司法試験の勉強はいつから始めるべきか?1日のスケジュールや効率の上げ方を解説

司法試験は、合格までに最短でも2年はかかる試験です。そのため、合格までの道筋がイメージできず、いつから勉強を始めるべきか、1日のスケジュールはどうすべきかと悩む受験生の方も多くいらっしゃるでしょう。
司法試験に合格するためには、合格までのスケジュールを立てて日々の勉強に取り組むことが重要です。
今回は、司法試験の勉強はいつから始めるべきか、合格のための1日のスケジュール、勉強の効率を上げる方法について解説します。どのように勉強を進めたら良いのかとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
1.司法試験の勉強はいつから始める?
1-1.予備試験
1-2.法科大学院の既修者コース
1-3.法科大学院の未修者コース
2.司法試験合格までに必要な勉強時間の目安
3.司法試験合格のための1日のスケジュール
3-1.学生のスケジュール
3-2.社会人のスケジュール
4.勉強の効率を上げるには
4-1.合格までのスケジュールを立てる
4-2.受験指導校を利用する
4-3.勉強の成果を確認する
5.まとめ
1.司法試験の勉強はいつから始める?
司法試験の勉強をいつから始めるべきかは、どのルートで司法試験合格を目指すのかによって異なります。
ここでは、次の3つのルートについて、いつから司法試験の勉強を始めるべきかを解説します。
◉予備試験ルート
◉法科大学院の既修者コース
◉法科大学院の未修者コース
もちろん、どのルートを選択するにしても、できる限り早く勉強を始めるのが理想です。勉強を始めるのに障害がないのであれば、すぐにでも勉強を始めるようにしましょう。
1-1.予備試験
予備試験に合格するには、最低でも2000時間以上の勉強時間が必要と言われています。そのため、受験勉強に専念できる人であっても、最低1年間の準備期間が必要です。勉強時間を確保するのが難しい社会人の場合、週15~20時間のペースで2〜3年間は勉強を続けなくてはなりません。
もちろん、2000時間以上勉強すれば必ず予備試験に合格できるという保証はありません。それぞれの環境に合わせて、合格に向けた勉強を継続していく必要があります。
予備試験には受験資格がありません。そのため、毎年の予備試験を短期目標として学習計画を組み立てることができます。2年計画での合格を目指す社会人の方でも、予備試験の本番を経験しておくと勉強を続けるうえでの指針となります。
※予備試験のスケジューリングについては、こちらも併せてご覧ください。
→【決定版】予備試験に最短で合格するには?1年で合格するためのスケジュールの立て方
1-2.法科大学院の既修者コース
現役大学生で既修者コースを目指す学生は、大学2年生になるころには勉強を開始している人が多いです。社会人や専業受験生で既修者コースを目指す場合についても、少なくとも1年間は準備期間が必要でしょう。
既修者コースの合格は、司法試験合格のための1つの過程です。最終的な目標である司法試験に合格するには、既修者コースの入学試験の段階では全科目でなかったとしても、入学時点で基本7科目の勉強は概ね終えている必要があります。
法科大学院の入学試験に合格することを目標にするのではなく、あくまで最終目標である司法試験合格を目指して勉強を継続することが重要です。
1-3.法科大学院の未修者コース
法科大学院の未修者コースでは、入学試験に法律科目の問題はありません。未修者コースの入学自体を目標にするのであれば、入学前に司法試験の勉強は開始しなくても大丈夫です。
しかし、イチから法律科目の勉強を開始して、未修者コースに在籍する3年間で司法試験合格レベルの学力を身に付けるのは未修者コース修了者の司法試験合格率21.4%(令和4年司法試験)が示すように容易なことではありません。
また、基礎学力のないまま法科大学院に進学した場合、司法試験以前に、進級することや修了することすら難しいというのが現状です。実際に、未修者コース1年時の留年率が80%という法科大学院もあるほどです。
※法科大学院の留年率については、こちらも併せてご覧ください。
→法科大学院の留年率は意外と高い?その原因と留年回避の対策を徹底解説
そのため、未修者コースから司法試験の合格を目指す場合も、入学までにひと通り基礎的な学習は済ませておくことが重要です。
2.司法試験合格までに必要な勉強時間の目安
司法試験合格までに必要な勉強時間の目安は2000時間から5000時間と言われています。必要な勉強時間には個人差もありますし、合格の可能性を高めるにはできる限り多くの勉強を積み重ねる必要があります。
勉強を長く休む期間があると、知識の定着は難しくなります。司法試験の勉強を始めるに際しては、勉強を長期間継続することが何より重要であることを肝に銘じてください。
※勉強時間については、こちらも併せてご覧ください。
→司法試験合格に必要な勉強時間は?最短で合格するための勉強法を徹底解説
3.司法試験合格のための1日のスケジュール
司法試験合格のためには、毎日どのようなスケジュールで勉強を進めていけば良いのでしょうか。どの程度の勉強時間を確保できるかは学生と社会人とでは大きな差があるため、それぞれの立場でのスケジュールを紹介していきます。
3-1.大学生のスケジュール
大学生の場合、学生生活と両立しながらであれば、勉強を主とした生活リズムを組み立てる必要があります。1週間に10~15時間程度は勉強時間に充てるべきでしょう。
短期合格を目指し、学習1年での合格を目指すのであれば可処分時間のほとんどを勉強時間に充てるべきでしょう。
