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初の行政書士法人インタビュー
今回インタビューにお答えいただいたのは「行政書士法人ふたば」代表社員の寺島朋弥先生と久保祥子先生です。
先生方がなぜ法人化しようと思ったか、どうしてお互いをパートナーにしようと思ったかなどをQ&A方式で伺っていきたいと思います。是非最後までご覧ください。
寺島 朋弥(てらしま ともや)特定行政書士
【プロフィール】
1980年9月2日生。鹿児島県鹿児島市出身。
舞台の世界に憧れ、劇団四季に入団後、約12年間舞台監督部に所属し、全国46都道府県を回る。
2013年度行政書士試験に合格し、2014年5月1日個人事務所開業。保育園支援、法人設立、一般法務(契約書等)を主に取り扱い、2018年5月1日行政書士法人ふたばを設立し、現在に至る。
久保 祥子(くぼ しょうこ)行政書士
【プロフィール】
2014年度行政書士試験に合格し、2015年6月15日個人事務所開業。
当初は神奈川県行政書士会に所属していたが、2016年2月に東京都行政書士会に移転。
その後、同会豊島支部副支部長を拝命し、同支部の発展に尽力する。2018年5月1日行政書士法人ふたばを設立し、現在に至る。
剣道三段の腕前で、合気道も嗜む武道家でもある。
Q なぜ行政書士法人にしようと思ったのですか?
理由はいくつかあり、中には税と社会保障制度にまつわる生々しい話もなくはないですが(笑)、取引先の規模が大きくなってきたことや、単純に「覚悟のスイッチを入れた」という意味合いもあります。
また、多くある共同事務所形式だと、事務所名称を統一できないことや、経費の扱いや補助者の雇用関係の扱いが煩雑になってしまうこともあり、私たちのケースでは、経営母体を統一してしまったほうがあらゆる面で都合が良かったというのがあります。
行政書士法人は無限責任社員二人以上で構成という、いわば運命共同体となる訳で、一見なかなかハードルの高いものではあります。
しかし、3年間対等な契約関係で共同受任を繰り返し、お互いはもとより、お客様との信頼関係も引き継ぐことができたので、法人化をスムーズに進められたのだと思っています。
Q お互いをパートナーに選んだ理由があれば教えてください。
寺島
久保さんとは2015年の秋桜会総会後の懇親会で出会いました。
当時の私は2年目で、なんとか保育園関係の初案件を処理している最中の頃で、名刺にそのことを書いていたこともあり、行政書士登録前の久保さんにしつこく(笑)追い回されたことを覚えています。
その後3年間にわたって、実に多種多様な案件で共同受任をしてきました。3年も一緒にやっていたら、お互いの得意・不得意分野が見えてきますし、うまく連携したら二人で二人分以上の仕事がこなせるようになってくるものです。そういう意味では、二人での法人化は遅かれ早かれ必然だったのかもしれません。
久保
開業前から子どもに関する業務をしたいと思っていたのですが、なかなか子ども関係を扱っている行政書士と出会えませんでした。
そんな中、2015年の秋桜会総会後の懇親会で偶然寺島先生とお会いし、その時まさに保育園案件を進行中という話を伺い、今後も保育に関する業務を中心にしていきたいと聞き、この人だと思ったのがきっかけです。
Q 先生方は、なぜ行政書士になろうと思ったのですか?
寺島
私は劇団四季の裏方(舞台監督部)として12年弱仕事をしていたのですが、舞台の業界はタイミングによっては半年~1年と家を空ける必要が出てきます。
そこで、結婚を機に舞台の仕事を辞めて、独立しようと思ったのがきっかけです。
舞台と法律は全く違うようにも見えますが、実は演劇公演を1回行うためには様々な許認可が必要で、新人の頃から舞台監督助手として許認可実務(もちろん全て法人の本人申請)にたくさん携わってきました。そういう意味では、全然違う世界に見えて、かなり近い業務も多かったりするのです。
久保
子どもが幼いとき、ママ友と交流する中で、様々な暮らし上の困りごとを聞いている中で、自分も学生時代に学んだ法律知識を活かして、社会のお役に立てることがないかと考えている中でふと思い立ったのがきっかけです。
Q 主に取り扱っている業務があれば教えて下さい。
ズバリ保育園支援です。
一言で保育園の許認可と言っても実に多種多様なのですが、様々なご縁のお陰もあり、今では小規模から大型保育園まで、一通り経験させていただいております。
また、開園時の認可だけに限らず、法務顧問として長期的に運営支援にも携わったり、施設の第三者委員に就任させていただいたりと、保育園にまつわる幅広い業務を取り扱っております。
Q 仕事をするときに、常に心がけていることはありますか?
