけです。
 

この2つの悩みは
とてもシンプルな方法で解消出来ます。
 

重要論点のみの復習をする時間を設ければ良いのです。
 

ここで大きな効用を果たすのが
厳選600肢スピードチェック講義や
うかる!行政書士 新・必修項目115などです。
 

この講義や書籍のように、
重要論点のみがまとめられている教材を
最後の最後でがっちり確認する。
 

これにより、
重要論点の知識がより強固になり
何よりも久々に出来る自分と出会えます。
 
めっちゃ知ってるやん、自分。
 
というやつです。
 

9月にやるのはまだ早いかなと思いますので、
10月に入ってから。
しかも、下旬辺りが良いと思います。
(初めて使う教材です、という場合は
 9月下旬頃に一度読まれると良いです。)
 

期間は、1週間くらい。
一心不乱にまとめ教材を読み込みます。
 
全部覚え直してやるくらいの勢いです。
(もちろん、全科目全回転の対象に入ってます)
 
 
伊藤塾は、他の指導校に比べて
重要論点のみをまとめ上げる技術が著しく高い気がします。

ご自身のスケジュールが許せば
ぜひ一度検討してみてください。
 
それでは、また。
 
  
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第112回 市販の模試は有効か?

2020.8.26

 
 
よく相談されるのが
「市販の模試」をやることは有効か?
というものです。
 
 
 
まず、問題の質はどうなのか。
指導校で毎年実施する模擬試験よりも問題が粗悪なのではないか。
 
 
市販で販売されているから
何か不安というものですね。
 
 
この点については
特に気にしなくて大丈夫だと思います。
 
 
 
というのも、多くの市販の模試は
数年前に実施した模試の問題を編纂して
作られているからです。
 
 
問題を改題したり、一部差し替えたり、
法改正に対応させたり。
現代版にリメイクしていくイメージですね。
 
 
したがって、各受験指導校が出しており
その指導校の問題が粗悪品でない限り
問題の質は変わりません。
 
 
 
比較的安価ですし利用するのはとても良いことだと思います。
(とすると、市販の模試しか出していないという場合には、
 問題の品質は保証出来ません。
 良いかもしれませんし、悪いかもしれません。)
 
 
 
ここからは、デメリットです。
 
市販の模試を利用した場合
次のようなデメリットがあります。
 
 
1 出題予想の側面が希薄になる
 
2 成績処理がされない
 
3 強制力が働かない
 
 
前述のとおり、市販の模試は過去の問題をリメイクしている
ことが多いです。
 
 
とすれば、その当時の出題予想が色濃く反映されてしまうため
去年度出題されたテーマなんかも散見されたりします。
(まぁ…その意味では、予想が当たっている
ということにはなるのですけれども。)
 
 
したがって、市販の模試を出題予想として使うのは厳しく
あくまでも実力チェックという側面が強くなります。
 
 
また、成績処理がされないので
自分の全体的な立ち位置が掴めません。
 
 
詳細な解説講義も普通は付いていませんから
問題の戦略的な解き方などを
自分で復習しなければなりません。
 
 
最後の強制力がないというのは
市販の模試に限った話ではありませんが
成績処理もないので、さらに強制力が落ちます。
 
 
結果、時間をしっかりと計らなかったり
半分だけ解いてやめてしまったり
ということもあります。
 
 
 
以上の観点から
 
 
あくまでも実力チェックや時間配分の訓練として使い
ご自身である程度戦略的な復習をすることが出来るのであれば
市販の模試を使うのは非常に有用だと思います。
 
 
それでは、また。
 
 
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第111回 問題を素早く解くことが出来ないんです…

2020.8.24

 
 
相談ランキング第2位くらいなのが
 

模擬試験などで問題を素早く解くことが出来ない。
 

超直前期に、問題を高速で読んでいきたいが、
中々スピードが上がらない。
 

というものです。
 
 

これを解決するには
あの有名な「ドラゴン桜」でも紹介されたあの方法。
 

そう。問題解答同時プリントの要領です。
 
 
やり方はシンプルです。
 

まずは、過去問の選択肢を読みます。
この時、正誤の判定は行わず
あることだけを探します。
 

それは
 

「論点名(どの知識が問われているか)」
 
 
です。
 
 
たとえば
 

タクシー会社Nの従業員Oが乗客Pを乗せて移動中に、Qの運転する自家用車と双方の過失により衝突して、Pを受傷させ損害を与えた場合において、NがPに対して損害の全額を賠償したときは、NはOに対して求償することはできるが、Qに求償することはできない。(H28-34-オ)
 
 
問題文が長いため、
解答に時間がかかると思いますが
 

要は、不法行為のテーマであり
「求償」というキーワードから
「あぁ、不法行為に基づく損害賠償と求償の問題ね」
と見抜けたら、すぐに解答を見て
論点名が合っているかを確認する。
 

このとき、論点名が合っていれば
あとは普段のインプット学習をしっかりすることで
なんの問題もなく解けるはずです。
 
 
なんとなく伝わりましたでしょうか。
 
 
通常、問題演習というのは
 

1問題を読む
 

2何が問われているかを発見する
 

3問われている内容を思い出す
 

4思い出した内容を問題文にあてはめる
 

5解答する
 

という工程を辿りますが
問題解答同時プリント方式は
1と2の工程しか行わないということです。
 
 
これにより、通常よりも遥かに多くの問題を
演習することが出来るようになります。
 

そして、実際に問題を解く時にも
何が問われているかを即座に発見する力が
養われていますから
 

どの選択肢から見た方がよいかなどが
すぐに判断できるようになります。
 
 
ということで
 

問題を解くペースが遅い。
解かないといけない問題が多過ぎて消化できない。
 

という場合には、ひとまず、
問題解答同時プリント方式でいくと
効率がよいということになります。
 
 
とにかく
 

「何が問われているかを即座に発見する力。」
 
 
正確な知識が大事と言われ過ぎて、
日の目を見ない力ですが
すっっっごく大事なものなんだと。
 
 
そういうお話でした。
 

それでは、また。
 
 
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第110回 答練の活用法など

2020.8.20

 
 
答練の活用法について教えてくれ!
とご相談を受けましたので
簡単に記してみます。
 
 
答練は、その名の通り
「解答の練習会」です。
 

そのため、以下のようなことを
意識して取り組まれるとよろしいです。
 
 
1 問題の難易度を予測しながら解く
 

2 満点ではなく、「合格点」をとるように心がける
 
 
3 知らない知識は、無視する
 
 
まずは、問題の難易度を予測しながら解くことが重要です。
 

どのような試験でも問題の難易度にはバラつきがあります。
 

そこで、答練においても簡単な問題や難しい問題をバラバラと配置しています。
 
 
一般的に、難しい問題を全部落としたとしても
他でミスをしなければ合格点は割らないとされています。
 

*単純な指標としては、正答率〇%以上の問題を全部取って
正答率〇%未満の問題を全部落としても合格点になるというものがあります。
実際には、こんな単純な話にはならないのですが、参考にすべきこととは思います。
 
 
とすれば、試験においては
 
 
難しい問題と簡単な問題の区別がある程度つくような「眼」が養われていると
相当有利になる
 
 
わけです。
 
 
 
したがって、答練の問題を解く際にも
 
 
取れそうな問題から解くように心がけ
難しい問題を避けるような訓練をしていくべきである
 
 
ということになります。

*言うのはすごく簡単ですが実行するのはかなり難しいです。
だから、訓練がいるんですね。
 
 
それから、満点をとるようなイメージは避けること。
 

各答練会においては必ず「合格ライン」というものが設けられています。
 

逆に言えば、作問者側は満点を取らせないようにしている。
ということです。
 

*本試験で満点を取ることが不可能である以上
答練においても満点を取れるような設計にすべきではないからです。
 
 
したがって、
 
 
上記の問題の難易度を予測しながら
全問全力でいくのではなく
合格点をとるようなイメージで受けられた方がよい
 
のです。
 
 
この話が、次の「知らない知識は無視をする」ということに繋がります。
 

満点を取らせないためには
どうしても一般の受験生が知らないような知識を
混ぜて出題をせざるを得なくなります。
*本試験でも、そうですよね。
 

その知識は、あくまでも「練習のために」、
そして、「満点を取れないように」
わざと盛り込んでいるということです。
 

したがって、その知識を習得しても
本試験対策としては「ほぼ意味がない」ということになります。
 
 
答練において、テキスト・過去問の範疇を超える問題が出ていれば

「これは、分からない問題が出たときの
 対処の仕方を練習してほしいんですよ。」

「こういう問題に時間をかけないように
 きちんと飛ばせていますよね。」

という作問者からのメッセージでもあると考えておけば良いです。
 
 
答練は、活用法を誤ると本試験対策に向けてむしろマイナスに働きます。
 

特に、直前期のナーバスな時期になると

「なんだよ。こんなこと知らねえよ。
 これも覚えないといけないのか。」

というように、完全にパニックになってしまう方もいらっしゃいます。
 
 
正しく答練を利用し
今後の学習をしてほしいと思います。

では。
 
 
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第109回 9月に突入します&どうかんがえても厳しい

2020.8.27

 
 
8月の学習は、いかがでしたでしょうか。
 
 
9月は、8月の学習を前提に
習得できていない論点を中心に読み込みを行います。
 

8月の学習がしっかりと出来ているということになれば
残りの部分「だけ」を読み込んでいく。
 
 
これにより、8月では1か月かかっていたものを
2~3週間ほどで読み込んでいくことになるわけです。
 
 
読み飛ばした部分については、
本試験前にあと1回か2回読んで終わりです。
お勧めは、本試験の3週間前くらいです。
 
 
読み飛ばしていた部分は、
今までの学習で身についていることですから

最後に1回くらい目を通しておけば
「実は忘れていました。」
ということもほぼないと思います。
(また、模擬試験や直前総まとめ講義などを受講することにより
 限りなく盲点を0にすることも出来ます。)
 

ということで、今度のミッションを
具体的に書かせて頂きます。
* 9月13日に受験を前提
 
 
9月1日~10日
全科目を1周(政経社は適宜)

11日~13日(13日は午前中のみ)
詰め込み期間
 
詰め込む対象は
1 憲法の条文

2 行政手続法の条文

3 国家賠償法の過去問知識

4 家族法

5 商法総則・商行為法

6 情報法
 
辺りです。
(個々に、適宜アレンジしてみてください。)
 

こちらをカチカチに詰めていけば
確実な得点につながります。
 

8月の学習を前提に、9月に追い込みをかける。
 
ここが正念場ですね。
 

なお、8月の学習が大幅に遅れてしまった場合は
少し違うアプローチが必要と思います。
 
特に、8月は小さいお子様がいらっしゃるご家庭の場合
スケジュールが乱れる傾向にあります。
(夏休み…ですね。)
 
 
不完全ながらも全科目をざっと見れた
という方であれば

9月は
不十分な部分だけを読み込んでいく学習で
大丈夫です。
 
 
しかし、ほぼ1か月学習が滞ってしまったという場合
9月に同じ学習をすることは難しいです。
 
この場合、テキストというよりは
問題演習を中心に9月の学習を組み立てると良い
と思います。
 

例えば、民法は過去問10年分、
行政法は過去問5年分というように問題数を決めて取り組んでいく。
 

物理的に問題の量を決めてしまい
確実にこなしていくようなイメージです。
 
 
いずれにせよ、中間模試までは
現状の学習方針で挑んで頂き

その結果を見て
今後の方針を確定されるのが一番ですね。
 
今週も頑張っていきましょう。
 
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第108回 法律の学習のコツは、短期間にある程度一気にやってしまうこと

2020.8.13

 
 
今年は、Web一括配信コースが、
お盆前に申込めるようになりましたね。

そこで
Web一括配信コースってなんだ?
という人と

どう活用すれるといいんだ?
という人に向けて
簡単なアドバイスを送りたいと思います。
 
 
「Web一括配信コース」は
申込と同時にほとんどの講義が配信されるコースです。
*最新情報が必要な部分は、後日配信されます。
 
 
最近、行政書士試験の受験についても

1年半くらいかけて勉強をする

という方がずいぶん増えてきました。
 
 
早い時期からの学習をする場合
上記のWeb一括配信コースはとてもお勧めです。
 
法律の学習のコツは
短期間にある程度一気にやってしまうこと
です。
 
 
独特の言い回しや、世間の常識とは異なるところが
多々ありますから
まずはそういう部分に慣れておく必要があります。
 

したがって、Web一括配信コースの場合
まずはあまり復習なんかを考えないで一気に観てしまう。

毎日、1時間ずつくらいガンガン観ていく。
こんなイメージです。
 
 
すると、段々と法的な考え方が染みついていきます。

これが重要です。
 
 
こんな感じで、3か月くらいで
1回全部聴いてしまいます。
 
 
その次に、もう1回聴き直していく。
この時に、初めて復習というものをやってみます。

過去問を解いてみたり
テキストを自力で読み返してみたり。
 
 
すると、今までの内容がさらに
頭に染み込んでいきます。
 
 
Web一括配信コースは、通常コースよりも
3か月ほど学習スタートが早いのでじっくりと勉強が出来るんですね。
 
 
さらに、重要なこととして資格取得後何をしていきたいのか?
ということも考えることがあるのですが
これはまた追々書いてみます。
 
 
は…今回は、宣伝に終始してしまった…
 

では、また次回に。
 
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第107回 具体から抽象、そして具体へ

2019.9.3

 
 
講義準備の民法を通じて
問題を解いている時の思考過程をあぶりだしてみました。
 

勉強をしていることを前提に
次のような要領で考えていると。
 

この解答の仕方は、実務的には邪道中の邪道です。
 
あくまでも、択一式の問題を解くときだけ有効な手段です。
 
 
1 見たことのある事案であれば、そのまま結論を思い出してあてはめる
 
  → 設問が、「民法の規定及び判例の趣旨に照らし」とされていれば
    勉強してきた事案と違うということが考えにくいから。
 
 
2 同様に、見たことのある条文・判例(抽象的に問われているもの)であれば、ひっかけポイントをチェックして、解答する。
 
  → 過去問・答練・模試を通じて学習してきたことが重要。
    解法スキル完全マスターの「解法の鉄則」がこれに該当します。
 
 
3 学習したことがないことが問われた場合には、制度趣旨・要件・効果を深く思い出してあてはめてみる。
 
  → これがいわゆる現場思考。
    価値判断は最終手段なので、まずは、上記のことから考えることが重要。
 
 
4 学習したことと同じようなことが書かれているが少しズレている(たとえば、特殊な事情が含まれている+αされている)場合は、そこはダミーだと思って無視をする。
 
  → つまり、その特殊事情に左右されて、学習してきた結論を変えないようにすること。
 
  → これで解答を出して、2択になったら、ズレた事情が含まれていることを理由に妥当でないと判定する。
 
 
 
こんな感じです。
 
 
まずは、学習してきたことがダイレクトに
問われているものを優先的にやっつけていくことが重要です。
 
 
そこから、学習してきた知識を順次使っていくイメージですね。
 
 
最終的に、「あ、民法って結局、行政法と同じように暗記科目じゃないか。」と思えるようになったら、民法の択一式が得意になってきた証拠です。
 

逆に、「民法は現場思考が大事な科目だ。」と思っているうちは
まだ民法に対する取り組みが甘いです。
 
 
イメージとしては

→ 民法は数学みたいにその場で考える科目だ

→ 結局、問われる事案は決まっているんだから暗記じゃないか

→ 知らないことが聞かれたら
  考えないといけないからやっぱり考える科目だ

→ 考える材料は決まっているんだから
  やっぱり最終的には暗記科目だ

という感じで、成長していきます。
 

理想は、実務に出たときに、
「やっぱり考える科目だ。」となることだと思いますけれども。
 

では、また次回に!
 
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第106回 「合格スケジュール」はあらかじめ決まってる?

2019.8.20

 
 
色々な受験生とお話をする機会があります。
 
 
悩みはほぼ共通で
 
 
市販の模試とか他校で
模試を受けたが上手く点数が取れない…
 
 
というもの。
 
 
 
しかも、原因がほぼ全員同じという。
 
 
 
それは、知識不足ではなく
 
 
「記憶が曖昧である」
というもの
 
 

 
 
「あてはめ段階で混乱している」
 
 
というもの。
 
 
 
やはり、「理解→想起→あてはめ」という段階の
「想起」と「あてはめ」が弱い方が多いということですね。
 
 
 
まずは、記憶が曖昧であるという点。
合格者との差が最もあるところだと思います。
 
 
勉強しているのに
なんで点数が上がらないんだ。
 
 
という悩みの大半は
 
 
「きちんと覚える」こと
 
 
で解決できます。
 
 
 
試しに、行政手続法の「申請に対する処分」に関する条文だけ
めちゃくちゃ読み込んで覚えてみてください。
 
 
その上で、「申請に対する処分」がテーマの
過去問や模試の問題を解いてみてください。
 
 
 
すごく簡単に解けませんか?
 
 
 
「あ…解けた。」と思った方。
 
 
それです。
 
 
 
それが合格者のいう
 
 
「正確な記憶」
 
 
というやつです。
 
 
 
何で問題が解けないのか。
 
 
ご自身が実感したレベルまで
記憶が出来ていないからです。
 
 
 
本当に甘えを捨て去りましょう。
 
 
 
覚えるべきものは、覚えよう。
テキストの記載を隠して、言えるようにしよう。
 
 
 
 
それから、問題文をもっと主体的に読むこと。
 
 
 
「あ、この問題はあの条文だ。」
「あ、これはあの判例を聞いているのか。」
 
 
というように
 
 
まずは自分の理解してきた条文・判例に引き付ける。
 
 
 
そのうえで、丁寧に問題文にあてはめる。
 
 
 
もっと、問題を支配するイメージで良いと思いますよ。
この辺りは、まだ訓練が必要な方が多いはず。
 
 
 
さて、そろそろ8月もラストスパートです。
 
 
全科目を1周やりきる。
これが、8月のミッションでしたね。
 
 
いかがでしょうか。
 
 
8月は、まだ3分の1も残っています。
なんとかやりきりましょう。
 
 
 
これが終われば、9月からの2週間で
しっかりと1回転。
 
 
そして、中間模試へ。
 
 
 
以前にも書きましたが
 
 
合格するための方法論・スケジュールは
確立されています。
 
 
造語を使うと、
 
 
「合格スケジュール」はあらかじめ決まっている
 
 
んです。
 
 
 
だったら、それをやらないと。
いつまでたっても、合格はできません。
 
 
 
厳しいですが、そういうものです。
 
 
では、また!
 
