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検察官(検事)になるには?年収や仕事内容・向いている人など詳しく解説

2025年03月04日

 
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ドラマやニュースで見かける事が多い検察官という職業。

ドラマ「アンチヒーロー」では、ライバル役の野村萬斎さんが検事正役を演じたことで話題になったため、なんとなくイメージが湧く方も多いのではないでしょうか。

真相解明に向け、被害者のために昼夜問わず職務に励んでいる検察官。

では、検察官になるためには、一体どのようにすればいいのでしょうか。

この記事では検察官になる方法を解説していきます。

詳しい仕事内容や気になる収入などについてもご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

【目次】
1.検察官とは?
2.検察官の種類
3.検察官と警察との違いについて
4.検察官の仕事内容
 4-1.検察庁における業務
  4-1-1刑事事件の捜査
  4-1-2.公判
  4-1-3.刑罰権の適正な行使に関する指揮・監督
 4-2.法務省における業務
  4-2-1.刑法や刑事訴訟法、その他関連法令の検討、見直し
  4-2-2.刑務所出所者の社会復帰の援助
  4-2-3.仮釈放に関する事務
 4-3.広がる検事のフィールド
5.検察官になるためのルート
 5-1.予備試験→司法試験→司法修習で検察官採用ルート
 5-2.法科大学院→司法試験→司法修習で検察官採用ルート
 5-3.弁護士からの転身ルート
 5-4.裁判官からの転身ルート
 5-5.その他のルート
6.検察官の年齢制限・学歴制限について
7.検察官の年収について
 7-1.報酬月額
 7-2.期末手当(ボーナス等)・勤勉手当等
 7-3.勤務超過手当(残業代)・休日手当・夜勤手当等
 7-4.その他手当
 7-5.推定年収
8.検察官に向いている人とは
 8-1.正義感や責任感が強い
 8-2.組織としての行動を常に意識する
 8-3.探究心と情熱
9.検察官のやりがいとは?
10.まとめ

 

1.検察官とは?

検察官とは、検事や副検事のことを指し、公益の代表者として、刑事事件について、裁判所に裁判を求めるための公訴を提起(起訴)する権限を持つ(刑事訴訟法第247条)、法務省に属する国家公務員です。

起訴は検察官のみに与えられた権限であり、検察官は裁判所に対し、起訴してその処罰を求めるという責任があります。

そのため、警察からの捜査記録を確認するだけではなく、被疑者の取調べや、被害者・目撃者などの事件関係者から事情を聞いたり、証拠品の捜索・差押え、さらにその分析・検討などを、自ら積極的に行うことで、事件の真相解明に当たっています。

また、起訴をした後に被疑者が有罪であると法廷で主張し、適正な刑罰の適用を求めることも、検察官の重要な役割の一つです。

適正な刑罰権を行使することで健全な社会を形成するためには、検察官の力が欠かせないのです。

 

2.検察官の種類

検察官はいくつかの種類に区分され、それぞれの特徴があります。

下記表に記載の通り、検事は検察官の役職の一つです。

 特徴業務内容
検事総長内閣が任免し,
天皇が認証
最高検察庁の長として庁務を
掌理し、かつ全ての検察庁の
職員を指揮監督する。
次長検事内閣が任免し,
天皇が認証
最高検察庁に属し、検事総長
を補佐し、検事総長に事故の
あるとき、または検事総長が
欠けたときはその職務を代行
する。
検事長内閣が任免し,
天皇が認証
検事長は、高等検察庁の長と
して庁務を掌理し、かつその
庁並びにその庁の対応する裁
判所の管轄区域内にある地方
検察庁及び区検察庁の職員を
指揮監督する。
検事正検事の中から
任命される
検事正(地方検察庁の長であ
る検事)は、その地方検察庁
の庁務を掌理し、かつその庁
及びその庁の対応する裁判所
の管轄区域内にある区検察庁
の職員を指揮監督する。
検事次席検事
三席検事
シニア検事
A庁検事(4~5年目)
新任明け検事(2~3年目)
新任検事(1年目)
検事は最高検察庁・高等検察
庁及び地方検察庁などに配置
され、捜査・公判及び裁判の
執行の指揮監督を行う。
副検事 副検事は,区検察庁に配置さ
れ、捜査・公判及び裁判の執
行の指揮監督を行っている。

 

