【2024年度版】おすすめの法科大学院ランキング!合格率や難易度・穴場の法科大学院も解説

法科大学院への進学を考えているものの、どの法科大学院を選べばいいのか、悩んでしまう方も多いでしょう。
法科大学院を選ぶ基準については様々なものがありますが、自分に合った法科大学院を選ぶためには、あらかじめ選択の基準について、しっかり理解しておくことが重要です。
たしかに、どの法科大学院を選択しても、司法試験に合格できるかどうかは、自分自身の努力次第であることは変わりません。
しかし、毎年司法試験の合格者を多く輩出している法科大学院であれば、安心して勉学に励むことができるのは事実でしょう。
このコラムでは、法科大学院の司法試験の合格率や合格者数から算出したおすすめランキングをご紹介したうえで、自分に合った法科大学院の選び方をご紹介していきます。
令和5年におこなわれた司法試験の結果も反映した最新版の情報となりますので、皆さんの法科大学院選びに少しでも役立てていただけると幸いです。
【目次】
1.おすすめの法科大学院(ロースクール)ランキング
1-1.「合格者数」から見るおすすめランキング
1-2.「合格率」から見るおすすめランキング
1-3.「総合成績」から見るおすすめランキング
1-4.穴場の法科大学院とは?
1-5.社会人におすすめの法科大学院は?
2.自分に合った法科大学院(ロースクール)の選び方とは?
2-1.司法試験の合格率や合格者数から選ぶ
2-2.法科大学の留年率・修了率もチェックしておく
2-3.奨学金制度など経済的なサポートは充実しているか
2-4.自分に合った立地条件かどうか
2-5.学習サポートの充実度合い
2-6.合格後まで見据えた魅力あるカリキュラムが組まれているか
3.法科大学院(ロースクール)選びのよくある質問(Q&A)
3-1.選択する法科大学院によって就活に影響はある
3-2.未修者と既修者でおすすめの法科大学院は変わる?
4.司法試験に確実に合格したいなら予備試験ルートも視野に!
5.まとめ
1.おすすめの法科大学院(ロースクール)ランキング
法科大学院選びで一番重要な要素は、司法試験の合格者数や合格率です。
通常の大学院と違い、法科大学院進学の一番の目的は、実務に出てからすぐに活躍できるだけの基礎的な法的知識を学び、いち早く司法試験に合格することです。
もし、早く実務の世界で活躍したい、司法試験に一発で合格したいと考えるのであれば、司法試験の合格者数が多く、合格率の高い法科大学院を選択すると良いでしょう。
1-1.「合格者数」から見るおすすめランキング
まずは、2023年(令和5年)の司法試験における、法科大学院別の合格者数のランキングを見てみましょう。
※合格者が1名以上の法科大学院のみ掲載しています
法科大学院別 合格者数ランキング | ||
1 | 京都大法科大学院 | 188人 |
2 | 慶應義塾大法科大学院 | 186人 |
2 | 東京大法科大学院 | 186人 |
4 | 早稲田大法科大学院 | 174人 |
5 | 一橋大法科大学院 | 121人 |
6 | 中央大法科大学院 | 90人 |
7 | 大阪大法科大学院 | 78人 |
8 | 神戸大法科大学院 | 71人 |
9 | 名古屋大法科大学院 | 42人 |
10 | 同志社大法科大学院 | 29人 |
10 | 明治大法科大学院 | 29人 |
12 | 北海道大法科大学院 | 28人 |
13 | 東北大法科大学院 | 25人 |
14 | 九州大法科大学院 | 22人 |
15 | 立命館大法科大学院 | 20人 |
16 | 筑波大法科大学院 | 17人 |
17 | 法政大法科大学院 | 15人 |
18 | 千葉大法科大学院 | 13人 |
19 | 岡山大法科大学院 | 12人 |
19 | 創価大法科大学院 | 12人 |
19 | 日本大法科大学院 | 12人 |
22 | 東京都立大法科大学院 | 11人 |
22 | 上智大法科大学院 | 11人 |
24 | 専修大法科大学院 | 10人 |
25 | 学習院大法科大学院 | 8人 |
26 | 関西大法科大学院 | 7人 |
27 | 大阪公立大法科大学院 | 6人 |
28 | 関西学院大法科大学院 | 5人 |
