弁護士のやりがいとは?仕事内容や大変な点についても解説

弁護士は自分で働き方を選べる職業です。依頼者から感謝を伝えられる機会も多く、日々の仕事の中に大きなやりがいや達成感を感じることのできる職業と言えます。
今回は、弁護士のやりがいとして代表的なものを紹介したうえで、弁護士の仕事内容や、やりがいを感じる反面、大変な点についても解説します。司法試験の合格を目指している方は、職業選びの参考としてぜひご活用ください。
【目次】
1.弁護士のやりがい
1-1.依頼者から感謝を伝えられる機会が多い
1-2.さまざまな分野の仕事にチャレンジできる
1-3.独立して仕事ができる
1-4.緊張感をもって仕事に取り組める
1-5.日々の仕事で達成感を得られる
1-6.高額の収入を目指すこともできる
1-7.AIには代替できない将来性のある仕事である
2.弁護士の仕事内容
2-1.民事事件
2-2.企業法務
2-3.刑事事件
2-4.その他
3.弁護士の仕事には大変な面もある
3-1.常に仕事を抱えることになる
3-2.精神的なプレッシャーが大きい
4.まとめ
1.弁護士のやりがい
弁護士の仕事のどんなところにやりがいを見出すかは人それぞれですが、その中でも多くの弁護士がやりがいとして感じている代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。
●依頼者から感謝を伝えられる機会が多い
●さまざまな分野の仕事にチャレンジできる
●独立して仕事ができる
●緊張感をもって仕事に取り組める
●日々の仕事で達成感を得られる
●高額の収入を目指すこともできる
●AIには代替できない将来性のある仕事である
それぞれの内容について具体的に解説します。
1-1.依頼者から感謝を伝えられる機会が多い
弁護士は、裁判官や検察官と異なり、中立の立場ではなく、依頼者の味方として仕事ができるので、依頼者が抱える問題を解決したときには直接感謝を伝えられる機会も多いです。
困っている人、自分が助けたいと思う人を助けられるため、自分にとっての正義を実現することもできます。訴訟に発展させることなく解決まで持ち込める事件もあれば、訴訟案件では、一つの事件が解決するまでに数年かかることもあります。
迅速に問題を解決できた事件や、長い時間をかけて解決した事件で、依頼者からの感謝を伝えられたときの充実感は何事にも代えがたいものと言えるでしょう。
1-2.さまざまな分野の仕事にチャレンジできる
弁護士が取り扱う仕事の範囲は幅広く、分野もさまざまなものがあります。
弁護士として独立した場合には、自分の興味がある分野の事件に注力して、興味がない分野の仕事を断ることも可能です。
勤務弁護士(アソシエイト)の場合は、自分で担当する事件を選ぶのは難しいと思いますが、勤務弁護士の間にさまざまな分野の事件に触れることで、自分に合った働き方や興味のある分野を見つけることができます。勤務弁護士としての経験が、自分が目指すべき弁護士像を見つけるための礎となるでしょう。
弁護士としての働き方は、人によってさまざまです。
一つの分野に注力して専門性を磨くこともできますし、逆にさまざまな事件に対応してオールラウンダーとして活躍することもできます。
一つの分野の専門家を目指す場合でも、さまざまな分野を取り扱う場合でも、一つひとつの仕事から成長を実感できるのは、弁護士としてのやりがいの一つと言えるでしょう。
1-3.独立して仕事ができる
弁護士の仕事は、組織に属さずに独立して行うことができます。独立して仕事をしている人はもちろんのこと、弁護士事務所に所属している人でも一つひとつの事件は1人で担当する機会が多いものです。
独立して仕事をすると、他からの干渉を受けない代わりに責任も全て自分で背負うことになります。一つひとつの仕事に強い責任感を持つことができるのは、弁護士としてのやりがいと言えるでしょう。
1-4.緊張感をもって仕事に取り組める
弁護士が仕事で取り扱う時間は、似たような事件でも一つひとつの事件に異なる事情があり、ひとつとして同じ事件はありません。そのため、ルーティンワークとして淡々と仕事を進めることはできず、常に緊張感を持って仕事に取り組まなくてはなりません。
同じ仕事を続けていると、毎日が同じことの繰り返しでつまらなく感じてしまうこともあるでしょう。弁護士の仕事は毎日が新鮮で、日々新たな気持ちで仕事に取り組むことができます。