もちろん、勉強時間の確保だけを目標にしてはいけません。特に、講義を聴く、テキストを読み進めるなどのインプットに偏った勉強をしていても知識を定着させるのは難しいです。あわせて短答問題を解く、論文答案を書くなどのアウトプットの時間も十分に確保して、バランス良く勉強を継続することが重要です。
もちろん勉強を開始した当初はインプット重視の勉強にはなりますが、徐々にアウトプット重視の勉強に移行させることで知識も定着しますし、法律の考え方を身に付けることができます。必要十分なインプットをしたうえで、最終的にはアウトプットを磨き上げることにより完成します。筆者は、合格直前の段階では勉強時間のほとんどをアウトプットの学習に充てていました。
3-2.社会人のスケジュール
可処分時間の限られる社会人受験生は、比較的時間の自由の利きやすい学生と比較して勉強時間の短さに不安を抱く方も多いでしょう。それでも、社会人受験生の合格者が毎年誕生していることも事実です。
社会人受験生が予備試験、司法試験の合格を目指すには、長期的な視野でスケジュールを立てることが重要です。勉強時間と合格の可能性は必ずしも直結するものではありません。
社会人の場合、平日は3〜4時間ほどの勉強時間を確保するのが限界でしょう。それでも、休日に10時間ほどの勉強時間を確保できれば、3年ほどで5000時間の勉強時間に到達可能です。
勉強に集中する期間や勉強時間のムラが大きいと合格は難しくなってしまいます。社会人受験生は専業受験生よりも強い覚悟で、「どんなに疲れていても完全に休む日は作らない。」「30分でもいいので勉強から離れない」など、勉強時間を確保するためのルールを作って受験勉強に望むことが大切です。
通勤時間など隙間時間の活用も重要です。多くの社会人合格者が実践してきたように、隙間時間は短答問題を解く、論証を覚えるなどの反復の時間に充てることをおすすめします。
※社会人の勉強法については、こちらも併せてご覧ください。
→社会人が働きながら司法試験合格は無謀?就職、勉強法など受験の不安にお答えします!
4.勉強の効率を上げるには
司法試験に合格するには、正しい方向で効率良く勉強を継続する必要があります。やみくもに勉強時間だけを重ねても合格は難しいです。
勉強の効率を上げるポイントは、次の3つです。
◉合格までのスケジュールを立てる
◉受験指導校を利用する
◉勉強の成果を確認する
以下、それぞれのポイントを詳しく解説します。
4-1.合格までのスケジュールを立てる
司法試験は、合格までに数年かかる試験です。そのため、長期的なスケジュールを立てずに1日1日の勉強を重ねても、ゴールが見えずに挫折してしまう可能性が高いです。
勉強の効率を上げるには、合格までのスケジュールを立てて道のりをイメージできる状態にする必要があります。細かいスケジュールを長期間にわたって作成するには難しいですが、次のようなポイントとなる目標についてはスケジュールを立ててから勉強を進めるようにしてください。
◉何年後の司法試験合格を目指すのか
◉予備試験、法科大学院には何年後の合格を目指すのか
◉いつまでに基礎的な学習を終えるのか
◉いつから過去問を解き始めるのか
※スケジュールの立て方については、こちらも併せてご覧ください。
→司法試験に最短で合格するための効率の良いスケジュールの立て方
4-2.受験指導校を利用する
法律の勉強は単純にテキストを暗記するものではなく、独学で勉強を進めるのは難しいです。法学部や法科大学院の授業も、司法試験合格を目的としているものではないため、司法試験合格に直結するものではありません。
勉強の効率を上げるには、受験指導校を利用するのが最適です。受験指導校には、合格者を輩出し続けているノウハウがあります。合格するためのノウハウを活用することが、合格の可能性を上げることに間違いはありません。
筆者の同期の修習生でも、受験指導校を全く利用せずに合格したという話は聞いたことがありません。
基礎コースから受験指導校を利用するかはともかくとして、問題集や模試などは受験指導校を利用して、受験生の中での自分の立ち位置を確認することも重要です。
4-3.勉強の成果を確認する
インプットの勉強だけを続けても、勉強の効率は上がりません。基礎的な学習をある程度終えたあとは、アウトプットの勉強を積極的に取り入れるようにしましょう。
学習した範囲の短答問題や論文問題を解いたり、模試を受けたりしながら勉強の成果を確認し続けることが重要です。アウトプットで勉強の成果を確認したら、理解が足りない分野のインプットをやり直すなど適宜スケジュールを調整しながら勉強を進めると、効率的に知識を定着させることができます。
※司法試験の勉強法については、こちらもご覧ください。
→【必見】司法試験の効率的な勉強法とは?科目別、短答、論文の勉強法を徹底解説!
5.まとめ
司法試験は合格までに数年がかかる厳しい試験です。勉強を始める時期は、早ければ早いに越したことはありません。
司法試験合格を目指すのであれば、合格までのスケジュールを考えてから、すぐに勉強を始めるようにしましょう。思い通りにスケジュールが進まない場合は、勉強しながら修正していけば問題ありません。
迷いなく合格に向かって勉強を進めるには受験指導校の利用をおすすめします。
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著者:伊藤塾 司法試験科
伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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