28 | 広島大法科大学院 | 5人 |
30 | 金沢大法科大学院 | 3人 |
30 | 南山大法科大学院 | 3人 |
30 | 琉球大法科大学院 | 3人 |
33 | 愛知大法科大学院 | 2人 |
33 | 駒澤大法科大学院 | 2人 |
33 | 桐蔭横浜大法科大学院 | 2人 |
33 | 福岡大法科大学院 | 2人 |
37 | 近畿大法科大学院 | 1人 |
37 | 成蹊大法科大学院 | 1人 |
37 | 西南学院大法科大学院 | 1人 |
37 | 立教大法科大学院 | 1人 |
2023年(令和5年度)の司法試験の合格者数のランキングでは、合格者数100名超えの大学院が5校となっています。
上位の法科大学院は、いずれも毎年優秀な成績を収めています。
合格者数から法科大学院を絞るのであれば、毎年少なくとも10名以上の合格者を出している法科大学院を選択すると良いでしょう。
1-2.「合格率」から見るおすすめランキング
次に、2023年(令和5年)の司法試験における、法科大学院別の合格率ランキングを見てみましょう。
※合格者が1名以上の法科大学院のみ掲載しています
法科大学院別 合格率ランキング | ||
1 | 京都大法科大学院 | 68.36% |
2 | 一橋大法科大学院 | 67.22% |
3 | 慶應義塾大法科大学院 | 60.00% |
4 | 東京大法科大学院 | 59.05% |
5 | 神戸大法科大学院 | 48.63% |
6 | 名古屋大法科大学院 | 47.19% |
7 | 早稲田大法科大学院 | 44.73% |
8 | 大阪大法科大学院 | 42.86% |
9 | 中央大法科大学院 | 39.30% |
10 | 北海道大法科大学院 | 37.84% |
11 | 岡山大法科大学院 | 36.36% |
12 | 愛知大法科大学院 | 33.33% |
12 | 成蹊大法科大学院 | 33.33% |
12 | 筑波大法科大学院 | 33.33% |
12 | 同志社大法科大学院 | 33.33% |
16 | 創価大法科大学院 | 32.43% |
17 | 東北大法科大学院 | 30.49% |
18 | 専修大法科大学院 | 28.57% |
19 | 明治大法科大学院 | 27.36% |
20 | 法政大法科大学院 | 25.00 % |
21 | 九州大法科大学院 | 23.40% |
22 | 金沢大法科大学院 | 23.08% |
23 | 上智大法科大学院 | 22.91% |
24 | 広島大法科大学院 | 22.73% |
25 | 千葉大法科大学院 | 20.63% |
26 | 大阪公立大法科大学院 | 19.35% |
27 | 学習院大法科大学院 | 18.60% |
28 | 立命館大法科大学院 | 18.18% |
29 | 西南学院大法科大学院 | 16.67% |
30 | 関西学院大法科大学院 | 16.13% |
31 | 南山大法科大学院 | 15.79% |
32 | 桐蔭横浜大法科大学院 | 15.38% |
33 | 東京都立大法科大学院 | 14.67% |
34 | 近畿大法科大学院 | 14.29% |
35 | 日本大法科大学院 | 13.95% |
36 | 関西大法科大学院 | 12.73% |
37 | 福岡大法科大学院 | 9.52% |
38 | 琉球大法科大学院 | 8.82% |
39 | 駒澤大法科大学院 | 7.41% |
40 | 立教大法科大学院 | 6.67% |
前年と同じく、京都大学法科大学院が、合格者数および合格率でトップの結果となっています。
また、合格率の上位5校のうち4校が国立の法科大学院となっていることがわかります。
私立では、慶應義塾大学法科大学院が唯一合格率60%を超えていますが、同大学院は、ランキング7位の早稲田大学法科大学院と並んで、毎年優秀な成績を収めているロースクールとなります。
1-3.「総合成績」から見るおすすめランキング
それでは、合格者数と合格率、どちらを重視して法科大学院を選択すべきなのでしょうか。
ここでは、「合格者数ランキング」および「合格率ランキング」の両方の順位を合計した「総合ランキング」をご紹介いたします。
