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司法試験と予備試験の違いとは?関係性や試験科目・難易度・合格方法などを解説

2025年03月04日

 
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予備試験は、司法試験の受験資格を得るための試験です。ところが、予備試験の合格率は、毎年4%前後で司法試験の合格率よりも低い数値となっています。そのため、予備試験と司法試験はどちらが難しいのかと疑問を持つ方も少なくありません。

予備試験ルートか法科大学院ルートかを選択するうえでも、予備試験と司法試験の関係性を詳しく知りたい方もいらっしゃるでしょう。

今回は、合格率や試験科目などから予備試験と司法試験の違いを紹介したうえで、予備試験や司法試験に合格するための方法を解説します。予備試験に挑戦する方はもちろんのこと、ルート選択に悩んでいる方もぜひ参考にしてみてください。

【目次】
1.予備試験と司法試験の関係
 1-1.予備試験は司法試験の受験資格を得るための試験
 1-2.予備試験の学習は司法試験に直結する
2.予備試験と司法試験の違い
 2-1.受験資格
 2-2.合格率
 2-3.試験科目
  2-3-1.予備試験の試験科目
  2-3-2.司法試験の試験科目
 2-4.難易度
3.予備試験と司法試験に合格するには?
 3-1.まずは予備試験の合格を目指す
 3-2.それぞれの試験の過去問を活用する
 3-3.受験指導校を利用する
4.まとめ

 

1.予備試験と司法試験の関係

ここでは、予備試験と司法試験の違いを説明する前提として、予備試験の位置づけや学習内容から予備試験と司法試験の関係性を解説します。

 

1-1.予備試験は司法試験の受験資格を得るための試験

司法試験の受験資格を得るには、予備試験ルートと法科大学院ルートの2通りがあります。

法科大学院ルートを選択すると、受験資格を得るために在学中受験で1年間、修了後受験では2年間かかりますが、予備試験ルートでは、試験に合格すればすぐに受験資格を得ることができます。

予備試験は、あくまで司法試験の受験資格を得るための試験ですが、予備試験自体には受験資格がなく誰でも受験ができることから、受験生のすそ野が広くなり、そのため合格率は低くなっています。

 

1-2.予備試験の学習は司法試験に直結する

令和4年度の司法試験の合格率は、45.5%でした。その中で予備試験合格者の合格率は、97.5%となっており、予備試験合格者のほとんどが司法試験に合格しています。つまり、予備試験合格レベルの学力を身に付ければ、司法試験にも高い確率で合格できるのです。

予備試験と司法試験は、試験科目もほとんどが共通しています。予備試験の合格を目指しての学習は、その先の司法試験合格にも直結します。

結果的に法科大学院ルートで司法試験を受験する受験生にとっても、予備試験対策の学習が無駄になることはありません。

法科大学院在学中受験が可能となり司法試験受験までの期間が短縮された現在ではなおさら、法科大学院ルートといえども、予備試験の学習の司法試験に対する重要性は増してきています。

 

2.予備試験と司法試験の違い

ここでは、次の4つの点について予備試験と司法試験の違いを解説します。

 ◉受験資格
 ◉合格率
 ◉試験科目
 ◉難易度

 

2-1.受験資格

先に述べたように、予備試験は司法試験の受験資格を取得するための試験です。司法試験の受験資格を得るには、予備試験に合格するか、法科大学院を修了しなくてはなりません(2023年より法科大学院在学中受験が可能)。

法科大学院を修了するには、既修者コースで2年間、未修者コースでは3年間の通学が必要となります。

予備試験には、受験資格がなく誰でも受験できます。過去の最年少合格者は17歳(合格時年齢)です。

予備試験ルートを選択すると、大学の卒業を待たずに司法試験に合格することも可能です。

司法試験は、受験資格を取得すること自体が大変な試験となっています。一方、予備試験は、誰でも受験できる試験となっており、法科大学院に通うのが難しい人や最短での合格を目指す人に適した試験と言えます。

 

2-2.合格率

予備試験と司法試験、それぞれ直近3年分の最終合格率は次のとおりです。

 予備試験司法試験
令和4年3.63%45.50%
令和3年3.99%41.50%
令和2年4.17%39.20%

参照:法務省「司法試験予備試験の結果について」
      「司法試験の結果について」

予備試験の受験者数は、毎年1万人を超える人数となっています。司法試験の受験者数は、ここ3年間は3千人台で推移しています。

合格率だけを比較すると司法試験の方がはるかに高い数値となっていますが、司法試験は受験資格を得ること自体が大変であるため、単純な数値だけで比較することはできません。

 

2-3.試験科目

予備試験と司法試験の試験科目の違いについて解説します。

 

2-3-1.予備試験の試験科目

予備試験は、短答式試験、論文式試験、口述試験の3つに分かれています。それぞれの試験科目は、次のとおりです。

【短答式試験】
 ◉憲法
 ◉行政法
 ◉民法
 ◉商法
 ◉民事訴訟法
 ◉刑法
 ◉刑事訴訟法
 ◉一般教養科目

【論文式試験】
 ◉憲法
 ◉行政法
 ◉民法
 ◉商法
 ◉民事訴訟法
 ◉刑法
 ◉刑事訴訟法
 ◉民事実務基礎
 ◉刑事実務基礎
 ◉選択科目

【口述試験】
 ◉民事実務基礎
 ◉刑事実務基礎

※こちらも合わせてお読みください。
予備試験ってどんな問題が出題されるの?予備試験の試験科目と各科目の特性について徹底解説

 