3.検察官と警察との違いについて

事件発生後、まず警察が犯人逮捕に向けて捜査を行います。

証拠の収集や被疑者の取り調べを通して事件の調査を行い、必要であれば被疑者を逮捕することになります。

逮捕された被疑者は身柄を拘束され、留置所に収監されることなります。

警察による身体拘束は、逮捕後48時間以内までと法律で定められているため、それ以上の調査を行うためには、被疑者の身柄や捜査記録を検察官に引き継ぐ必要があります。

被疑者の拘束を引き継いだ検察官は、起訴するに値するかどうかを判断するため、より詳細な捜査を行うことになります。

捜査の結果、起訴に値すると判断された場合には、検察官が起訴をすることで裁判を行うことになります。

以上のように、警察と検察官ではその役割が異なっており、対応できる職務にも差がありますが、基本的に両者は協力関係にあり、事件の真相を明らかにする責務を負っていると言えるでしょう。

 

4.検察官の仕事内容

それでは検察官の具体的な仕事内容を見てみましょう。

検察官の主な仕事内容は大きく分けると検察庁での業務と法務省での業務に分けられます。

 

4-1.検察庁における業務

4-1-1刑事事件の捜査

警察から送致された事件について引き続き子細な捜査を行い、被疑者を起訴するか否かを判断します。

検察官は社会で起きたあらゆる犯罪について、被疑者を起訴するかどうかを決めることが出来る唯一の機関です。

刑事事件の捜査は裁判の前提となるものであり、その業務はまさに検察官の本文と言えます。

被害者の権利を守り、加害者に適正な刑罰を与え、もって社会の秩序を守るために重要な職務であると言えるでしょう。

 

4-1-2.公判

起訴した事件の公判に立ち会い、証拠の提出や証人尋問などさまざまな訴訟行為を行い、被告人の有罪を主張・立証することで犯罪の証明を行います。

裁判所の判決に対する不服申立ても含め、様々な訴訟上の対応をすることで被告人に適正な処罰を求めることも、検察官の重要な役割の一つでしょう。

 

4-1-3.刑罰権の適正な行使に関する指揮・監督

裁判が確定した後、判決で下された刑罰が適切に執行されるよう、刑事施設やその他執行機関を指揮します。

厳格な処罰を実行する事で社会の安全を守ることはもちろんの事、あわせて被告人に罪を償わせる事で社会復帰を支援する事も、検察官の重要な役割の一つなのです。

 

4-2.法務省における業務

4-2-1.刑法や刑事訴訟法、その他関連法令の検討、見直し

適正な刑事司法を実現するためには、法令が適正がどうかを日々検討し、必要であれば時代の流れにあわせて法律を変えていく事が必要です。

健全な社会秩序を維持するためには、まず基本的なルールや仕組みを作り上げる事が重要になってくるのです。

 

4-2-2.刑務所出所者の社会復帰の援助

受刑者の社会復帰を援助するための制度や、登記や公証などの具体的な権利の実現を助ける制度の構築にも関わっています。

また、受刑者が外国人の場合、出入国が適切に行われるような制度を構築し、人権が尊重されるように務めるとともに、社会の安全を守るために必要な調査等も行っています。

 

4-2-3.仮釈放に関する事務

矯正施設に収容されている人の仮釈放・その他仮釈放・保護観察付き執行猶予・保護観察・恩赦などの事務作業も行います。

犯罪予防に関する活動や、犯罪被害者等の施策に関する事務も検察官の重要な義務になるのです。

 

4-3.広がる検事のフィールド

◉厚生労働省
◉公正取引委員会
◉証券取引等監視委員会
◉在外公館
◉途上国での法整備の支援

検事が活躍する幅は年々広がっています。

検察庁、法務省にとどまらず、多くの検事が,法律の専門家として他の省庁に出向し,日々の業務で培った経験、能力を活かしてさまざまなフィールドで活躍しています。

さらに、検事の活躍の場は国内だけにとどまらず,リーガルアタッシェ(法律家である外交官)として、スイス、米国,ドイツ,英国,フランス,中国,韓国等の各大使館、EU代表部やASEAN代表部などにも配属されています。

また、国際機関に出向したり途上国に赴任して法整備支援に当たる検事もいるほか、留学や在外研究のため,海外に派遣されている検事もいます。

現在、日本政府は司法外交を推進しており、検事の活躍のフィールドは、さらに広がっていくことが予想されます。

 

5.検察官になるためのルート

検察官はその職務の性質上、刑事事件に携わることが多いため、刑法や刑事訴訟法など各種法律に精通していなければなりません。

そのため、検察官になるためには難関試験である司法試験に合格する必要があります。

いくつかのルートがありますので、詳細をご紹介していきます。

 

5-1.予備試験→司法試験→司法修習で検察官採用ルート

検察官になるためには、司法試験に合格する必要があります。

現行の司法試験は誰でも受験できるわけではなく、司法試験予備試験に合格するか、法科大学院を修了して(2023年より在学中の受験も可能)、受験資格を得る必要があります。

