リスキリングの意味とは？何を学ぶべき？おすすめの資格について徹底解説

近年注目されている「リスキリング」という取り組みをご存知でしょうか。

DX化やAI技術の進歩により、さまざまな仕事のあり方が変化してきている昨今、産業構造の変化により求められるスキルが変わってきていることなど、急速な時代の変化に対応すべく注目されているのが、「リスキリング」という取り組みです。

この記事では、リスキリングとはどういう取り組みなのかを説明したうえで、学ぶべきおすすめの資格について解説していきます。

リスキリングについてよくわかっていないという方に向けてわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧いただき、ご自身のスキルアップに繋げてください。

【目次】
1.リスキリングってどんな意味？
　1-1.リカレントとの違いについて
　1-2.アップスキリングとの違いについて
2.リスキリングでは何を学ぶべき？
3.リスキリングで学ぶべき法律系の資格
　3-1.行政書士
　3-2.司法書士
　3-3.予備試験・司法試験
4.リスキリングで予備試験・司法試験の勉強をすべき３つの理由
　4-1.法律に関する仕事であればほとんど対応可能
　4-2.令和4年度の司法試験の合格率は45.5%
　4-3.予備試験ルートで働きながら合格できる
5.予備校を利用して効率的に勉強しよう

1.リスキリングってどんな意味？

リスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する／させること”」を指します。

出典:リスキリングとは ―DX時代の人材戦略と世界の潮流―|リクルートワークス研究所

技術の革新やビジネスモデルの変化、働き方の多様化に対応するため、今後必要とされる新しい知識やスキルの習得することを目的とする取り組みで、今世界中で広まっている考え方になります。

昨今、AIの技術が格段に進歩し、人間に代わってAIやロボットに業務を任せるケースが増えてきています。

セルフレジや飲食店の配膳ロボットがその代表例で、今まで人間が行ってきた仕事がロボットに置き換えられることも多くなり、それらの仕事をしてきた人たちは働く場所を失ってしまうことになります。

しかし、今までの仕事がロボットに置き換えられたとしても、たとえばセルフレジを補佐する仕事やセルフレジ自体を管理する仕事、配膳ロボットのプログラムをする仕事や、管理者たちを取りまとめる業務など、今までにはなかった新しい仕事をこなす必要が出てきます。

もし、新しい業務についてまったく経験したことがなかったり、何の資格も持っていなかった場合、いきなりそれらの仕事に就くことは難しく、仕事を失ってしまうことになりかねません。

そこで、新しい知識や資格を取得して、仕事の幅を広げたり、新しい仕事に就けるようにしようというのがリスキリングの考え方の基本になります。

仕事を通じて新しい価値を創出し続けるためには、年齢に関わりなく学び続けることが不可欠な時代になったといえるでしょう。

1-1.リカレントとの違いについて

同じ「学び直し」という意味で使われる「リカレント教育」との違いは何なのでしょうか。

情報通信白書（平成30年度版）（総務省） によると、リカレント教育とは「就職してからも、生涯にわたって教育と他の諸活動（労働、余暇など）を交互に行なうといった概念」のことを指します。

「反復」「循環」と翻訳される「Recurrent」という単語に語源があり、回帰教育、循環教育とも呼ばれている概念です。

「社会人が新たな知識やスキルを習得する」という点ではリスキリングと同様ですが、その学び方には差があります。

リカレント教育は学校で勉強する→仕事をする→大学院に行く→仕事をする、といったように、学習と労働を交互に反復して行う概念で、学習と労働を同時に行うのではなく、休職など労働から離れることを前提にしています。

つまり、仕事とは関係のないところで自分の好きな学びに時間を使ってもいいため、必ずしも学習が職業に直結する必要はありません。

一方で、リスキリングの場合、戦略的に従業員に学ぶ機会を与え、今後失くなってしまう職業で働く人達を新しい労働の場に移動させるために戦略的に学習させるのが前提なので、学習は仕事と直結している必要があり、また就業しながら学ぶことも前提となっています。

個々が自由に自身の関心のある分野のスキルを高めるのではなく、企業の事業戦略のひとつとして、新しい労働価値を創出するためにスキルアップを目指すことが必要になってくるのです。