※「合格者数ランキングにおける順位」と「合格率ランキングにおける順位」を足して、合計数の少ない順を総合順位としています。
総合 ランキング | 法科大学院 | 合格者数 ランキング | 合格率 ランキング |
1 | 京都大学法科大学院 | 1 | 1 |
2 | 慶應義塾大学法科大学院 | 2 | 3 |
3 | 東京大学法科大学院 | 2 | 4 |
4 | 一橋大学法科大学院 | 5 | 2 |
5 | 早稲田大学法科大学院 | 4 | 7 |
6 | 神戸大学法科大学院 | 8 | 5 |
7 | 大阪大学法科大学院 | 7 | 8 |
7 | 中央大学法科大学院 | 6 | 9 |
7 | 名古屋大学法科大学院 | 9 | 6 |
10 | 同志社大学法科大学院 | 10 | 12 |
10 | 北海道大学法科大学院 | 12 | 10 |
12 | 筑波大学法科大学院 | 16 | 12 |
13 | 明治大学法科大学院 | 10 | 19 |
14 | 東北大学法科大学院 | 13 | 17 |
15 | 岡山大学法科大学院 | 19 | 11 |
16 | 九州大学法科大学院 | 14 | 21 |
16 | 創価大学法科大学院 | 19 | 16 |
18 | 法政大学法科大学院 | 17 | 20 |
19 | 専修大学法科大学院 | 24 | 18 |
20 | 立命館大学法科大学院 | 15 | 28 |
20 | 千葉大学法科大学院 | 18 | 25 |
22 | 愛知大学法科大学院 | 33 | 12 |
22 | 上智大学法科大学院 | 22 | 23 |
24 | 成蹊大学法科大学院 | 37 | 12 |
25 | 広島大学法科大学院 | 28 | 24 |
25 | 学習院大学法科大学院 | 25 | 27 |
25 | 金沢大学法科大学院 | 30 | 22 |
28 | 東京都立大学法科大学院 | 22 | 31 |
28 | 大阪公立大法科大学院 | 26 | 27 |
30 | 日本大学法科大学院 | 19 | 35 |
31 | 関西学院大学法科大学院 | 28 | 30 |
32 | 南山大学法科大学院 | 30 | 31 |
33 | 関西大学法科大学院 | 26 | 36 |
34 | 桐蔭横浜大法科大学院 | 33 | 32 |
35 | 西南学院大学法科大学院 | 37 | 29 |
36 | 琉球大学法科大学院 | 30 | 38 |
37 | 福岡大学法科大学院 | 33 | 37 |
38 | 近畿大学法科大学院 | 37 | 34 |
39 | 駒澤大学法科大学院 | 33 | 39 |
40 | 立教大学法科大学院 | 37 | 40 |
総合ランキング1位は、令和4年度に引き続き、合格者数、合格率ともにトップの京都大学法科大学院となりました。
ついで、慶應義塾大学法科大学院、東京大学法科大学院、一橋大学法科大学院と続きますが、ランキング上位の法科大学院は、合格者数および合格率のランキングで、どちらも上位の成績を納めていることがわかります。
司法試験に合格することを第一目標に据えるのであれば、合格者数および合格率がどちらも上位の法科大学院を目指すことをおすすめします。
1-4.穴場の法科大学院とは?
合格者数や合格率で例年好成績を納めている法科大学院は、その分入試倍率が高いケースが多く、入学前からある程度の法的知識を有していないと、入学試験に合格することはできません。
しかし、入試倍率がそこまで高くないにもかかわらず、司法試験の合格率が高い法科大学院も存在しています。
たとえば、総合ランキングで7位の名古屋大学法科大学院などは、ほかの成績上位校と比べても、入試倍率はそれほど高くありません。
※法科大学院の入試倍率については、下記記事をご覧ください。
→【2023年最新版】法科大学院(ロースクール)入試の難易度を徹底分析!
一概には言えませんが、人の集まりやすい都心の法科大学院よりも、地方の法科大学院の方が入学しやすいケースもあるでしょう。
法科大学院を選ぶ際には、入試倍率まで気にしてみると、穴場の法科大学院を見つけることができるかもしれません。
1-5.社会人におすすめの法科大学院は?
