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【2022年(令和4年)】予備試験短答式試験の合格点は?最高点・最低点・平均点も

2025年03月04日

 
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法科大学院ルート以外で司法試験の受験資格を得るためには予備試験に合格する必要があります。

司法試験予備試験には、短答式試験、論文式試験、口述試験と大きく3つの試験があり、短答式試験に合格しない限りは、論文式試験を受けることが出来ません。

そのため、予備試験受験生はまず短答式試験合格を目指すことになりますが、予備試験の短答式は試験科目が多く、苦手意識を持っている方も少なくないと思います。

それでは短答式試験の合格率は例年どのくらいで推移しているのでしょうか。

この記事では、予備試験の合格率の推移や最高点、最低点などを分析することで、効率良く短答式試験に合格する方法をご紹介していきます。

予備試験短答式試験にこれから挑戦する方や短答式試験に苦手意識を持っている方はぜひ最後までご覧ください。

【目次】
1.予備試験短答式試験の概要
2.過去の予備試験短答試験結果一覧
 2-1.合格率の推移
 2-2.最高点、最低点、平均点の推移
3.司法試験の短答との違いについて
4.予備試験短答式試験に合格するためには
5.まとめ

 

1.予備試験短答式試験の概要

先にも述べたように、予備試験は短答式試験、論文式試験、口述式試験の3つ試験があり、短答式試験に合格した人のみが論文式試験を受けることができ、論文式試験に合格した人のみが口述試験を受けることができる、といった制度となっています。

司法試験と違い、それぞれの試験の合否や得点については各試験で完結しており、短答式試験の得点は、論文式試験以降の合否には影響を及ぼしません。

また、予備試験には受験資格の制限も無く、1つでも最低基準点に満たない科目があれば無条件で不合格とされるような制度も存在しません。

予備試験の短答式試験は、基本法律科目(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法)の7科目と一般教養科目(人文科学、社会科学、自然科学、英語の合計40問から20問を自由に選択して解答する)の合計8科目で構成されています。

試験は7月に行われ、合計5時間かけて全科目の回答をすることになりますが、試験範囲が膨大であること、短答プロパーと呼ばれる論文よりも細かい知識の出題に、苦手意識を持っている人も少なくありません。

なお、短式試験に合格したものの、論文式試験や口述試験で惜しくも合格を逃してしまった場合であっても、翌年の論文式試験の受験資格が付与されたり、科目別合格制度や合格者の翌年試験免除等は特にありません。

 

2.過去の予備試験短答試験結果一覧

それでは予備試験の短答式試験の合格率は例年どの程度で推移しているのでしょうか。

予備試験が開始された2011年(平成23年)から現在までの合格率の推移を確認してみましょう。

 

2-1.短答式試験合格率の推移

 

年度受験者数合格者数合格率
2011年(平成23年)6,477人1,339人20.7 %
2012年(平成24年)7,183人1,711人23.80%
2013年(平成25年)9,224人2,017人21.90%
2014年(平成26年)10,347人2,018人19.50%
2015年(平成27年)10,334人2,294人22.2%
2016年(平成28年)10,442人2,426人23.20%
2017年(平成29年)10,743人2,299人21.40%
2018年(平成30年)11,136人2,661人23.90%
2019年(令和元年)11,780人2,696人22.90%
2020年(令和2年)10,608人2,529人23.80%
2021年(令和3年)11,717人2,723人23.20%
2022年(令和4年)13,004人2,829人21.80%
平均10,250人2,295人22.40%

※参照:司法試験予備試験の結果について(法務省)

受験者数・採点対象者数は年々増加傾向にあり、合格者数も同様に増加傾向にあります。

令和2年に新型コロナウィルスの影響でいずれも減少する形となりましたが、令和3年、令和4年とこれまでと同じ水準に戻りました。

来年以降も同様の「受験率」が維持されるかどうかは、予想がしづらい部分もありますが、例年の傾向を見ると、2023年(令和5年)以降も2,500~2,800人前後の合格者数となることが予想されます。

また、合格率を見てみると令和4年は21.8%となっており、例年の合格率よりも下がりました。

現実的に、論文式試験の採点の可処分量にも限界があるため、2,500~2,800人程度に選抜されるものと考えられます。

 

2-2.最高点、最低点、平均点の推移

次に、合格点や各科目の平均点、最高点や最低点について表にまとめました。

なお、短答式試験の合計得点は270点満点

憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の法律基本科目はいずれも30点満点、一般教養科目は60点満点となっています。

