沖縄スタディツアー参加者の声

現地での体験こそ最高の学び

                                   
司法試験受験生 S.T

 
沖縄スタディーツアーに5回参加して、改めて感じたことがあります。それは、いかに普段から読書をし、各種ニュース報道に気を配って現実を注視していても、現場でしか得られない体験・学びがあるということ、そしてもう一つは「無知の知」、すなわちいかに自分が歴史を知っているつもりで知らないかを自覚させられることです。この気づきがあるからこそ、何度参加しても終わりはないのだということを感じさせられます。
 読谷村での小橋川さんの5時間にわたる深い深いお話は改めて深く心に刻まれました。毎年同趣旨の内容であっても、笑いのツボが同じであっても、常に最新の情勢と深い研究を踏まえた新しい内容を盛り込まれており、常に新たな学びがあります。初めて聴く人にはやや難しいところがあるかとも思いますが、繰り返し聴くことで、読谷村、沖縄、そして日本の過去、現在、未来が点から線、そして面としてつながってくることを感じます。繰り返し学習により自分の認識が螺旋状に発展していくという点では、普段の基礎マスターの勉強と本質は同じだと感じます。ただ、現地に身を置いて感じることは、現地の視点から現実を見つめ直す作業であり、普段の読書や講義聴講とは明らかに次元の異なる深い体験だと思います。
 改めて小橋川さんの並々ならぬご準備、長時間にわたる渾身のご講演に深い敬意を表します。
 2日目の首里城散策は体験型の学びとして非常に印象深く、有意義な経験でした。改めて琉球の歴史、沖縄の歴史に対して自分が浅薄な知識しか持ち合わせていないこと、知っているつもりになっていること=「無知の知」を自覚させられる大変貴重な機会となりました。ガイドさんが限られた時間の中で一つひとつ丁寧にご説明いただいたことが深く心に刻まれました。201910月に焼失した首里城正殿等の遺構と、それ以前の写真を目の当たりにして非常に痛ましい思いをしましたが、改めてこの出来事の意味を深く考えさせられました。体験型の学習は、講演会形式とは異なる次元の学びになることを改めて感じました。
 その他、具志堅さんの遺骨収集の生々しい体験のお話、瀬長亀次郎さんの業績を伝える不屈館での学び、南部戦跡での戦争の歴史の学びと慰霊等々、繰り返し訪れ、感じることで常に心が研ぎ澄まされていくことを改めて感じました。
 沖縄スタディーツアーならではの学び、体験はここに書き尽くせないほど豊かで、3日間にぎゅっと凝縮されています。伊藤塾長はじめ諸先生、スタッフ、そして参加者同士の交流もこのツアーならではの魅力です。この3日間の経験の質は、1年間の普段の地道な勉強に匹敵するものと感じてやみません。いや、さらにもっと自分の認識、感性の次元を高める助けになるものと感じます。ぜひさらに一人でも多くの人が本ツアーに参加してこの魅力を体感されることを願っています。