社会人で法科大学院への進学を考えている場合、通信制で講義を受講したり、夜間開講している法科大学院を選択することになるでしょう。
通信専門の法科大学院はありませんが、夜間コースが設置されている法科大学院は全国に4校あります。
【夜間コースが設置されている法科大学院】
◉筑波大学法科大学院
◉日本大学大学院法務研究科
◉福岡大学法科大学院
◉琉球大学法科大学院
ただし、夜間コースだからといって講義数が極端に少なくなる訳ではなく、土曜日や日曜日に集中して講義をこなす必要があります。
講義の時間が全日制の場合よりも限られていることから、通常よりも長い年数をかけて法科大学院を修了することになります。
仕事を終えた後に法科大学院へ通学することを考えると、職場や自宅から近い法科大学院を選択することになるでしょう。
※詳しくはこちらの記事をご参照ください。
→法科大学院の夜間コースor予備試験?社会人にはどちらのルートがおすすめなのか詳細分析
2.自分に合った法科大学院(ロースクール)の選び方とは?
司法試験にいち早く合格し、すぐに実務の世界で活躍するための基礎力をつけるためには、自分に合った法科大学院を選択することが重要です。
ここでは、法科大学院を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
2-1.司法試験の合格率や合格者数から選ぶ
司法試験に合格するのが第一目標である以上、司法試験の合格率や合格者数は、最も注目すべきポイントであるといえるでしょう。
もちろん、司法試験の合格率が高いからといって、自分が必ずしも司法試験に合格できるわけではありませんが、合格率がより高い法科大学院に進学すれば、相対的に自身の合格可能性が高くなるのは間違いありません。
司法試験の合格者数や合格率を確認する場合には、少なくとも過去5年分のデータを確認し、数字にブレがないかも確認しておくと良いでしょう。
以下に、過去5年間の法科大学院における司法試験合格者数ランキングトップ5を掲載しますので、ぜひ参考になさってください。
※少数の受験者数による高合格率ランクインを避けるため、合格率によるランキングではなく、合格者数によるランキングを掲載しています。
【2023年(令和5年度)】 | ||||
順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
1 | 京都大学法科大学院 | 275 | 188 | 68.36% |
2 | 慶應義塾大学法科大学院 | 310 | 186 | 60.00% |
3 | 東京大学法科大学院 | 315 | 186 | 59.05% |
5 | 早稲田大学法科大学院 | 389 | 174 | 44.73% |
4 | 一橋大学法科大学院 | 180 | 121 | 67.22% |
【2022年(令和4年度)】 | ||||
順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
1 | 京都大学法科大学院 | 175 | 119 | 68.00% |
2 | 東京大学法科大学院 | 192 | 117 | 60.94% |
3 | 慶應義塾大学法科大学院 | 181 | 104 | 57.46% |
4 | 早稲田大学法科大学院 | 232 | 104 | 44.83% |
5 | 一橋大学法科大学院 | 110 | 66 | 60.00% |
【2021年(令和3年度)】 | ||||
順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
1 | 慶應義塾大学法科大学院 | 227 | 125 | 55.06% |
2 | 早稲田大学法科大学院 | 231 | 115 | 49.78% |
3 | 京都大学法科大学院 | 185 | 114 | 61.62% |
4 | 東京大学法科大学院 | 199 | 96 | 48.24% |
5 | 中央大学法科大学院 | 261 | 83 | 31.80% |
【2020年(令和2年度)】 | ||||
順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
1 | 東京大学法科大学院 | 212 | 126 | 59.43% |
2 | 慶應大学法科大学院 | 251 | 125 | 49.80% |
3 | 京都大学法科大学院 | 185 | 107 | 57.83% |
4 | 中央大学法科大学院 | 289 | 85 | 29.41% |
5 | 一橋大学法科大学院 | 119 | 84 | 79.58% |
【2019年(令和元年度)】 | ||||
順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
1 | 慶應義塾大学法科大学院 | 300 | 152 | 50.66% |
2 | 東京大学法科大学院 | 238 | 134 | 56.30% |
3 | 京都大学法科大学院 | 201 | 126 | 62.68% |