 
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第105回 択一式の普遍的な解法

2019.7.2

 
 
結局のところ
択一式の普遍的な解法は
 
 
「あれといえば、これ。
 これといえば、あれ」
 
 
です。
 
 
 
択一式の問題を間違える原因は
どこにあるのでしょう。
 
 
1 その問題に関する知識がない
 

2 知識はあるが不正確
 

3 問題文に引っ張られてしまう
 

4 問題文を誤読する
 
 
こんなところでしょうか。
 
 
実は、一昨年、ビジネス実務法務検定試験を
受験してみて思ったことなのですが
 
 
2の要素に+して3の要素がからむと厄介になる。
 
 
ビジネス実務法務検定は、
「検定試験」という性質上、ある程度勉強をしてきた人は
合格させてやろう。そんな思いを感じる問題が多いです。
 
 
ある程度勉強をしていると
大体の方向性が掴めてくる。
 
 
「あぁ、不正競争に該当するかは、
 大体このくらいの相場観だなぁ」
 
 
とか
 
 
「なるほど、このくらいまでいくと
 犯罪になるのか」
 
 
という、ざっとした理解ですね。
読んで意味が分かる状態と言っても良いです。
 
 
そして、検定試験では、
上記のような理解があると
問題文がちゃんとリードしてくれます。
 
 
「ミス」リードではなくて、文字通りリードしてくれます。
 
 
つまり、ある程度勉強した人が読んで、
曖昧な知識の状態でありながらも、
 

きちんと問題文を読んでいけば、
「うーん、こういうのは確かダメだったよね。」
というように思えるようにしてくれている。
 

しかし、行政書士試験ではそうはいきません。
 
 
言い方を悪くすると、問題文に「悪意」があります。
 
 
リーガルマインドとかいう名の「勘」で解こうとする人を
ことごとく排除するように問題文が作られている。
 
 
そんなイメージです。
 
 
例えば
 
全ての行政庁の処分は、行政不服審査法または個別の法律に特別の定めがない限り、行政不服審査法に基づく審査請求の対象となる。(H29-14-1)
 
という問題文。
 

これを誤りと判断してしまった方が多かったのですが

これは次のように改題すると、
すんなり正しい選択肢であることが分かると思います。
 
 
行政庁の処分は、行政不服審査法または個別の法律に特別の定めがない限り、行政不服審査法に基づく審査請求の対象となる。(H29-14-1改)
 
 
いかがでしょう。
「全ての」という言葉を抜いただけで、
 
「行政不服審査法は、審査請求についての一般法ですか?」
と聞いているだけなのが明確になります。
 
 
これが、「全ての」と入ってしまうだけで、
「え?全て…なのか?うーん。」
というよく分からない悩みが出てきてしまう。
 
 
このように、問題文に少しだけ「毒」を盛るだけで
適当な理解や暗記になってしまっている人を
選別することが出来てしまうんです。
 
 
この毒に気付くには、どうするか?
 
 
答えは簡単で、問題文「から」判断するのではなく
 
 
問題文の聞いている「論点」を丸裸にしてしまうこと。
 

つまり、この問題文は、どの知識を問うているのか
を読み取ることなんです。
 
 
論点さえ分かってしまえば
「毒」にも気づくことができます。
 
 
ゆえに、択一式の問題は、
問題文をちゃんと読んで判断しましょう。
 
 
というアドバイスは、正確には間違いで
 
 
「択一式の問題は、問題文をなるべく読まないで
 論点だけを先に把握してしまいましょう。
 
 
 その後、論点想起をして、
 問題文に当てはめてみましょう。」
 
 
というのが
正しいアドバイスなのです。
 
 
問題文をちゃんと読んでいるのに
テキストをちゃんと学習しているのに点数が伸びない方。
 
 
それは、問題文の「毒」に完全に殺されています。
問題文に踊らされているんです。
 
 
ぜひ、

「問題文を軽く読む→論点想起→あてはめ」

のプロセスを意識して
勉強していってほしいと思います。
 

今まで頑張って学習してきた方なら
そろそろ出来てくるはずです。
 

それでは、また。
 
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第104回 短期的な目標を設定する

2019.6.25

 
 
行政書士試験においては
いまの時期は、エンジン全開です。
 
 
 
先月7月からは、各受験指導校にて
模擬試験が順次開催されます。
 
 
この模擬試験に向けて
全力の準備を。
 
 

11月の本試験に向けて
全力の準備を。

というのは、無理な話です。
 
 
遠すぎてなんとなく実感がないし
何をしたらいいのかも上手く掴めない。
 
 
だからこそ、
短期的に目標を設定していく。
 
 
つまり、
模擬試験ごとに全力を尽くす。
走り切る。
 
 
模擬試験を終えたら、反省。
 

これを普段の学習に反映させたら
また次の模擬試験へ走り出す。
 
 
この繰り返しです。
 
 
単純なようですが、
実はあまり出来ていない方が多いです。
 
 
模擬試験を本試験の延長線上に
捉えている方が多いような気がします。
 
 
自分の中のイメージでは、
模擬試験は、本試験前の「壁」です。
 
 
壊せればそのまま走る。
壊せなければ、その場でチューニングする。
 
 
延長線というイメージだと、
何の障害もなくスルっと
通過出来てしまいます。
 
 
延長線上だといって、
生ぬるい覚悟で模擬試験を受けるのは
愚の骨頂。
 
 
今の自分が出来る最大の準備を
模擬試験にもっていく。
 

全力でぶつける。
 
 
このように、模擬試験を「短期的な目標」として
細かく設定しそれに向かって確実に準備をしていくこと。
 
 
 
どうやら、多くの合格者は、
7月~10月の間に、「4~6回」ほど
中継地点を設けることが適切だと考えている
ようです。
 
 
そんな形で、ぜひ今後のスケジューリング
を組んでみてくださいね。
 

では、また。
 
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第103回 そんな簡単に力は落ちません

2019.6.18

 
 
直前期に、特に何のトラブルもなく
そのまま本試験を迎える。
 

そんな方も多くいらっしゃいますが
その逆もまたよく聞く話です。
 
 
 
そんな時に、どうしても
 

『あぁ、やっぱり今年はダメだ。
 今まで頑張ってきたのに、
 それが全部崩れてしまった。』
 
 
このように思ってしまうことが多いはず。
 
 

この気持ちは、よく分かります。
 
 
直前に勉強の空白期間が少しでもあると
やってきたことの全てが崩れていく感覚になる。
 
 
あれは何ででしょうか。
 
 
いまだに解明出来ていません。
 
 
 
ただ1つだけ言えることは
 
 
頑張って刷り込んできた知識や解法は
そんな簡単に落ちません。
 

そんなやわなものではありません。
 
 
そもそも、簡単に失われるような力で
本試験に立ち向かうことはできないはずです。
 
 
難しいと思いますが、どうか気持ちを前へ。
 

前へと持っていくようにしてほしい
と思います。
 
 
今日は続けます。
 
 
立てたスケジュールはこなすにはこなしますが
やはり完璧にはなりません。
 

下手すると、読んだ側から忘れていったりする感覚もあります。
 

それでも、
 

とにかく前に進む進む進む。
 
 
このイメージが大事だと思います。
 
 
立ち止まって考えている場合ではない。です。
 
 
とにかく進む。前へと進む。
 
 
直前にやって、結構良かったな
と思うことを共有します。
 

勉強ではなくて、
生活においてです。
 
 
まず、食事。
 
食事は、栄養があるものを少量食べる。

お腹いっぱいにはしないようにしていました。

消化のエネルギーがもったいなかったので
栄養があるものを食べて
腹7分目くらいに収めたイメージです。

ちなみに、栄養があって、体調も良くなるんじゃないか。
という勝手な解釈で

直前10日間くらいは、ほぼ毎日カレーと
レバニラ炒めを食べていました。

お陰さまで、色々なお店のレバニラ炒めに
詳しくなるという。
 
また、ビタミンCが体調を整えてくれる
という噂もあったので

C1000やキレートレモンもほぼ毎日飲んでいました。
(正確にいうと、ストレートだと
結構酸っぱいので、炭酸水で割って
一日かけて飲んでいた。)
 
 
それから、お風呂は長めに浸かっていました。
(ノルマ達成が出来たら、
スーパー銭湯にも行っています。)
 

これも、固まった身体をほぐすのと、
血行を良くしておけば良いんじゃないか
という噂があったからです。
 
 
寝る前は
5分くらい横になってストレッチ。
 

腰回りと肩が固まるのは良くない
ので、クーッと伸ばしていました。
 

身体の硬直は、精神に響く。

という噂から。
 

直前は、勉強することが一番重要です。

それはもちろんですが、同じくらい
 

「疲れを効率良く抜くこと」
 
「体調を維持すること」

も大事だと。
 
 
自分は、そう思います。
 

全ては本試験のために。
 
 
ただし、勉強するだけが対策ではありません。
 

あともう少し。
なんとか踏ん張りましょう。
 

では、また。
  
  


第102回 模擬試験に対する心構え

2019.6.11

 
 
よくご相談を受ける内容に
 
 
『模擬試験に対して
どのような準備をしていけばいいか』
 
 
があります。
 
 
本日は、こちらについて私の考えですが
お伝えできればと思います。
 
 
 
まず、模擬試験に対しては
絶対に中途半端に臨んではいけません。
 
 
 
なんとなく勉強して
なんとなく受験して。
 

そして
なんとなく反省して。
 

結果として生まれるのが
「あぁ…勉強不足だったな。」
という後悔。
 
 
これだったら、受験されない方がマシです。
 
 
 
およそ、資格試験において勉強が充足する
ことはあり得ないからです。
 

 
完全な準備をして試験に臨むことが出来ない
以上、勉強不足が原因でしたというのは
当たり前のことを言っているに過ぎない。
 
 
 
そういうことです。
 
 
 
なので
 
 
自分の可処分時間で出来得る
最大の準備をすること。
 
 
 
これが何よりも重要です。
 
 
 
 
全科目について、全力の準備が出来ない
のであれば
科目別やテーマ別でも構わないです。
 
 
 
民法だけでも
やっつけてやる。
 
 
 
行政法は
絶対に落とさないぞ。
 
 
 
こんな目標でも良いです。
 
 
 
全力の準備をした以上
結果が良かろうが悪かろうが
 
 
 
『具体的に何がどのように
足りなかったのか。』
 
 
 
しっかりとした
反省が出来るはずです。
 
 
 

『全力で挑んで、全力で反省。』
 
 
 
この経験が多ければ多いほど
合格する可能性は高くなります。
 
 
 
自分の可処分時間と相談して
 
 
『どんな目標を設定するか?』
 
 
 
これを考えてみるようにしましょう。
 
 
では、また。
  
  


第101回 テキスト・過去問に未出の知識

2019.6.4

 
 
みなさん、こんにちは。
 
 
行政書士試験も、そろそろ
模試シーズンに突入です。
 

今一度確認しましょう。
 
 
答練・模試で出題される
「テキスト・過去問未出の知識」を拾うのは
本当にやめてください。
 
 
(最新判例知識や法改正部分を除く。

最新判例は、テキスト・過去問に反映
されていないことがあるので、
拾っておいた方が無難です。

また、法改正部分は、過去問があるわけ
ないので、拾っておくと安心です。)
 
 
答練・模試では
本試験でのパニックを想定して
「あえて」未出の知識を放り込みます。
 

そこに惑わされないように得点出来るか否かを
試しているといっても良いです。
 
 
 
また、出題予想の観点から、
未出の知識を入れているということもあります。
 
 
しかし、その知識がないと解けない問題というのは
かなり考えにくいです。
 
 
簡単な式であらわすと
 

本試験で予想テーマが出題される
 
     ×
 
テキスト・過去問に記載のない知識(模試
でしか問われなかった知識)が出題される
 
     ×
 
組合せ等を加味しても、模試でしか問われ
なかった知識を使って判断しないと解けない
 
     ×
 
その問題が解けないせいで合格ラインを割る
 
 

以上の4要件を満たさなければ、
不合格になりません。
 

逆に言えば、上記の4要件を満たしてしまうのが
怖いのであれば、拾ったらいい。
 

しかし、
次の式はどうですか。
 

本試験で予想テーマが出題される
 
    ×
 
テキスト・過去問に記載のない知識
が出題される
 
    ×
 
テキスト・過去問の知識のみで解ける
が曖昧な部分があり判断できない
 
    ×
 
その問題が解けないせいで
合格ラインを割る
 

明らかに、こちらの確率の方が
高いはずです。
 

答練・模試の知識を拾うというのは
そういうことです。
 
 
あくまでも、答練・模試は、
 

時間配分の訓練。
 

当日のシミュレーション。
 

そして、分からないことが出題
された場合の対処。
 

こんなことを学ぶ場です。
ここを履き違えてはいけません。
 
 
 
……と、書きましたが、
超直前期の受験生の不安は、
言葉で言い表わせるものではありません。
 

とにかく不安なんだよ!
どうにかしてよ、こら!という感じです。
 

この不安が原因で、
少しでも理論武装。知識を増やす。

つまり、答練・模試の知識を拾う
という行動を取ってしまうわけです。
 

ここを踏みとどまれるか否か。
 
 
直前期において、
最も合否を分けるポイントなのかもしれません。
 
 
何回も確認して恐縮ですが、
 

答練・模試の知識を吸収した
「おかげで」合格した
 

という話は、本当に聞いたことがありません。
 

この点は、本当に重要です。
 
 
では、また。
  
  


第100回 シチュエーションに応じた学習

2019.5.28

 
 
みなさん、こんにちは。
 
 
今日は、シチュエーションに応じた学習
について、少し触れておきたいと思います。
 
 
 
シチュエーションといっても
色々な分け方がありますし、
細かく分けても混乱するだけです。
 
 
 
そこで
学習の効率性に特化して分けてみます。
 
 
 
1 元気な時間帯
 
 
2 疲れている時間帯
 
 
 
しっかりと休んで、
身体が回復している状態を1とします。
 
 
 
これに対して、仕事・家事等をこなして
かなり疲労が溜まっている状態を2とします。
 
 
 
1の状態は、
 
 
「考える(理解する)勉強」
 
 

 
 
「苦手なものを見る勉強」
 
 
が向いています。
 
 
まだ頭が元気な状態ですから、
がっちりと勉強することができる。
 
 
そんなイメージです。
 
 
 
 
これに対して、2の状態は
集中力がほとんどありません。
 
 
 
したがって、
 
 
今まで学習した内容の
 
 
「覚え込み」や「問題を読む」
 
 
といったようなものが向いています。
 
 
 
「暗記」をするだけなら、
複雑な思考をすることもなく
 
 
「問題を読む」といった作業なら
目標が明確であるため
 
 
比較的取り組みやすいと思います。
 
 
 
 
イメージとしては、
 
 
朝の通勤時間などでは理解する勉強をして
帰りの電車では、その部分の暗記をする。
 
 
こんな形になると思います。
 
 
 
集中力がある状態と、そうでない状態を
見極めた上で、やるべきことを確定する。
 
 
 
こういうちょっとしたところも
大事なところですね。
 
 
 
 
いずれにしても、やるべきことを決めたら
 
 
淡々と。
 
 
誰にも振り回されることなく、淡々と。
 
 
 
このスタンスを意識しておきましょう。
  
  


第99回 問題集を解いていく意味って何でしょう?

2019.5.21

 
 
そりゃあ、問題が解けるように
なるためでしょう。
 
 
最終的にはそうなのですが
重要なことが抜けています。
 
 
問題を解く目的は
 
 
「テキストの知識を立体化するため」
 
 
です。
 
 
 
テキストの記載だけでは、
(どんなに詳しいテキストでも)
 
 
何がポイントで
どんなことが問われるのか
 
 
が見えてきません。
 
 

そこで、テキストの該当範囲に
対応する問題を解いていく。
 
 
これによって
 
 
「あぁ、ここってこういうことが
 問題になるんだ。」
 

とか
 

「ここかポイントなのか。」
 
 
ということが分かってくるわけです。
 
 
 
なので、
 
 
問題を解いたら、
必ずテキストに戻ること。
 
 
そして、テキストには、
問題を解いた際に必要!
と思われることをメモしておくこと。
 
 
例えば、請負契約の担保責任を
勉強しているとき
 
 
「ここは、担保責任の原則・例外を
 かっちりと言えないといけない。
 

 問題では、ごちゃごちゃ聞いてくるから
 丁寧にあてはめること。」
 
 
といったような、覚書をしておくのです。
 
 
要は、テキストの記載が、
問題ではどのように問われるのか。
 
 
ここを立体化することが
問題を解く大きな目的です。
 
 
これを行っていけば、
自然と問題集を解く必要がなくなってきます。
 
 
最終的には、
 
 
テキストだけを読んでいれば
全てが分かるようになる。
 
 
こんなイメージが持てると
合格に近いイメージです。
 
 
日々頑張って勉強されていますか。
 

5月~6月は、どうしても
学習がダレてしまう時期です。
 

そんなときこそ、淡々と勉強を。
 

では
 
 
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第98回 どう考えればいいんだ、何を覚えればいいんだ。~学習の基本~

2020.5.5

 
 
学習の基本は、何でしょう。
 
 
テキストを読むこと。
問題を解くこと。
 
 
 
いいえ。そうではなく。
 
 
 
極論を言えば、学習の基本とは、
 
 
 
「出来ないことを出来るようにすること」である。
 
 
 
合格される方、特に一発合格者は
この部分の修正がとても細かく出来ています。
 
 
 
テキストを読む → 問題を読む → 問題が
上手く解けない → 勉強が足りないんだ →
また、テキストを読む ……以下繰り返し
 
 
 
これが、不合格の典型的なスパイラルです。
 
 
 
勉強が足りない。
というのは、具体的に何でしょうか。
 
 
 
そもそもの理解が不足しているのか。
 
 
 
記憶のポイントがズレていたのか。
 
 
 
記憶が定着していないのか。
 
 
 
連想すべきことが出来ていなかったのか。
 
 
 
ケアレスミスをしてしまったのか。
 
 
 
その問題を解くためには
「具体的に」、「何が」、「どのように」
足りないのか。
 
 
ここを掘り下げることが重要です。
ここはこだわることです。
 
 
掘り下げたことに対して
どのようなことを出来るようにすればいいのか。
 
 
 
これを着実に積み上げていけば
必ず問題は解けるようになる道理です。
 
 
 
テキストを読む → 問題を解く → 
問題が上手く解けない → 上手く解け
ない原因はこれだ → テキストで潰す
以下繰り返し
 
 
 
これが、合格のスパイラルです。
 
 
 
トライ&エラーの繰り返しとはいいますが
エラーに対して、どれだけ「具体的な対策」を考えるか。
 
 
これが何よりも重要なのです。
 
 
 
直前期になってくると
どうしても雑な勉強になりがちです。
 
 
雑な勉強は、既に出来ることを確認してしまったり
出来ない原因を解明しないで漫然とテキストに
当たってしまったりと、良いことはほぼゼロです。
 
 
 
丁寧に勉強すること。
もう一度、考え直してほしいと思います。
 
 
では。
 
 
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第97回 短期間で3回まわす

2019.5.1

 
 
テキストなどで新しいページを
読み進めたり
 
新しい問題を
解いていくのは

かなり体力を消耗します。
 
 
とはいえ、
1日に読むページ数や問題集が少ないと

どうしても合格ラインに
乗っけていくのが難しいのも事実。
 
 
そこで、お勧めが

「ヒンドゥー・メソッド」

と呼ばれる方法です。
 
 
日本語に引き付けると

「3歩進んで2歩下がる勉強」

といったところでしょうか。
 
 
 
例えば、合格に必要な学習量が
「1日120頁」だとします。
 

このくらい読んでいかないと、
合格者が主張している回転数に届かないと。
 
 
ここで、頑張ってテキストを1日120頁
読んでいこうと努力をしてみます。
 

しかし、どう考えても終わらない。
 

あぁ、やっぱり合格者と自分には
何か大きな差があるんだ。
こんなに読めるわけがない。
 

このように諦めてしまう
ケースがほとんどです。
 
 
そこで役に立つのが
ヒンドゥーメソッドです。
 

ヒンドゥーメソッドでは、
「同じページを、短期間に
何度も読み込む」ことで
 

理解の促進と記憶の定着
を図っていきます。
 
 
具体的には、
「1日40頁」読み込むのだけれども
 
「同じ40頁を、1日に3回読む」
ようにするのです。
 

すると、「1日40頁×3回=120頁」
という計算になり、

理論上は同じ量の勉強をしている
ことになります。
 

このように、同じ箇所を1日のうちに
何回も読んでしまい

都度完璧にしていく方法論が
ヒンドゥーメソッドです。
 

もちろんやれるなら
4回とか5回でも構わないですが、
 

可処分時間などを考えていくと、
3回くらいが妥当なラインかなと思います。
 

学習の効率は、ちょっとした工夫で
劇的に変わっていくものです。
 

お悩みの方は、明日からぜひ試してみてください。
 

同じ箇所を、3回読んで120頁
読んだことにしてしまう。
 

上手くいくと凄く爽快感がありますよ。
  
ではまた
 
 
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第96回 テキスト高速回転の上手いやり方?!