予備試験ルートであれば、毎年1回行われる司法試験予備試験に合格することで、司法試験の受験資格を得ることになります。

予備試験の合格率は例年4%前後と、他の資格試験と比較してもかなり低いため、予備試験ルートで検察官を目指す場合に、最初の関門となるのは予備試験に合格することであると言えるでしょう。

 

5-2.法科大学院→司法試験司法修習で検察官採用ルート

法科大学院ルートでは、各大学院が設定する独自のカリキュラムを修了することにより、司法試験の受験資格を得ることになります。

従来、未修者コースであれば3年間、既修者コースであれば2年間のカリキュラムをこなすことが必要でしたが、「法曹コース」では、大学の法学部と法科大学院を最短5年で修了することができ、さらに2023年からは一定の要件を満たすことにより法科大学院在学中に司法試験を受験することができるようになるなど、従来の法科大学院ルートよりも早く法曹資格を得ることができるようになりました。

予備試験ルート、法科大学院ルートで司法試験に合格すると、司法修習という法曹になるための研修を受けることになります。

期間は1年間で、司法試験だけでは不足している実務に関する必要な知識を学ぶことになります。

修習の最後に通称「二回試験」と呼ばれる卒業試験に合格することで、晴れて法曹となる資格が与えられることとなります(司法試験に引き続いて2回目に行われる試験という意味で二回試験と呼ばれています)。

この司法修習は検察官のリクルートも兼ねているというのは周知の事実で、検察官になるためには、二回試験を含めた各試験の成績だけでなく、人柄や検察官を目指す動機、仕事に対する熱意といった人格の面まで優れていなければなりません。

【近年の検事の採用実績】

任官年度任官者数うち男性
うち女性
平成23年度71人47
24
平成24年度72人50
22
平成25年度82人51
31
平成26年度74人45
29
平成27年度76人51
25
平成28年度70人44
26
平成29年度67人43
24
平成30年度69人48
21
令和元年度65人37
28
令和2年度66人42
24
令和4年度
(4月期)
72人44
28

 

5-3.弁護士からの転身ルート

検察官になるには司法修習を修了する際に検察官に採用されるのが原則ではありますが、弁護士になった後に「弁護士任官」という方法で検察官へキャリアを変更する方法もあります。弁護士として培った幅広い知識や豊富な社会経験を活かすために認められている制度になります。

「弁護士からの検事採用選考要領」によると、法務省の選考を受けるためには、「弁護士経験が概ね3年ないし15年程度の者であって、検事として少なくとも3年程度は勤務し得る者」が選考の基準となっています。

 

5-4.裁判官からの転身ルート

数は少ないですが、判事や判事補が検察官としての採用試験を受けて検察官になることも出来ます。

 

5-5.その他のルート

また、司法試験に合格しなくても、「特定の大学で3年以上法律学の教授または助教であった場合」や「検察事務官・法務事務官などの公務員が特定の試験に合格すること」で、検察官の採用試験を受けることも可能です。

 

6.検察官の年齢制限・学歴制限について

検察官の定年は63歳(検事総長であれば65歳)と法律で定められています。

一方、検察官になることについては、法律で年齢の制限は定められていません。

経験豊富で見識の深い優秀な人物を、できる限り年齢に制限されずに広く求めることが、司法にとっては望ましいと言えるからです。

法務省によると、過去5年間の平均年齢と任検最高齢は以下のようになっています。

年度平均年齢最高齢
平成28年度27.3歳41歳
平成29年度26.8歳36歳
平成30年度27.2歳38歳
令和元年度27.2歳38歳
令和2年度26.7歳37歳
令和4年度26.4歳30歳

参照:検事に採用されるまで

この表を見ても分かる通り、採用者の平均年齢は27歳前後となっていることがお分かりになるかと思います。

これは、司法試験合格者の平均年齢が28歳前後であることから、司法修習後、すぐに検察官に採用された人数が多いことを表していると言えるでしょう。

 

7.検察官の年収について

 

7-1.報酬月額

検察官の棒給(月給)は、民間企業で働く会社員と違い、「検察官の俸給等に関する法律」という法律で、階級ごとに細かく定められています。

区分俸給月額(円)
検事総長1,466,000
次長検事1,199,000
東京高等検察庁検事長1,302,000
その他の検事長1,199,000
検事1号1,175,000
検事2号1,035,000
検事3号965,000
検事4号818,000
検事5号706,000
検事6号634,000
検事7号574,000
検事8号516,000
検事9号421,500
検事10号387,800
検事11号364,900
検事12号341,600
検事13号319,800
検事14号304,700
検事15号287,500
検事16号277,600
検事17号256,300
検事18号247,400
検事19号240,800
検事20号234,900
副検事1号574,000
副検事2号516,000
副検事3号438,900
副検事4号421,500
副検事5号387,800
副検事6号364,900
副検事7号341,600
副検事8号319,800
副検事9号304,700
副検事10号287,500
副検事11号277,600
副検事12号256,300
副検事13号247,400
副検事14号240,800
副検事15号234,900
副検事16号223,600
副検事17号215,800