4 | 中央大学法科大学院 | 384 | 109 | 28.38% |
5 | 早稲田大学法科大学院 | 252 | 106 | 42.06% |
2-2.法科大学の留年率・修了率もチェックしておく
法科大学院選びでは、どうしても司法試験の合格率や入試倍率にばかり目が行きがちですが、留年率や修了率といったデータも、しっかり確認しておくようにしましょう。
留年率とは、「法科大学院を卒業した者のうち、本来の修業年限を超えて卒業した者の割合」のことをいい、修了率とは「法科大学院に入学以降、次年度に進級できた割合」のことを指します。
たとえば、司法試験の合格率が、ランキングトップ10以内だったとしても、あまりにも留年率が高い法科大学院の場合、日々のカリキュラムについていくことができず、司法試験を受ける前にモチベーションが下がってしまうおそれがあります。
最終的に司法試験に合格することを目標に、そこから逆算して学習スケジュールを立てることで、いち早く司法試験に合格することが可能になります。
モチベーションを維持し、自身の学習習熟度に合わせたカリキュラムを受けられる法科大学院を選択するのが良いでしょう。
※なお、法科大学院の留年率については、こちらの記事もご覧ください。
→法科大学院の留年率は意外と高い?その原因と留年回避の対策を徹底解説
2-3.奨学金制度など経済的なサポートは充実しているか
奨学金や特待生制度など、経済的なサポートの充実度合いも、法科大学院を選ぶ際の重要なポイントの一つです。
法科大学院に進学するには、入学金や授業料、施設料などを、卒業までに数百万単位で支払う必要があります。
もし、経済的な面で法科大学院への進学を諦めてしまっているのであれば、奨学金制度が充実している法科大学院を選択するのが良いでしょう。
また、法科大学院によっては、入学試験の成績優秀者に対する入学金や授業料の免除制度が利用できるところもあるので、自分が希望する法科大学院で、どのような制度が利用できるのかを、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
※なお、法科大学院の学費については、こちらの記事もご覧ください。
→学費が安い法科大学院は?各法科大学院の費用総まとめ
→【2023年度】学費免除や奨学金など法科大学院(ロースクール)の経済的支援総まとめ
2-4.自分に合った立地条件かどうか
自分が通学できる範囲内に立地しているかどうかも、法科大学院選びでは重要な要素となります。
寮生や大学院の近くに住むところを借りるのであれば、全国の法科大学院が選択の対象となりますが、現在住んでいるところからの通学を考えている場合、できるだけ近くの法科大学院を選択することも、無理なく勉強を継続するためには重要です。
ただし、ある程度の通学時間であれば、移動中に勉強をすることもできることから、それぞれのライフスタイルに合った法科大学院を選択するようにしましょう。
2-5.学習サポートの充実度合い
司法試験は、長期間にわたりコツコツと努力を継続しなければ合格できない試験です。そのため、あまりプレッシャーがかかることなく、淡々と勉強をこなすための学習サポートの有無が重要になります。
各大学院では、生徒がモチベーションを保ちながら学習を継続できるように、さまざまな学習サポートが用意されています。
【学習サポートの一例】
◉法科大学院入学前に基礎固めをする講座やガイダンスがある
◉勉強のノウハウやコツを先輩合格者やOBが伝授する講義
◉苦手科目を克服する特化型ゼミや討論会
◉専門分野や最先端議論に特化した講義
◉期末試験に向けた勉強会
◉答案練習会や答案分析会などの司法試験対策講座
◉司法試験合格者の再現答案資料を無料配布してもらえる
◉定期的に開催される個人面談制度
それぞれの法科大学院ごとに、受けられる学習サポートは異なりますが、勉強のことで悩んだ時に、すぐ相談できる場所があるかどうかは、長期間勉強を継続するためには重要です。
希望する法科大学院にどのような学習サポートがあるのか、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
2-6.合格後まで見据えた魅力あるカリキュラムが組まれているか
合格後まで見据えた魅力あるカリキュラムが組まれているかどうかも、法科大学院選びには重要です。
法科大学院ごとに実施されるカリキュラムは異なりますが、司法試験に合格しやすいかどうかはもちろん、合格後、すぐに実務の世界で活躍できるだけの実践的な力をつけることができるカリキュラムが組まれているかどうかも、事前にしっかり確認しておきましょう。
模擬裁判をおこなったり、実際に法律事務所で実務を学べるエクスターンシップ制度など、試験の勉強だけでなく、広い視野から物事を見る癖をつけておくことは、法律実務家にとって非常に重要なことなのです。
3.法科大学院(ロースクール)選びのよくある質問(Q&A)
ここでは、法科大学院(ロースクール)選びに関して、よくある質問をまとめました。
3-1.選択する法科大学院によって就活に影響はある?
