国際業務スキルアップ研究会
「ベテランから学ぼう最終回特別編」セミナー開催報告
5月13日(土) 伊藤塾渋谷校において「ベテランから学ぼう最終回特別編」セミナーが開催されました。今回は千葉会の田中桂四郎先生、東京会の榎本行雄先生の両先生を講師にお招きし、『よくわかる!元入管幹部と入管業務第一人者が教える、きちんと稼げる仕事のやり方』というテーマで、前半は田中先生のご講義、後半は田中先生、榎本先生によるパネルディスカッションという形式で、豊富な経験をお持ちの両先生に貴重なお話をしていただきました。
1.入管とはどういうところか
田中先生は東京入国管理局就労審査部門筆頭統括審査官を務められたことがおありです。ですので、入国管理局の内部の事情にも精通なさっていらっしゃいます。
田中先生は、時折冗談を交えながらも入国管理局というのはどういう行政機関なのかというところを詳しくお話していただきました。
私が印象に一番印象に残っていることは、入国管理局は日本にいる外国の方のみならず、行政書士も管理しているという点です。改めて気を引き締めて業務にあたろうと思いました。
2.スマイル
続いて「通常案件」と「特殊案件」についてお話いただきました。通常案件というのは、一般的な在留期間更新許可申請、資格変更許可申請等々の業務で、特殊案件というのは入管法違反等々をした外国人に対する業務です。
お話をお伺いして思ったのは、「まずは研鑽を積む」という事が大事なんだなと改めて思いました。研鑽を積むというのは、法律・規則・ガイドライン等々をしっかり学ぶということです。しっかり研鑽を積まないと、要件に沿わない文章を書いてしまう可能性が多いにあり、結果、不許可になってしまう可能性がかなり高いということです。
行政書士が許認可業務(国際業務にかかわらず)、を行うのは何のためにかといえば、許可をもらうためであるのは言うまでもありません。ですので、許可をもらうためには当然法令等をしっかり学ばなければいけません。この事は国際業務にかかわらずすべての許認可業務を行う上で大切なことだなと思いました。
そして田中先生のおっしゃった中で一番印象に残ったのは、「スマイル」です。許可が取れれば外国の方は喜んでくださる、例えば外国の方を雇いたい経営者の方も喜んでくださる、そして私たち行政書士も喜びます。すべては「スマイル」のために業務をやることが大事なのだなと気が付かせていただきました。
3.パネルディスカッション
続いて、田中先生と榎本先生のパネルディスカッションです。
お二人の共通したご意見は、「目先の金に眩むな!」ということです。もちろん行政書士として稼ぐ事を否定なさっているわけではありません。ただ、あまりにお金に走りすぎると、どうしても無理が生じてしまうこと、そして最悪な場合は犯罪に加担してしまったり、犯罪を犯すつもりはなくとも犯罪者になってしまうおそれがあります。
特に榎本先生は「品位をもって正攻法で仕事をすること」を強調なさりました。
最後に受講生からの質問にも丁寧にお答えいただきました。
4. 総評
今回は最終回ということで、今までとは違う趣でセミナーを開催しました。今回はやはり田中先生の入国管理局についてのお話が大変興味深かったです。正直言ってそこまで話して大丈夫なのかと受講生が心配してしまうくらいお話いただきました。
そして榎本先生とのパネルディスカッションでは、かつては審査する方、審査される方であったお二方のお話は、大変興味深く、また、国際業務の奥深さ、責任、そしてやりがいを学ばさせていただきました。
さまざまな経歴や経験をお持ちのベテランの先生の経験談を拝聴できるセミナーや生の事例に触れることが出来る相談会の実施は後進の者にとってこの上なくありがたい機会となります。
今回もセミナーを開催させて下さった伊藤塾に感謝すると共に、今後もこのようなセミナーや相談会を数多く開催する機会に恵まれることを切に望みます。
(文責:羽生 雄二郎)
第二回相談会報告書
◆第二回外国人ビザ無料相談会を開催しました◆