副検事を除き、検察官のキャリアは検事20号という階級からスタートするため、検察官の初任給は234,900円ということになります。

厚生労働省が発表している「令和3年度 賃金構造基本統計調査」によれば、大卒初任給の平均は224,500円程度となるため、それと比較すると高い方であると言えるでしょう。

その後、検察官としてのキャリアを積み、内部試験を経るごとに等級が上がり、月額報酬もそれに比例して昇給していく事になります。

平均すると、年に1~2回は昇給する事になるため、検察官の昇給ペースは、一般の会社員と比較するとかなり早いほうで、検事14号の時点で月額報酬は30万円を超える事となります。検事2号ともなると、月収だけで100万円を超えることになるため、収入面では非常に魅力的な職業であると言えるでしょう。

検事のトップである検事総長ともなると、月収146万円と非常に高額な収入を得ることができるため、検事を目指す方にとっては非常に魅力的なところとなるでしょう。

 

7-2.期末手当(ボーナス等)・勤勉手当等

検察官の期末手当については、他の国家公務員と同様「国家公務員の給与(令和4年度版)」により定まっており、決められた額のボーナスが支給されることになっています。

【令和4年度の期末手当、勤勉手当】
・検事1号~8号   3.25か月分
・検事9号~20号    4.30か月分

これで計算すると、検事20号であれば俸給が234,900円となるため、約101万円のボーナスが貰えることになります。

新任検事でも高額なボーナスを得ることができるため、その点でも非常に魅力的であると言えるでしょう。

なお、検事1号ともなると約381万円、検事総長であれば約470万ものボーナスを得る事ができます。

 

7-3.勤務超過手当(残業代)・休日手当・夜勤手当等

刑事事件では、刑事訴訟法で起訴や拘留につき厳格に時間制限が定められているため、それに伴い検察官も昼夜問わず働く必要があります。

そのため、勤務時間を正確に把握することはそもそも難しく、夜勤手当や休日手当に関しても、職務の性質上なじまないものになります。

そのため、これらの手当に関しては、俸給に含まれているものと考えられています。
参照:「検察官の俸給等に関する法律

 

7-4.その他手当

検察官には他にもさまざまな手当があります。

住居手当通勤手当扶養手当から始まり、弁護士や裁判官など他の同期との収入差が大きくならないように、初任給調整手当というものもあります。

また、物価の高い地域に赴任した場合には地域手当が支給されたり、自宅から離れた地域に異動があった場合には広域異動手当が支給されることもあります。

検察官はその身分保障の一環として、収入面に関して手厚い保護を受けていると言えるでしょう。

 

7-5.推定年収

検察官の年収は、その階級により変わります。

令和2年 裁判官、検察官の給与月額表】によると、以下のような金額が公表されています。

区分俸給月額地域手当扶養手当初任給調整手当期末手当2回分勤勉手当2回分年収合計
検事総長1,466,000293,200  8,299,758 29,410,158
東京高等検察庁検事長1,302,000260,400  7,371,272 26,120,072
次長検事検事長1,199,000239,800  6,788,138 24,053,738
検事1号1,175,000235,000  2,680,7623,971,50023,572,262
検事2号1,035,000207,000  2,361,3523,498,30020,763,652
検事3号965,000193,000  2,201,6463,261,70019,359,346
検事4号818,000163,600  1,866,2662,764,84016,410,306
検事5号706,000141,200  1,610,7382,386,28014,163,418
検事6号634,000126,800  1,446,4702,142,92012,718,900
検事7号574,000114,800  1,309,5801,940,12011,515,300
検事8号516,000103,200  1,177,2541,744,08010,351,734
検事9号421,50086,30010,000 1,557,3201,638,3709,409,290
検事10号387,80079,56010,000 1,434,870147,3788,670,568
検事11号364,90075,68013,500 1,282,2401,334,4388,065,638
検事12号341,60071,02013,500 1,202,5881,249,2307,565,258
検事13号319,80067,2601650019,0001,175,866838,5147,085,100
検事14号304,70064,24016,50030,9001,122,728798,9226,917,730
検事15号287,50060,80016,50045,1001,062,202753,8246,734,826
検事16号277,60058,82016,50051,1001,027,364727,8666,603,470
検事17号256,30054,56016,50070,000913,194642,8006,324,314
検事18号247,40052,78016,50075,100883,238620,4786,205,076
検事19号240,80051,46016,50083,900824,180576,4746,112,574
検事20号234,90050,28016,50087,800805,222562,3506,041,332

