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令和6年度(2024年度)司法試験予備試験の大学別合格率・合格者数まとめ

2025年03月04日

 
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令和6年度(2024年度)に行われた予備試験では、最終合格者数449人、最終合格率が3.57%となっており、その合格者の6割近くは大学生という結果となりました。

そこで、この記事では、予備試験において合格者数の多い大学を徹底的に分析をした上で、出身大学が合格後に及ぼす影響について解説していきます。

予備試験の受験に迷っている方や進学する法科大学院を決めきれない方は、ぜひ最後までご覧下さい。

【目次】
1.【大学別】予備試験合格者数および合格率
2.予備試験合格者の最終学歴
3.予備試験に強い大学とは?合格に学歴は関係ある?
4.出身大学が合格後に及ぼす影響とは?
 4-1.実務に出れば出身大学は関係ない
 4-2.司法試験合格順位や修習の成績の方が重要
 4-3.柔軟な思考力で未来を切り開く力を身につける
5.司法試験まで見据えた盤石な基礎力を身につけるために
6.まとめ

 

1.【大学別】予備試験合格者数および合格率

まずは、大学別に見た予備試験合格者数および合格率を確認していきます。

以下の表は、令和5年度の司法試験予備試験における大学生(出願時)の大学別の受験者数、合格者数、合格率を、合格者数が多い大学から順にまとめたものとなります。

合格者数
順位
大学名受験者数合格者数合格率
1東京大学465人77人16.6%
2慶應義塾大学504人53人10.5%
3早稲田大学331人33人10.0%
4京都大学188人24人12.8%
5中央大学470人18人3.8%
6一橋大学113人17人15.0%
7大阪大学95人6人6.3%
8北海道大学67人5人7.5%
8上智大学53人5人9.4%
10明治大学105人4人3.8%
10同志社大学91人4人4.4%
10大阪公立大学
(大阪市立大学)
28人4人14.3%
13名古屋大学72人3人4.2%
13東北大学51人3人5.9%
13神戸大学49人3人6.1%
13関西大学46人3人6.5%
17九州大学52人2人3.8%
17岡山大学29人2人6.9%
19千葉大学30人1人3.3%
19広島大学27人1人3.7%
19青山学院大学38人1人2.6%
19東京都立大学
(首都大学東京)
20人1人5.0%
19関西学院大学40人1人2.5%
19新潟大学16人1人6.3%
19中京大学16人1人6.3%
19南山大学9人1人11.1%
19創価大学9人1人11.1%
19金沢大学8人1人12.5%
19甲南大学7人1人14.3%
19東京学芸大学4人1人25.0%
19札幌学院大学2人1人50.0%
-その他681人0人0.0%
 合計3716人279人7.5%

※令和6年司法試験予備試験の出願時(令和6年3月)のデータです。
(令和6年7月〜令和7年1月の司法試験予備試験受験時には年度が1年加わることとなる。)
※最終合格者がいる大学のみ個別に大学名を表示
参照:令和6年司法試験予備試験受験状況(大学生)

令和6年度の大学生(出願時)の予備試験合格者数は279人、合格率は7.5%でした。

予備試験合格者数が最も多い大学は、昨年に引き続き東京大学の77人で、合格率は16.6%でした。次いで、慶應義塾大学、早稲田大学、京都大学、中央大学と続いています。

また、東京大学・京都大学・早稲田大学・京都大学の4校は、最終合格率が2桁で、予備試験全体の最終合格率を大きく上回りました。

下記表は、過去5年間の大学別予備試験合格者数の上位5校をまとめたものですが、東京大学が過去5年間すべてトップとなっているほか、2位〜5位は毎年若干の上下が見られるものの、上位校は例年同じ大学となっています。

順位令和6年度令和5年度令和4年度令和3年度令和2年度
1東京大東京大東京大東京大東京大
2慶應義塾大慶應義塾大早稲田大慶應義塾大慶應義塾大
3早稲田大京都大京都大早稲田大中央大
4京都大中央大慶應義塾大中央大早稲田大
5中央大早稲田大中央大京都大京都大

参照:令和6年司法試験予備試験受験状況(大学生)
   令和5年司法試験予備試験受験状況(大学生)
           令和4年司法試験予備試験受験状況(大学生)
           令和3年司法試験予備試験受験状況(大学生)
   令和2年司法試験予備試験受験状況(大学生)