2-3-2.司法試験の試験科目

司法試験は、短答式試験、論文式試験の2つに分かれており口述試験はありません。それぞれの試験科目は、次のとおりです。

【短答式試験】
 ◉憲法
 ◉民法
 ◉刑法

【論文式試験】
 ◉公法系科目(憲法・行政法)
 ◉民事系科目(民法・商法・民事訴訟法)
 ◉刑事系科目(刑法・刑事訴訟法)
 ◉選択科目

予備試験と司法試験とでは、出題形式の違いはあるものの試験範囲はほとんどが共通しています。予備試験の短答式試験や口述試験で出題される民事実務基礎や刑事実務基礎の知識も、司法試験の論文式試験で必要とされるものです。

そのため、試験範囲のうち予備試験に特有なのは一般教養科目だけです。それ以外の科目については、予備試験での学習が司法試験の学習に直結します。

※こちらも合わせてお読みください。
司法試験・予備試験の試験科目は?過去にどんな問題が出たのかなど徹底解説

 

2-4.難易度

予備試験と司法試験は、合格率だけを見ると予備試験の方が難易度が高いと言えそうです。

しかし、予備試験は、誰もが受験できる試験であるため実力が足りない受験生も多くいます。一方、司法試験の場合、受験資格を得ること自体が大変であるため、全ての受験生が一定の段階をクリアした法的知識を備えています。少なくとも数年単位での学習を積み重ねた受験生でも40%台の合格率であることからすると、司法試験も難易度の高い試験であることは間違いありません。

そのため、合格率だけを見て予備試験と司法試験の難易度を比較することはできません。司法試験も難関試験であることに間違いはなく、いずれの試験も求められる能力に大きな差はないと言えるでしょう。

※こちらも合わせてお読みください。
司法試験の難易度とは?他資格との比較や合格のための対策を徹底解説
予備試験はどのくらい難しい?予備試験の難易度が高い理由と対策方法

 

3.予備試験と司法試験に合格するには?

第1章の中で、予備試験は司法試験の受験資格を得るための試験であることをご説明しました。

しかし、実は、予備試験は単に司法試験の受験資格を得るため"だけ"の試験ではありません。

法科大学院ルートにおいて、令和5年の在学中受験者は1,114人にものぼりました。

法科大学院在学中受験という短期間での司法試験合格を果たすためには、入学前に予備試験の学習を進めておくことがとても重要なポイントとなってきます。

したがって、法科大学院ルートにおいても、今後は予備試験対策が必須となると言ってもよいでしょう。

ここでは、予備試験ルートで司法試験合格を目指すためのポイントを解説していきます。

 

3-1.まずは予備試験の合格を目指す

予備試験と司法試験とでは、試験科目の多くが共通しています。そのため、予備試験の受験段階から司法試験を意識しての学習は特に必要ありません。

まずは、予備試験と司法試験に共通する法律基本科目の基礎を身に付けることから学習を始めましょう。予備試験と司法試験、短答式試験と論文式試験は試験の形式は違っても、最も重要なのは基礎知識です。基礎知識を盤石にすれば、どちらの試験でも共通して役立つことは間違いありません。

予備試験に合格できる力を身に付ければ、司法試験にも十分に合格できます。予備試験ルートでの合格を目指すには、予備試験の合格に全力を注ぎましょう。

 

3-2.それぞれの試験の過去問を活用する

基礎科目のインプットをひと通り終えたら、アウトプット重視の学習が効果的です。市販の問題集や受験指導校の問題を解くのも重要ですが、何よりも重要なのは過去問を使用した問題演習です。

過去問は、予備試験と司法試験、両方の試験の問題を解くことをおすすめします。どちらの試験も歴史が積み重なってきているため、過去問を解くだけでも試験範囲のほとんどをカバーできます。

基礎知識のインプットと過去問でのアウトプットが重要であることは、ほとんどの合格者の共通認識と言えるでしょう。

※過去問については、こちらも合わせてお読みください。
【令和5年度版】司法試験・予備試験の全過去問集
司法試験や予備試験における過去問の使い方総まとめ!

 

3-3.受験指導校を利用する

予備試験ルートにせよ、法科大学院ルートにせよ、司法試験に合格するまでには、数年単位の長い学習が必要です。先の長い学習を独学で進めるのは非常に難しいため、迷いなく合格に突き進むためには受験指導校の利用をおすすめします。

受験指導校には、実績によって積み上げられたノウハウがあります。受験勉強のどの段階にあっても、レベルに応じた最適な学習プランを選択することが可能です。

実際、司法試験の合格者のほとんどが受験指導校を利用しています。

※受験指導校(予備校)の選び方については、こちらの記事で解説しています。
予備試験におすすめの講座とは?失敗しない予備校の選び方
弁護士を目指すならココ! 司法試験合格におすすめの予備校とは

 

4.まとめ

予備試験は、司法試験の受験資格を得るための試験であり、司法試験とは試験の位置づけが全く異なります。しかし、試験科目のほとんどが共通しており、試験合格のために求められるレベルにも大きな差はありません。

また、予備試験は受験資格を得るためだけの試験ではなく、司法試験対策として有効な手段だということをしっかり理解しておく必要があります。

予備試験ルートで司法試験の合格を目指す場合には、予備試験の合格に全力を注ぐようにしてください。予備試験に合格するだけの力が身に付けば、司法試験に合格するための力も自然と身に付きます。

伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、司法試験合格はもちろんのこと、合格後の活躍まで見据えたお一人おひとりへの丁寧なサポートで、受講生の皆様を全力で支えています。

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※1(講座内訳:入門講座698名、講座・答練337名、模試401名)
※2(講座内訳:入門講座231名、講座・答練126名、模試48名)

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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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