第一回外国人ビザ無料相談会が開催されてから3か月半経った2017年3月31日(金)、4月1日(土)に、渋谷桜丘さくら祭りにブースを出展し第二回外国人ビザ無料相談会を開催しました。私たちは約2週間に1度集まり、条文や審査要領を読み込むというインプット作業を行い、約2~3か月に1度行われる『ベテランから学ぼう』では、講師の先生の貴重なお話をお伺いし、ロールプレイングを行うことにより、知識をより深く理解してきました。
昨年9月から始動した研究会も予定されているプログラムも残すところあと1回となりました。なので第二回外国人ビザ無料相談会は、前回同様実践の機会に触れることで、これまでの積み重ねを確認し、日本に暮らしている外国人の悩みごとを解決しようという目的に加え、今までの集大成として私たちがどこまで実践力を身につけたか、そして新たな課題は何かを知るという目的のもと企画されました。
◆相談会までの道のり◆
今回は渋谷桜丘さくら祭りにブースを出して相談会を開催しましたので、さくら祭りの運営の方々との連絡、調整をしなければなりませんでした。すべてが初めての試みでしたので、些細なことでも確認する事を重視しました。
また、相談会を成功させるためには集客が大事です。そこで今回の相談会では、開催前とさくら祭り当日チラシを配るとともに、フェイスブックを使って告知をするという新たな方法を試みました。
どこまで効果があるか不安でしたが、メンバーが積極的にフェイスブック上で告知してくれたおかげで、徐々に外国の方からのリアクションも増加していき、手ごたえを感じることが出来ました。
◆相談会当日◆
相談会が行われた2日間とも天候には恵まれず、また桜も満開ではありませんでした。なので初日に会場着いた時点で、相談者が一組も来ない覚悟をしました。
ですが、さくら祭りが始まってみると、早速2組の方がご相談にいらしてくれました。
また、相談会期間中はチラシ配りを専門に行う人員を配置し、悪天候の中、メンバー一丸となってチラシ配りを行いました。
チラシを配ったとある留学生から、近くの大学で留学生を対象にしたオリエンテーションが行われるという情報を得ることが出来ました。そこで緊急会議を行い、オリエンテーションが終わる時間を見計らって重点的にチラシを配布いたしました。その結果、悪天候にも関わらず、数組の方がご相談にいらしていただきました。
相談は、スペイン、ミヤンマー、アメリカ、ネパール、ベトナム国籍の方がいらっしゃり、内容は主に就労、留学、家族の呼び寄せ、永住、教育など多岐に渡りました。また就職相談などビザ以外の内容もありました。
私たち相談員は入管法等の知識はもちろん、国際業務以外の知識を総動員しました。分からないときは、調べるのはもちろん、相談にのっていないメンバーにも確認し、ときには近所の本屋さんまで一緒に行き、資格の過去問を一緒に探してあげるなど、一致団結して一件一件の誠心誠意に対応しました。
前回の相談会に比べれば知識は増え、対応の仕方も進歩したと思いますが、改めてどんな質問がきても対応できるように備えておかなければいけないと身をもって痛感しました。
◆感想◆
今回はうれしいことに、相談していただいた方の半分以上の方が引き続き私たちに相談したいとおっしゃってくださいました。この結果は相談員が相談者の信用を得ることができた証だと思います。ビザの知識が大事なことは言うまでもないですが、ビザの知識があるからといって相談者の信用が得られるとは限りません。ビザ以外の知識も勉強し、言葉遣い、接客態度等も気を付けないといけません。前回よりは進歩したとはいえ、まだまだ勉強しなければならないことは多々あることに改めて気が付きました。
そして、私個人としては
「私たちの回答で来てくださった相談者さんの人生を左右する可能性がある」
ということを身をもって感じました。
今回の相談会は、天候が悪く、桜も見ごろではないという決していい条件とは言えない状況だったにもかかわらず、前回より多くの方にご相談にいらしていただけたので安心したとともに、準備や相談の対応の仕方で反省点も多々ありました。具体例をあげると、集客面でいえばフェイスブックでの告知をもっと早くしておけばよかったこと、事前準備では関係各所との打ち合わせを細かくしておけばよかったという2点が主なものとしてあげられます。