※全て円表記

以上の通り、検事20号でも年収は600万を超えることになります。

検察官の年収はその等級によって細かく金額が定められていますが、民間の企業で働く場合と比べると高額な部類に入ると言えるでしょう。

同じ法曹である裁判官は、検察官と同じように法律で俸給が定められているため、その年収は検察官とほぼ同等であると言えます。

弁護士であれば、令和3年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)によると、初任給は20代前半で213,800円、20代後半で540,200円、30代前半511,300円となります。

ただし、弁護士の場合は俸給があらかじめ決まっている検察官や裁判官と違い、その腕次第で大幅に年収が変わるため、単純に年収を比較する事ができません。

ただ、俸給があらかじめ定められている分安定性はありますし、初年度で600万以上の収入を得る事ができるのは非常に魅力的だと言えるでしょう。

 

8.検察官に向いている人とは

今までご紹介してきたように、検察官は勤務時間が不規則になりがちで、肉体的にも非常にハードな職業です。難関試験である司法試験に合格した後も、膨大な仕事量の中、効率良く、根気強く、粘り強く業務をこなす必要があります。

責任の重い仕事でもあるので、精神的な強さも要求されるでしょう。

 

8-1.正義感や責任感が強い

検察官は公益の代表者として、犯罪を犯した人を裁判にかけ、適正な刑罰の適用を求める職業であるため、社会の不正を許さない強い正義感を持つ必要があります。

一人の人の人生を変えてしまう可能性もあることから、自らの下した判断に重い責任がのしかかることにもなります。

犯罪に怯えることのない安全な社会を希求し続ける強い気持ちを持つことが、検察官としての重要な資質になるでしょう。

 

8-2.組織としての行動を常に意識する

弁護士とは違い、検察官は公務員であり、刑事事件の捜査を進めていく際には、原則組織的な行動をすることが求められます。

勝手な単独行動は刑事事件の手続きを骨抜きにし、被害者の権利を脅かすことにも繋がってしまうでしょう。

組織の一員としての自覚を持ち、その場で臨機応変、迅速に行動する事ができる順応性を持つことが重要なのです。

 

8-3.探究心と情熱

検察官が人を裁く際に基準にしなければならないものは法律であり、そこに私情を挟むことがあってはなりません。真実の探究のためには、法律や裁判例、捜査の方法など、ひたむきに学び続けることが重要です。

真実を探究し、周囲に流されることなく、しっかりとした法律の根拠を持って適切な処分を決断する使命を持っている検察官だからこそ、そのために最低限必要な知識を吸収し続けることが重要といえるでしょう。

 

9.検察官のやりがいとは?

検察官は刑事事件に携わる仕事です。事件の真相を解明し、加害者に適正な処罰を加えることで、被害者や遺族の気持ちを少しでも和らげようとの正義感を持つことが多いため、被害者の意志を法廷で代弁し、その苦しみや悲しみを取り除くことは大きなやりがいとなるでしょう。

もちろん、検察官は弁護士や裁判官と並ぶ法曹三者のうちのひとつで、法律を用いて適正な処罰を求めることについてやりがいを感じることもできるでしょう。

法律の趣旨や解釈、判例など、日頃から学んでいる知識や経験を最大限活用できる点もその魅力の一つになるのです。

被害者、加害者、その他関係者の人生を決めてしまう判断を下すことを日々求められることから、事件が無事に解決された時の達成感は、非常に大きいものになるでしょう。

 

10.まとめ

◉検察官になる方法は、司法試験に合格し、司法修習を経て二回試験に合格すること
◉検察官の年収は安定していて高額
◉検察官の仕事はやりがいと魅力に満ち溢れている

検察官は、社会で起きている様々な犯罪を解決に導く刑事司法にとって重要な存在で、公益の代表者として、犯罪を犯した人を裁判にかけ、適正な刑罰の適用を求める職業であるため、社会の不正を許さない強い正義感を持つ必要があります。
そこには大きな責任が伴いますが、だからこそ、検察官の仕事は非常にやりがいがあるのです。

犯罪被害者を事件の解決を通して救うことができる検察官は、自身の正義感を存分に発揮することができるため、そこに検察官を目指すべき価値があると言えるでしょう。

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