司法試験に一発合格する方法とは?受験回数や一発合格の割合から徹底解説!

司法試験を受験するためには、法科大学院を修了するか、予備試験に合格する必要があります。
しかし、司法試験には受験回数に制限があり、受験資格を得てから5年以内に5回までしか受験する事ができません。
受験資格を喪失してしまうと、再度受験資格を得ない限り試験を受ける事ができなくなってしまうため、この5年の間で合格することが受験生全員の絶対目標と言っていいでしょう。
さらに、経済的な負担や精神的な負担などを考えるのであれば、一発で合格することがベストです。
では、実際に司法試験の合格者は何回の受験で合格しているのでしょうか。合格者の司法試験の平均受験回数や、一発合格者の割合はどのようになっているのでしょうか。
この記事では司法試験とその受験回数の関係性と、一発で合格する方法について解説していきます。
【目次】
1.司法試験合格者は何回で合格してるの?
1-1.司法試験合格者の受験回数の平均はどれくらい?
2.司法試験に一発合格する方法
2-1合格までの綿密な計画を立てる
2-2.スケジュール通り毎日コツコツと勉強を続ける
2-3.アウトプットと過去問重視の勉強をする
2-4.手を広げすぎず教材は一つに絞る
2-5.受験指導校の有効活用
3.まとめ
1.司法試験合格者は何回で合格してるの?
司法試験は受験資格を得てから5年間で5回受験する事ができますが、合格者は合格までに何回受験しているのでしょうか。
合格者の受験回数と全合格者における受験回数別の合格率の関係を確認してみましょう。
※予備試験制度が開始された平成23年から5年経過後の平成28年以降のデータからご紹介いたします。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | |
平成28年 | |||||
合格者数 | 867人 | 333人 | 206人 | 124人 | 53人 |
合格率 | 54.80% | 21.00% | 13.00% | 7.80% | 3.30% |
平成29年 | |||||
合格者数 | 870人 | 292人 | 180人 | 140人 | 61人 |
合格率 | 56.40% | 18.90% | 11.70% | 9.10% | 4.00% |
平成30年 | |||||
合格者数 | 862人 | 269人 | 187人 | 134人 | 73人 |
合格率 | 56.50% | 17.60% | 12.30% | 8.80% | 4.80% |
令和元年 | |||||
合格者数 | 884人 | 282人 | 139人 | 108人 | 89人 |
合格率 | 58.90% | 18.80% | 9.30% | 7.20% | 5.90% |
令和2年 | |||||
合格者数 | 960人 | 222人 | 126人 | 85人 | 57人 |
合格率 | 66.20% | 15.30% | 8.70% | 5.90% | 3.90% |
令和3年 | |||||
合格者数 | 1,024人 | 173人 | 101人 | 76人 | 47人 |
合格率 | 72.10% | 12.20% | 7.10% | 5.30% | 3.30% |
令和4年 | |||||
合格者数 | 1,046人 | 180人 | 88人 | 47人 | 42人 |
合格率 | 74.60% | 12.80% | 6.30% | 3.30% | 3.00% |
参考:司法試験の結果について
この表を見てみると、どの年度も1回目の受験者の合格率が高くなっているのがわかります。
特に、令和3年は72.1%、令和4年は74.6%と合格者の7割以上が1回目の受験で合格していて、2回目の受験まで含めると、実に8割以上が2回以内の受験で合格しているのがわかります。
また、受験回数が伸びれば伸びるほど合格率が低くなっていく傾向にあるのがわかります。
これは、モチベーションの低下により受験を続けることができなくなってしまったりすること、またそもそもの勉強の方向性自体が誤っておりそのことを修正することが難しいことなどが要因に挙げられるでしょう。
特に、5回目の受験に関していえば平均合格3.43%とかなり低い数字になっているところをみると、司法試験の受験資格を得てから1〜2回目での合格を目指すべきだといえるでしょう。
1-1.司法試験合格者の受験回数の平均はどれくらい?