 

2.予備試験合格者の最終学歴

予備試験は受験資格に制限がなく、学生や社会人問わず誰でもチャレンジできる試験です。

ここでは、令和6年度に行われた予備試験合格者の最終学歴を確認していきます。

最終学歴別受験者数合格者合格率
大学卒業5,059人117人2.31%
大学在学中3,716人179人4.82%
大学中退298人3人1.01%
法科大学院修了1,209人14人1.16%
法科大学院
在学中
427人8人1.87%
法科大学院中退271人5人1.85%
法科大学院以外
の大学院修了
911人15人1.65%
法科大学院以外
の大学院在学中
41人0人0%
法科大学院以外
の大学院中退
91人0人0%
短期大学卒業44人0人0%
短期大学在学中1人0人0%
短期大学中退7人0人0%
高校卒業258人5人1.94%
高校在学中35人3人8.57%
高校中退41人0人0%
その他160人0人0%
合計12,569人449人3.57%

参照:令和6年度司法試験予備試験(法務省)

令和6年度の予備試験における最終合格者449人中279人、合格者の62.1%が現役の大学生という結果が出ています。

予備試験は、大学から社会人になるまで何年もかけて勉強を続けることで、やっと合格ラインに達することができる試験だと勘違いされがちです。

しかし、この結果を見る限り、受験指導校を活用して効率よく学習を進めれば、大学在学中でも十分手の届く試験であることがわかると思います。

また、最終学歴が「大学卒業」となっている受験生も相当数合格していることから、たとえ大学卒業後に法科大学院に行かなかったとしても、本人の努力次第で合格を目指せる試験になっているのです。

 

3.予備試験に強い大学とは?合格に学歴は関係ある?

結論から言うと、予備試験合格に学歴は関係ありません。出身大学や出身法科大学院を問わず、努力次第で誰でも合格できる試験です。

確かに、東京大学・京都大学・早稲田大学・慶應義塾大学などの有名大学は、大学別から見た予備試験合格者数に毎年上位にランクインしていることから、「予備試験に強い大学」と言えるかもしれません。

一方で、他の大学からも予備試験合格者は多数輩出されており、有名大学に行かなければ予備試験に合格できないなんてことはありません。

予備試験に合格するには、自分の実力を把握し、ゴール(合格)から逆算した緻密な学習スケジュールを立てた上で、効率の良い勉強を継続して行う必要があります。

たとえ、有名大学出身であっても、勉強の方向性を間違えてしまうと合格から遠ざかってしまうでしょう。

もし、自分が予備試験合格者数上位の大学であれば自信を持って勉強を進めていけば良いですし、逆にその他の大学出身だったなら、学歴は気にせず正しい勉強法を知ったうえでコツコツと勉強することを心がけると良いでしょう。

 

4.出身大学が合格後に及ぼす影響とは?

実務家として法曹の世界で活動する際に、出身大学はどのように影響してくるのでしょうか。

ここでは、出身大学が、就活や実務の世界に出た後でどのような影響を及ぼすのかについて解説していきます。

 

4-1.実務に出れば出身大学は関係ない

実務の世界で活躍するにあたって、出身大学は関係ありません。人間力やコミュニケーション能力があれば、どの分野の仕事でも安定して実力を発揮することができるでしょう。

例えば、弁護士として事件を妥当な解決に導くためには、法的知識や経験、状況に合わせた判断能力などが必要になります。また、依頼者と信頼関係を築くためには、コミュニケーション能力も必須です。

また、裁判官や検察官として活躍するためにも、実務能力以外にも、円滑に仕事を進めるためのコミュニケーション能力や、社会人として求められる一般常識が必要となります。

これらの能力は、出身大学によって決まるものではありません。「人間力」を高めるためには、誠意と熱意を持ち、法律家としての自覚を持って仕事に望む必要があるのです。

実務の世界で活躍するためには、「学歴」ではなく「人間力」だということを覚えておいて下さい。

 

4-2.司法試験合格順位や修習の成績の方が重要

司法試験合格後の就活においては、実務で活躍が期待される「人間力」が一番重要な要素ではありますが、法律事務所によっては、司法試験の合格順位や司法修習の成績が重要になります。

司法試験で出題される論文問題では、実務の世界における法律トラブルとかなり近しい問題が出題されることから、客観的に能力を示す指標の一要素として、成績が考慮に入れられやすいのです。

