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司法試験に年齢制限はある?最年少合格者と最高齢合格者も詳しくご紹介!

2025年03月04日

 
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2000年頃から、法曹界は幅広い人材を受け入れ、その法曹人口を確保する事でより良い司法的サービスを国民に提供するために、司法制度改革を盛んに行ってきました。

2004年の法科大学院(ロースクール)の創設もその一つで、実際に司法試験の合格者数も増大しています。

また、法科大学院を終了せずとも司法試験を受ける資格を得る事ができる予備試験制度が2011年に開始され、経済的に法科大学院に行くことが出来ない方へのケアも行われることとなりました。

このように、幅広い世代に門戸を開いている司法試験制度ですが、試験を受ける際に年齢制限はあるのでしょうか。

「まだ大学生だけど司法試験を受けてみたい」
「もうすぐ定年なのに司法試験を受験するなんてできるのかな」
「年齢を考えると、司法試験に合格しても就職活動に不利にならないだろうか」

などの悩みを抱えている方も多いかと思います。

本記事では司法試験の年齢制限について説明するとともに、歴代の最年少合格者や最高齢合格者も一緒にご紹介していきます。

【目次】
1.司法試験に年齢制限はある?
2.司法試験合格者の平均年齢は?
3.最年少合格者  
4.最高齢合格者 
5.司法試験合格に年齢は関係あるの?
 5-1.若いうちに合格する事にデメリットはない
 5-2.高齢だからといって、頭が劣化する事はない
 5-3.高齢で合格したとしても就職先はいくらでもある
  5-3-1.豊富な社会経験による適切な対応力
  5-3-2.依頼者に信頼される貫禄ある見た目
  5-3-3.観察力や洞察力に長け、向上心が強い
6.まとめ

 

1.司法試験に年齢制限はある?

結論から先に述べると、司法試験に年齢制限はありません。

その点では、高校生でも大学生でも定年退職後の方でも司法試験を受験することは可能です。

しかし、そもそも司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院を修了するか、司法試験予備試験に合格する必要があります。

そのため、誰でも資格なく受けられる試験ではありませんので注意が必要になります。

なお、予備試験に関しては、年齢制限も受験資格による制限もありませんので、誰でも受験可能な試験になっています。

 

2.司法試験合格者の平均年齢は?

それでは、実際に各年代層ごとにどれくらいの合格者がいるのでしょうか。

法務省が発表している司法試験の結果から、直近10年分の合格者の平均年齢を見てみましょう。

 【直近10年の司法試験の合格者の平均年齢】

年度合格者の平均年齢
2013年(平成25年)28.4歳
2014年(平成26年)28.2歳
2015年(平成27年)29.1歳
2016年(平成28年)28.3歳
2017年(平成29年)28.8歳
2108年(平成30年)28.8歳
2019年(令和元年)28.9歳
2020年(令和2年)28.4歳
2021年(令和3年)28.3歳
2022年(令和4年)28.3歳

※参考:司法試験の結果について

上記の表を見ていただければお分かり頂けるかと思いますが、司法試験合格者の平均年齢はおおよそ28~29歳を推移しています。

これは、受験生の大半が、法科大学院を卒業して受験資格を取得した25~6歳の大学院卒業生であり、かつ司法試験に合格する人の約87%が1~2回の受験で合格しているというデータに基づく数字になっている事が伺われます。

同じ法律系の資格である司法書士試験では平均合格者の年齢は37〜38歳であり、一見司法試験は若い人が有利なように見えます。

しかし、司法試験の平均合格年齢が低いのは、司法試験の難易度の高さに備えて、大学在学中などから法律の勉強を開始する層が一定数いるためです。

つまり、若い人が有利であるというわけではなく、仮に若い内から勉強していなくても社会経験を積んでから合格を目指すことも十分に可能です。

むしろ、社会経験を積んでいることで即戦力として活躍することができ、30代や40代から法曹として十分に活躍できるのです。

 

3.最年少合格者

現行の司法試験制度に移行してからの最年少合格者は18歳です。

令和4年度についても、最年少合格者は18歳と発表されています。

18歳での司法試験合格は、2021年(令和3年)に続いて2人目、また「出願時高校在学中」の合格者は、2018(平成30年)と2021年(令和3年)に続いて3人目となっています。

2021年(令和3年)に満18歳3か月(受験時)で司法試験に合格した最年少合格者の大槻凜(おおつきりん)さんは、伊藤塾の受講生です。

高校1年の2月から伊藤塾で司法試験を学び始め、高校3年生の時に予備試験に合格、大学1年で司法試験に合格しました。

高校の勉強との両立のため、司法試験の勉強時間は1週間で18時間くらいだったそうですが、WEB講義を「早聞き再生」などを使って効率よく活用し、同時に伊藤塾長から学んだ勉強法を徹底して続けてきたのが合格の勝因だったといいます。

※詳しくは、こちらもご覧ください。

伊藤塾長と大槻凛さんとの対談動画

 

さらに、2023年(令和5年)の最年少合格者は19歳の大学生となりましたが、実はこちらも伊藤塾の受講生です。

 

4.最高齢合格者 

毎年、最高齢合格者は60代後半で推移していますが、法務省の発表によると現行の司法試験制度に移行してからの最高齢合格者は71歳とされています。

60代もしくは70代での合格者がいる事からわかるように、仕事をしながら勉強を続けたり、退職後の第二の人生として法曹を選択される方も少なくありません。

合格者の幅が18歳~71歳と、幅広い年齢層の方が法曹になるためにチャレンジできる環境が整っているのが司法試験の特徴でもあるです。

 

5.司法試験合格に年齢は関係あるの?