またそのような働き方をしているからこそ弁護士の存在意義も大きなものになります。
1-5.日々の仕事で達成感を得られる
弁護士の仕事では、判決や示談の成立などのはっきりとした結果が出るものも多く、上手くいったときには大きな達成感を得られます。
一つひとつの事件で結果が出るまでには、労力と時間がかかります。特に長い年月をかけた事件で満足できる判決を得られたときの達成感は言葉に尽くせないものがあります。
それ以外でも、長い時間をかけた書面が完成したときや、法律相談で相談者から感謝を伝えられたときなど、日々の仕事で大きな達成感を得ることができるのも弁護士の魅力の一つだと言えます。
1-6.高額の収入を目指すこともできる
弁護士の仕事には、一つの仕事で高額な報酬を得られるものも少なくありません。独立して仕事をしていれば、労働時間に縛られることもありません。
弁護士は、事務所の規模によっては初年度から1千万円を超える年収を得ている人も珍しくありません。弁護士としてのキャリアを着実に重ねていけば、数千万円を超える年収を手にすることは難しいことではないでしょう。
裁判官や検察官の年収には法律で決められた上限がありますが、弁護士は働き方次第で裁判官や検察官の上限を超える収入を目指すことができる職業です。
※弁護士の年収については、こちらの記事も併せてご覧ください。
→弁護士の年収はどのくらい?平均年収や中央値・仕事の魅力を検証しました
1-7.AIには代替できない将来性のある仕事である
AIの台頭によって、弁護士の仕事がなくなってしまうではないかという不安を感じている人は少なくありません。
たしかに、弁護士業務の中で、これまで膨大な時間を費やしていた書類作成業務や判例との照合業務、賠償金の算定や翻訳作業などはAIの仕事となっていくことは間違いありません。
しかし、弁護士の仕事とは、決してそれら事務作業だけではありません。本来時間をかけるべき交渉や相談など対人業務は、まだまだAIに代替できるものではなく、「事務作業はAI、対人業務は人間」というように、効率よく業務を進めるための棲み分けができてくることが予想されます。
AIは脅威ではなく、むしろ弁護士が本来時間をかけるべきことに時間をかけられるよう貢献してくれる良きツールとして共存することになるのです。
その結果、弁護士の活躍の場はますます広がることになり、やりがいも増していくことでしょう。
※AI時代における弁護士の将来性については、こちらの記事も併せてご覧ください。
→弁護士の仕事がなくなる?AIの登場による弁護士の将来性を徹底解説!
2.弁護士の仕事内容
弁護士が関わる仕事にはさまざまなものがあります。弁護士の仕事のうち、どの部分にやりがいを見出すかは人それぞれです。
ここでは、分野別の弁護士の仕事内容を簡潔に紹介します。
2-1.民事事件
民事事件とは、個人間や会社同士の紛争のことです。わかりやすい例としては、次のようなものが挙げられます。
・貸金返還請求
・債権回収
・交通事故
・労働事件
・離婚トラブル
・相続トラブル
民事事件における弁護士の仕事内容としては、法律相談や相手方との交渉、訴訟対応などがあります。
弁護士の仕事として裁判をイメージする方も多いとは思いますが、実際には裁判に至るまでの交渉で解決する事件の方が多いです。
示談交渉や裁判を進行させるには、通知書や準備書面などの書面作成が必要となります。民事事件を多く取り扱う弁護士は、労働時間の多くを書面作成にあてています。
2-2.企業法務
企業法務では、企業顧問やインハウスローヤーとして、契約書の作成や法務に関する助言など業務を行います。
企業法務の仕事は、紛争を前提としないものが多いです。むしろ、リーガルチェックやコンプライアンス意識を向上させる取り組みによって、紛争を予防し法律面から企業の発展を支援します。
2-3.刑事事件
刑事事件では、被疑者や被告人の弁護人として、被疑者・被告人の権利を擁護します。
無罪を主張する場合だけでなく、被告人が罪を認めている場合でも、少しでも被告人にとって有利な判決となるように弁護活動を行います。
刑事事件を多く取り扱う弁護士は、拘置所や留置場での被疑者・被告人との接見や、被害者との示談交渉など、事務所の外で活動する時間も多くなります。