2019.4.11

 
 
まず、確認させて頂きます。
テキストの高速回転に上手いやり方などありません。
 
 
 
努力をし続けた結果、読むスピードが上がったり
省略して読むことが可能になっただけです。
この努力が何よりも大事なわけで。
 
 
 
ただ、これを言ったら元も子もないので
少しだけ工夫の仕方を考えてみます。
(無意識に出来ているという方もいらっしゃるのですが、ここを意識的に)
 
 
 
まず、テキストを読んでいく工程は
次のように分解できます。
 
 
 
1 内容の理解をしようとする
2 分かった部分と分からない部分を振り分ける
3 分からない部分を再度理解しようとする
4 記載内容を、どのよう思い出すか考える
5 記載内容を見ないで、実際に思い出してみる
 
 
 
 
1、2について、講座などを受講されている方は
講義内で完結しますので、あまり意識しなくて大丈夫です。
 
独学という方は、普通に1ページ目から読んでいって
分かるところと分からないところを付箋やマーカー等で
振り分けていってください。
 
 
 
ここで分からない部分は、とりあえず置いておき
読み飛ばして頂いて大丈夫です。
 
 
 
分からない部分は、後で習得する知識がなければ
理解できないもしくは難解な論点である可能性が高いです。
 
そのため、現状の自分で相手にしてしまうと
深い溝にはまってしまいます。
 
 
 
ここは、「うーん、よく分からないなー。」と思って
読み飛ばしてしまう勇気が必要です。
 
再度一読はするものの、分からなければ深く考えずに
飛ばしてしまうということですね。
 
 
 
それでは、分かるなという部分はどうしましょう。
 
 
 
ここは、「分かるな。」程度の知識では
問題がまず解けませんので、なるべく正確に思い出せるようにしたいです。
 
そこで、制度趣旨や他の知識の比較から、なぜそうなるのか?
自分は、この記載部分が問題として聞かれたら
どうやって思い出せばいいのか?
 
 
 
こんなことを必死に考えてみるといいと思います。
 
 
 
これは、以前にも書いたことなのですが
人間は「意味が特にないもの」を覚えておくことが、非常に苦手です。
 
そこで、テキストの内容にも、「意味内容をしっかりと与える」ことに
よって、思い出せるようにしていくわけです。
 
 
 
そして、最後です。
自分が考えた思い出し方から、実際にテキストの記載内容を
思い出してみてください。
 
 
 
ここで思い出せれば、記憶が出来た。
思い出せなければ、意味内容が足りず記憶には至っていない。
 
 
 
こういうことになります。
 
 
 
このように、テキストを読むときは
 
 
記載内容を理解しようとする
→分かる部分と分からない部分を振り分ける
→分からない部分に再度アプローチする
→思い出し方を考える
→思い出してみる
 
 
という工程をたどります。
 
 
 
高速回転が出来ないのは、上記の工程の全てを
一気にやろうとしているからです。
 
 
 
試験の直前期でもない状況であれば、
今は「記載内容の理解」、「振り分け」まで出来ていれば
最低ラインはOK。
 
 
 
何回か読んでいくうちに
「再度アプローチ」+「思い出し方を考える」ということまでいき
最終的に「思い出してみる」作業を繰り返す。
 
 
 
これが、高速回転のコツです。
ぜひ参考にしてみてください。
 
 
ではまた
 
 
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第95回 基本の完成と公式を使いこなす~基本に対する深い理解を持つこと~

2019.3.8

 
 
今回は、基本とはどういうものか?
公式を使いこなすとはどういうことなのか?
を簡単に書いてみたいと思います。
 
 
 
受験生の方とお話しをしていると
よく出てくる悩みが
 
 
「テキストに直接書かれていないことが聞かれると、全然分からない。」
 

「似たような知識が混乱して、正誤判定を誤る。」
 
 
といったものです。
 
 
 
これに対して
 
 
「もっと詳細に書かれている本を読まなければいけない。」
 
 
「他資格の過去問もいっぱい解かないといけない。」
 
 
こんな対策を立てる方が多すぎます。
 
 
 
これらは、全て「基本に対する深い理解」が足りないのであり
その結果「条文・判例」という公式を上手く使いこなせていない
ということが原因です。
 
 
 
平成29年度の本試験問題を幾つか使って、考えてみましょう。
特に、こちらの予想に比して、
正答率が低かった問題が、今回の記事のメイン論点です。
 
 
次の問題を読んでみてください。
 
 
地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例または規則に置かれているものに限る。)についての審査請求には、当該地方公共団体の定める行政不服審査条例が適用され、行政不服審査法は適用されない。(H29-14-2)
 
 
行政指導の相手方は、当該行政指導が違法だと思料するときは、行政不服審査法に基づく審査請求によって当該行政指導の中止を求めることができる。(H29-14-4)
 

この選択肢は、いずれも誤りです。
当時の受験生は、多くの方が、上記の選択肢を○と判断し、間違えてしまっています。
 
この原因は、明らかです。
 
 
行政手続法3条3項
地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第六章までの規定は、適用しない。
 
 
行政手続法36条の2第1項
法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。
 
 
いずれの選択肢も、行政手続法には規定があるのですが
行政不服審査法には規定がありません。
したがって、誤りです。
 
 
ここの判断をミスしたのは
しっかりと覚えていなかったから?
 
 
それもあると思いますが
ちょっと違います。
 
 
根本的な原因は
問われている条文(基本知識)に対する
深い理解が伴っていないからです。
 
 
そもそも、行政手続について
地方公共団体の適用除外が認められているのは
地域の実情に応じて柔軟に対応して欲しいという趣旨からです。
 
 
事前の手続は多種多様ですから
地域の特殊性に応じて、条例等で上手くやってくれということですよね。
 
 
これに対して、事後救済の手続である不服審査はどうでしょうか。
 
 
地域の実情を考慮して、事後救済の手続を柔軟に対応する
ということはあるのでしょうか。
また、不服審査の手続は多種多様なのでしょうか。
 
 
これらの観点から、行政不服審査法には
当該適用除外の規定はないということが推察されます。
 
 
また、行政不服審査法の対象は
「処分」・「不作為」とされています。
 
行政事件訴訟との整合性を図るということも加味され
行政指導等はその対象から外したというのが趣旨です。
 
このことからすれば、行政指導の中止等の求めは
行政不服審査法にはないものと推察されます。
 
 
これが、条文知識に対して深い理解をしている
ということです。
 
制度趣旨から丁寧に知識を押さえている
といってもいい。
 
 
これが、基本の完成のイメージです。
 
 
条文=公式を覚えている「だけ」の状態では
上記のような問題に対応できなくなることがあります。
 
 
条文=公式がどういう趣旨から出来あがっているのか。
ここを徹底的に洗い、押さえていくこと。
 

行政手続法の適用除外について、
しっかりと理解をしていただろうか。
 
 
行政不服審査法の対象が
処分と不作為であることの意味をきちんと
把握していただろうか。
 
 
多くの受験生は
公式をただ単に覚えているだけの状態です。
 
 
しかし、合格者(の中でも、優秀な層に入ると思いますが)は
当該公式の構造を理解しています。
 
なぜ、そういう公式があるのか。
 
ここを丁寧に押さえているのです。
 
 
そのためには
細かい知識に手を出している場合ではない。
 
 
およそテキストに記載されていないような論点を
創造している場合でもないのです。
 
 
ではまた
 
 
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第94回 万人受けする方法論やツールの存在??

2019.2.28

 
 
どの試験でもそうなのですが
ある方法論やツール(テキストなど)について調べてみると
肯定的な意見と否定的な意見の両方が出てきます。
 
 
 
しかも、肯定派は
 
 
「それを使わないなんてあり得ない!」
 
「こうやって勉強しないと、合格しない!」
 
 
という強い語調であり。
 
 
 
否定派も
 
 
「そんなものを使っているから、効率が悪くなるんだ。
 試験対策に特化してやるべきだ。」
 
「その方法論では、◯◯が鍛えられないから、ダメだ。
 むしろ、こうすべきだ。」
 
 
というこちらも強い語調。
 
 
どっちやねん!!
と突っ込みたくなることも多いはず。
 
 
 
それはさておき。
 
これは、ある意味しょうがないことです。
 
人それぞれ、置かれた環境は異なります。
(働きながら、子育てをしながら、勉強に専念する方。
年齢や性別も違います。かけられるお金も違います。)
 
 
したがって、ある方法論やツールに対しての感じ方も
また異なるのは当然のことです。
 
 
大切なことは
 
 
まずは多数の考え方に乗ること。
 
 
 
多くの合格者が言っているということは
それがひとまずのスタンダードであることは間違いありません。
 
まずは、それを実践してみること。
 
 
 
そこに問題があれば
(例えば、あまりに時間がかかってしまうということであったり、学習の環境に合わないという場合)
適宜その方法論やツールを変化させること。
 
 
 
方法論やツールに対して
あーだこーだ言っている時間があれば
 
 
とりあえず動いてみる。
 
 
これが大切です。
 
 
間違った方向にいくのでは?
という不安もあると思いますが、
それは大丈夫です。
 
 
多数の方の方法論をひとまず採用しておけば
その後の修正は軽微なもので済むことが多いからです。
 
 
ぜひ、試してみてください!!
 
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第93回 同じ部分を、短期間に、大量に

2019.2.15

 
 
学習は上手くいっているでしょうか。
特に、初期段階は、なかなか大変なことも
多いと思います。
 
 
初期段階の学習で大事なことは
学習を途切らせないように一定に保つこと。
 
 
そして、出来れば、流し込む量はドカっと。
一気に流し込むことが大事です。
 
 
ちょこちょこやるというのは
聞こえは良いのですが
 
 
初期段階の学習では
とにかく忘れる量の方が多いです。
 
 
注意しないといけないことは
忘れる量を超える知識量を流し込むこと。
 
 
しばらくはこの状態を続けないと
今やっている学習そのものが無意味にもなりかねません。
 
 
ちょっときついですが、初めが肝心です。
ガツっと入れましょう。
 
 
そして、ガツっと入れたら熟成です。
 
 
自分にも経験があるのですが
初めてのことを学習する場合
 
最初は全然分からなかったのに
頑張って勉強して、その後しばらく寝かせると
なぜかフッと分かってしまうことがあります。
 
 
この感覚を、勝手に熟成と呼んでいます。
 
 
法律のように独特の考えが存在するものは
その考えに馴染む必要がある。
 
 
ある考え方に馴染んでくると
分からなかったことが、
 
「何だ。こんなの当たり前じゃないか。」
 
と思えるようになるんですね。
 
 
したがって、最初はガツっと知識を流し込む。
分からないながらも、流し込む。
その後、熟成させる。
また、流し込む。
 
 
このイメージを持つようにしましょう。
 
 
よし!じゃあ一気に流し込めばいいのね!
ということで、300頁くらいあるテキストを読む。
1週間で100頁として、3週間。
これだと、最初の内容の大部分をやはり忘れてしまいます。
 
 
一気に流し込むペースは悪くないのですが、
問題は、その流し込み方です。
 
 
読み込む時は
 
 
100頁×3週間=300頁
 
でいいのですが、
ここでいう100頁は、同じ範囲を指します。
つまり、同じ部分を短期間に3回転ほどすること。
 
 
そして、同じ部分を読んでいると、
最後の方は加速度的にスピードが上がっていきますから、
実際は、2週間ちょっとくらいで読み終わるはずです。
 
 
ポイントは、「同じ部分を」、「短期間に」、「大量に」流し込むことです。
 
 
ダラダラやってても身につかないし
全体を長期間かけて回しても、ほぼ意味はありません。
 
 
ちょっとした学習の方法論の違いが
本試験までに大きな差になる。
 
 
今は、正しい方法論を学びつつ、それを実践する。
これが大事だと思います。
 
 
では。
  
  


第92回 努力をすれば、合格するのか。

2019.2.1

 
 
正解です。
 
 
努力をし続ければ
絶対に合格する試験です。
 
 
もっとも
 
 
本当に努力したと胸を張れるのか。
 
 
ここが大きなポイントです。
 
 
 
一般的に、合格者の学習方法は
千差万別であるといわれますが
 
 
それはあくまでも、正しい学習の方向性の
向いている角度が少しだけ違うだけ
という意味合いに過ぎないと思います。
 
 
 
 
合格体験記を読み込んでみると
次のようなシンプルな方法論が見えてきます。
 
 
 
1 使用教材を絞り込む
2 反復継続する
 
 
 
 
よく、
言われた通り教材を絞り込んで
何回かやったのに成績が上がりません…
という相談を受けることがあります。
 
 
 
「何回かやったのに。」
という部分がポイントです。
 
 
 
 
個人的な感覚でいくと
 
 
 
1周目は読むだけで精一杯。
 
 
2周目もあまり変わらず。
 
 
 
3周目から、目次や似た制度の比較に
目がいくようになる。
 
 
 
4、5周目から、細部までの読み込みや
覚え込みに集中出来るようになり
 
 
 
6周目以降でどこに何が書いてあるかが
ほぼ把握出来るようになる。
 
 
 
10周目くらいで、ほぼ完成。
苦手な分野だけがちょこちょこ残る感じ。
 
 
 
受験生は一般的に
(というか、合格ラインに届かない方は)
 
 
 
繰り返すということへの
イメージが甘すぎます。
 
 
 
一昨年の合格者の中には
上級テキストを21回転していた方も
いらっしゃいます。
 
 
 
テキストの作成者よりも
どこに何が書いてあるかを
熟知していたくらいです。
 
 
 
分からないなー、覚えられないなー
という前に、まずは10周しましょう。
話はそれからです。
 
 
では。
 
 
  


第91回 学習計画の立て方 その2

2019.1.25

 
 
それでは、前回の続きを書いていきます。
 
 
前回のお話で重要なことは
 
 
1 学習量を軸にして、計画を立てる
2 量は合格者基準に合わせる
3 予備日を必ず設定する
 
 
ということでした。
 
 
これが決まったら、ご自身のライフワークの中に
学習計画を落とし込んでいきます。
 
 
 
計画に落とし込んでいく内容は、以下の3つ。
 
 
1 テキスト
2 問題集(一問一答含む)
3 暗記カード
 
 
この3つを、それぞれのシチュエーションにあてはめていきます。
 
 
 
まず、テキストを読み進めるという工程は、
一番体力を消耗し、かつある程度落ち着いた環境が必要です。
 
 
したがって、ご自身のライフワークの中で、
最も体力が充実しており、かつある程度の時間が取れる部分に充当していくようにしてください。
これを、私の中では「大時間」と表現しています。
 
 
 
そして、問題集を読み進めていく工程は、疲れてはいるものの、
ちょっとだけやろうかなという環境でもこなせることが多いです。
 
 
したがって、仕事の前後のところで、
少しまとまった時間が取れるというような時間帯がお勧めです。
(もしくは、テキスト読みの集中力が持たなくなった時なども有効です。)
これを、私の中では「中時間」と表現しています。
 
 
 
最後に、細切れの時間です。
ここも勉強するようになったら、立派な受験生ですね。
 
 
5分、10分といったような時間は、案外あります。
そこで、意識的に休憩する。
これも一つありですが、出来れば、何かをやりたい。
 
 
 
ここで威力を発揮するのは…ずばり、スマホ等で撮った写真です。
 
 
上記の学習をする中で、どうしても覚えられない(または、理解出来ない)図表や問題などが出てくるはずです。これを、あらかじめ写真に撮っておく。
 
 
 
いやはや、便利な時代です。
ちょっとした待ち時間に、すかさずスマホを手に取り、写真を眺める。
 
これを毎日のように繰り返します。
馬鹿にならないほど、記憶の精度が上がりますので、必ずやるようにしましょう。
 
 
以上、シチュエーションに応じた学習計画でした。
これを、ご自身のライフワークに落とし込んでみましょう。
 
 
 
すると、
 
1週間でどのくらいテキスト&問題集を読み進められるのか。
どこの細切れ時間で、記憶することが出来るのか。
 
これが明らかになるはずです。
 
 
意外と、この学習計画に偏りがあるため、
合格に届かないという方は本当に多いです。
 
 
この辺りはじっくり考えても良いと思います。
 
 
 
では、また次回!
 
 
  


第90回 学習計画の立て方 その1

2019.1.18

 
 
行政書士試験のように、ある程度の難関資格に挑戦する場合
長期の学習を継続して行う必要があります。
 
 
この場合、学習計画をしっかりと立てることが必要不可欠です。
 
 
 
学習計画の立て方で重要なことは、次の通りです。
 
 
1 学習時間ではなく、学習量を基準にする
 
 
2 合格レベルの平均学習量を知る
 
 
12週間単位でノルマ設定をする
 
 
4 予備日を必ず設定する
 
 
5 シチュエーションに応じた学習を設定する
 
 
 
 
まず、よくありがちなのが
 
 
「よし、平日は12時間。土日は6時間やるぞ」
 
 
こんな計画を立ててしまうことです。
 
 
学習時間というのは、あくまでも結果論です。
 
 
 
合格するためには、どうしても守らないといけない「量」
というものがあります。
 
 
したがって、時間を軸にして学習計画を立てるのではなく
必ず「量」を基準にして設定すること。
 
 
まず、これが前提になります。
 
 
 
すると、次に
 
 
「よし、平日は1100問。土日は400問やろう」
 
 
というようなことをされてしまう方がいます。
 
 
 
自分の知る限り、平均的な合格者の方がこなせる問題量は
1時間単位で1520問程度です。
(直前期だと、この倍くらいはこなせますが)
 
 
 
また、読み進めていくテキストの頁数も
30頁前後だと思われます。
 
 
 
そのため、上記のような学習量の設定は
土台から無理があります。
 
 
 
学習量を基準とするのは確かですが
 
 
そこに自分の学習時間との調和を図っていく必要がある
 
 
ということです。
 
 
 
学習の初期段階は、ここを見極めること。
 
 
 
これが何よりも重要だと思います。
 
 
 
自分は、1時間(もしくは30)単位で
どのくらいのものがこなせるのか。
 
 
それは、合格レベルのスピードと言えるのか。
(この辺りは個別で面談をするか、
 合格体験記などを熟読されると良いです)
 
 
 
これらを考慮の上、1週間単位のノルマを設定します。
 
 
 
例えば、
 
 
「平日は130問、土日はテキスト80頁ずつやろう。
 そうすると、1週間で、150問+160頁になるな。」
 
 
と、こんなイメージ。
 
 
 
もっとも、ここにも落とし穴があります。
 
 
それは、上記の計画は、1週間全てに学習の予定を
設定しており、遊びの部分がありません。
 
 
 
これだと、何か事情があって学習が出来ないときに
一気に計画が崩れてしまいます。
 
 
 
これが、学習意欲を阻害してしまったり、
取り戻そうと無理をしてしまったり。
とにかく良いことがありません。
 
 
そこで、必ず1日は特に予定を入れないで
(出来れば、土日の午前や午後にも)
少し緩く計画を設定することです。
 
 
 
こうして、学習計画が出来上がっていきます。
 
 
ちなみに、各科目についてどのくらいの期間
勉強するのか等については
各指導校の日程表が物凄く参考になります。
 
 
 
もちろん、講座を受講されるという方はそれに乗っかって。
 
 
独学でいくという方でも、日程表自体は参考にして。
 
 
そうすると、合格レベルの計画を
無理なく立てることが出来ます。
 
 
次回は、シチュエーションに応じた学習。
 
 
それから、計画進行に遅れが生じた場合の
話をしていこうと思います。
 
 

では、また次回に!
 
