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【弁護士が解説】弁護士に向いている人・向いていない人の特徴とは?

2025年03月04日

 
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弁護士の仕事は、依頼者の人生に大きな影響を与える可能性もある職業です。

強い正義感と責任感が求められる仕事のため、大きなやりがいと喜びを感じながら仕事に携わっている人が多い反面、人によっては、本来やりがいとして感じられる部分が逆に負担になってしまうこともありえます。

自分にとって弁護士が向いているかどうかは気になるところだと思います。

そこで、今回は、弁護士の立場から弁護士に向いている人と向いていない人の特徴を解説してみたいと思います。

弁護士を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。

【目次】
1.弁護士の仕事・役割
2.弁護士に向いてる人の特徴・性格
 2-1.依頼者を助けたい・役に立ちたいという気持ちのある人
 2-2.人の話を親身に聞ける人
 2-3.さまざまな人と上手くコミュニケーションをとれる人
 2-4.責任感の強い人
 2-5.冷静に物事を考えられる人
 2-6.肉体的にも精神的にもタフな人
3.弁護士に向いていない人
 3-1.自分の意見を持てない人
 3-2.ストレスへの耐性が低い人
 3-3.仕事の効率を考えすぎる人
 3-4.複数の仕事を同時並行できない人
 3-5.すぐに諦めてしまう人
4.まとめ

 

1.弁護士の仕事・役割

弁護士の仕事は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とするものです(弁護士法1条)。仕事に取り組むにあたっては、依頼者の基本的人権を守るのは当然のこと、仕事を通じて社会正義を目指す必要があります。

さらに、弁護士は、深い教養と法律知識を保ち続けるために(同法2条)、司法試験合格後も自己研鑽を続けなければなりません。

弁護士が取り扱う事件は、弁護士にとっては多くの仕事のうちの1つであっても、依頼者にとっては一生に一度の重大事であることも多いでしょう。弁護士は、どんなに忙しい状況であっても依頼者の味方となって、1つ1つの事件について最善の結果を目指します。

弁護士として仕事を続けるには、強い正義感と責任感を持ち続けて、常に成長し続けることが求められます。

※弁護士の仕事内容については、以下の記事で詳しく解説してます。
弁護士のやりがいとは?仕事内容や大変な点についても解説
弁護士とは?仕事内容・働き方・一日の流れをわかりやすく解説!

 

2.弁護士に向いてる人の特徴・性格

弁護士に向いている人の特徴・性格としては、次のようなものが挙げられます。

● 依頼者を助けたい・役に立ちたいという気持ちのある人
● 人の話を親身に聞ける人
● さまざまな人と上手くコミュニケーションをとれる人
● 責任感の強い人
● 冷静に物事を考えられる人
● 精神的にも肉体的にもタフな人


ひとつひとつの特徴について詳しく見ていきましょう。

 

2-1.依頼者を助けたい・役に立ちたいという気持ちのある人

弁護士の仕事は、依頼者の味方となって依頼者にとって最善の結果を目指すものです。

依頼者を助けるためには、休みを返上して働かなければならないこともあります。ときには、依頼者の見解と自分の見解がぶつかることもあるでしょう。

それでも、依頼者を助けたい、依頼者の役に立ちたいという気持ちを持ち続けなければ、弁護士の仕事を続けることはできません。

弁護士に仕事を依頼する人は、自分自身では解決できない大きな悩み・不安を抱えている人がほとんどです。依頼者の悩み・不安に寄り添い、時には自分を犠牲にしてでも依頼者を助けたい、人のために役に立ちたいと思えるような人は、弁護士に向いていると言えるでしょう。

 

2-2.人の話を親身に聞ける人

弁護士の仕事は、依頼者の相談からスタートします。依頼者の多くは法律問題の相談に慣れていないため、事件の内容を整理して相談できる方は少ないです。依頼者は重要でないと思い込んでいても法律的には重要な事実があることもしばしばあります。弁護士は、相手が話をしやすいような雰囲気を作り、上手く依頼者の話を引き出さなければなりません。

自分の話を聞いてくれない弁護士を依頼者が信用することはありません。依頼者の話に疑問を感じる部分があっても、自分の意見を押し付けず、まずは依頼者の話を聞くことが重要です。