上記の表を基にして受験回数の平均値を出してみました。
年度 | 平均受験回数 |
平成28年度 | 1.84回 |
平成29年度 | 1.85回 |
平成30年度 | 1.88回 |
令和元年度 | 1.83回 |
令和2年度 | 1.66回 |
令和3年度 | 1.56回 |
令和4年度 | 1.47回 |
このように、合格者の平均受験回数も2回以内で収まっているという数字になりました。
特に令和4年度に関しては平均1.47回と過去でも一番低い数字となっています。
このように、平均受験回数も年々減少傾向にあることを考えると、司法試験を受験するまでにどれだけ実力をつけることができるかが、司法試験合格に当たっては重要な事になってくるでしょう。
2.司法試験に一発合格する方法
司法試験は文系最難関の試験ではありますが、正しい方法、正しい方向で勉強すれば必ず合格することが出来る試験になります。
間違った方向性で非効率的な勉強を続けていてはいつまでたっても合格ラインに達することはできず、時間を浪費するだけになってしまうため、効率的に学習を進めるために押さえるべきポイントを理解して、合格までの勉強時間をできるだけ短くして早く合格を勝ち取るようにしましょう。
2-1合格までの綿密な計画を立てる
司法試験は学習期間が長期にわたる試験になります。
そのため、ゴールから逆算して綿密な学習スケジュールを立てることが大切です。
闇雲に勉強しても非効率的な勉強になることが多く、間違った方向で勉強を進めていてはいつまでたっても合格は近づいてきません。
そのため、一番最初の方向性が非常に重要な意味を持ちます。合格までに何をいつまでに勉強すべきなのかを明確に設定することで、学習の進捗状況を可視化します。
そうすることで、自分が確実に合格に近づいていることを実感することができ、モチベーションのアップにも繋がります。
スケジュールを立てるに当たっては周囲に聞いたり合格者の話を聞いたりして自分に合う学習スケジュールを立てることが重要ですが、予備校の入門講座等を利用してスケジュールを管理する方法がおすすめです。
また、予備校のスケジューリング制度を利用すれば、専門のスタッフが合格までの最適なスケジュールを提供してくれます。
2-2.スケジュール通り毎日コツコツと勉強を続ける
司法試験はその試験範囲の広さや試験の難易度、勉強期間の長さから諦めて挫折してしまう方が非常に多い試験になります。
司法試験で一番重要なことはとにかく最後まで勉強をやりきることなのです。
合格まで毎日コツコツと勉強を継続することが合格への近道と言えるでしょう。
また、知識を確実に定着させるためにも、毎日継続して勉強することは重要なのです。
スケジュール通り勉強して、計画がずれたら計画を立て直してまた勉強する、その繰り返しを試験合格まで続けることができるかどうかが、試験に合格する唯一のコツと言えるのです。
2-3.アウトプットと過去問重視の勉強をする
勉強を始めてみると、意外なほど完璧主義の方が多く、知識の穴をなくす為にも、インプットを完璧にしてからアウトプットの勉強に移行しようと考える方が非常に多いです。
たしかに、知識を網羅的に学ぶことは、他の論点を理解し、その深度を深めるためにも重要であることは間違いありません。
しかし、司法試験は単に知識の量を吐き出すだけの試験ではなく、法律をもって具体的な事案をどのように解決するのかを検討させる試験です。
そのため、いかに知識をインプット出来ていたとしても、それが具体的な事案と結びついていなければ司法試験の問題を解く事はできません。
また、法律の勉強は抽象的で無味乾燥な部分が多いため、アウトプットを通じて具体的な事案を解決する過程で知識を蓄えたほうが記憶に残りやすいということもあります。
そのため、司法試験の勉強としては、まずアウトプットを意識したインプットの学習をする必要があります。
学習初期の段階から予備校の入門講座に含まれる答練などを活用しながら、あわせて論文の答案を書く練習をすることが、司法試験の合格には必須となります。
また、演習書や判例集を何冊もこなすよりも、まずは予備試験・旧司法試験の過去問を解くことが重要と言えるため、とにかく過去問を重視した勉強をすることを心がけましょう。
2-4.手を広げすぎず教材は一つに絞る