1-2.アップスキリングとの違いについて

アップスキリングやスキルアップという言葉を聞いたことがあるかと思います。

アップスキリングとは、現在就いている仕事のスキルをより高度なものにすることを指します。

コミュニケーションスキルやマネジメントに関する知識を学んだり、資格を取得することにより自分の仕事の幅を広げることが目的です。

具体例としては、不動産会社に入社した方が宅建の資格をとることなどが挙げられます。

リスキリングとの違いは、新しい分野の仕事に関するスキルアップかどうかという点になります。

リスキリングは、新しいことを学んで、これまでとは違う新しい職業につくことで新しいい労働価値を生み出すことを目指します。

つまり、現状の仕事のレベルアップを目指すアップスキリングとは、新しいスキルを身につけるという点では同様ですが、レベルアップ後に活躍する分野が違うのです。

2.リスキリングでは何を学ぶべき？

それではリスキングでは何を学ぶべきなのでしょうか。

新しく身につける事ができるスキルにはさまざまなものがあり、自分がどの分野について学ぶべきか迷ってしまうかと思います。

株式会社学情が20代に行ったリスキングに関するアンケートによると、以下のような結果が出ています。

参考：リスキングの際に身につけたいスキル｜株式会社学情

プログラミングをはじめとするIT関連のスキルや語学の人気が高く回答率は50％を超えています。

何を学ぶかについては、自分の適性や将来的にやってみたい仕事に関連する分野について学ぶことをおすすめしますが、もしもどんなスキルを学んだらよいのかを悩んでいるのであれば、どの分野でもその知識を活かして活躍できる法律関係の資格をおすすめしたいと思います。

3.リスキリングでおすすめの法律系の資格

法律と聞くとなんとなく難しそうなイメージや、弁護士になる人しか学ぶ必要がない学問であるように思いがちですが、どんな企業でも法律に基づき業務を行う事が前提である以上、法律知識を学んでおくことでさまざまな分野で活躍することができるようになります。

法律系の資格にはさまざまなものがあり、一番難易度の高いものは弁護士や検察官、裁判官になる事ができる司法試験でしょう。

しかし、仕事をしながらリスキリングで新しい資格として司法試験を目指す事は十分に可能です。

ここからは、法律系の資格を2つご紹介したうえで、リスキリングで司法試験を目指すべき理由について解説していきます。

3-1.行政書士

行政書士とは、書面作成に関する法律の専門家です。

書面の作成というと仕事のイメージがしづらいかもしれませんが、役所などの公的機関に提出する各種申請書面などを、個人や会社の代わりに代行して作成し、申請するのが行政書士のおもな仕事となります。

とくに公的書面に関しては、申請の仕方や必要書面などが複雑である場合が多く、自分一人で申請するには時間がかかってしまう場合がありますが、そのような場合に正確かつスピーディーに書面の作成をしてくれます。

書面を作成する際には、依頼者が何を望んでいるのかをじっくり聞いたうえで希望する手続きについて代行をし、場合によっては別の手続きについて提案したりすることも行政書士の重要な仕事のひとつであり、やりがいを感じることができる部分の一つでしょう。

その法律知識を活かして一般企業の法務部として企業法務に関する仕事をしたり、契約書の作成に携わったりする事もできるでしょう。

もちろん行政書士として独立開業して仕事をすることもできますし、副業として書面代行業務を行うこともできるでしょう。

行政書士の資格を持っているだけで、できる仕事の幅が格段に広がるでしょう。

3-2.司法書士

行政書士と同じく法律を扱う仕事で、「街の法律家」とも呼ばれる、登記に関する専門家である司法書士。

不動産登記や商業登記に関する仕事が主な業務ですが、登記についてはあまり関わることがないため、イメージが湧かない方もいるでしょう。

登記とは、たとえば土地や家などの不動産を購入した時に、その不動産に関するこれまでの権利関係を記録した公的な書面のことを指します。

登記をしておくことで、他の人に対して「この土地は、◯年◯月に〜から譲り受け、今は自分が所有しています」と、法律的に主張できるようなります。

そのため、マイホームの購入など、不動産を手に入れたときには、原則登記手続きも併せてすることになるでしょう。

その登記手続を代行するのが、司法書士の仕事になります。

不動産の購入や会社を設立する際の登記など、さまさまなイベントの重要な場面でその手続きの代行をする司法書士の責任はとても重く、やりがいのある仕事であるといえます。

司法書士は、許可を受ければ訴額が140万以下の裁判をすることもできます。

行政書士と同じく独立開業して仕事をすることも可能ですし、一般企業の法務部としてその法律知識を活かすことも可能です。

行政書士よりも広い分野の法律知識を学ぶ必要のある司法書士の需要は、どの業界においても非常に高いものになっています。

3-3.予備試験・司法試験

司法試験は、裁判官、検察官又は弁護士などのいわゆる法曹三者になろうとする者に対し、必要な知識や応用能力の有無を判定するための国家試験であり、法科大学院課程の修了者（2023年より法科大学院在学中受験が可能）もしくは司法試験予備試験の合格者を対象に行われます。

法律系資格の最高峰であり、司法試験に合格することができれば、原則ほとんどの法律に関する仕事をする事ができます。

資格の汎用性は非常に高く、弁護士、検察官、裁判官になることできるほか、独立開業して弁護士として働くこともできますし、一般企業に入り企業の法務部として働くインハウスローヤーという働き方もできるでしょう。