普段から友人や知人の相談を聞くことが多く、相談している人の話を上手く引き出せる人は、弁護士に向いていると言えるでしょう。

 

2-3.さまざまな人と上手くコミュニケーションをとれる人

弁護士の仕事の中には、法律書や判例に当たって訴状や準備書面などを作成するといった、1人で黙々と作業に取り組むものもあります。しかし、弁護士が仕事をするうえで、依頼者や相手方、裁判所などとのコミュニケーションは欠かせません。

依頼者や相手方の職業や年齢は幅広く、その場に応じた適切なコミュニケーションが求められます。初対面で深い話を聞き出すことが必要な場面も多いため、依頼者が話しやすくなるように、短時間で相手の特徴や人間性に合わせた対応を見出す能力も必要となるでしょう。

仕事と日常生活では求められるコミュニケーション能力に違いはあるものの、普段から誰とでも上手くコミュニケーションを取れる人は、弁護士となってからもその能力を活かしやすいと言えます。

 

2-4.責任感の強い人

弁護士の仕事は、ひとつひとつが依頼者にとっての重大事です。依頼者の期待に応えるには、どのような仕事でも責任感を持って全力で取り組まなければなりません。

訴訟対応では1つの事件で数年かかることもあります。どんなに長く時間のかかる仕事でも途中で投げ出してしまうと、依頼者が多大な不利益を受けてしまうでしょう。弁護士は、一度受けた仕事は最後まで責任を持ってやり遂げなくてはなりません。

やると決めたことは何としてもやり遂げる、何ごとにも責任感を持って取り組める人は、弁護士に向いていると言えるでしょう。

 

2-5.冷静に物事を考えられる人

弁護士は依頼者の立場で物事を考えることも重要ですが、気持ちが入りすぎると冷静な判断ができなくなることもあります。弁護士には、依頼者に寄り添いつつも、客観的に冷静な視点で事件を分析する能力も求められます。

依頼者の主張を貫くのが難しいと感じるときには、依頼者の説得が必要な場面もあるでしょう。たとえば、裁判で負けてしまいそうな状況のときに、何の対応もせずに判決までいくと依頼者の主張は何ひとつ認められなくなってしまいます。このときに、冷静な判断で依頼者を説得して和解に持ち込むことができれば、一部であっても依頼者の主張を認めさせることができます。

いつでも自分の意見を通そうとするのではなく、冷静に考えたうえで状況に応じた行動のできる人は、弁護士に向いていると言えるでしょう。

 

2-6.肉体的にも精神的にもタフな人

弁護士は、多くの事件を抱えると、法律相談や書面作成のために休日返上で働くことも珍しくはありません。平日勤務している依頼者との相談は、遅い時間や休日に設定することもありますし、刑事事件では夜間の接見が求められることもあります。

弁護士の抱える事件は、全てが失敗の許されないもので、常にプレッシャーを受けながら仕事を続けることになります。相手方との交渉では、罵声を浴びせられることもありますし、ときには依頼者からの重圧やクレームを受けることもあるでしょう。

弁護士の仕事を続けるには、肉体的にも精神的にもタフさが求められます。体力に自信がない人は、仕事量の調整で対応できることもありますが、メンタルの弱い人が仕事を続けていくのは難しいです。

体力とメンタルに自信があり、どのような依頼にも対応できるという人は弁護士に向いていると言えるでしょう。

もっとも、これまで膨大な時間を要していたリーガルチェックや書面作成業務、判例検索や賠償金の計算などの事務的な作業は、今後AIシステムの仕事に置き換わっていくことになるため、弁護士の時間的負担は大幅に軽減されることになるでしょう。

 

3.弁護士に向いていない人

弁護士に向いていない人の特徴としては、次のようなものが挙げられます。

● 自分の意見を持てない人
● ストレスへの耐性が低い人
● 仕事の効率を考えすぎる人
● 複数の仕事を同時並行できない人
● すぐに諦めてしまう人

ひとつひとつの特徴について詳しく見ていきましょう。

 

3-1.自分の意見を持てない人

弁護士の仕事は、依頼者の意見をそのまま伝えることではありません。依頼者の意見であっても、間違っている部分は正す必要があります。裁判や相手方との交渉では、自分の主張をしっかりと伝えることが何よりも重要です。