 
  


第89回 全体的なスケジューリング~通常期編~

2018.12.21

 
 
今回は、学習スケジューリングのお話です。
 
 
学習スケジューリングは、
必ずゴールから発想するようにしましょう。
 
 

本試験というゴールから発想すると
一般的には次のような形で整理されます。
 

◆試験超直前期(9~11月)
 1 細かい暗記事項のツメ
 2 不安な箇所のチェック
 3 本試験へのチューニング
 
 

◆試験直前期(7~8月)
 1 学習内容の集約(高速回転)
 2 問題の解法の刷り込み
 
 

◆通常期(12月~6月)
 1 基本的な知識の理解
 2 問題に馴染む
 
 
 
今回は、通常期のお話をしていきます。
3回分くらいにわけて書いていきますので
順々に読んでみてください。
 
 
その後、3回目から1回目へ逆に読んでいくと
さらに理解が促進されると思います。
 

さて、通常期は、
 
 
とにかく基本の理解の徹底
 
 
を意識してください。
 
 

具体的には、例えば、私の復習チェックシート。
このシートを、理解したうえで
正確に言えるようにすること。
 
 
×言われてわかるではなく。
 
 
×読んだら分かるではなく。
 
 
◎自ら出せるようにすること。
 
 
これが、基本的な知識の理解です。
 

私の復習チェックシートの内容は
重要な知識に絞り込みをかけていますので
これを繰り返し繰り返しトライする。
(私の講義を受講していないという場合、
 ご自身が使っているテキストを、
 全て問いかけ形式に修正し、
 それに対して回答していくという工程をとってください)
 
 

『ざっくりとではなく、徹底的に。』
 
 

これが重要です。
 
 

実は、重要知識の習得をしっかりと行えるのは
この通常期で終わりになります。
 
 
つまり、7月以降に、
じっくりと重要知識を習得するという時間はなくなります。
 
 

そのくらい、7月以降の勉強と
以前の勉強は質が異なります。
(逆にいえば、質が変わらないのであれば、
 不合格の推定がその時点で働きます)
 
 

それでは、現状どの程度のペースで見ていれば
順調に勉強できているといえるのか。
 
 

個人差がありますが、
1週間で復習チェックシートを2回分。
もしくは3回分くらい。
(テキストでいえば、60~90頁分くらいです。
 こちらも、講義を受講していないとか
 他校で勉強しているという方は、
 ページペースで考えてもらうと良いと思います)
 

つまり、現在から6月いっぱいまでは
テキスト60~90頁くらいのところを
1週間で淡々と進めていく。
 
 
これが出来ていれば順調。
これを下回っていると
少なくとも合格レベルの勉強は出来ていない。
 

そういう評価になります。
 

学習スケジュールは、
あくまでも合格者を標準として考えるべきです。
 
 
「自分なりに」頑張っているつもりでも
なぜか成績が伸びないという場合
 
 
その多くが合格者の標準的な学習量
あるいはスケジュールに達していません。
 

各時期で、合格ラインの勉強をしているか。
これを常に意識しておくようにしておいてください。
 
 
私の復習チェックシートですが、
今回、憲法の一部ですがまとめて公開しています。
参考にしてみてください。
★こちらから
 

では、また次回に!
 
 
  


第88回 憲法の基本的な学習方針

2018.12.14

 
 
いよいよ年が明けると「上級インプット講義」で
憲法から学習が始まります。
 
 
そこで、憲法の学習方針について
確認してみましょう。
 
 
 
憲法は、次の3点を意識して勉強されると良いと思います。
 
 
(1)各テーマの一般的な理論を刷り込む
 
 
(2)理論から判旨を小説のごとく読む
・ 争点
・ 理由
(・反対利益)
・結論
を意識して読むとGoodです。
 
 
(3)条文を暗記する
 

毎年のように新傾向の出題があるのが憲法。
それに引きづられると、獲得すべき問題を平気で落とすことになります。
 
 
したがって、上記の3点を意識して勉強されると良いですね。
 
 

まずは、各テーマの一般的な考え方を学ぶこと。
 
 
バラバラに見える最高裁の判例も、実は一貫した考え方に基づいて、
具体的な事案を処理しています。
(たとえば、外国人の人権であれば、「権利の性質上日本国民を対象
 としているか否か」という観点から考えるとか)
 
 
一貫した理論から全て理解しようと試みれば
暗記をする必要性はかなり下がります。
 
 
 

次に、判例の勉強です。

近年、判例の出題は、
 
1)判例の要旨を端的に問うもの
2)1つの判例を深く問う
 
傾向にあります。
 
 
本来、判例は非常に長いものなのですが
試験対策として必要とされる判旨は限定されています。
 
 
この点は、私の講義では講義内できっちりと
マークを取っていきますので、
その部分の理解と記憶をするようにしてみてください。
 

これに対して、1つの判例を深く問う問題については
ある程度出題される判例やテーマが予想できます。
 
 
そこで、講義内で指摘される「重要かつ出題が予想される判例」
については、ある程度判旨を長めに読み込んでおくことが
要求されます。
 
 
『憲法判例集 第11版 (有斐閣新書)』という書籍があります。
この書籍では、重要な憲法の判旨がかなり長く引用されており
有用です。
 
 
参考図書として用意しておき、講義内で指摘された判例を
読んでおくことは、非常に良い試験対策になると思います。
(あくまでも、指摘されたもの「のみ」です。
 やり過ぎると、何の試験対策なのかがよく分からなくなります。)
 
 
 

そして、条文の暗記。
嫌な作業ですが、憲法の条文は暗記をしっかりとすること。
 

近年の本試験の傾向から考えると、憲法は条文をかっちりと
暗記しておくことで確実に点数が取れる問題が数問あります。
 
 
したがって、憲法の条文については、六法等で読み込んで
確実に覚えていく必要があります。
 
 

六法やテキストには、条文のタイトルが付されているはずです。
そのタイトルを見ただけで、大体の内容を説明することができる。
これを目指して欲しいと思います。
 
 
 
それから、条文全体を軽く読み流すという工程も欠かせません。
本試験では、「こういうことは規定されていますか?」という
趣旨の出題があるのですが、精密な暗記に努めていると、
意外に「あれ?そんなことも書いてあった気もするな…」と
なってしまうことがあります。
 
 
そのため、精密に条文を読みこんだ後に、軽く全体を読み流す
というクセもつけておきましょう。
 
 
嫌な作業だから受験生全員がちゃんとやれていない。
自分がちゃんとやれば、簡単に差をつけることができる。
そうなるわけです。
 
 

憲法は、ハマると本当に危ない科目です。
とにかく、特殊な対策に走らないこと。
基本的な学習方針を遵守すること。
 
 

憲法は、学習範囲を適切に絞り込めば、
そこまで時間をかけなくとも得点源になります。
 
 
これら学習指針を過去問の出題を意識しつつ
繰り返し学習していけば、まず合格点を割ることはなくなる
と考えられます。
 
 
参考にしてみてください。
 
 
  


第87回 根っこにある理解

2018.11.30

 
 
本試験問題を見ながら
一緒に間違えた原因を考えていると


「え?なぜそのように考えてしまうの?」


というケースが時々あります。


これは、各法律の根っこからの理解を無視して
条文と判例の「暗記」に走っている
もしくは
上っ面の「理解」に止まっていることが原因です。
 
 
 
今、勉強している条文・判例は、
そもそもどのような理論が背景にあるのでしょうか。
 


そして、その背景から考えると、どうなるのでしょうか。
 


そこには、どのような不都合性が考えられるのでしょうか。
 


そこで、どのような修正が試みられているのでしょうか。
 


根っこから理解するというのは、
ある意味、サボりたい欲求の究極体であると自分は考えています。
 
 
多くの条文・判例知識をいちいち暗記したくない。
何回も繰り返して読みたくない。
 
 
 
だから、共通する基本的な考え方をそこに見出そう。
そして、その共通の理解から、一定の結論を導き出そう。
 
 
 
上手く出せないものだけ、覚えればいいや。
 
 

サボりたいからこその、思考ということですね。
 
 

こういう学習のイメージが作れると
繰り返し学習しなければならない分野がかなり限定され
いわゆる「高速回転」が可能となります。
 
 

「根っこからの理解」がどの程度あるのか。
これを確認してみるとよいと思います。
 
 

その確認方法は簡単です。
 
 
 
正答率が比較的高い問題の正解肢について
「なぜ、そのような結論となるのか。」を
しっかりと説明してみることです。
 
 
 
この時、「そういう規定だから」とか「そういう判例だから」
という問いをもって問いに答えたような説明しかできなければ
明らかに根っこからの理解が欠けています。
 
 
 
時間のある今考えることは、こういう部分です。
ぜひ、考えてみてください。
 
 
 
 


第86回 正確な情報を入手する&今後の動き方

2018.11.16

 
 
本試験から少し時間が経ちました。
 
 
 
とはいえ、試験が終わって、
どうしても気持ちを取り戻すことが出来ない。
そんな方もいらっしゃるはずです。
 
 
伊藤塾は、「講師・合格者によるカウンセリング LinkIcon 」を
行っていますので、上手に活用してくださいね。
 
 
 
さて、まずは、正確な情報の入手です。
 
 
今年の本試験の正体は、
受験生の生の声を数百人分。
そして、提供頂く平均点と正答率のデータ。
また、記述式の解答の状況。
 
 
この辺りのデータが揃わないと
何も正確な判断が出来ないのです。
 
 
 
だから、今は気になりつつも少し待っておく。
これが正解だと思います。
 
 
あれやこれや考えてしまうのは
しょうがないことだと思います。
 
 
分析会 LinkIcon 等を利用して
しっかりと考えていきましょう。
 
 
 
さて、今後の動き方についてです。
 
 
まず、この一週間は、
試験のことばかり考えてしまうと思いますので
 
 
特に何をするわけでもなく
日々を過ごされるのが良いと思います。
 
 
もちろん、ネット等で色々と調べてしまうのも
しょうがないことです。
 
 
正確な情報とは言い切れないという留保を
つけつつ、参考程度に見る感じです。
 
 
一週間後辺りから、各校で分析会等が実施されると思います。
お近くの場所で開催されるのであれば、ぜひ参加しましょう。
 
 
それを受けて、自分の中であり得る可能性を
見いだす必要があります。
 
 
 
合格可能性が高いということになれば
行政書士実務の勉強や各種講演会等に参加していくと良いでしょう。
 
 
過去の合格者の中には、合格発表まで
ずっと明日の行政書士講座を聴いていたという方も多いです。
 
 
また、ネクストライセンスを視野に入れていた方は
その辺りの情報を集めたりしながら合格発表を待たれると良いです。
 
 
 
どちらに転ぶのか分からないという場合が、一番難しいです。
 
 
 
少なくとも、合格するか否かのギリギリのラインまできた
ということは、相当の努力をされたということです。
 
 
したがって、どっちに転ぶか分からないから、
勉強をすぐに再開しよう。となるほうが無理だ
と考えて大丈夫です。
 
 
人間、そんなに強くありません。
 
 
こちらも分析会に参加したり公開講座を視聴したり。
勉強という感じではなく、少し気を抜いた感じで
過ごされるのが良いと思います。
 
 
大丈夫。頑張って勉強してきたことは
そんな簡単に抜け落ちませんよ。
 
 
 
記述式の採点を加味しても
ちょっと合格点は厳しいなという場合は
 
 
まず来年も受験をするか否か。
ここをはっきりと決めることが大事だと思います。
 
 
 
厳しいことを書いてしまい、誠に申し訳ありませんが、
合格点に届かないことが現時点でほぼ確実である状態で
 
 
「今年はダメでした、また来年も受けます。」
と簡単に決めてしまうのは危険極まりないです。
 
 
少なくとも、適当に受験を継続して
適当にやっていたら受かりましたという話は
ごく一部の例外を除き聞いたことがありません。
 
 
来年合格点を取るための勉強。
これをする気力はあるのか。
 
 
適当に受験を続けるのではなく、
来年絶対に合格してやるんだ!
という気持ちを持てるか。
 
 
まずは、ここです。
ここを考える必要があります。
 
 
その上で、本試験において点数が取れなかった原因は何なのか。
 
 
単なる勉強不足でした、とか
記憶が曖昧でしたとか、
そんな抽象的なことではなく、具体的に。
 
 
本気で、具体的に考える必要があります。
 
 
終わった直後に、
大変厳しいことを申し上げてしまいました。すみません。
 
 
絶望している自分がいるなら、そこに光明があります。
それを切り開くきっかけはお伝え出来ますが
実際に切り開くのは、紛れもなく自分自身しかいないのです。
 
 
これが現実だと。自分はそう思います。
 
 
 


第85回 1週間前の学習計画をこの時期に

2018.10.23

 
 
いま、それぞれの学習を淡々とされていることと思います。
 
 
 
その際、もう一回見たいなぁ
と思いつつも進めてしまったものがあれば
チェックをしておきます。
 
 
 
そして、その論点が
 
 
 
「出題予想論点であり、かつ重要論点」
であれば
 
 
 
最後の一週間におくってください。
 
 
 
 
このようにして、二週間前から
一週間前にやるべきことをおくっていく。
 
 
 
 
これが大事ですね。
 
 
 
 
となると、
 
 
 
一週間前は、
苦手な論点のチェック+条文知識の確認。
 
 
 
 
この二つの勉強になる。
 
 
 
 
当たり前すぎることですが
今一度確認を。
 
 
 
 
 
淡々と勉強。
 
 
 
 
心がざわざわして
中々難しいとは思いますが
 
 
適切な課題を設定したら
とにかく淡々と勉強を進めましょう。
 
 
 
では! 
 
 
 
 
 


第84回 不安の原因とは何か。淡々と勉強を。

2018.10.19

 
 
本試験で点数が取れない(気がする)。
 
 
普段の勉強で成長していない(気がする)。
 
 
みんなよりも、能力が劣っている(気がする)。
 
 
……
 
 
 
不安に思うことを挙げれば、キリがありません。
 
 
 
そう思う原因は一体何でしょうか。
 
 
 
これ……意外に一番多い回答は
 
 
 
「なんとなく」そう思う。
 
 
 
なんです。
 
 
 
原因がよく分からないのに
不安に思う。
 
 
 
これは、一種の幻想なんですね。
 
 
 
幻想と戦ってもしょうがないですから
いま、この時間を大切に使い、淡々と勉強をするしかないと。
 
 
心で、なんとかそう思い続けて欲しいと思います。
 
 
 
模擬試験の結果が悪いとか
最近あまり勉強に集中できていないとか。
 
 
それらは、もはや過去の産物であり
現実としては存在しません。
 
 
 
ならば、
動いている現実を淡々とこなしていきませんか。
 
 
 
あと、もう少し。
 
 
 
淡々と勉強したその延長線上に
本試験は存在します。
 
 
 
本試験は特別なものではありません。
あくまでも、今の勉強の延長線に過ぎません。
 
 
 
模擬試験などのシミュレーションを通して
いかに今の延長線に置くことができるか。
 
 
最後まで応援しています。
 
 
 
 


第83回 本試験1週間前の作法

2018.10.12

 
 
この時期から、1週間前のことを想定しておくことが大事です。
1週間前にやることは、今やらなくていいということになりますからね。
 
 
 
 
本試験1週間前の作法は
 
 
 
ずばり
 
 
『1テーマ集中で確実に潰す』
 
 
 
です。
 
 
 
 
前提として、1週間前に全範囲を満遍なく見ることは無理です。
 
 
 
それをやってしまうと
終わらない自分という最悪の状況で本試験を迎えてしまいます。
 
 
 
 
 
そのため、テーマ集中で確実に潰す。
 
 
 
これを行うことが吉です。
 
 
 
 
テーマ選定としては
 
 
1)すぐに忘れてしまう内容
 
 
2)出題予想かつ苦手なテーマ
 
 
で良いと思います。
 
 
 
 
すぐに忘れてしまう内容の代表は
 
 
・憲法の条文
・行政手続法
・行政不服審査法の細かめの条文
・情報法
・家族法
・商法(総則・商行為)
 
 
ですよね。
 
 
したがって、当該テーマは、なるべく本試験の直前(前日~当日)に配当し、本試験の時だけは覚えてるぜ!!という状況にしてください。
 
 
 
残りの日々(7日~3日前)は、出題予想かつ苦手なテーマをガッツンガッツン潰せばいいと思います。
 
 
 
1日2テーマくらいが限界かなと思いますので
(基本的人権の限界、抵当権、債権譲渡、行政上の強制措置、政党政治といったレベルのテーマで潰します)
 
 
 
5日間×2テーマ=10テーマ
 
 
 
こんなイメージです。
これを、今の時期から洗っておき、選定すべきです。
 
 
 
たとえば
 
 
・表現の自由の限界
・占有権
・抵当権
・多数当事者の債権債務
・行政上の強制措置
・行政事件訴訟の訴訟要件全般
・住民監査請求と住民訴訟
・株主総会と取締役会
・各国の政治体制
・金融(日本銀行)
 
 
といった具合です。
 
 
 
10テーマに絞るため、丁寧にやっても勉強は終わるはずです。
 
 
 
このように、やりきった自分を持っていくこと
 
 
 
これだけを考えて、一週間前は過ごすべきです。
 
 
 
 
不安と自信は表裏一体です。
 
 
 
いけるかも!!
 
 
 
と思える時もあれば
 
 
 
 
やっぱりダメかも……
 
 
 
と思う時もあります。
 
 
 
 
ならば、本試験当日に、
なんとか
 
 
 
いけるかも!!
 
 
 
という方に転がるように仕向けるしかないのです。
 
 
 
 
辛い時期です。
本当に辛い時期です。
 
 
あと少し。
なんとか耐えてください。
 
 
 
 


第82回 本試験に間に合うでしょうか?

2018.10.05

 
 
直前期にカウンセリングを行っているとよく聞かれることがあります。
今日は、それに対して端的に回答します。
 
 
 
その1
今のペースでいけば、本試験に間に合うでしょうか。
 
 
 
間に合いません。
 
私は、本試験に間に合った合格者を知りません。
たまに間に合ったという合格者もいますが、それはその人の勘違いです。
 
 
平均的な合格者のレベルに達するか否かという観点から間に合うかと聞かれれば、状況を把握した上で、かなり正確に答えられると思います。
 
 
 
 
その2
未知の問題が出題されたらどうしよう…と不安になります。
 
 
 
未知の問題は、絶対に出題されます。
知らないことは絶対に出題されるため、既知の内容をとにかく正確にすること。
 
 
未知の問題も2択には持ち込めます。
そこからは、似た知識からの類推や制度趣旨から、なんとか転がすようにしたいです。
 
 
もっとも、転がらなくても、例えば上級インプットテキストで勉強している方であれば多くを取れるのですから、不安に思う必要は本当にないです。
 
 
 
 
その3
本試験での時間不足はどうすればいいでしょうか。
 
 
時間内に出来る限り簡単な問題をもぎ取り、難しい問題を最後まで残してください。
 
 
難しい問題で考え込んでしまうんです、というのであれば、考え込まないようにさらっと流す訓練をしてください。
 
 
ここは訓練でいくらでも矯正出来るところです。
 
 
「まだ解いていない問題がたんまりある中、よくそこで考え込めるな……」と何回も心の中で唱えるといいかもしれません。
 
 
 
 
よく相談を受ける悩みに回答してみました。
 
 
抜本的な解決策がなく、常に不安に思うところですが、上記の内容を踏まえて過度に不安にならないようにすることは……何よりも重要です。
 
 
では、また。
 
 
 


第81回 とにかく回転数

2018.9.28

 
 
9月も終盤に近づき、10月へ。
 
 
ここからの勉強は、
合否に直結するものが本当に多いため
 
 
11日を大切に。
 
 
 
とにかく意識することは、
 
 
回転数
 
 
 
です。
 
 
 
あれやこれや手を出すことはせずに
同じ教材を何回も何回も繰り返し読むこと。
 
 
 
もう飽きた!
もう無理!
もう知ってる!
 