つまり、司法試験に上位合格出来れば、実務の世界でもすぐに活躍できると評価されやすくなるのです。これは司法修習の成績においても同様で、実践的な知識が身についていると評価されれば、司法試験後の就職活動を優位に進める事ができるでしょう。

また、難関試験である予備試験を経由して司法試験に合格した場合、法的知識や対応力、柔軟な発想力に富んだ人材だと判断されやすくなり、就活において法科大学院出身者よりも良い評価を受けやすくなります。

出身大学にコンプレックスを持つ必要はありません。

就活を優位に進め、法曹の世界をリードする存在を目指すのであれば、出身大学を気にするのではなく、予備試験合格や司法試験の上位合格を目指すようにしましょう。

 

4-3.柔軟な思考力で未来を切り開く力を身につける

実務の世界で活躍するためには、柔軟な思考力を持って未来を切り開いていく力が必要になります。

実務家として働いていると、様々な法律トラブルに巻き込まれた方々の相談を聞くことになります。

依頼者の要望を実現し、トラブルを穏便にまとめるためには、的確な法的知識だけでなく、問題解決能力が必要不可欠です。型にはめた対応をするだけでは、依頼者から求められる実務家にはなれないでしょう。

弁護士、裁判官、検察官、どの職業に就くにしても、既存の枠組みに捉われない判断が必要になることもあり、その力は、学歴に関わらず、法曹の世界でもっとも求められている力の1つと言えます。

柔軟な思考力を鍛えるためにも、「なぜそうなるのか」「自分だったらどのように対応するのか」を常に考えながら普段の学習を進めるようにしましょう。

 

5.司法試験まで見据えた盤石な基礎力を身につけるために

最終的に司法試験に合格するためには、予備試験受験の段階から、司法試験まで見据えた盤石な基礎力を身につけることを心がけて下さい。

大学や法科大学院の授業だけで合格を目指す方もいますが、受験指導校などで試験対策に特化した講義を受けることで、予備試験一発合格や司法試験上位合格を実現できる可能性が高まります。

実際、学生・社会人問わず多くの人が受験指導校を利用して対策を行なっていることを考えると、他の受験生に離されないようにするためには、講義や模試、苦手科目の対策講座など、何らかの形で受験指導校を利用するのが得策だと言えます。

膨大な出題範囲を体系的にわかりやすくまとめられた受験指導校のテキストを中心に勉強すれば、出題範囲が漏れてしまったり、試験に必要のない勉強をしてしまう恐れがありません。

受験指導校で学んだ知識は、予備試験・司法試験対策にとどまらず、大学の学部試験をはじめ、法科大学院の入試や定期試験でも非常に有効であり、受験生にとっては非常にメリットが大きいものです。

予備試験合格を目指すのであれば、受験指導校で司法試験まで見据えた盤石な基礎力を身につけることをお勧めします。

 

6.まとめ

令和6年度の司法試験予備試験における大学別の合格者数は、東京大学が77人でトップ、次いで慶應義塾大学が53人、早稲田大学33人という結果となりました。

出身大学によって予備試験に合格できるかが変わってしまうのではないかと不安になってしまうかもしれませんが、予備試験は学歴に関係なく誰でも合格できる試験です。

出身大学がどこでも、本人の努力次第で実務の世界で活躍することができるので、安心して予備試験合格を目指して下さい。

もし、「予備試験に最短で合格したい」「司法試験に上位で合格したい」と考えるのであれば、予備試験合格に特化した受験指導校の講義やテキストを使って勉強を進めるのが良いでしょう。

伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、司法試験合格はもちろんのこと、合格後の活躍まで見据えたお一人おひとりへの丁寧なサポートで、受講生の皆様を全力で支えています。

無料の体験受講や説明会も実施していますので、司法試験の受験に興味をお持ちの方は、ぜひ一度伊藤塾までお問い合わせください。

2024年 司法試験合格者1,592人中 1,436名(90.2%)※1
2024年 予備試験合格者 449人中 405名(90.2%)※2
伊藤塾有料講座の受講生でした。
※1(講座内訳:入門講座698名、講座・答練337名、模試401名)
※2(講座内訳:入門講座231名、講座・答練126名、模試48名)

なぜ、伊藤塾の受講生は、これほどまでに司法試験・予備試験に強いのか?
その秘密を知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。

 

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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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