司法試験は、2,000時間前後の勉強時間で合格する人もいれば、5,000時間勉強したとしてもなかなか合格まで辿り着けない方もいる試験になります。
極端な話1日10時間以上勉強していても合格できない方もいるし、1日4時間程度の勉強時間でも1~2年で合格してしまう方もいるということになります。
長期間勉強すればそれに比例して合格率が上がるわけではないですし、質の悪い間違った方向の勉強を続けていては、いつまでたっても合格することはできません。
勉強量を意識することももちろん大事ですが、それ以上に勉強の質を上げる事を日頃から心がけるべきでしょう。
特に重要なのは、以下の2点になります。
①勉強する範囲を絞る
②これだと決めた教材をひたすら繰り返す
長年勉強をしていると、その不安からさまざまな教材に手を出してしまいがちです。その結果、基本書や演習書を一冊も完璧にすることが出来ず、何も身についていないということになってしまいがちです。
勉強時間をこなすのはもちろん重要ですが、勉強する際は勉強の質をあげることを常に意識し、勉強したことを定着させることを心がけましょう。
勉強をする際に色々不安がある場合には、予備校でのサポートを受ける事をおすすめします。
2-5.予備校の有効活用
前述のように、司法試験ではむやみやたらに使用教材を増やさないというのも、合格における重要な要素の一つになっています。
試験への不安から、様々な方法で知識を学びたくなる気持ちは分かります。
ただ、限られた時間の中で結果を出すためには、100の曖昧な知識より10の確実な基礎知識を付ける事が重要になります。
使用教材や判例集はできる限り一つに絞り、むやみやたらに手を広げないようにしましょう。
その点、予備校の提供する講義・教材は、学習すべき重要なポイントがまとめられており、自分で教材を吟味する手間を省く事が出来ます。
また、答練等を定期的に利用する事で、受験生の中での現在の自分の位置を確認することができ、またこれらを勉強計画のペースメーカーとして利用する事も出来るでしょう。
模試などの大規模の会場受験で受験生の空気を体感することができるのも予備校の強みの一つで、「周りがこんなに勉強してるんだから自分も勉強しないと!」と、自分を奮い立たせる意味でも非常に有意義であると言えます。
3.まとめ
司法試験に一発合格するために必要なことは…
◉ゴールから逆算して綿密で効率的な学習スケジュールを立てる
◉決めた教材を繰り返しやる
◉論文のアウトプットを中心に勉強する
◉モチベーションを維持して最後までやり遂げる
これらの実現のためには、司法試験を知り尽くした先輩や指導者から助言や指導をいただくことが必要不可欠です。
もちろん独学での合格は不可能ではありませんが、上記の数倍に及ぶ膨大な年月と労力、その気の遠くなるような時間を勉強に集中し続けられる強靭な精神力があってこそできることです。
その苦労や費用対効果を考えると、多くの合格者がしたように「予備校」を活用することは有益な選択となることでしょう。
伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、司法試験合格はもちろんのこと、合格後の活躍まで見据えたお一人おひとりへの丁寧なサポートで、受講生の皆様を全力で支えています。
無料の体験受講や説明会も実施していますので、司法試験の受験に興味をお持ちの方は、ぜひ一度伊藤塾までお問い合わせください。
2024年 司法試験合格者1,592人中 1,436名(90.2%)※12024年 予備試験合格者 449人中 405名(90.2%)※2
が伊藤塾有料講座の受講生でした。
※1(講座内訳:入門講座698名、講座・答練337名、模試401名)
※2(講座内訳:入門講座231名、講座・答練126名、模試48名)
なぜ、伊藤塾の受講生は、これほどまでに司法試験・予備試験に強いのか?
その秘密を知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。

著者:伊藤塾 司法試験科
伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

伊藤塾 司法試験科
司法試験入門講座
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