弁護士、検察官、裁判官どの職業も法律を持って人助けをする非常にやりがいのある仕事です。

法曹三者は、法律の専門家としてさまざまな仕事を行っており、依頼者の人生を預かる大変重要な役割を担っているのです。

※法曹三者の詳細については、こちらの記事もご覧ください。
→ 法曹の仕事とは？法曹三者（裁判官・検察官・弁護士）の年収や仕事内容をご紹介

4.リスキリングで予備試験・司法試験の勉強をすべき３つの理由

司法試験と聞くと、合格率が一桁の非常に難しい試験であると考えている人が多いと思います。

しかし、司法試験は勉強する方向性さえ間違えなければ誰でも合格することができる試験であり、仕事をしながらでも合格を手にすることができる資格でもあるのです。

ここからは、リスキリングで予備試験や司法試験をおすすめする理由を解説していきます。

4-1.法律に関する仕事であればほとんど対応可能

司法試験に合格することができれば、高度で専門的な法律知識と教育を受けた人に与えられる「法曹資格」を取得することができるため、あらゆる法律業務を行うことが許されています。

司法書士や行政書士などの士業が行う仕事であっても対応することができますし、税理士や弁理士の資格も取れますから、政治家、実業家、企業の法務部、学者、公務員など、職業選択の幅が大きく広がります。

司法試験に合格すれば、今の業務のスキルアップにつながるだけでなく、転職やほかの業務を行う際にも非常に有利な資格になることは間違いありません。

4-2.令和4年度の司法試験の合格率は45.5%

司法試験は法律系の資格の中でも最難関であり、国家試験の中でも最高難易度に位置する試験であることは誰でもご存知かと思います。

当然合格率もかなり低く、一部の天才しか合格できないような特殊な試験だと考えている方も多いでしょう。

しかし、司法試験の合格率を見てみると、現行の司法試験が実施されて以来、最低合格率は平成26年の22.60％、最高合格率は平成18年度の48.30％、令和4年度の司法試験の合格率は45.5%と、合格率はかなり高い数字で推移していて、決して手の届かないような試験にはなっていないことがわかるかと思います。

なるべく早く勉強を開始し、正しい方向で効率良く勉強をすることができれば、誰でも手の届く試験となっているのです。

4-3.予備試験ルートで働きながら合格できる

リスキリングで司法試験合格を目指すにあたり、社会人の方が働きながら司法試験に合格するルートは2つあります。

法科大学院を卒業してから司法試験に合格するルートと、予備試験に合格してから司法試験を合格するルートです。

この点、もし法科大学院に通うとなると、多くの場合は仕事を辞めて通わなければいけないことになるばかりか、学費もそれ相応にかかってしまいます。

もちろん夜間コースのある法科大学院に通うことも選択肢としては考えられますが、金銭面を考えると生活費などの蓄えがないとなかなか難しいですし、仕事や家庭の事情などで、夜間に法科大学院に通うことも難しい方もいらっしゃるでしょう。

一方、予備試験のルートであれば、就業前や終業後、通勤時間などの隙間時間などでコツコツと勉強を続けていけば、予備試験に合格することは十分に可能です。

そのため、リスキリングで司法試験合格を目指すのであれば予備試験ルートで司法試験に挑戦するのがおすすめなのです。

予備試験合格者の司法試験合格率は極めて高く、2022年の予備試験合格者の司法試験合格率は、97.5%（395名）となっています。

そのため、司法試験の受験資格を得るための試験である予備試験に合格することができれば高確率で司法試験に合格することができるのです。

5.予備校を利用して効率的に勉強しよう

　◉リスキリングで、新しい分野の資格を取得すれば仕事の幅が広がる
　◉リスキリングでおすすめの資格は司法試験
　◉予備試験ルートなら社会人でも十分合格に手が届く

当記事ではリスキリングについて解説してきましたが、働き方が急速に変化している現代社会において、今後のために新たなスキルを身につけることは、ご自身の仕事の在り方を決めるうえで非常に重要なこととなります。

もし、リスキリングで資格取得を目指すにあたり、どの資格にすればいいのか迷っているのであれば、司法試験合格を目指して法律の勉強を始めることをおすすめします。

仕事で必ず触れることになる法律の基礎を学ぶことは、すべての仕事の基礎となる部分でもありますし、勉強の過程で他の資格にシフトチェンジすることも可能です。

独学で勉強することも可能ではありますが、限られた時間のなかで確実に結果を残すためには、予備校を利用して効率良く資格取得を目指すことをおすすめします。

通信講座を受講することで、時間や場所を選ばず学習することができるため、自身のライフスタイルにあわせて勉強計画を立てることが可能です。

多くの働きながら司法試験に合格した方達と同様、予備校をうまく活用して新しい資格取得を目指しましょう。

※社会人の司法試験チャレンジについては、こちらも記事もご覧ください。
→ 社会人が働きながら司法試験合格は無謀？就職、勉強法など受験の不安にお答えします！

※社会人がもつ強みについては、こちらの記事もご覧ください。
→ 【司法試験】働きながら合格できる！社会人がもつ5つの最強メリット

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