 
 
という思いに駆られても
 
 
 
 
思い出すスピードを上げる!
もっと速く読む!
 
 
 
ということを意識してみる。
 
 
 
 
問題ベースで勉強されている方なら
問題→解説ではなく
 
 
解説→問題という順序で読んでみて
どんな問題だったかを連想してみる。
 
 
 
大切なことは、同じ教材を、
いかに違う角度から読み尽くし、血肉とするか。
 
 
 
ずっと同じ角度で読むのではなく
何か違う要素をもって読んでいく。
 
 
 
 
とにかく回転数です。
 
 
回転数が多ければ多いほど
合格が近づいてきます。
 
 
 
 
あと少し、なんとか踏ん張ってください。
 
 
 
ただし。
 
 
無理をし過ぎ
糸が切れたようになってしまうのは
本末転倒ですから
 
 
そこだけはご注意を。
 
 
それでは!
 
 
 


第80回 普通に考える

2018.9.14

 
 
考え方って本当に大事です。
 
 
考え方を知らずに、とにかく知識を流し込み、
覚えていく。
 
 
こうしても、暗記が得意な方は合格してしまう。
 
 
 
これも事実です。
 
 
 
 
ただ果たしてそれで良いのか?
 
 
 
士業のプライドにかけても、
考える力を身につけた状態で合格して欲しい
 
 
 
と私は切に願います。
 
 
 
 
 
さて、普通に考える。
 
 
 
法律は「当為」の世界だ
と言われることがあります。
 
 
 
 
これに対し、物理や数学は
「存在」の世界だと言われます。
 
 
 
 
要するに、存在の世界は「〜である。」
というものであり
 
 
 
そこには絶対と思われる法則があります。
 
 
 
 
 
一方、法律の世界は絶対法則ではなく
 
 
 
様々な社会を科学することにより得られた
「〜べきである。」
 
 
 
ということを抽象化し練り上げられていった
ものです。
 
 
 
 
そこには原則論があり、
例外の議論があります。
 
 
 
趣旨に反すれば、
平気で例外を認めるといってもいい。
 
 
 
 
そして、およそ法律の世界では、
「分からない」という概念は存在しません。
 
 
 
それはなぜか?
 
 
 
「〜べきである。」とした根幹を学んでおけば
そこから「普通に考える」ことにより
 
 
一応の結論が導かれるからです
(ここはたゆまない勉強です)
 
 
 
それが、たとえ判例や通説の考え方と
ズレてしまったとしても
 
 
何らかの結論は導くことが出来ます。
 
 
 
さらに、事案の特殊性や一般人の通念
なんかが加わり修正を加えるのかは
また議論の余地があります。
(この辺りは、個々の事案の検証から求めていくしかないです)
 
 
 
 
時々、「普通に考える」ことが出来ない方
とお会いすることがあります。
 
 
 
その度にこの方は試験には合格する
かもしれないけれども
 
 
果たして実務に携わることは出来るのだろうか?
と強い不安を感じることがあります。
 
 
 
資格を取得し、社会に出れば、
自分の力で考え、一応の答えを導き出し、
そこから依頼主の要望に沿うように
なんとか修正を試みる。
 
 
 
これが出来なければ、
 
 
 
分かりません。
 
 
 
知りません。
 
 
 
手引き・マニュアルに書いてありません。
 
 
 
 
そのような回答をしてしまうのでしょうか。
 
 
 
設問に対して盲目的にならず
自分の頭で基本から考える。
 
 
 
このことを放棄してはいけません。
 
 
 
でなければ、合格した後の世界は
暗く澱んだものにしかならない。
 
 
 
偉そうにすみません。
ふと思ったことをつれづれなるままに書き綴りました。
 
 
 


第79回 模擬試験において一番重要なこと

2018.9.7

 
 
会場で受験を予定している人を基準とすると
来週からいよいよ中間模試が始まります。
 
 
ミッションはクリア出来ていますか?
 
 
 
まだだという方。
 
 
当日の午前中までに
なんとしてでも終わらして下さいね。
 
 
 
模試はあくまでも模試。
 
 
という標語は、あくまでも模試を受験した後の話です。
 
 
 
 
模試を受験する前。
 
 
そして、模試の最中。
 
 
この時間は、
本試験と同じくらい自分と対峙しなければなりません。
 
 
 
 
それはなぜか?
 
 
 
模試で悪い点数を取ると、凹むから?
 
 
 
本試験並みの緊張感を持つため?
 
 
 
どれも違います。
 
 
 
 
模擬試験において、一番重要なこと。
 
 
 
それは
 
 
 
 
『経験値』。
 
 
 
 
これです。
 
 
 
 
模擬試験への本気度(つまり、勉強への全力度)
高ければ高いほど
 
 
 
模試から得られる反省点の質が変わります。
 
 
 
本気度が高くなければ、
せいぜい勉強不足でした。
 
 
という何の経験値にもならない反省をしておしまいです。
 
 
 
 
しかし、今、この時間を全力で勉強していたならば、
 
 
 
あんなに条文読み込みと暗記をしたのに何で間違えたんだろう。
 
 
 
覚え方が悪い?
 
 
 
問題文に引っ張られた?なぜだーーー!
 
 
 
と全力の分析が手に入れられるのです。
 
 
 
 
模試や答練の一回一回の反省。
 
 
 
ここから得られる経験値が高いほど
その年度の合格可能性は上がると思います。
 
 
 
以前にもお話をしましたが、
一発合格者が凄いのは、一発で合格したことではありません。
 
 
 
 
本試験という、年間で一番緊張し、
その日までに最も全力を尽くすであろう経験。
そこから生まれる反省。
 
 
 
これを一度もすることなく
合格していることがすごいのです。
 
 
 
模試や答練などの日々の訓練において
相当程度の経験値を得たのだと思います。
 
 
 
 
まだ、模試までは時間があります。
 
 
 
詰め込んでください。
とにかく、テキスト・条文に噛り付いてください。
 
 
 
しんどいと思います。
 
 
 
ですがここは合格するためは
どうしても踏ん張らなければならない
手を抜いてはいけない場面です。
 
 
 
踏みとどまってください。
 
 
 


第78回 8月の全科目回転

2018.8.31

 
 
8月も終わりが近づいています。
全科目の回転は、いかがでしょうか。
 
 
9月の学習はこの8月の学習を前提に
習得できていない論点を中心に読み込みを行います。
 
 

8月の段階で、40%~50%程度の部分がカチッと出来ていれば
残りの50%程度「だけ」を読み込んでいく。
 
 
これにより、8月では1か月かかっていたものを
2週間ほどで読み込んでいくことになるわけです。
 
 
 

読み飛ばした部分については、
本試験前にあと1回か2回読んで終わりです。
お勧めは、本試験の3週間前くらい。
 
 

今までの学習で身についていることですから
最後に1回くらい目を通しておけば
 
 
「実は忘れていました。」ということもほぼない
と思います。
 
(また、模擬試験や直前総まとめ講義なんかを受講することにより
 限りなく盲点を0にすることも出来ます。)
 
 

ということで、9月に入ってからのミッションを
具体的に書かせて頂きます。
 

9月1日~12日
全科目を1周(政経社は適宜)
 
 
13日~15日(15日は午前中のみ)
詰め込み期間
 

詰め込む対象は
1 憲法の条文
2 行政手続法の条文
3 国家賠償法の過去問知識
4 家族法
5 商法総則・商行為法
6 情報法
辺りです。
 
 
こちらをカチカチに詰めていけば
確実な得点につながります。
 
 

8月の学習を前提に、9月に追い込みをかける。
 
 
 
ここが正念場ですね。
 
 

なお、8月の学習が大幅に遅れてしまった場合は
少し違うアプローチが必要かと思います。
 
 
特に、8月は小さいお子様がいらっしゃるご家庭の場合
スケジュールが乱れる傾向にあります。
(夏休み…ですね。)
 
 

不完全ながらも全科目をざっと見れたという方であれば
9月は不十分な部分だけを読み込んでいく学習で大丈夫です。
 
 

しかし、ほぼ1か月学習が滞ってしまったという場合
9月に同じ学習をすることは難しいです。
 
 
この場合、テキストというよりは、問題演習を中心に
9月の学習を組み立てると良いと思います。
 
 

是非、ご参考までに。
 
 
 
 


第77回 自己ベストを。

2018.8.23

 
 
さて、もう願書は出されましたか?
 
 
願書を出さないと土俵に立てませんので、必ずや。
 
 
あとは、ひたすら勉強です。
 
 
淡々と。
 
 
 
8月もあと僅かですが
学習の方はいかがでしょうか。
 
 
 
重要論点は血肉化している。
 
 
どうしても覚えられない論点がある。
 
 
どうしても敬遠してしまう苦手なテーマがある。
 
 
 
それを可視化できていますか。
 
 
 
9月に入れば
中間模試が直前に迫り
新たなミッションが出てきます。
 
 
8月の学習は
8月の中でしっかりと行ってください。
 
 
 
台風や暑さなど天候が安定しませんが
体調に気を付けながら、自己ベストを。
 
 
 
では、また!
 
 
 


第76回 満足のいく勉強とは…

2018.8.17

 
 
日々の学習はいかがですか?
 
 
 
満足のいく勉強は
 
 
 
 
…多分出来ていないと思います。
 
 
 
 
満足のいく勉強とは
幻想であり実在しないものです。
 
 
勉強に終わりなどないからです。
 
 
 
 
だから、せめて。
 
 
自分の設定した課題を
不完全ながらも達成させましょう。
 
 
 
 
『不完全ながらも、課題を達成する。』
 
 
 
この感覚を早く持ちましょう。
 
 
 
受験において最もあり得ないことは
 
 
 
あれやこれや考えたり
言い訳をして「課題」が終わらないこと
 
 
 
です。
 
 
 
きついことを言っていることが多い気がしますが
これが真理だと。
 
 
 
私は、そう思います。
 
 
 
では、また!
 
 
 


第75回 8月は本試験前、最後の機会

2018.8.10

 
さて、8月の回転は
 
 
全般的に確認をとれる最後の回転になる
 
 
と思います。
 
 
論点との一期一会。ともいいます。
 
 
8月の回転で、最低限達しておきたいことは
 
 
 
1)いま一度、習得できている論点か否かの選別をする
  (できていないところに改めて印をつける)
 
 
 
2)直前に暗記するものを決める
  (これは、講義内でも言っていますので、参考に)
 
 
 
3)可能な限り、習得できていない論点を潰す
 
 
 
こんな感じです。
 
 
 
ちなみに、習得できない論点は、
本試験当日まで頑張ってもかなりの量が残ります。
 
 
 
合格者の話を聞く限り、
 
 
付箋が60箇所くらいあって、あぁ…今年もダメだ…
とかなるみたいです。
 
 
 
大事なことは、
 
 
 
完璧でなくても合格はする。
 
 
 
この事実を受け入れることです。
 
 
いいですか。
完璧でなくても合格するんです。
 
 
 
あぁ…今日も該当ページが
全然習得しきれていない…
 
 
とか思っても、
 
 
そういうもんだ。
いいんだ。
 
 
とにかく
毎日の課題設定をこなすんだ。
 
 
こう思って欲しいと願っています。
 
 
これが、「淡々と」勉強するってことなんだと。
 
 
 
そう思います。
 
 
 
頑張ってください
 
 
…ではなく
 
 
なんとか踏ん張ってください。
 
 
 
 


第74回 合格のハードルを下げる方法

特別寄稿

 
天才的な合格者を除いて
みんな相応の努力をしています。
 
 

ここでいう相応というのは、
ある程度とか適当にという意味ではありません。
 
 
 
朝少し早く起きて勉強する。
 
 
電車の中で、眠らないで勉強する。
 
 
寝る前の15分だけ頑張る。
 
 
 
挙げればキリがありません。
 
 
 
相応の努力というのは、
泥臭いし、つまらないし、辛いし。
 
 
そういうものです。
 
 
 
でも、それをどれだけ淡々とやれるか。
 
 
 
これが大事なのだと。
 
 
 
現在、足りないのは行政書士ではなく
「志の高い行政書士」です。
 
 
 
人のためにどれだけ尽くすことができるか。
 
 
 
そこに自分のどんな人生を
思い浮かべることが出来るか。
 
 
 
これが、「志」だと。
そんなことを教えて頂いたことがあります。
 
 
 
ひとまず、私は合格をして頂く
ということに、絶対の信念を置いています。
 
 
 
いわゆる法に触れない限りでは
志を持つ方にはどんな手を尽くしてでも合格をして欲しい。
 
 
 
そして、合格後は
色々な人を支えてあげて欲しい。
切に願っております。
 
 
 
 
単に、合格する。
というだけだと、どうしてもハードルが高くなってしまいます。
 
 
 
自分は、志の高い行政書士になる。
それが自分の目標なんだ。
 
 
 
こう思うことで、
行政書士試験のハードルが相対的に下がるはずです。
 
 
 
 
ここからの受験勉強の日々は
血の一滴に等しいほど貴重です。
 
 
 
だからこそ、悩んだら、プロに相談です。
合格したい気持ちを私たちにぶつけてください。
そこに、具体的な突破口が見えるはずです。
 
 


第73回 何でもいいから、はよやらんと

2018.8.03

 
8月からの勉強は、
 
 
『これ!!と決めたものを
 とにかく繰り返す。』
 
 
これです。
 
 
伊藤塾を利用している方が
めちゃくちゃやり込む対象になるのは
 
 
・合格テキスト
・合格カード
・上級テキスト
・条文シート
・択一式600肢スピチェテキスト
 
 
のいずれかになります。
 
 
 
やり込むものを決めたら、
そのまま突っ込みましょう。
 
 
骨の髄まで。
 
 
あれやこれや悩んでいる暇なんかないのです。
 
 
 
すごく厳しく言うと
 
 
 
何でもいいから、早くやれよ。
つべこべ言わずいいからやれよ。
 
 
 
こういうことになります。
 
 
悩む気持ちも、焦る気持ちも
痛いほど分かります。
 
 
分かりますが、上記のいずれかの教材
をやりこめば、どれでも合格します。
 
 
 
となれば。
 
 
 
上記の教材のいずれかに決めて
 
 
 
『何でもいいから、早くやる。』
 
 
『つべこべ言わず、いいからやる。』
 
 
 
という結論になるわけです。
 
 
 
本試験に向けて、
2番目にキツい時期が来ました。
 
 
辛い?
苦しい?
 
 
それは素晴らしい!
 
 
合格していった諸先輩方と
同じ道を通っている大きな証拠ですよ。
 
 
ぜひ、充実した8月を。
 
 


第72回 間違いノート等はつくるべきか?

2018.7.27

 
間違いノートは作るべきか。
この時期にときおり頂く相談です。
 
 
ここは難しい問題なので、少しお話を。
 
 
まず、形式や戦術面のミス。
こちらは、そろそろ作っていくと良い
と思います。
 
 
自分の中での行政書士試験必勝の戦術面の確認ですね。
 
 
 
・長文問題を飛ばさずに解き進めたら、時間オーバーした。
 
・知らない問題が出て、あれこれ考え込んでしまった。
 
・マークミスをしてしまった。
 
・試験中に集中力が途切れてしまった。
 
 
 
こんな形式面での反省点を上げておき、
どういう対策を取るかを書き出しておく。
 
 
あとは、それを確実に実行していく。
 
 
こんなイメージです。
 
 
 
さらに、内容面についての間違いノート。
 
これはですね、普段の学習から作っていると
自分でテキストをもう一冊作るようになって
しまうため、禁止です。
 
 
 
もっとも、以下の場合は有益です。
 
 
模擬試験・答練というイベントもの
における内容である。
 
その中で、普段の学習時に触れていた
はずなのに間違えてしまった。
 
 
このような場合に、その内容をしっかり
と書き留めておくのはとってもGOODです。
 
 
 
例えば、
 
 
 
代物弁済のケースで、即時取得は成立するか。
→成立する
 
 
 
こんな感じです。
 
 
よくやってしまう失敗例は
 
 
 
答練・模試の問題を丸写しする。
 
 
これです。
 
 
問題を丸写ししても、その問題しか
解けるようになりませんので、
汎用性がとてつもなく低いです。
 
 
 
そのため、当該問題が聞いている
「論点」そのものを抽象化して抜き出し
それをメモする。
 
 
これが一番良いと思います。
 
 
これらの工程をイベントごとに
やっておくと、
 
 
苦手な傾向というか、自分のクセというか。
そういうものが見えてきます。
 
 
実力診断ハーフ模試の復習で
やってしまってないか?
 
 
ちょっと確認してみてください。
 
 
では、また!
 
 


第71回 基本から考える

2018.7.20

 
やれていますか。
中上級講座生の方は、特にここを考えてください。
 
 
基本の知識から考える。
 
 
面倒ですよね。
 
 
でもね。
 
 
テキストに記載されている内容を全部覚えられますか?
 
 
絶対無理だと思うのです。
そのため、どうしても基本から考えて導き出す訓練が必要なのです。
 
 
要は、
 
 
基本から考えて導き出す量が多い!
という方が、現場思考型で本試験を攻略し
 
 
基本から考えて導き出し、当該条文・判例を思い出すことが「あらかじめ」出来るようにしておくという方が、知識重視型で本試験を攻略する。
 
 
こういうイメージです。
どちらでも合格されていますので、どちらでも大丈夫です。
 
 
とにかく、考えることを怠らないこと。
思考の衰えは、本試験不合格の入り口です。
 
 
そのことを忘れないでいただきたいと願っています。
 
 
何よりも。
合格すると、行政書士登録が出来るという重みを理解していただきたい。
 
 
この試験は、どうも暗記重視でも受かる試験のようですが、それでは、合格したのち資格を使いこなせません。
 
 
別にいいよっていうなら、止めません。
どうぞ、暗記して受かってください。
 
 
そうじゃないと思います。
行政書士の職責は。
 
 
どうか、この職責を意識しながら受験生ライフを過ごして頂きたい。
私は、そう切に願っています。
 
 
では、また!
 


第70回 ちょっとした解法テクニック

2018.7.13

 
模擬試験では割と点数が取れるんだけど…


という皆さんには、
特にお役立ていただけるのではないかと思います。
 
 
割と点数がとれるというのは、170点以上のイメージを持っておいて頂けるとよいと思います。
 
 
ハーフ模試もすぐにありますし、ちょっとした解法テクニックです。
 
 
それは、『本試験を2:1の時間に割り振る』ということ。
 
 
2時間
 
1時間
 
 
ってイメージですね。
 
 
ハーフ模試だと、60分・30分になりますね。
 
 
いや、そんなん無理やろ!!
 