【合格点・合格平均点】

年度合格点合計平均点
2011年(平成23年)165点130.7点
2012年(平成24年)165点134.7点
2013年(平成25年)170点139.5点
2014年(平成26年)170点137.3点
2015年(平成27年)170点138.7点
2016年(平成28年)165点134.6点
2017年(平成29年)160点130.0点
2018年(平成30年)160点131.1点
2019年(令和元年)162点133.8点
2020年(令和2年)156点128.8点
2021年(令和3年)162点132.0点
2022年(令和4年)159点127.9点

※参照:司法試験予備試験の結果について(法務省)

合格点の傾向を見ると、平成25年~平成27年が170点以上と最高点になっており、逆に最低点は令和2年の156点となっています。

例年、概ね160点前後が合格点となっており、平均合格点は164点となっています。

平均点については、平成25年が139.5点で最高点となっており、令和4年の最低点127.9点と比べると11.6点の開きがあることが分かります。

なお、令和4年度の成績は、合格点159点、合格平均点127.9点と前年の数字をどちらも下回っていますが、例年の傾向をみると、今後も合格点は160点~170点前後になるのではないかと予想されます。

【各科目の平均点】

年度憲法民法刑法商法民事
訴訟法
刑事
訴訟法
行政法一般
教養
満点30点30点30点30点30点30点30点60点
2011年
(平成23年)
15.8点19.2点18.6点12.9点14.7点14.0点12.2点23.2点
2012年
(平成24年)
15.1点16.3点16.6点14.7点16.9点15.6点12.5点27.2点
2013年
(平成25年)
16.5点19.7点17.0点12.1点17.0点17.9点14.2点25.2点
2014年
(平成26年)
17.8点17.7点14.1点15.0点16.2点12.4点12.7点31.5点
2015年
(平成27年)
17.3点16.9点16.9点13.7点14.7点15.5点15.6点28.1点
2016年
(平成28年)
17.6点16.3点17.5点12.0点15.6点16.5点14.8点24.3点
2017年
(平成29年)
16.7点16.3点17.3点14.3点13.1点15.3点12.4点24.5点
2018年
(平成30年)
16.8点14.7点15.7点12.8点14.7点16.1点12.4点27.9点
2019年
(令和元年)
14.7点20.3点14.5点14.2点17.8点15.6点12.1点24.7点
2020年
(令和2年)
21.5点12.7点14.5点12.8点15.1点13.5点14.4点24.3点
2021年
(令和3年)
16.7点17.3点17.3点14.6点16.0点14.6点10.7点24.9点
2022年
(令和4年)
19.8点15.2点17.1点10.9点15.1点15.9点12.8点21.2点
平均点17.2点16.8点17.8点13.3点15.6点15.2点13.1点25.6点
得点率57.30%56.00%59.30%44.30%52.00%50.70%43.70%42.70%

※参照:司法試験予備試験の結果について(法務省)

 

平均点を見てみると、憲法、民法、刑法(「上三法」と言われています)の平均点は16.8点~17.8点となっていて、概ね5~6割の得点が平均点となっている反面、それ以外の科目は13.1点~15.6点と上三法よりも低い点数になっていることが分かります。

また、一般教養の点数は平均25.6点、得点率は42.7%となっており、全科目中もっとも低い得点率となっています。

一般教養については、その広大な出題範囲がゆえに対策がしずらく、費用対効果を考えると多くの受験生が法律科目の対策に多くの時間を割いていることが数字からも読み取れます。

仮に全科目平均点を取ったとすると134.6点となり、合格点が156点~170点と考えると、21.4点~35.4点不足していることになります。法律科目で3.1点~5.1点上乗せすることが出来れば合格点に届く計算になります。

 

【各科目の最高点・最低点】

表の左側が最低点、右側が最高点になります。

年度総合得点憲法民法刑法商法民事訴訟法刑事訴訟法行政法一般教養
2011年
(平成23年)
0点240点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点60点
2012年
(平成24年)
2点233点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点29点0点60点
2013年
(平成25年)
16点241点0点30点0点30点0点30点0点28点0点30点0点30点0点29点0点57点
2014年
(平成26年)
10点235点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点29点0点60点
2015年
(平成27年)
9点244点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点60点
2016年
(平成28年)
8点230点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点28点0点54点
2017年
(平成29年)
5点225点0点30点0点30点0点30点0点30点0点29点0点30点0点28点0点54点
2018年
(平成30年)
0点233点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点60点
2019年
(令和元年)
0点233点0点30点0点30点0点30点0点29点0点30点0点30点0点28点0点60点
2020年
(令和2年)
6点244点0点30点0点30点0点30点0点28点0点30点0点30点0点30点0点60点
2021年
(令和3年)
18点229点1点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点27点0点57点
2022年
(令和4年)
8点232点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点30点0点29点0点57点