今回は相談会終了直後に反省会をし、すべての相談内容と私たちの対応を検証いたしました。それにより良かったところとともに、良かった点、反省点、課題がより明確になり、今後の大まかな方針を話し合いました。反省会を当日にやったのはとてもよかったと思います。
冒頭にも書きましたが、今回の相談会は今までの集大成として開催いたしました。研究会が開催されてからこの日までの成長を確認し、各々のさらなる飛躍のきっかけになった相談会が開催できたと思います。今後はインプットと2回行った相談会に加え、新たな実践の場を模索し、より成長できるよう当研究会の活動を活発化させていきます。
今後も当研究会のメンバーは、伊藤塾の「やればできる」の精神のもと、一人でも多くの方のお役に立てるよう日々研鑽に励んで参ります。
(文責;羽生 雄二郎)
相談会報告書
◆初の試み・外国人ビザ無料相談会を開催しました◆
2016年12月17日(土)、私たち研究生は、伊藤塾が経営する渋谷のベトナム料理レストランの『ハノイのホイさん』にて、外国人ビザ無料相談会を行ないました。私たちは、約2週間に1回のペースで行なっている入管法や審査要領等の読み込み、そして、2~3ヶ月に1度に行なわれる『ベテランから学ぼう』で貴重な体験談や具体例を学び、ロールプレイを行なうことで、入管業務の知識を深めています。今回の相談会は、実践の機会に触れることで、これまでの積み重ねを確認し、課題点を探るとともに、日本に暮らしている外国人の悩みごとを解決しようという目的のもと、企画されました。このように、法的思考のインプットからベテランの先生方による具体例・体験談の共有、そして相談会でのアウトプットを行なうことで、実践力をつけるべく、日々研鑽に励んでいます。
◆相談会までの道のり◆
今回、相談会を開催するにあたり、事前にさまざまなことを決め、メンバーで協力しなければなりませんでした。10月頃から相談会会場との開催日時交渉と調整、相談会に必要な書類や用具の準備、ルールの設定、相談会のチラシ作成と配布など、メンバー全員で話し合いを重ね、方向性を決めていきました。そのような中、相談会で成果を残すためには、集客力は大事なことでした。より多くの相談者にお越しいただくため、私たちは会場となっている『ハノイのホイさん』の周辺(主に渋谷区)の日本語学校、専門学校、短大・大学、エスニックレストランをリストアップし、地区ごとにグループを作り、電話によるアポイントを取ったり、直接飛び込んで渡したりしました。インターネットで調べた情報と実際に現地を見て回るのとでは違ったため、様子を見ながら配布場所を変えたり、各自懇意にしているところへ配布するなどしました。その様子を見て、メンバー一人ひとりが自主的に、能動的に動いていることを実感し、頼もしく思いました。
◆相談会当日◆
午後、私たちは1時間ほど早く伊藤塾に集まり、事前のルールや一日の流れを確認し、『ハノイのホイさん』で準備し、相談者が来るのを待ちました。レイアウトは相談者の個人情報に配慮した形で仕切りを置くなどして、5つブースを設置し、それぞれ2人~3人1組でグループを作りました。各所に広報したけれど、相談者が来なかったら…いう不安と、どのような相談が来るのだろうかという緊張感で一杯でした。しかし、開始から30分を過ぎた頃から相談者が続々と来店し、5つあったブースは全て埋まるほど盛況となり、安堵しました。相談者は主にベトナムとインドネシアの国籍でしたが、相談内容は、EPAや介護の在留資格について、技能実習生の再来日、家族の呼び寄せ、難民申請中から在留資格変更許可申請など、多岐にわたるものでした。私たちはこれまでの知識を総動員して、相談者の悩みを解決できるよう努めましたが、相談会ではどのような相談が来てもよいように備えなければならないことを身に沁みて感じました。また、相談にのっているときは、冷や汗の連続でしたが、分からないことは曖昧に答えることはせず、相談者が不安にならないよう調べたり、他のメンバーに聞くなど慎重に確認しながら行いました。