 
という突っ込みが入りそうなので、簡単に解き方を示します。
 
 
まず、問題文を誤読してしまう可能性が高い、
正答率が概して悪くなりやすい代表格は
 
 
・個数問題
 
・単純正誤問題で「正しいものを選べ」のパターン
 
・事例形式の問題
 
 
だと思われます。
 
 
これらを全てすっ飛ばしてまずは1回転を終えてしまい、2時間で60問解ききってしまうことです。


これが大事。
 
 
まず、個数問題はどんなに簡単な問題であったとしても、正答率は50%前後にいつも集中します。


60%以上の正答率の問題がまだ山ほどある中、これをまじめに解くこと自体がどうかと思います。
 
 
さらに、単純正誤で正しいものを選べパターン。
 
 
誤っているものを選べ。であれば、明確に、ここが×!
という指摘が出来るので、解けた感覚を持つことができます.
 
 
しかし、明確に○!というのは実はかなり厳しい判断を迫られています。
 
 
こんな経験ありませんか。
正しいものを探しにいったら、5肢全部×になった。
 
 
正しいものを探しにいきすぎて完全に疑心暗鬼になっている状態です。
 
 
おかしいぞと思って、また問題文をもう1回検討する。
 
 
やっと正解出る。
 
 
こんなループ。
このループに陥る可能性が高いのが、単純正誤で正しいものを選べパターンです。
 
 
これも、1周目では検討対象から外してしまうのが吉です。
 
 
最後に事例形式。
 
 
これはいわずもがなです。
時間がかかることが明白なので、見た瞬間にひとまずパスです。
 
 
こんな形でいけば、おそらく2時間で60問を一応検討できるはずです。
 
 
これで解けないといけない問題はほぼ検討しているはずですから、残りの1時間を使って、じっくりと得点を上げていくタイムに突入できます。
 
 
ぜひ今週末~来週初めにある「ハーフ模試」でお試しを。
 
 


第69回 実力診断ハーフ模試に臨む前に

2018.7.6

 
実力診断ハーフ模試まで、まだ10日くらいありますね。
 
 
このハーフ模試にどんなものをもっていくか。
あらかじめ考えて確実に実行しましょう。
 
 
1週間~2週間はあくまでも普段の学習の延長戦で。
若干の負荷をかけるくらいで。
 
 
前日・当日に以下の勉強をする。
要は詰め込みを必ず行いましょう。
 
 
・憲法の統治機構の条文
・行政手続法の条文
・情報法関連
 
 
それから、ある程度学習が進んでいる方であれば、
行政法の過去問題を高速回転させるのもありですね。
 
 
上記の内容を前日・当日にやること以外は、特に縛りはありません。
そのまま突っ込んでいってくださいね。
 
 
カウンセリングを行っているとき、時折、心配になることがあります。
 
 
繰り返し学習。
高速回転学習。
 
 
ちょっと甘くみているところがありませんか?
2~3回の繰り返しは、繰り返しとは呼びません。
 
 
4~5回で0.8人前。

 
6~7回で1人前です。
 
 
2回くらいやったのですが、
全然、覚えられません…。理解も進みません…。
 
 
2回くらい」だからです。
さらに繰り返してください。
 
 
やりましょう。キツイと思いますが、とにかくやりきりましょう。
すれば、次の段階が見えてきます!
 
 


第68回 混乱した知識、間違えた問題をストックする方法

2018.6.29

 
そろそろ模試や答練の時期に入ってきますね。
 
 
これからは間違えた問題や混乱する知識を効率よくストックしていくことが必要になります。
 
 
私が経験していて、この方法が一番いいのではないかな、というものを今日は紹介したいと思います。
 
 
 
それは、『間違えた問題を解くために必要な知識や混乱する知識をQ&Aの形に残しておくこと』です。
 
 
 
単に、テキストに戻ってグルグル印をつけたり、問題自体をストックする方法は得策ではありません。
 
 
情報が散在するだけですし、やることは増えていきますし、時間が多く使われてしまいます。
 
 
 
そのため、上記の方法をオススメいたします。
 
 
 
具体的に示しましょう。
たとえば、以下の問題を解いたとします。
 
 
自己の所有する動産を詐取された者は、詐取した者から善意無過失でその物を譲り受けた者に対して、詐取の時から2年間、その物の回復を請求することができる。
 
 
 
誤り。
193条に基づく回復請求は、「盗品又は遺失物」の場合の話であり、詐欺や横領の場合は、回復請求が認められないから。
 
 
 
で、ここからです。
 
 
 
この問題をストックすると、次のような問題が起きます。
 
 
 
1)その問題は解けるが、他に応用できない。
 
 
2)その問題自体をテキストにうつしたりしないといけない。
 
 
 
そのため、次のようにストックするのが得策です。
 
 
 
Q:193条に基づく回復請求が認められる場合(要件)とは?
 
 
 
A:即時取得の要件を満たし、動産が盗品又は遺失物である場面。
 
 
 
どうでしょう。
 
 
 
これくらいなら、それ用のバインダー1冊を用意しておけば、全科目かなりコンパクトに知識をストックできるのではないでしょうか?
 
 
 
しかもQ&Aなので、自分が本当に答えられるのかも確認できます。
さらに、知識をきちんと抽象化していますから、どんな問題がきても対応ができます。
 
 
 
こんな形で、本格的な夏以降の答練・模試の問題に立ち向かってほしいと思います。
ご参考まで。では、また来週に!
 
 


第67回 過去問は解けるのに…、初見の問題になると…

2018.6.22

 
いわゆる質の高い問題演習は、下に掲げる中の1つの方法を極限まで高めているに過ぎません。
 
 
今日は、「過去問は解けるのに、初見の問題が解けない。」
その答えを明らかにしていきましょう。
 
 
まずは、過去問の3つの利用の仕方です。
 
 
 
1 過去問を解けるようにする(点の知識レベル)
 
講義やテキストを読んだ後に、復習として解くレベル。
答え自体は出るが、問題文の「できる」を「できない」に変えられてしまうと間違えそうになるくらい危ういレベル。
 
もちろん、応用力の「お」の字もまだないレベルの状態。
 
 
 
2 アウトプット→インプットの視点から過去問を解く
 
テキストに返って、どこのテーマのどの部分が聞かれているのかを探索することで、周辺知識まで学習し始める。
点よりも少し幅広い視点が出てくるので、そのテーマの大きな考え方などが身につく。
 
応用力が少し出てくるレベル。
 
 
 
3 インプット→アウトプットの視点から過去問を解く
 
どういうテーマからどういう部分が出るのかは把握済み。
残すは、「どうインプットしておけば、同じテーマの同じ部分の未知の問題が聞かれても対応できるか」を考えること。これを「公式の確定」と呼ぶ。
 
質の高い問題演習がやっているのはまさにココの部分。
 
 
 
この内容だけではおそらく理解が難しいと思いますので、1つ具体例を出しましょう。
 
 
例えば、
 
 
「行政庁は、申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならない。」
 
 
さて、どうでしょう?
 
 
 
過去問を解くための学習だと
 
 
答えを見て…「あ、条文通りなのか。覚えておこう。」
となってしまいます。
 
 
ただしこれだけだと、ずっと覚えていられないので、理由付けをしっかり理解してみます。
 
 
 
「なるほど、従来は受理拒否とか、受付拒否なんてことが横行してたんだ。だから、こんな条文が規定されたんだなぁ。」
 
 
 
ここ!ここですよ!!
ここで満足して、次の問題にいっていませんか?
 
 
 
惜しい!!これだと、合格するかどうかはかなり運に左右されてしまいます。
 
せっかく多くの時間をかけて勉強をするのですから、なるべく運に左右されない方法で合格したいですよね。
 
 
 
ということで、最終的には覚えるべき根本を探る必要があるわけです。
 
つまり、「何を(何のテーマは)、どこを、どのように覚えておけば」対応できるのか?これです!!
 
 
 
今回の場合で言えば
 
 
1 審査基準を設定・公表し(5)、標準処理期間を定めておく(6)
 
 
2 申請が届いたら、遅滞なく審査をはじめ、場合によっては補正又は拒否する(7)
 
 
3 審査中は、その進行状況・見通しなどを示したり、必要な情報を提供したりすることもある(9)・利害関係人がいる場合には、公聴会も開催する(10)
 
 
4 申請の種類によっては、複数の行政庁が関与する場合もある→その場合の注意規定は11
 
 
5 許可処分ならば問題なし、拒否処分の場合は理由を提示する(8)
 
 
 
こんな形で押えておけばいいのです。
そうすると、「結果として過去問が解け」ますね!
 
 
ご参考まで。
 


第66回 短期間で一気に詰め込む学習をしないと…

2018.6.15

 
短期間で一気に詰め込む学習をしないと合格は絶対にない。
 
例えば
民法  8時間
行政法 8時間
このくらいのスピード。
 
 
ただ、今でこそ民法を4~5時間で全範囲チェックできるような感じになっていますが、最初からそういうわけではなかったです。
 
 
最初は、
「理解できたテーマについて、高速回転に組み込む」
という感じでした。
 
 
高速回転の最大の難関。
 
 
それは、苦手テーマの存在。
それから、丸暗記系で中々覚えられない事項の記憶作業。
 
 
こんなところでしょう。
 
 
だったら、そこだけ分離すればいい。
 
 
例を示しましょう。
 
 
大学3年時の私です。
入門講座を一通り聞き終えている状態。
まだ、理解も記憶もあやふやで苦しかったときです。
 
 
1 まず、苦手テーマとして「あらかじめ」除外していたテーマ
 
・物権変動以外の物権総論
・占有権
・質権、先取特権
・抵当権と用益権、第三取得者との関係
・多数当事者の債権債務関係
・債権の消滅(弁済のみ除外。相殺はちゃんとやってた)
・契約の成立(申込と承諾とか…本当に面倒だった)
・請負、委任契約(もちろん、その他の細かい契約も無視)
・家族法全般
 
これだけ除外。
 
 
まずは、それ以外の部分を徹底的に高速回転できるようにした。
苦手なテーマがあると、どうしても回転数が下がる。そうすると、本当はできるはずのテーマも希釈されますから。
 
 
だから、苦手テーマを「あえて」除外することで、回転数を上げたのです。
代わりに、全て血肉化するくらいの徹底した反復を行いました。もう忘れられない!ってくらい。
 
 
この辺りから、脊髄反射というのはこういうことか、というくらい問題に対応できるようになってた。
 
 
2 覚えないといけないが、丸暗記系なので、後でガっと詰めることにしもの
 
・後見、補助、補佐に関する家族法のパートの条文知識
・復代理
・条件、期限の表
・時効の起算点、履行遅滞の起算点
・占有権の細かい条文知識
・共有の具体例
・添付
・付合物、従物の具体例
・売買、賃貸借契約以外の契約類型の条文知識
(まとめ表など含む)
・不当利得の条文知識
 
こんな感じです。
 
結構な量を除外しているように思えますか。
そうでしょうね。
 
 
しかし、民法の全範囲をチェックするのに1ヶ月かかってしまっては、結局何も残らないんです。
 
 
結局、最初の内容を忘れていく。
覚える量と忘れる量が同じ。
何も生み出さない。
 
 
だったら、大胆にやることを絞る。
その代わり、その部分を徹底的に完璧にする。
 
 
そして、初めて苦手分野に臨む。
 
これくらい大胆な作戦は必要なのではないでしょうか?
これが「工夫」ってやつだと私は思います。
 
 


第65回 混乱した知識、間違えた問題をストックする方法

2018.6.8

 
今日は、間違えた問題や混乱する知識を効率よくストックしていく1つの方法をお伝えしていきたいと思います。
これからの時期は、そのような学習が徐々に必要とされてくるからです。
 
 
その方法とは
 
 
『間違えた問題を解くために必要な知識や混乱する知識をQ&Aの形に残しておくこと』
 
 
です。
 
 
単に、テキストに戻ってグルグル印をつけたり、問題自体をストックするのは得策ではありません。
それでは、情報が散在してしまいますし、やることは増えてしまうからです。
 
 
そこで、今日は、上記の方法をお伝えしています。
 
 
具体的に示しましょう。
例えば、以下の問題を解いたとします。
 
 
【問題】
自己の所有する動産を詐取された者は、詐取した者から善意無過失でその物を譲り受けた者に対して、詐取の時から2年間、その物の回復を請求することができる。
 
【答】
誤り。
193条に基づく回復請求は、「盗品又は遺失物」の場合の話であり、詐欺や横領の場合は、回復請求が認められないから。
 
 
で、です。
この問題自体をそのままストックすると、次のような問題が起きます。
 
 
1 その問題は解けるが、他に応用できない
 
2 その問題自体をテキストに移したりしないといけない
 
 
そのため、次のようにQ&Aの形でストックします。
 
 

193条に基づく回復請求が認められる場面(要件)とは?
 

即時取得の要件を満たし、動産が盗品又は遺失物である場面
 
 
いかがでしょう。
 
 
これくらいなら、専用のバインダー1冊を用意すればかなりコンパクトに全科目の知識をストックできるのではないかと思います。
 
 
しかもQ&Aなので、自分が本当に答えられるのかも確認できます。
 
 
さらに、知識をきちんと抽象化していますから、どんな問題がきても対応できます。
こんな形で夏以降にくる答練や模試の問題に立ち向かってほしいと思います。
 
では、また来週に! 
 


第64回 質問をする技術

2018.6.01

 
さて、伊藤塾には、質問制度が用意されています。
 
 
質問ってどうすればいいんだろうか?
つれづれなるままにしてもいいのだろうか?
 
 
結構悩みどころですよね。
 
 
それで結局、質問をしないと。
まぁそんなこともあるわけです。
 
 
ということで、以前もそのようなことを書きましたが、改めて質問の技術について考えてみたいと思います。
 
 
今、技術といいました。
そうです。質問も技術だと思うのです。
 
 
いくつかのポイントを上げて、良い質問とは何かを考えてみましょう。
 
 
1 不明確な部分をあぶり出すこと
 
 
ありがちな質問として、「テキストのこの部分が分かりません。教えてください。」というものがあります。
これに対しては、講義を聴き直してみてくださいとしか言えないんですよね。
 
 
ですから、段階を踏んでみて、そのテキストの内容のどの部分のどこが分からないのか,
つまり「何が分からないのか」を明確にするように努力してみてください。
 
これが上手くできると、質問する以前に自分で答えが出ることが多いですが。
 
 
それでも、なぜ分からないのか?
何が分からないのか?
 
 
この辺りを考え抜くことが大事なのです。
 
 
2 勝手に事案を作らない
 
 
この問題を、こういう風に変えたらどうなるのだろうか?
 
 
法律というのは非常に精密なもので、判例の事案を一つとってみても、少し角度を変えてしまうと全く違う内容になることが多々あります。
 
 
そのため、みなさんが現在学んでいる条文・判例ベースの知識も、それと矛盾するかのような結論を取る地裁判例なんてざらにあるのです。
 
 
つまり、テキストの内容を変えて考えてしまうと、大概このようなよく分からない穴に入り込むことになります。
 
 
無論、資格試験程度のレベルでそんな高度な内容が聞かれるわけでもなく。
結局、無駄な勉強であったということにもなりかねません。
 
 
3 自説を展開しない
 
 
主に再受験生の方に多いです。
テキストの内容等について、「この部分は違うと思う。なぜならば、○○というように考えるからだ。」というものです。
 
 
確かに、そういう考え方も成り立つのでしょう。
少数ながらそういう考え方もあるのでしょう。
 
 
ただ、それは条文・判例ベースから出題される資格試験の範疇ではありません。
 
 
この考え方はおかしい。こうあるべきだ。
 
 
ここにこだわるのではなく、ぜひ「なぜ条文・判例がそのような解釈をしているのか。」という部分を理解するように努めてみましょう。
 
 
ですから質問をするときも、「こういう考え方もありますよね。」というのではなく、「なぜ、このような考え方をするのですか。」という観点からされた方が、よっぽど建設的なのです。
 
 
まとめると、質問のポイントは
 
1 どの部分が分からないのかをなるべく具体化し
 
2 およそテキストの内容から離れるものを避け
 
3 条文・判例ベースの理解を問う
 
 
であるといえるでしょう。少なくとも、資格試験という縛りいうならこれです。
 
 
このような質問を考えることも、実はすごい勉強になることなんですね。
ぜひ、活用してみてください。
 
 


第63回 解答スピードはテクニックなのか?

2018.5.25

 
「民法の択一を解くのに40分かかっちゃって…」
「行政法の択一を解くのに1時間近くかかっちゃって…」
 
 
もっと時間があれば、点数を上げられるのに。
 
 
その時の典型的な原因分析が
 
 
1 自分は文章を読むのが遅い
2 事案を把握するのに時間がかかる(図の作成等)
3 記憶が弱いから、思い出すのに時間がかかる
 
 
確かに、そうなのかもしれません。
それもあるのかもしれません。
 
 
けれども、上記の三点が原因でない人は結構います。
(3が原因の人は相当数いますが…)
 
 
全ては事前準備です。
 
 
当たり前の発想だと思うのです。
 
 
だって、本試験で時間が足りなくなるんですよね?
ということは、本試験の前に準備をする部分が必要ってことですよね?
 
 
残念ながら、この「事前準備」をほとんど意識していない方が…非常に多い。
 
 
どういうことか。
 
 
事前準備で出来る唯一無二のこと。
(もちろん、思い出すスピードは最大限上げるとして)
 
 
それは、思考プロセスの確立だと思うのです。
事前準備=論点想起です。
 
 
例えば、野球。
どんな球がくるか。カーブ?ストレート?フォーク?はたまた牽制球か?
どれがくるかあらかじめ分かっていれば、打てる確率が格段に上がるのってイメージできますか?
 
 
これは、試験でも同じだと思うのです。
要は、テーマにはテーマらしい論点があります。
 
 
その論点を、どの順序で、どこまで思い出して、何に気をつけていけばいいのか。
これをあらかじめ想起しながら問題に取り組むのです。
 
 
例えば、行政立法に関する次の記述のうち、正しいものを選べ。
という問題が出たとします。
 
 
ふむ。
っていっていきなり問題文を読みにいっていませんか。
だから時間がかかるんです。
 
 
素早く解く人は、この時点で次のようなことがオートマチックに想起されます。
 
 
1 行政立法は誰がどんなものを作成するか
2 内容に応じた分類がどうなっていたか
3 刀剣類、監獄法、通達関連の判例知識
 
 
この中から、あたりやすい選択肢を見ていく。
 
 
どんな問題が出題されるかあからじめ想起できているので、読むのも速く、着眼点もはっきりしている。
だから速いのです。
 
 
読むのが遅いからっていう分析をされている方。
今の「行政立法」というキーワードから、ここまで論点想起ができましたか?
 