※参照:司法試験予備試験の結果について(法務省)

科目別に最高得点及び最低点を見てみると、どの科目も最高得点は満点(法律科目30点、一般教養60点)、最低点は0点となっています。

いずれの科目も満点を取ることのできる試験ということは、基本的な問題が出題されるということを意味します。正答率の高い問題をいかに正解できるかという基本を非常に重視した試験ということができます。

また、総合得点では、最低点は0点と変わらずですが、最高得点は244点と90.4%の得点率となっています。

 

3.司法試験の短答との違いについて

予備試験の短答式試験の場合、それぞれの試験の合否や得点については各試験で完結しており、短答式試験の得点は、論文式試験以降の合否には影響を及ぼしません。

しかし、司法試験の合否は、短答式試験及び論文式試験を総合して判断されます。

また、司法試験の短答には、基準点を下回った場合、論文式試験を採点してもらえない二段階選抜とも呼べる制度が存在します。

この点で、予備試験と司法試験の短答は制度上異なると言えるでしょう。

また、司法試験と予備試験の短答式試験は同じ日に実施されます。

2023年(令和5年)は7月16日(日)に実施予定ですが、同じ日に実施される理由として、司法試験と予備試験で一部、同一の問題が出題されるから、というものが挙げられます。

例えば、2022年(令和4年)の科目別共通問題については以下のようになっています。

 ・憲法 司法は全20問のうち、予備は全12問のうち、共通問題は8問
 ・民法 司法は全37問のうち、予備は全15問のうち、共通問題は12問
 ・刑法 司法は全20問のうち、予備は全13問のうち、共通問題は10問

予備試験ルートで司法試験を受験される方は、予備試験対策がそのまま、司法試験の対策につながる点で、予備試験と司法試験の短答式試験は共通していると言えるでしょう。

 

4.予備試験短答式試験に合格するためには

予備試験の短答式試験は、法律科目(民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、憲法、行政法)の7科目と一般教養の合計8科目で構成されています。

満点は270点で、合格基準点は例年160~170点を推移しているため、6割以上得点することが出来れば合格することが出来る試験です。

予備試験の天王山である論文式試験の勉強をしっかりやれば、短答式もある程度得点できるようになるため、合格点を獲得するだけであれば、そこまで難易度の高い試験であるとは言えないでしょう。

予備試験の短答式に苦手意識を持つ方は、科目数の多さや、短答式独特の細かい知識のインプットを苦手な理由としている方が多いかと思います。

特に短答プロパーと呼ばれる細かい枝葉の知識は、論文の勉強だけだと身につかないため、短答対策を行う必要がありますが、論文の勉強が忙しく、短答の勉強まで手が回らないという方も多いのが、原因の一つとなっているのでしょう。

短答式はマークシート式の試験で、問われる論点は形を変えて繰り返し問われているため、対策としてはとにかく過去問を繰り返し解くことが有効な勉強法であると言えるでしょう。

出来れば2011年(平成23年)以降の全ての予備試験の過去問を解くのがベストですが、論文の勉強との兼ね合いなどで全年度解くのは難しいという方は、例えば過去7年分、もしくは正答率が70%以上のもののみ解くなど、問題を絞って、自身の正答率が95%以上になるようにすると効果的に過去問対策をすることが出来るでしょう。

 

5.まとめ

◉予備試験の合格率は平均22.4%
◉平均合格点は164点
◉論文の勉強をしっかりすることが短答合格への近道であること
◉短答対策はとにかく過去問を繰り返す

この記事では予備試験における短答式試験の合格率や合格点について解説してきました。

短答式の問題は慣れないうちはかなりとっつきにくい問題も存在するため、最初からすらすら解ける人はいません。

とにかく過去問を解き、解説を読むことをひたすら繰り返せば徐々に知識が定着して行くことで、自然と得点できるようになってきます。

短答式は努力すればするほど得点に結びつきやすい試験になるため、あきらめずに最後まで勉強を続ける事が出来れば必ず合格に結びつきます。

もちろん、短答式の勉強をするにあたってはできるだけ効率よく勉強することが大切です。

効率の良い勉強をするのであれば、多くの受験生が選択しているように予備校を効率良く利用することが有益です。

伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、司法試験合格はもちろんのこと、合格後の活躍まで見据えたお一人おひとりへの丁寧なサポートで、受講生の皆様を全力で支えています。

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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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