寺島
法律専門職として児童福祉の一端を担っているという意識だけは忘れないようにしています。
保育事業は、制度の使い方や運営の仕方によっては悪い方向で利益を追求することも可能です。しかし、保育の質を犠牲にしてまで利益を追求するのは大きな誤りです。常に利用者(保護者ではなく子どもたち自身)の立場になって保育事業を運営できるようにサポートさせていただくことを心がけています。
そして、取り扱う「法」の目的の実現を常に意識する実務家であり続けたい。単にお客様の利益のためだけを考えるのではなく、お客様に関わる「法」の究極の目的は何かを意識しながら、伴走し続ける存在でありたいとおもっています。
久保
お客様の代理人として行政側と交渉するときは、行政側の言うことを鵜呑みにせず、法令の範囲内で最大限お客様の利益を勝ち取れるように積極的に交渉するようにしています。
また、お客様が間違った方向に進みそうになったときに、法令に沿って軌道修正してあげられるような実務家になりたいです。
Q お二人は実務講座の受講生だったということで、講座がそのまま実務に役立ったエピソードがあれば教えてください。
寺島
私は前職の人脈のお陰もあり、比較的1年目から好スタートを切らせていただいていたのですが、逆に言うと、1年目から専門家として責任を持った仕事をこなしていく必要がありました。
初年度から株式会社や一般社団法人の設立に多く携わってきましたので、そういう意味では実務講座(当時は「実務開業講座」)の「法人設立」はそのまま大いに役立ちました。
久保
黒田先生と小島先生の遺言・相続講座で、お客様に対するきめ細やかな対応に関するエピソードが、あらゆる業務の基礎になっています。
開業1か月半のど新人のときに遺言業務を共同受任したとき、一部の書類作成を任せていただけたのですが、その時は実務講座のテキストが大いに役立ちました。
Q 活動をする中で、特に印象に残る出来事はありますか?
寺島
私どもは基本的に「現場主義」ですので、例えばお客様の保育園に行政指導目的の監査等が入った場合、朝から夜まで徹底して立ち会います。そんな日はランチが園児用の給食だったりすることも…。(笑)
また、施設に関係する権利義務に関する書類を作成する場合も、運営本部だけでなく、実際に該当する施設にも足を運び、現場の生の声を聞き取るようにしています。特に前者の場合、行政指導との闘いともいえるケースもあり、ボロボロに疲労することもあるのですが、園児たちが笑顔で手を振ってくれたり、ハイタッチを求めてきてくれることも多く、本当に癒されます。
子どもの利益を第一に考えてこの仕事をしている以上、その子どもたちからのストレートな反応はどんな形であれ嬉しいものです。
久保
保育業界は事故がない限りは法律の専門家があまり出入りしていないこともあり、例えば契約代理業務で相手方の施設と最初に連絡を取る際は身構えられることが多いです。
しかし、すぐに先方にお伺いし、契約の実務的なお話だけでなく、子どもに関する雑談などを交えていく中で、すっかり意気投合し、相手方からも信頼していただけたときは本当にうれしいです。
また、新人の頃に他事務所の補助のような形で携わった案件のお客様や、何年も前の交流会等で名刺交換をしただけの人から、数年後に連絡があり、そのまま業務につながるといったこともあり、そういったご縁にはいつも感謝しています。
Q ズバリ行政書士という職業の魅力は何でしょう!?
寺島
常に人間関係の中心にいられることでしょうか。
複数の専門家と合同でプロジェクトを進める場合、一番職域の広い行政書士が中心にならざるを得ないケースがほとんどです。もしも企業内なら、プロジェクトリーダーですね。その分、自分の専門分野以外にも気を配る必要が多くなってくるのですが、それを魅力として捉えられる人にとっては、天職になり得る職業だと思います。
最近気づいたのですが、舞台監督もその辺は全く同じだったりしますね。
久保
お客様と行政の間に立って、国民の利便のための調整役になれることですね。
また、専門家の立場で具体的なアドバイスを重ねていくうちに、経営者や園長先生たちからすっかり頼られるようになり、些細なことでもお電話をいただけるようになります。そういったことも魅力の一つだと感じます。
Q 休日はどのように過ごされていますか?
寺島
家にいるときは育児に専念!児童福祉を専門にしながら自分の育児を疎かにはできません。(笑)幼児期は限られているので、今の期間は徹底して子どもと向き合いたいです。
久保
休日って何ですか?(笑)土曜はそもそも顧問先の園が稼働しているので気が抜けませんし、自治体の保育課からも普通に連絡がきます。この前家族で遠方に旅行したときも、担当案件の様々な自治体から随時携帯に電話がきて、全く休めませんでした。(苦笑)
補助者と上手に連携して、私たちがしっかり休める体制を作るのが今後の課題の一つかなと思います。
行政書士法人ふたば
保育園支援に特化し、関東各地の保育園の顧問業務を中心に展開している。
将来的には認定こども園、幼稚園、そして障がい児に関わる施設にも対応し、「子どものことなら行政書士法人ふたばへ」と言われるくらい、児童福祉・幼児教育分野を極めていきたい。
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