逮捕・勾留段階の事件では、時間制限が厳しくなるため、休日や深夜でも活動することもあります。
2-4.その他
弁護士の中には、セミナーや講演会を行ったり、大学での指導を行ったりと通常の弁護士業務以外でも幅広く活動している人もいます。
法律の専門的知識を活かせる仕事は幅広くあるため、弁護士資格を持っていると、自分に合った働き方、仕事内容を選ぶことができるでしょう。
3.弁護士の仕事には大変な面もある
弁護士はやりがいのある仕事である反面、大変な面もあります。
ここでは、弁護士の仕事で大変と感じる面について解説します。
3-1.常に仕事を抱えることになる
多くの弁護士は、一つの事件に専念するのではなく、常に複数の事件を抱えて仕事をしています。そのため、示談の成立や判決によって一つの仕事が終わったとしても、また新しい仕事がスタートするなど、全ての仕事が終わるということはなかなか無いでしょう。
自分の担当する事件が多くなると、日中は電話対応や打合せ、期日への出廷でスケジュールが埋まってしまいます。そうなると、夜間や休日で書面作成をすることになるため、休みを取るのが難しくなってしまいます。
そのため、仲間の弁護士と協働したり、勤務弁護士を雇い入れたりする事務所経営要素も求められることも想定されます。
弁護士は、仕事が充実するほどに忙しくなり、ひとりだけではワークライフバランスが取りづらくなることもある職業と言えます。
3-2.精神的なプレッシャーが大きい
弁護士が取り扱う仕事は、一つひとつが依頼者にとって重要な事件です。仕事上でのミスは許されず、一つひとつの仕事で最善の結果を目指すことになるため、常にプレッシャーを抱えることになります。
事件の経過や結果によっては、事件の相手方だけでなく依頼者からクレームを受けることもあるでしょう。また、依頼者の悩みに寄り添って仕事を進めるため、感情移入の仕方を間違えてしまうと自分自身のメンタルに不調を抱えてしまう場合もあります。
弁護士の仕事を進めるうえでは、体力や熱い気持ちだけでなく精神的なタフさや冷静さも求められます。
4.まとめ
弁護士の仕事は多岐に渡りますが、自分なりの働き方を選択できる魅力的な職業です。
どの仕事も、大きな責任とそれゆえ高い緊張感を日々感じながら、世の中の紛争を解決したり、困っている人を助けることができる、非常に社会的意義の高い仕事です。
同時に、さまざまな案件に対応することで充実したやりがいを感じる毎日を送ることができます。
司法試験の合格を目指している方はぜひ、自分は何をしたくて弁護士になるのか、どんなことにやりがいを感じるのかを考えてみることをおすすめします。
弁護士が社会に果たす役割はとても大きいものです。弁護士として活躍する自分を想像することは、試験勉強を意欲的に進めるための強いモチベーションとなるでしょう。
「弁護士になって困っている人を救う!」
「弁護士になってより良い世の中を創る!」
「弁護士になって世界を変える!」
伊藤塾は、そんなあなたの夢の実現を全力で応援し続けます。
伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、司法試験合格はもちろんのこと、合格後の活躍まで見据えたお一人おひとりへの丁寧なサポートで、受講生の皆様を全力で支えています。
無料の体験受講や説明会も実施していますので、司法試験の受験に興味をお持ちの方は、ぜひ一度伊藤塾までお問い合わせください。
2024年 司法試験合格者1,592人中 1,436名(90.2%)※12024年 予備試験合格者 449人中 405名(90.2%)※2
が伊藤塾有料講座の受講生でした。
※1(講座内訳:入門講座698名、講座・答練337名、模試401名)
※2(講座内訳:入門講座231名、講座・答練126名、模試48名)
なぜ、伊藤塾の受講生は、これほどまでに司法試験・予備試験に強いのか?
その秘密を知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。

著者:伊藤塾 司法試験科
伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

伊藤塾 司法試験科
司法試験入門講座
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