自分の意見を持てず、相談者や相手方の意見に流されてしまう人は弁護士には向いていません。

 

3-2.ストレスへの耐性が低い人

前述のとおり、弁護士の抱える事件は全てが失敗の許されないものであり、常にプレッシャーを受けながら仕事をしています。

また、多くの弁護士は、同時に複数の事件を担当しており、それぞれの事件には書面提出の期限や裁判期日などが設定されており、ひとつの仕事が終わってもすぐに次の締切が目の前にあるという状況が続きます。

このように、失敗が許されないプレッシャーや期限のある仕事によるストレスの中、弁護士の仕事を続けるためは肉体的にも精神的にもタフであることが必要不可欠です。

言い換えれば、これらのプレッシャーやストレスによって体調を崩したり、メンタルに影響が出てしまうようなストレス耐性の低い人は、弁護士を続けていくことはかなり厳しいと言えるでしょう。

 

3-3.仕事の効率を考えすぎる人

弁護士の仕事は、効率で考えても上手くはいきません。費用の面では、高額の報酬なのに短時間で終わる仕事もあれば、報酬が低いのに時間がかかってしまう仕事もあります。

費用対効果を考えて、報酬が低い仕事で手を抜くと、依頼者から信頼されることはありません。どんな仕事にも全力で取り組むことで、依頼者からの信頼を得て次の仕事に繋がってゆくのです。

時間の効率を考えると、依頼者の相談時間を取るよりも書面作成を進めた方が良い場合もあります。しかし、依頼者の話を聞かずに仕事を進めてしまうと、大きなクレームに繋がる可能性もあるでしょう。弁護士の仕事は、ひとつひとつについて依頼者の話をよく聞いて、コツコツと進めていくのが重要です。

効率だけを求めると依頼者の信頼を得られず、継続的に仕事を獲得するのは難しくなってしまうでしょう。

 

3-4.複数の仕事を同時並行できない人

弁護士は、常に複数の事件を抱えています。どんなに忙しい状況でも、ひとつひとつの事件で手を抜くことは許されません。

弁護士には、スケジュール管理の能力と、仕事ごとの切り替えの早さが求められます。訴状や準備書面を作成しているときに、他の事件の件で依頼者や裁判所から電話を受けることは日常茶飯事です。複数の仕事を同時並行でこなして、切り替えを上手くできる人でなければ、弁護士には向いていません。

 

3-5.すぐに諦めてしまう人

弁護士が扱う事件は、依頼者の人生を変えるようなものも少なくありません。弁護士としては、勝ち筋の見えない難しい事件でも、すぐに諦めるのではなく粘り強く最後まで戦う必要があります。

何ごともすぐに諦めてしまう人は、弁護士に向いていません。諦めない気持ちは、弁護士になってからは当然のこと、司法試験においても重要です。

最初から司法試験に必ず合格できると思って勉強を始める人はいません。諦めずに勉強を続けることが司法試験の合格にもつながっていますし、その司法試験を突破できた人は弁護士になっても活躍することができるでしょう。

弁護士を目指す人は、何ごとにも諦めない気持ちを持ち続けることが大切です。

※最短で弁護士になるための方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
弁護士になるには?必要な学力や最短で何年かかるのかなど弁護士になるまでの流れを解説
【必見】高校生が弁護士になるには?最速で司法試験に合格するための方法をご紹介
司法試験に最短で合格するための効率の良いスケジュールの立て方

 

4.まとめ

弁護士には、強い正義感と責任感が求められます。仕事を続けていくうえでは、肉体的・精神的なタフさも重要です。

もっとも、今回記載した内容は、弁護士に限った話ではなく、社会人として求められていることと何ら違いはありません。

したがって、記載した特徴を体現できるよう努力していけば、弁護士はもちろん、いかなる職業に就こうとも社会的な成功を掴むことができるはずです。

また、弁護士に求められる資質の多くは、司法試験の勉強でも必要となります。

試験の合格を諦めずに努力を継続した経験は、弁護士になってからも役立つことでしょう。司法試験を乗り越えられた人は、弁護士としても十分にやっていけます。

自分は弁護士に向いていないのではと不安に感じる必要はありません。諦めずに試験勉強に取り組んでいくことで、弁護士の資質は確実に身に付いていきます。

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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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