法科大学院選びの際に、選択する法科大学院によって就職活動に影響があるのか、気になる方も多いかもしれません。
結論としては、選択する法科大学院によって、多少なりとも就活に影響が出てくる可能性があるといえます。
たとえば、5大事務所のような大手の法律事務所であれば、東京大学法科大学院や京都大学法科大学院、慶應義塾大学法科大学院や早稲田大学法科大学院など、司法試験の各ランキング上位の出身者が多くなっています。
もちろん、学歴で全ての合否が判断される訳ではなく、これまでの活動歴や司法試験の順位、法科大学院の成績やサマークラークにおける評価などから、総合的に雇用が判断されることになります。
ただし、難関法科大学院に進学することができれば、それだけで他の人よりもアドバンテージを取れる可能性があることを考えると、初めから難関法科大学院に進学する目的を持って学習計画を立てるのが良いでしょう。
また、司法試験合格後に、企業の法務部で活躍したいと考えるのであれば、学歴以上に、面接で自分の強みをいかにアピールできるかを考えておくのが良いでしょう。
3-2.未修者と既修者でおすすめの法科大学院は変わる?
法学未修者と既修者で、おすすめの法科大学院は変わりません。
法科大学院は、大きく法学未修者を対象にした「3年コース」と、法学既修者を対象にした「2年コース」に分かれています。
たとえ大学の法学部出身であっても、1からしっかりと基礎力を身につけたいと考えるのであれば、未修者コースを選択することも可能です。
どちらのコースを選ぶかは人それぞれですが、未修コースにおける1年次の留年率が高くなる傾向にあるため、その点にも留意して法科大学院を選択してみてください。
4.司法試験に確実に合格したいなら予備試験ルートも視野に!
司法試験にいち早く合格したいのであれば、予備試験ルートを選択することも視野に入れておくと良いでしょう。
司法試験合格者のうち、例年一番高い合格率を出しているのは、予備試験ルートの受験生です。
たとえば、2023年(令和5年)の司法試験では、予備試験合格者の司法試験合格率は92.63%となっており、ほとんどの受験生が合格していることがわかります。
たしかに、合格率4%前後の予備試験ルートを選択するのであれば、法科大学院を修了して、確実に司法試験の受験資格を得たいと考える方が多いかもしれません。
しかし、法科大学院をストレートで修了したとしても、必ず司法試験に合格できる保証はありませんし、授業料や通学にかかる時間など、法科大学院ならではのデメリットがあるのも事実です。
その点、予備試験ルートであれば、最短で司法試験を受験することが可能ですし、自分のライフスタイルに合った勉強計画を立てることが可能です。
予備校の授業やゼミを有効活用することで、効果的に試験合格に向けた勉強をすることができるでしょう。
なんといっても、予備試験に合格できれば、9割以上の受験生が司法試験に合格できることを考えると、予備試験ルートを選択することは、受験生にとってメリットが大きい選択であるといえるでしょう。
たとえ最終合格までしなかったとしても、予備試験を目指して学習した成果は、法科大学院入試や、法科大学院在学中の司法試験合格という結果を生むことにもつながります。
※予備試験に興味がある方は、以下に予備試験に関する様々なコラム記事が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
→司法試験コラム|予備試験
5.まとめ
司法試験に合格するという視点からのおすすめの法科大学院は、司法試験の合格者数および合格率で上位の成績を収めている法科大学院です。
総合ランキングから見れば、「京都大学法科大学院」「慶應義塾大学法科大学院」「東京大学法科大学院」「一橋大学法科大学院」「早稲田大学法科大学院」の5校です。
自分に合った法科大学院を選ぶためには、司法試験合格まで、無理なくモチベーションを維持し続けられる学習環境を整えることが重要です。
まずは自分のライフスタイルを振り返り、それぞれに合った法科大学院を選択するよう心がけましょう。
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著者:伊藤塾 司法試験科
伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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