◆感想◆
相談終了後、アンケートに回答してもらったところ、「相談してよかった」「悩みが解決できた」と答えてくださった声が多く、役に立てたことを嬉しく思うと同時に、これまで学んできたことの手ごたえを感じました。その一方で、ビザの相談会とはいえど、相談内容は「ビザ」だけではなく、その周辺の一般的な知識も必要であり、勉強不足であることを痛感しました。また、外国人の相談者と触れ合うことで、日本語の使い方ひとつをとってもどのように表現すれば伝わるかを考えていかなければいけないと強く感じました。こうして、無事に盛況で終えることができた満足感・達成感がありながらも、こんなふうに答えていれば、相談者がより理解できたかもしれない、など反省すべき点も多くありました。今回浮かび上がった課題点・反省点は、研究会のメンバー全員で共有・咀嚼し、次回の相談会へと活かしていきたいです。
以上
文責:佐藤華子
国際業務スキルアップ研究会 入管法読み込みゼミ第1回が
開催されましたのでご報告いたします。
1.研究会概要の再確認と、研究会ルール
この研究会は、あくまで学びあいの場であり、講義を与えられるわけではないので、
全員が積極的に関わって参加していくことが必要、との認識を再確認しました。
その上で、3つの班(入管法読み込みゼミ班・セミナー「ベテランから学ぼう」班・
相談会班)のどれかに所属し、活動していくことになりました。
2.入管法読み込み(第1回)
(1)入管法と関係法令の体系を理解する
入管法(出入国管理及び難民認定法)は、その詳細を施行規則や、基準省令等において
定めているため、入管法と関連付けて理解すること。また、憲法、国籍法、通則法、
入管特例法等の法律知識も必要である。
(2)入管法第一章 総則
第一章総則の読み込み
3.諸連絡等
10月10日(月・祝)14:00~17:00
「難民認定制度の現在」シンポジウム開催
伊藤塾東京校(渋谷)3F
難民問題は、国際業務を取り扱うとよく出てくる案件であるため、
正確な知識と理解が必要です。
今回は、難民審査参与員 浅川先生をお呼びし、日本の難民認定制度の
あり方について、議論が交わされる予定です。
【総評】
全15回の研究会の初回でしたが、参加メンバーの皆さんが、色々な方面で
既に外国人と関わりがあり、本気でこの業務に向き合いたいという熱意が
伝わってきたように感じました。
切磋琢磨していけるメンバーと、スキルアップしていきたいと思います。
(文責:オリ香)
オリエンテーション開催報告
7月30日(土)10:00から伊藤塾東京校にて、国際業務スキルアップ研究会のオリエンテーションが開催されました。
研究会とは、以前勉強会などで学んだテーマをさらに深めていこうというものです。
今回の国際業務スキルアップ研究会は、実務家の笠間由美子先生、大塚香織先生、佐藤華子先生、廣瀬幹先生が企画者となり、少人数でより深く入管法などを研究していく目的で発足されました。
今回のオリエンテーションでは、研究会で実際に何をするかを共有していく場となりました。大きくは、入管法などの理解を深める「入管法ゼミ」、国際業務 に精通している先輩の話を聞く「ベテランから学ぼう」、自分たちが培った知識を使い、実際に外国人たちの話を聞く「相談会」3段階に分かれており、それぞ れのパートの日程や内容、企画詳細を参加者へ説明し、研究会についての理解を深めました。
今回の研究会は、定員15名に対し、参加を希望しオリエンテーションに参加くださった方、オリエンテーションに参加できなかったが研究会への参加を希望く ださった方が、約30名と、大変盛況なものとなっています。参加人数を募集人数が超えてしまったので、国際業務に関する基本的な知識の確認と、業務受任状 況確認、研究会参加への意欲を問うーパーワークを実施しました。このペーパーワークの結果を基に企画者が15名の仲間を選出させてもらっています。
志を同じくする仲間で切磋琢磨し、クライアントのためにしっかり国際業務が遂行できる行政書士になるための場となることに期待が高まります!