沖縄スタディツアー参加者の声

様々な感情、エネルギーが吹き込んできた3日間

                                   
司法試験受験生 匿名 Aさん

 
スタディーツアーに参加する前まで、私は沖縄のことは塾長が講義の中で発言していることや、たまにテレビやメディアで取り上げられているのを目にするくらいで、あまり知りませんでした。
もっとも関心がない、というわけではなく、貧困問題などがニュースで取り上げられるたびに、「どうして沖縄ばかり」と気にはなっていましたが、ただ日々の日常に忙殺されて、なかなか自ら知るためのアクションは起こせずにいました。
そんな中伊藤塾がスタディーツアーをしているのを知り、一人ではなかなか行動が起こせない私も、ツアーに参加するという形で沖縄を知る扉を開くことができました。
 
ツアーに参加して、「こんな事実を知った」「あんなことを知った」など、知らなかった知識を知ることもできました。
でも、私がツアーに参加してよかったと、心から思えるのは知識を得られたからではありません。
それは、自分の肌で沖縄のエネルギーや人々の感情を感じることができたからです。
 
沖縄は歴史ある独自の文化を持った、美しい地にある、素晴らしいところです。
ツアーで世界遺産を巡ったり、交流会で沖縄音楽の生演奏を聞かせていただいたりと、自分もそんな沖縄文化を肌で感じることができましたし、ツアー中に講演やガイドをしてくださった方々の言葉の端々にもそんな沖縄文化への愛と誇りが感じられました。
 
でも、こんなに素晴らしいところなのに、どうしてこんな悲しい目にばかり合っているのか、そんな悲しい感情もたくさん感じた3日間でした。
誰だって幸せになる権利はある。
でもこんなに素敵な文化と土地に恵まれた沖縄なら人よりもっとたくさんの幸せが降ってきてもいいくらいなのに。
けれど現実はその正反対のことが沖縄に起こっている、そう感じて、悲しいと同時に、これはおかしい、絶対に正していくべきだし、正されていくだろう、そう感じました。
 
沖縄の人々は強い。
世界には理不尽で過酷な状況の渦中の人々や国々はあるけれど、どうしても、その困難にひれ伏してしまったり、目をそらしてしまったりして、戦おうとしない人は多いと思います。
でも沖縄の人は違う。
苦しいし、辛いけれど、声をあげ続け、戦い続けている。
これだけでも本当に尊いことで、絶対にこの違いは将来大きな違いを生む、と思いました。
そして、私も何かしたいと強く思いました。
それは「沖縄のため」だけでなく、権利を求めて、幸せを求めて立ち上がっている当事者とともに立ち上がることは、大きな目で見ると自分、そして世界を幸せにする一歩につながるとも思うからです。
 
世界に平和を発信する。
わたしも沖縄ならできるし、沖縄だからしてほしいと思っています。
それは沖縄が地上戦で犠牲になった土地だから、という理由だけはありません。
沖縄の人たちは世界中の人に愛される朗らかな人たちで、世界も魅了する文化も持っていて、さらに戦い抜く強さがある。
そして何より、沖縄には世界中に同志がいます。
ハワイ、フィリピン、アメリカ、南米。
世界中に移民した沖縄の人たちの子孫には今も心には沖縄があります。
私の家族もそうです。
遠い南米に住んでいても、沖縄の音楽を聴き、食べ物を食べ、日本語は話せないけれど、それでも自分のおじいさん、おばあさんの故郷を自分の故郷のように大切にしています。
世界に散らばった沖縄移民の人々は、現地で生活しながら沖縄と世界をつないでくれでいるのです。
 
沖縄で起こったことは過去のことではありません。
沖縄で起こっていることも、沖縄だけでのことではありません。
沖縄で起こったこと、起こっているは今世界中で起こっていることと本質的には同じだと思えるのです。
だからきっと、沖縄を通して学び、そこで私たち一人一人の心が変わることで、一人一人からできている世界も変わるのではないか、そうであってほしい、と願うのです。
 
わたしが沖縄のために何ができるのかは、まだわかりません。
でも、伊藤塾がスタディーツアーでしているように、私も南米にいる家族や、世界の友達に、沖縄へ足を運ぶことを進めたい。
そして、ただ観光にいくだけでなく、ぜひ、沖縄の悲しい歴史も感じられる場所へ赴いて、いろいろ感じてもらいたい。
遠い異国の地が身近になることで、当事者意識を持つ人が増えることは、きっと沖縄のひいては世界の良い未来につながると信じています。