 
原因はそこではありません。
論点想起です。
 
 
端的に言うと、事前準備が足りないのです。
やみくもに学習してもスピードは上がりません。
 
 
この問題は、何を論点想起すればよかったのか。
この論点は、どういうことに気をつけないといけないのか。
 
 
こんなことを常に考えながら学習をする必要があるでしょう。
 
 
問題を解くのが遅い。
これは、能力の問題ではなく戦略の問題です。
 
 
心当たりのある方は、早急に学習に取り組む姿勢を立て直しましょう。
 
 


第62回 質問をする技術

2018.5.17

 
質問ってどうすればいいんだろう。
つれづれなるままにしてもいいのだろうか。
 
 
結構悩みどころですよね。
それで結局、質問をしないと。まぁそんなこともあるわけです。
 
 
ということで、今回は、質問の技術について考えてみたいと思います。
 
 
今、技術といいました。
そうです。質問も技術だと思うのです。
 
 
いくつかのポイントを上げて、良い質問とは何かを考えてみましょう。
 
 
1 不明確な部分をあぶり出すこと
 
 
ありがちな質問として、「テキストのこの部分が分かりません。教えてください。」というものがあります。
これに対しては、講義を聴き直してみてくださいとしか言えないんですよね。
 
 
ですから、段階を踏んでみて、そのテキストの内容のどの部分のどこが分からないのか、つまり「何が分からないのか」を明確にするように努力してみてください。
これが上手くできると、質問する以前に自分で答えが出ることが多いですが。
 
 
それでも、なぜ分からないのか。
何が分からないのか。
 
 
この辺りを考え抜くことが大事なのです。
 
 
2 勝手に事案を作らない
 
 
この問題を、こういう風に変えたらどうなるのだろうか。
法律というのは非常に精密なもので、判例の事案を一つとってみても、少し角度を変えてしまうと全く違う内容になることが多々あります。
 
 
そのため、みなさんが現在学んでいる条文・判例ベースの知識も、それと矛盾するかのような結論を取る地裁判例なんてざらにあるのです。
 
 
つまり、テキストの内容を変えて考えてしまうと、大概このようなよく分からない穴に入り込むことになります。
 
 
無論、資格試験程度のレベルでそんな高度な内容が聞かれるわけでもなく。
結局、無駄な勉強であったということにもなりかねません。
 
 
3 自説を展開しない
 
主に再受験生の方に多いです。
テキストの内容等について、「この部分は違うと思う。なぜならば、○○というように考えるからだ。」というものです。
 
 
確かに、そういう考え方も成り立つのでしょう。
少数ながらそういう考え方もあるのでしょう。
 
 
ただ、それは条文・判例ベースから出題される資格試験の範疇ではありません。
 
 
この考え方はおかしい。こうあるべきだ。
ここにこだわるのではなく、ぜひ「なぜ条文・判例がそのような解釈をしているのか。」という部分を理解するように努めてみましょう。
 
 
ですから質問をするときも、「こういう考え方もありますよね。」というのではなく、「なぜ、このような考え方をするのですか。」という観点からされた方が、よっぽど建設的なのです。
 
 
まとめると、質問のポイントは
 
 
1 どの部分が分からないのかをなるべく具体化し
 
2 およそテキストの内容から離れるものを避け
 
3 条文・判例ベースの理解を問う
 
 
であるといえるでしょう。
少なくとも、資格試験という縛りいうならこれです。
 
 
このような質問を考えることも、実はすごい勉強になることなんですね。
 
 


第61回 あるカリスマ講師の言葉

2018.5.11

 
以前、ある番組でカリスマ講師と呼ばれる林先生がこんな言葉を言っていました。
 

1 勉強方法ばかりを聞いてくる受験生は色々な方法を試してみて、自分にフィットするものを探していない。
 

林先生は、大学受験時代、19:00に就寝。2:00頃起きて、5:00くらいまで勉強をするのが一番集中出来たそうです。
一般的ではないですが、確かにこういう方もいるのでしょう。
 

2 頑張ってるんだけど成績が伸びないと悩んでいる受験生は、単に頑張りが足りないだけ。
 

これは、その通りと思います。
成績が良い方の学習量と成績が芳しくない方の学習量の双方を聞くことがよくあります。
 

が、両者の間に存在しているのは、「圧倒的な差」です。
(もちろん、可処分時間にほとんど差がない方を比べてのお話です)
 

頑張ってるという思い込みが自分の成長を止めている。
カリスマ講師と言われる方は言い方もいちいちカッコ良いなぁと感じました。
 

「何やればいいですか?」
それを一番分かっているのはあなた自身かもしれませんね。
 


第60回 模擬試験は何回受けるべきか?

2018.5.4

 
模擬試験の受験回数。日程。
こんなところのスケジュール組みがそろそろ気になる時期かなと。むしろ、この時期から考え始めないとマズいともいえる。
 

平均点な合格者の話を聞く限り、模擬試験の受験回数は『4回』。
 

これが多いかなと。
 

多くなると8回という人もいますが、後半疲れ果てたそうです。
 

したがって、最大でも6回。
 

まとめると、4~6回というのが1つのお勧めです。
 

伊藤塾で実施される模試は、次の3つ。
 

『実力診断ハーフ模試』
『中間模試』
『最終模試』
 

の2.5回(ハーフなため)。
なので、あと2回くらいは受験してみると良いということです。
 

これを、バランス良く組み込むと良いと思います。
 

7月中旬   …『実力診断ハーフ模試』
8月中旬〜下旬… どこかの模試
9月中旬   …『中間模試』
10月初旬   … どこかの模試
10月下旬   …『最終模試』
 

こんな形ですね。
1つの参考にしてみてください。では、また次回!
 


第59回 正確な知識って何でしょう?

2018.4.27

 
正確な知識って何ですかね。
あまりにも唐突な質問ですが。
 

たとえば
 

『行政指導の中止等の求めは、当該行政指導の相手方のみならず、第三者もできますか。』
 

→ いいえ。条文には、行政指導の「相手方」とされているため、第三者はできません。
 

これがクローズドクエスチョン。「はい」もしくは「いいえ」で解答ができるものです。
 

これに対して
 

『行政指導の中止等の求めは、誰ができるのですか。』
 

→ 当該行政指導の相手方です。
 

先ほどと異なり、解答そのものをずばり言わないといけないタイプです。
 

5肢択一式の問題ばかり見ていると、どうしてもクローズドクエスチョンしか解答できない。
こんなことがよく起きるわけです。
 
 
 
話を戻します。
正確な知識って何ですか。
 

端的に解答するのであれば、『オープンドクエスチョンで答えられる。』
 

これが正確な知識です。
 

少なくともAランク指定の部分はここまで仕上げるとよろしいです。
(BCはここまで出来なくて大丈夫だと思います。問題文にリードされながら答えられれば良いのです)
 

それってすごく大変なのでは?
 

そのとおり。だから、合格率って低いんだぜ。
 


第58回 学習の進捗はいかがですか??

2018.4.20

 
え? 微妙?
 

そういう時はですね…淡々とやるしかないのです。
 

ひとまず、基礎系講座を受講されている方は、
 

7月末までに
 

1)人権の基礎的な判例知識が身についている
 

2)統治機構の条文の暗記を一度完成させたことがある(今忘れていたとしても、無敵な状態にしたことがある)
 

3)民法の重要テーマを一通り学習している(一問一答集と過去問レベルなら解ける)
 

4)行政法の過去問10年分(または8年分)の正答率が100%である
 

5)行政手続法の条文暗記を完成させたことがある(こちらも、一回無敵な状態にした経験があれば良い)
 

6)商法の過去問+周辺知識が整理出来ている
 

7)一般知識等の過去問が検討出来ている
 

ここまで。
 

なんとかここまで7月末までに持っていきましょう。
話はそれからになります。
 
では、また次回に!
 


第57回 魔法は存在するか?

2018.4.13

 
そろそろ、きっついこと言いますね。
 

合格者は段違いの勉強をしていた。
合格者は頭が良いのだ。
合格者は効率的な勉強をしていたのだ。
 

もうこういう生産性が低い議論止めませんか?
 

『合格者は段違いの勉強をしていた。』
→していません。

合格講座の方ならば、合格テキスト・答練・模試、後は講義で扱う追加の知識のみです。
中上級講座の方ならば、上級インプットテキストのみです。
判例集?他資格過去問?いなくはないが、圧倒的に少数派です。
 

『合格者は頭が良いのだ。』
→そういう人もいますね。
 
ただ毎年、自分なんて中卒なんで…って人も合格してます。(念のため、中学卒業=頭が悪いではありません。自分に自信がないだけ、勉強の習慣がないという意味です)。
 
他にも、いやー偏差値38の高校卒業したっきりで、勉強なんてしたことないっすけどねーって明るく言ってた方も普通に合格しています。
頭が良いのだと一言で片付けてしまうのは失礼な気がします。
 

『合格者は効率的な勉強をしていた。』
→ネットなどで目にする3カ月合格法とかを指しているのでしょうか?
 
そういうのはパッと合格した方が、自分の成功体験のみに基づいて言っているだけです。
という意味では真実です。
 
ですが、一般的に通用するかは別問題です。その人は成功したからいいですが、他の人が再現出来るかは、環境・能力などに相当程度左右されます。
 

私の見る限り、合格者の勉強はとにかく泥臭く、そして地味なものがほとんどです。
過去問を繰り返し読んで出題ポイントを把握する。テキストの内容を理解して、しっかりと細部まで記憶する。問題演習をして、弱点部分や盲点を探す。ね?地味で泥臭い勉強でしょ?
 
他になんか効率的な方法あるんじゃないの?もしあるのであれば、とっくの昔に指導しています。
 

地味で泥臭い勉強を
 

淡々と
 

繰り返す。
 

圧倒的にこういう合格者が多いんですよ。
もう、自分に言い訳することを止めませんか?
 

相当きっついこと書きました。
すみません。
 

しかしながら、あたかも簡単ですよー!方法間違えなければ大丈夫ですよー!という軽い形で受験指導をすることは、自分の信念に反します。
そのため、今一度確認させて頂きました。
 
では!
 


第56回 苦手なものは…

2018.4.6

 
苦手なテーマ等は、どうやって克服すればいいか?
こんな質問を受けることがあります。
 

頑張って潰そう!
以上。
 

すみません。
冗談です。
 

苦手なテーマ、しっくりこないテーマについては、アクセス先を増やすことをおすすめします。
 

同じテキストのみでそのテーマを勉強していても、苦手意識はあまり取れないような気がします。
 

そこで、
 

「テキスト(過去問含む)」。
 

これをやってもどうにもしっくりこないものには
 

「答練・模試の問題」
または
「他資格の問題」
(民法なら、司法書士試験か公務員試験。行政法なら司法試験予備試験辺りが手ごろ)
 

を増やして、全問トライします。
 

「テキスト・過去問・答練・模試」。
このくらいまでやれば、大抵苦手なテーマはやっけられます。
 

が、これでも無理!という時は
 

「六法」。
 

これを増やすといいです。
 

該当テーマの条文をがっちり読んでみましょう。
色々なものが繋がって見えてくるはずです。
 

「テキスト・過去問・答練・模試・六法」。
 

こんな形でアクセス先を増やすことで、自然と様々な角度から内容を見ることが出来るため、とてつもなくオススメです。
 
  


第55回 一発合格者の特徴

2018.3.30

 
何か特徴があるのですか。ということを時折ご相談を受けますので、常々考えていることを書いてみます。
 
 
1 段階的に学習がしっかり出来ている
2 模試・答練ごとの反省がしっかりしている
3 最後の追い込みに成功した
 
 
こんなところです。
 
 
いきなり全てをマスターしようとせず、段階的に伸ばしていく。
 
 
例えば、憲法なら、統治機構の問題を落とさないように優先的にマスター。人権は過去問レベルのみマスター。
 
 
民法なら、まずはAランクテーマのみマスター。
 
 
行政法なら、過去問10年分を完璧にする。
 
 
といったように、ミニマムな目標をまず立てていることが多いです。
 
 
達成出来そうな目標。
 
 
余計なことを考えずに、まずはこれをやる。
回せてきたら、次の段階へ。
 
 
8月とか9月とかに合格ラインに達する必要はない。
全ては11月のために。
 
 
この感覚が一発合格者は鋭いと思います。
 
 
ぜひ、参考に。
 
では、また次回に!
 


第54回 過去問の検討の仕方

2018.3.23

過去問の検討の仕方として、まずは正解肢がどれかを見てしまいます。
 
 
行政書士試験において、意外に多いのが次のようなパターンです。
 
 
1.難しい
2.難しい
3.基本(若しくは過去問知識)
4.難しい
5.難しい
 
 
 
この並びで、3が正解というもの。
1、245はテキストにほとんど記載がないものの、3を選べてしまえばいいだけなので、他は検討の余地なしと。
 
 
他には、こういうパターン。
 
 
1.基本
2.基本
3.基本
4.難しい
5.難しい
 
 
正解は、4というパターン。
これって、正答率が50%を超えるか超えないかくらいまで下がるものと、70%くらいになるものがあります。
 
 
この場合の正答率は、次のような要因で左右されます。
 
 
1)難しいが、重要論点である
→ 合格レベルの人は押さえているため、正答率が高めになる。
 
 
2)難しいが、制度趣旨から考えると答えが出る
→ ここは合格レベルの人でも、気付かずに解答してしまうことがあるため、正答率が低めになる。
 
 
3)難しいし、趣旨から考えてもどちらともいえない
→ こうなると正答率が40%を切ります。
 
 
こんな感じで問題と正答率の関係を見比べてみると、合格レベルの受験生も全ての肢を判定出来ているわけではないし、圧倒的な知識量を持っていないことも分かります。
 
 
逆に、テキスト記載の基本だし、過去問なんかでも問われているもの。
 
 
1.基本
2.基本
3.基本
4.基本
5.基本
 
 
なのに、正答率がそこまで高くないものもあったりします。本試験の現場での焦りなんかが原因なんでしょうね。
 
 
この手の現象は、横断的に知識を問う問題によく出てきます。横断知識は、いざ現場で出されると混乱するってことです。
 
 
上記の観点から過去問を読んでみると、平均的な合格者の思考回路が見えてきます。
 
 
ちょっと勉強に集中出来ないなぁ、なんか漠然と不安だなぁという方は直近5年分でこれやってみるといいですよ。
 
では、また次回に! 
 


第53回 過去問の4つめの使い方をご存知ですか?

2018.3.16

 
過去問の使い方について、少し掘り下げて。
過去問ってどうやって使いますか?
 
 
1)行政書士試験の頻出論点を知る
2)実際の問題の難易度を感じる
3)今年度にも出題されるであろう、過去問のみで解答できる問題を取れるように演習する
 
 
完璧な解答です。
 
 
いや、そんなの知ってるよと。
記事にするくらいだから、他にあるだろと。
 
 
えぇ。
 
 
実は、もう一個使い方があるのです。
 
 
それは、『実際の本試験の現場を想定する。』
もっと言うと、『実際に受験した当時の方々の感覚を想像すること』です。
 
 
5肢択一式って、別に全ての選択肢の正誤を判定する必要はないんですよね。(個数問題以外)
 
 
極論、正しいものを選べ。という問題で
 
 
1 △
2 △
3 ◯
4 △
5 △
 
 
でも、4(1問)取れるわけで。
 
 
ちょっと見えてきましたか?
 
 
そう。今解いている過去問を見てみましょう。
 
 
実際の受験生は、当時どの辺りは確実に判断しているだろうか?
迷いそうなのはどういう選択肢だろうか?
当時、少なくとも学習の範疇外から出題されているのはどれだろうか?
 
 
こんなことを考えてみると、とてつもなく勉強になります。
 
 
具体的には…。
長くなりましたので、また次回に!
 


第52回 人って、適当な生き物らしいです…

2018.3.9

 
テキストや問題文など文章を「正確に、精密に」読んでいますか?
テクニックはそれが出来ていることが前提に、活きてくるものです。
 

この点について、ケンブリッジ大学の研究に面白いものがあるそうです。
試しに、次の文章を読んでみてください。
 

こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
 

この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
 

にんんげは たごんを にしんき する ときに その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
 

わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
 

そういうことです。
人間の認識能力の補完はすさまじいもので、めちゃくちゃな文章でも、読めてしまうのですね。
 

適当に読んでしまっても…
です。
 

問題文であれば、精密に読むことを怠れば、点数を取れないのは当たり前です。
意識的に「正確に、精密に」読んでください。
 

意味も分からなく、接続詞にマークしたり・よく出てくるワードにマークをしていませんか?
 

これは、適当に読まないためにやっているわけです。
 

憲法の判例問題も一緒です。
判旨は非常に美しい日本語で書かれていますから、絶好の読解力を上げる素材です。
 

事案をざっと把握したうえで、
1)何が争点ですか?
2)その争点はなぜ出てきたのですか?
 
判例は、それに対して
3)どのようなロジックで、
4)どのような結論を出しましたか?
 

この4点をきちんとおさえた学習をしているでしょうか?
 

1)と4)だけ…
という方は多くないですか?
 

楽な勉強には落とし穴があります。
ゆめゆめお気を付けを…


では、また!
 
 


第51回 問題集を中心とした学習の留意点

2018.3.2

以前「当たり前のことを当たり前に」と題してテキストを中心にした際の学習の注意点についてお伝えしましたが、今回はその続きで問題集を中心とした学習についてお伝えしたいと思います。
 

問題集を中心とした学習で弱くなるのは、次の3点。
1) 網羅的に学習出来ない
2) 似たような知識が混乱する
3) 全パターンを認識出来ない
これを上手く補充すれば、問題集中心の学習も有益です。
 
 

まず、「網羅的な学習」についてです。
問題では、条文・判例の内容を端的に問うのみです。


したがって、その部分が問われれば答えることが出来ますが、それ以外の部分が問われると全く分からなくなります。
 

そこで、解説に掲載されている条文・判例そのものを読み込み、問題で問われた部分以外も補填するようにして下さい。


特に、条文は1項のみが問われている、前段のみ問われている→解説には当該条文しか載っていないということはよくあります。
この場合、条文そのものにあたり、満遍なく目を通しておくと良いでしょう。
 
 

次に「似たような知識が混乱する」ことについて。

こちらは、問題で混乱した限度でメモをしっかり取っておくこと。
問題ごとにしっかりと比較をしていくことで防ぐことが出来ます。
問題13-3、問題15-4は対比概念だ、とかそういうメモを残しておくということです。
 
 

最後に「全パターンの認識」について。
試験対策上必要な知識にAというものがあったとします。
Aには、A1、A2、A3に場合分けされるとします。
 

問題演習中心だと、A1、A2は知っているが、A3は未出だから知らない。
こんなことがよく起こります。


したがって、問題を解いたらテキストの該当箇所を確認し、他に場合分けがないかどうかを検討する作業が必要です。
 

問題からテキスト・条文へのリファレンス。
上記の3つを守ってみると良い受験ライフが待っていると思いますよ。
  


第50回 制度趣旨と視点から出す訓練

2018.2.23

まず確認しなければならないことがあります。
皆さまが目指しているのは、行政書士試験の合格ではなく、行政書士という「資格」です。
 
 
受験勉強は、そのための修行です。
そのために身につけることは、とにかく「適切な制度趣旨から判例や条文の知識を身につける」こと。
 
 
たとえば「法定地上権」。
この論点を場合分けで分けて、整理することの愚かさはお分かりですよね。
 
 
そんなものは修行ではない。
 
 
我々が目指すのは行政書士試験の「合格」とともに行政書士という『資格』です。
資格足り得るための適切なプログラムが必要なのです。
 
 
変な暗記は絶対にいけません。
 
 
『徹底した理解から、しっかりと条文・判例を思い出せるようにする』こと。
 
 
ここを徹底してください。
単純に暗記するよりきついと思いますが、後がとても楽になります。
 
 
今の時期は暗記ではなく、とにかく制度理解。
これに尽きます。
 
 
大変な時期が続きます。
なんとか踏ん張りましょう。
 
 


第49回 不安なことリスト

2018.2.16

伊藤塾の中上級講座が本格的に動き始めました。
色々な課題をもって取り組む方が多いのではないかなと思います。
 

中上級講座を受講されていらっしゃるということは、自分の去年度までの勉強で詰んだものをある程度維持しつつ、さらに積んでいく。
 

そんなことを欲しているのだろうと思います。
 

その際、必ずやって欲しいことかあります。
それは、
 

「不安なことリスト」
 

の作成です。嫌なことリストと言ってもいいです。
 

特に160〜170点台で悔しい思いをされた方。
いま、自分が思っている不安なことはなんでしょう。
 

ぜひ、書き出してみてください。
そして、それを最優先で潰していくようにしましょう。
極論、その不安なことを潰す=今年度の合格です。
 

とっても嫌な作業ですが、必ずやりましょう。
 

そこが漠然としていて上手く掴めないのならば、とことん相談しましょう。
CHECK & ACTというものです。
 
 


第48回 テキストと問題集、どちらを主軸にすると良いですか??