最難関の国家試験である司法試験に晴れて合格し、法曹として社会に出た後、八面六臂の活躍をするのは言うまでもありません。

そして、高校在学中に予備試験に合格し、大学1年生で司法試験に合格するような方もいれば、継続的に勉強をして70代で合格する方もいるのが現行の司法試験です。

これだけ幅広い年齢の方が合格していることを考えると、勉強を始める事に遅すぎるなんてことはないということです。

 

5-1.若いうちに合格する事にデメリットはない

若くして合格を勝ち取ることが出来れば、その後にやれることの選択肢は大幅に広がります。

18歳で合格した大槻さんはインタビューの中で、今後やりたいこととして、「公認会計士の取得や弁護士事務所へのインターン、留学、アルバイトなどがあります。時間はあるので、ゆっくりと決めたいと思っています。

だだ、アルバイトをしたことがないので、普通のアルバイトをした方がいいと思っています。このままでは社会のことを知らないまま法律家になってしまうため、法律とは全く違うバイトを社会経験としてやってみたいです。また、ゴルフが気になっています。父親がゴルフをやっており、よく誘われるため、一緒にやってみたいと思うからです。」と語っています。
参照:https://www.jukushin.com/archives/47939

大槻さん自身も述べているように、社会経験のないまま法律家になることを批判的に捉える

人もいるでしょう。

ただ、他の方よりも若くして合格した分、他の方よりも自由な時間がたくさんあります。

この時間を有効活用することで、他の方にはできない有意義な経験をすることが可能になるでしょう。

もちろん、大学生のうちに司法試験に合格することは至難の技かもしれません。

ただ、そこまで早く合格しなかったとしても、できる限り早めに合格することにデメリットはありません。

とにかく早めに勉強を始め、出来る限り短期合格を目指しましょう。

 

5-2.高齢だからといって、頭が劣化する事はない

年をとると記憶力が衰えるので、勉強するには不利になるという先入観を持たれている方もいるかと思います。

しかし、最新の研究によると、脳の機能の低下についてはあくまでも個人差があるというだけで、脳の基本的な部分については老化による機能の低下は見られず、年齢がいっても脳は若返ることもあるというデータが出ているようです。

記憶力の低下が激しいように感じる方は、若い時に比べ物を記憶するという作業をしなくなっていることが原因だと考えられています。

学生時代と比べ、勉強することから遠ざかっている方も多いかと思いますが、勉強を始めるのに遅すぎるということはありませんので、間違った先入観で自身の可能性を潰すことがないようにしましょう。

 

5-3.高齢で合格したとしても就職先には困らない

一般企業であれば、ある程度の年齢をすぎてしまうとそれだけで働き先を見つけるのは困難になるかもしれません。しかし、弁護士はその特性上、就職先に困るということはあまりないと言えるでしょう。

 

5-3-1.豊富な社会経験による適切な対応力

社会人経験が長い方であれば、基本的なマナーや組織論など、社会人としての最低限のところは理解出来ている方が多いですし、特に前職の専門分野に関しては、そこで得たスキルは貴重な財産になります。

知識や人脈、管理職経験など、学生の合格者が持っていない強みを活かして就職活動を進めることができるでしょう。

 

5-3-2.依頼者に信頼される貫禄ある見た目

嘘のように思われるかもしれませんが、仮に弁護士としての経歴・実績・経験年数が上回っていたとしても、20代の若手弁護士よりも弁護士登録したばかりの40〜50代の弁護士の方が信頼される事が多いのが弁護士という職業の特性です。

年齢が高いことはそれ自体で弁護士として仕事を獲得する上で有利で、すぐに相談者から信頼を得ることができることから、相談者対応の即戦力として周囲から期待されることになります。

年齢が高くて弁護士の就職活動に不安を感じている方は、年齢が高いこと自体に価値があることを自分の強みとして自覚された方が良いでしょう。

 

5-3-3.観察力や洞察力に長け、向上心が強い

長い間勉強を続けてきた方やある程度年齢がいってから試験に合格した方は、基本的に継続する力に長けていて、何より向上心が非常に強い傾向にあります。

社会人としてのキャリアを捨ててまで弁護士を目指している方であれば、熱意を持っているのが当然の事でしょう。人生経験も豊富で、挫折も栄光も味わっている方であれば、依頼者との信頼が重要である弁護士として仕事をするには非常にアピールできるポイントになります。 

 

6.まとめ

◉司法試験に年齢制限はない
◉最年少合格者は18歳、最高齢合格者は71歳

ここまでご紹介してきたように、司法試験に年齢制限はありませんので、幅広い世代や様々な背景の人々が法曹界、特に弁護士業界に関わることによって、多様なクライアントの気持ちを理解し、社会的弱者をすくい取る弁護士が増えていくものと期待されます。

「まだ、高校生だから勉強するのは早いかも」「もう歳だから勉強はじめても就職できないし」という固定観念は捨てて、むしろ年齢をアドバンテージにして果敢に司法試験にチャレンジしてみませんか。

伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、司法試験合格はもちろんのこと、合格後の活躍まで見据えたお一人おひとりへの丁寧なサポートで、受講生の皆様を全力で支えています。

無料の体験受講や説明会も実施していますので、司法試験の受験に興味をお持ちの方は、ぜひ一度伊藤塾までお問い合わせください。

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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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