2018.2.9

毎年いただくこのご相談。
 
 
『テキストと問題集、どちらを主軸にすると良いか?』
 
 
結論から言うと「どっちでも構わないんです。」けどね。
 
 
この議論について、以下簡単に整理してみましょう。
 
 
テキストを学習の中心に据えた場合。
 
 
メリットは
・ 試験に必要な論点が網羅出来る
・ 項目を基に体系的に勉強出来る
 
 
デメリットは
・ 問題で問われるポイントが分からない
・ ひっかけポイントを把握出来ない
 
 
問題集を学習の中心に据えた場合。
メリット、デメリットは上記の逆になります。
 
 
いずれも良い側面と悪い側面があるため、どっちが優れているかという議論は不毛です。
 
 
さて、それではどのような学習を心がければ良いか?
 
 
テキスト中心でいかれる方は、まず該当範囲の問題をさらっと読んでいきましょう。
どんなことが問われているか?
どんなひっかけが出題されているか?
こんなことを考えながら、どんどん問題を読んでいきます。
 
 
これが終わり次第、テキストを通読していきます。
この時、テキストの項目を意識しながら、さらっと一読します。
 
 
その後、項目だけを見て、テキストの内容を隠してください。
その上でテキストの内容を再現するのです。
(完全再現が難しいということであれば、「要件を3つ言え」といったような補助的な問いかけをメモしておき、それをきっかけに思い出せるようにしてみてください。)
 
 
この工程が終わったら、今度は自力で問題を解いてみます。
解けたらクリア、解けなければテキストに振り返り。
 
 
こんな感じで使うことになります。
これがいわゆるクロスレファレンスってやつです。
 
 
地味で何の真新しさもない、そんな勉強法ですが、何十年も廃れないで残ってるってことは…ですよね。
 
 
何かショートカットがあるんじゃないか?
もっと効率的な良い方法があるのでは?
 
 
そんなこと考えていると、何年も結果が出ないことになります。
覚悟を決めましょう!
 
 
問題中心の場合の話は別の機会に。
 
 


第47回 他の人がどれだけ勉強しているか?

2018.2.2

 
受験生の方からこんな相談を受けることがあります。
 
 
「自分が合格に見合った努力が出来ているか不安です。」
こんな漠然とした不安です。
 
 
ライブクラスの方でさえ、他の人がどれだけ勉強しているというのは見えにくいものですから、在宅(通信)でがんばっている皆さんはなおさらだと思います。
 
 
ただこれには、簡単な確認方法があります。
 
 
それは
 
 
『これ以上は無理だ。
 これ以上何すりゃいいんだよ。』
 
 
という絶望の淵に立たされた経験があるか。
 
 
こう思ったことがある方であれば、学習の方法論が合っていたか否かという別の問題はありますが、努力の総量は大丈夫です。
 
 
方法論はともかく、やり込んでやり込んでやり込んだうえで、演習講座や模擬試験、そして本試験を受ける。にもかかわらず、結果がふるわない。
 
 
このときに、こう思うわけです。
 
 
『ウソだろ…これ以上何すりゃいいんだよ…』
 
 
そう思った経験があるのであれば、絶対に大丈夫。
 
 
努力の総量は、問題ありません。
個人差はあるものの、少なくとも自分の持てる最大の力は出したということですから。
この場合は、ちょっと問題が合わなかったとか、学習の方法論がズレていたとか。
そういう問題だけ考えておけばいいと思います。
 
 
逆に、上記のようなことは思わず
 
 
『あぁ…やっぱりダメだったか…』
 
 
くらいでとどまっている方は、相当危ないです。
努力の量が、客観的に足りていないからです。
 
 
ちょっとご自身を確認してみてくださいね。
 


第46回 有効な無駄講座~憲法~

2018.1.26


憲法については、現在学習中の方、すでに学習を終えた方などさまざまいらしゃると思いますが、復習の意もこめて「政教分離原則」について、今日は少し突っ込んでみたいと思います。
 
 
政教分離原則といえば、やはり外せない判例は以下の3つ。
 
 
1)津地鎮祭事件
2)愛媛玉串事件
3)砂川政教分離事件
 
 
政教分離三銃士であります。
 
 
それぞれ、判例の論理や結論が違うのですが、それはどういう違いから生まれているのかをもう少し突っ込んでみましょう。
 
 
まずは、津地鎮祭と愛媛玉串について。
 
 
1)主催者に注目してみよう
 
津地鎮祭では、主催者は津市という地方公共団体。
愛媛玉串では、主催者は靖国神社という宗教団体です。
 
 
2)場所に注目してみよう
 
津地鎮祭では、津市の地内。
愛媛玉串では、靖国神社という宗教施設内です。
 
 
3)行われたものに注目してみよう
 
地鎮祭は、一般的に行われているものである→たまたま地方公共団体が行っただけともいえる。
玉串料の支出して玉串奉納をするという行動は、一般的に世俗化しているとはいえない。
 
 
この3点の違いを意識すると
 
 
津地鎮祭の事案においては
 
 
「いやいや、たまたま地鎮祭を地方公共団体が行っただけであって、そこに宗教的意義なんてありませんよ」と。
 
 
まぁ、そんな意見も通りそうなわけです。
 
 
しかし、愛媛玉串の事案においては
 
 
「靖国神社という宗教団体が主催しているみたま祭に、世俗化しているとはちょっと言えないような玉串奉納をわざわざしにいきましたが、それは宗教的意義のないものなんですよ。信じてください。」
 
 
という意見は通らないだろうと。
 
 
そうやって整理してみるとよいかもしれません。
 
 
いわゆる目的効果基準で抽象的に押さえていても本試験では通用しますが、このくらいまで突っ込んで事案を分析しておくと理解が深まりますよね。
 
 
さてさて。
 
 
さらに今度は、砂川政教分離。
 
 
これは、いわゆる目的効果基準を用いていないという部分がミソでしたよね。
 
 
なんでだろう!?
という疑問点については、次の藤田裁判官の補足意見が参考になると思われます。
 
 
補足意見なので試験にはあまり関係ありませんが、だからこその有効な無駄講座です。
 
 
引用しておきますね。
 
 
「本件において合憲性が問われているのは、多数意見にも述べられているように、取り立てて宗教外の意義をもつものではない純粋の神道施設につき、地方公共団体が公有地を単純にその敷地として提供しているという事実である。
 
 
私の見るところ、過去の当審判例上、目的効果基準が機能せしめられてきたのは、問題となる行為等においていわば『宗教性』と『世俗性』とが同居しておりその優劣が微妙であるときに、そのどちらを重視するかの決定に際してであって(例えば、津地鎮祭訴訟、箕面忠魂碑訴訟等は……正にそのようなケースであった。)、明確に宗教性のみを持った行為につき、更に、それが如何なる目的をもって行われたかが問われる場面においてではなかったというべきである。
 
 
(例えば、公的な立場で寺社に参拝あるいは寄進をしながら、それは、専ら国家公安・国民の安全を願う目的によるものであって、当該宗教を特に優遇しよういう趣旨からではないから、憲法にいう『宗教的活動』ではない、というような弁明を行うことは、上記目的効果基準の下においても到底許されるものとはいえない。例えば、愛媛玉串料訴訟判決は、このことを示すものであるともいえよう。)。」
 
 
もう少しこの点は説明すべきですが長くなりましたので、また別の機会に。
 


第45回 時間の使い方

2018.1.19

 
「時間の使い方を上手くしましょう。」という話はよく聞きますが、具体的には次のようなことを考えるということです。
 
 
1 自分のライフワークにおける空き時間を探す
2 空き時間を大・中・小時間に区分する
 

大・中・小時間とは人それぞれ違いますが、おおよそ次のように分類できると思います。
 

4~5時間が大時間
1~2時間が中時間
30分未満が小時間
 

休日、仕事日、合間とざっくりわけでもよろしいかと思います。
 

そして、
 

3 大・中・小時間に応じてすべきことを決める
 

ここ大事です。
時間に応じてやる内容が変わります。
 

伊藤塾の行政書士試験入門講座(合格講座)を例にしましょう。
 

大時間では、テキスト・カード・問題集をしっかりとリンクさせながら、じっくりじっくりと読み進めていきます。
 

1日15頁前後読み込めると、講義の進行ペース+αを常に維持できるため、この辺りを目標にしてみるといいです。(他校であったとしても、基本的にはこのくらいのページ数だと思います。)
 

中時間では、絞り込んだ学習(特に重要な論点の学習)をするといいと思います。
AAランク・Aランクの知識の劣化を防ぐとともに、ブラッシュアップをし続ける。
 
こういうスタンスが正解です。
 

小時間については、どうしても覚えられない図表などをコピーしておき、それを覚えるのがいいと思います。
 

コピーと言いましたが実際にコピーなんかしなくても、スマホで写真撮っておけばいいんです。細切れで最も威力を発揮するのは携帯電話です。スマホに写真データを入れておけば、さっと出して暗記をすることができます。
 

こんな感じです。
 

まとめると、
 

4時間以上勉強できる時には、テキスト・カード・問題集をしっかり読み進め、とにかく理解しつつの記憶を。
 

1~2時間くらいの時には、復習ドリル等で重要論点の確認を。
 

30分未満の細切れ時間では、スマホの写真データで図表を暗記。
 

こんな感じです。
 

時間に応じた勉強。
これが鉄則です。
 

ではでは。
 


第44回 答練・模試の復習方法

2018.1.12

 
答練・模試の復習方法は、基本的に次のように行ってください。
復習方法がズレると効用が半減してしまうため、必ず確認です。
 

復習方法と言いながら、まずは受験するまでの心構えを。
 
 
目標は、常に満点狙いです。
そのために必死に予習をする。これが何よりも重要です。
 

答練の前日や当日には、出来るだけ力技の暗記事項を詰め込んでください。
これが良い復習をするための前提です。
 

自分の可処分時間で最高の予習をする。
これなしに良い復習などあり得ないのです。
 
 
 
さて、話を本題に戻します。
復習の仕方です。
 

解説冊子が配られたら、すぐに自分の解答を以下の3つに分類してください。
 

1 理解不足
→ 問題文の言っている意味が分からなければ、これです。
→ 問題文の柱書(テーマ)を見た瞬間に、嫌な気持ちになったらこれの可能性が高い。
 

2 暗記不足
→ やった覚えがあるのに、どっちだったか思い出せない。
→ 5つのうち、3つしか思い出せない。
→ 演習中に、「あーーどっちだったかなぁ」という悩みをもった設問が、これです。
 

3 整理不足
→ 似た知識と混同している。(国会単独立法と中心立法とか、法律案の議決・予算の議決の手続とか)
→ 比較整理図表のようなものがテキストには載っていると思うので、これを活用。(この辺りは解説講義でも指摘があるかもです)
 

この分類は、なるべく設問ごと(問題ごとではなく、1~5の選択肢)に行うといいです。
全体を通して1の理解不足ということもあるので、ここはあまりこだわらずインスピレーションです。
 

この分類を終えたら、次のように復習をしてください。
 

1 全体的に理解不足である
 
個別の論点の理解不足ということもありますが、通常はそのテーマ全体の理解が乏しいことから問題が読めない。こういうケースの方が多いです。
そのため、まずは問題のテーマのテキスト部分を読み込みます(seciton単位になると思います)。
 
それから、過去問と復習ドリルも併せて読んでしまってください。この延長線上に答練の問題を置いてみます。
 
つまり、「テキスト読み→復習ドリル読み→過去問読み→答練の問題読み」です。
これで問題文の言っている意味が分かり、読むことが出来るようになっていれば、復習完了です。記憶まではいけないかもしれませんが、理解が伴ったということで十分です。
 
 
 
2 暗記不足である
 
思い出し方を考えてください。というか、講義内で、力技の暗記部分と理解から思い出すべき部分を明確に分けているはずです。
ゆえに、講義で扱った思い出し方が使えるのであれば、それを使って何回か思いだす練習をしましょう。
 
もしなかったとしても、何か自分なりの思い出し方を考えてみるのも重要です。
ゴロ合わせなんかもこれに該当します。制度趣旨から導き出すのもそうです。何かしら絶対に思い出せる方法を考えてみましょう。
 
2~3分考えて思いつかなければ、力技の暗記分野になります。
したがって、現時点では暗記をする必要はなく諦めてしまってください。力技の暗記なんて、1日後には半分以上がふっとびますから。
 
 
 
3 整理不足である
 
似て非なる概念が混乱している状態です。
勉強が中期に入ってくると、結構苦しむところですから、テキストの比較図表をしっかりと参照し、確実に整理しなおしていってください。
 
このとき、「Aという概念は、○○って方向で、Bという概念は、△△って方向だぞ」というように、似た制度の違いはどういう視点から出てくるのかを考えておくと、覚えなくても、その場で考えて出すことが出来るようになったりします。
また、講義で指摘しますので参考にしてみてくださいね。
 

今は、とにかく淡々と勉強すること。
頑張りましょうね。
 
 


第43回 「攻めの勉強」と「守りの勉強」のバランス

2018.1.4

守りの勉強とは…

科目の重要論点を一気に見ることで、記憶の減退・科目に対する不安感を払しょくすることです。
メインの科目の合間にちょいちょい挟むと、とっても良い感じ。
 

攻めの勉強とは…

じっくりと腰を据えて、確認&記憶をブラッシュアップさせることです。
『問題演習→テキスト戻る→問題との照合→テキスト読み込み』とじっくりとやっていきます。
自分の中で体系という樹木ができ、そこに活きた知識という果実が実っていく感覚を味わうというイメージ。
 

守りの勉強に向いているのは、
 

1)一問一答(肢別)本
2)過去問集
 

ただひたすら解き、比較事項などは適宜まとめ表を参照する形ですね。
 

ちなみに、これに時間がかかっちゃって…という方は、そもそも攻めの勉強でその科目の学習をしていないからです。
その場合には、まず攻めの勉強で、その科目を無敵状態にしておきましょう。
 

攻めの勉強に向いているのは
 

1)テキスト
2)過去問集
 

これに尽きます。
 

まずは、問題集を「読む」。
テキストの該当箇所を探し、どのように聞かれるのかを把握。
 

今度は問題集を「解く」→解けなければ、再びテキストへ。
 

区切りの良いところまでいったら、テキストの読み込み。
 

問題集で問われた部分の確認をしながら、テキストを読みこむ。
その際、問題集で問われていない部分があれば、マークしておき、頭に叩き込む。
 

この繰り返しです。
 

まとめます。
 

まずは、攻めの勉強。
 

1)問題を「読む」→テキスト・六法を参照しながら理解する。
 

2)問題を「解く」→解けなければ、再びテキストへ。
 

3)テキストを読み込む →問題で問われた部分を中心に→ その際、処理手順を構築しよう→ 問題で問われていない部分は、目立つ色でマーク →目次を意識して、体系もつかんでおこう。
 

4)不安な個所は問題と照合する →引っかけポイントの把握。
 

以上。これが攻めの勉強。
これだけ熟成させておけば、守りの勉強では一気にその科目を見ることができるはずです。
 

『高速回転(守りの勉強)⇔ 構築(攻めの勉強)』
 

これをいかに調和させるかが大きな課題です。
 


第42回 憲法の基本的な学習方針について

2017.12.21

 
憲法を学習する際は、次の3点を意識されると良いと思います。
 

1 各テーマの一般的な理論を刷り込む
2 理論から判旨を小説のごとく読む
・ 争点
・ 理由
(・反対利益)
・結論
を意識して読むとGoodです。
3 条文を暗記する
 

毎年のように新傾向の出題があるのが憲法。
それに引きづられると、獲得すべき問題を平気で落とすことになります。
 

したがって、上記の3点を意識して勉強されると良いですね。
 

まずは、各テーマの一般的な考え方を学ぶこと。
 
バラバラに見える最高裁の判例も、実は一貫した考え方に基づいて、具体的な事案を処理しています。
(たとえば、外国人の人権であれば、「権利の性質上日本国民を対象としているか否か」という観点から考えるとか)
 

一貫した理論から全て理解しようと試みれば、暗記をする必要性はかなり下がります。
 

そして、条文の暗記。
 

嫌な作業ですが、憲法の条文は暗記をしっかりとすること。
たとえば、今年度の問題には、「閣議」について憲法に規定があるか否かを問うものがありました。
 

条文を暗記していれば、「閣議」というワードは記載されていない!とすぐに判断できた問題です。
ここの正答率が50%を切るとか、本当にもったいない。
 

逆に言えば、嫌な作業だから受験生全員がちゃんとやれていない。
自分がちゃんとやれば、簡単に差をつけることができる。
 
 
そうなるわけです。
 

憲法は、ハマると本当に危ない科目です。
とにかく、特殊な対策に走らないこと。
基本的な学習方針を遵守すること。
 

これだけ意識しておくようにしましょう。
 


第41回 クロスレファレンス学習の功罪

2017.12.14

 
学習を始めると、よく耳にするのが次のものです。
 

『テキスト・六法・過去問をしっかりと往復していくことが重要だ。』
『往復をしっかりとして、情報を一元化することが勉強なのだ。』
 
 
このような考え方は、特に「初めて」勉強をする方に向いているものです。
 

初めての学問に触れる場合、ある一方向からの記載のみではよく分からないことが多いです。
 
 
そのため、テキストの記載を過去問でも読んでみたり、六法(条文)にあたってみて、理解をしていく。
 

多方面からアクセスすることによって、「あぁ、そういうことなのか。」と理解が進むことはよくあります。
 
 
こういう往復運動をすることが、何よりも大切なことだと思います。
 

クロスレファレンス学習は、ある一側面からだけで見て分からないものを、しっかりと理解するには最高の学習法なのです。
 

もっとも、この往復作業は、文字通り「作業」です。
勉強時間という側面から見ると、どうしても非効率的です。
 

テキスト読んで、過去問集参照して、適宜条文を引く。
 
 
あっちこっち飛ぶわけですから、その時間が無駄ですし(有効な無駄ということにはなるが)、何よりも机と椅子がないと(つまりある程度のスペースがないと)できない勉強でもあります。毎日持ち歩くわけにもいかないし……
 

だから、段々と情報をテキストに一元化していく。
 
 
この「作業」が重要であり、直前期にはそれだけ見れば良いというように仕向けていくわけです。
 

さて、ここで問題です。
 
 
上記の工程を一度でも行った方。つまり、受験経験者であともう一歩のところまできた方。
この方たちがやる意味は……果たしてあるのだろうか。
 

もう一度、情報の一元化という作業をしつつ、直前期に仕上げていく。
そんな大変な1年を過ごすのか……
 
 
上級インプット講義テキストは、そんな想いから生まれました。
 
 
本講義のテキストは、あらかじめテキスト・過去問・条文を一元化してあります。
しかも、アウトプットが最もしやすいQ&A方式で。
 
 
言い換えると、上記の「クロスレファレンス学習からの情報の一元化」は、こちらで全部行っておきました。
 
だから、受講される方は、「情報の一元化作業」という嫌な作業を「もう一度」行う必要は0です。
 

これにより、開講からいきなり直前期と同じテンションで学習をスタートすることができます。
上級インプット講義を確実に潰していけば、8月には合格ラインを超えることが可能です。
だって、ロケットスタートが違いますからね。
 

さて。
このようなスタートを切るのが、2月。
 
 
となると、今の時期に、基本的な考え方はもうしっかりと作っておかなければなりません。
これが基礎力再構築講義です。
 

受講している皆さんは、もう一度、講義に合わせて、自分が何をすべきなのか。何を身に付けるべきかなのか。
これを考えて欲しいと思います。
 

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