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司法試験に現役合格するには?在学中の合格率をもとに解説

2025年03月04日

 
合格プレミアムコース


 

弁護士や検察官、裁判官になることを夢見て司法試験合格を目指す学生はたくさんいますが、その中には大学在学中に予備試験や司法試験に合格する方が200名近く(令和4年予備試験では196人)います。

在学中に合格することができれば、法科大学院の費用がかからないだけでなく、若くから実務経験を積むことができたり、就活においても有利な点があるなど様々な面でメリットがあります。

この記事では、大学在学中の司法試験合格率やメリット、おすすめの予備試験ルートについて解説していきます。

この記事を読んでいただければ、在学中の司法試験合格に一歩近付くことができるので、ぜひ最後までご覧下さい。

【目次】
1.大学在学中に司法試験に合格することは十分可能
 1-1.司法試験における大学生の合格率と合格者数
2.在学中に司法試験に合格する事のメリット
 2-1.法科大学院に費用をかけないで済む
 2-2.若いうちから実務経験を積むことができる
 2-3.予備試験合格者は就職活動でも重宝される
3.予備試験の「大学」区分の合格率
4.在学中に予備試験に合格するためには?
5.大学在学中に予備試験に合格するための学習スケジュールの立て方
6.在学中に予備試験に合格するために必要な勉強時間は?
7.司法試験予備校をうまく活用するべき理由
8.まとめ

 

1.大学在学中に司法試験に合格することは十分可能

司法試験を受験するためには、法科大学院を修了するか(2023年より法科大学院在学中受験が可能)、予備試験に合格することが必要です。

この2つのルートのうち予備試験ルートであれば、大学2年時もしくは大学3年時に予備試験に合格することで、翌年、つまり大学在学中の司法試験合格が可能となります。

法務省の発表によると、令和4年司法試験の最年少合格者の年齢は18歳(高校生)となっています。

予備試験には年齢による受験制限が設けられていないため、正しい勉強方法さえ確立できれば、大学在学中だけでなく高校生であっても予備試験や司法試験に合格できることを示しているのです。

参照:令和4年司法試験予備試験口述試験(最終)結果

 

1-1.司法試験における大学生の合格率と合格者数

年度受験者数合格者数合格率
平成26年度504794.00%
平成27年度575189.50%
平成28年度726995.80%
平成29年度938995.70%
平成30年度11911294.10%
令和元年度969599.00%
令和2年度15014697.30%
令和3年度15615398.10%
令和4年度15014999.30%

参照:司法試験の結果について(法務省)

表を見るとおわかりの通り、大学生の合格率は非常に高い数字で推移しています。

これは、在学中に司法試験を受験できるのは予備試験に合格した者のみであり、予備試験の学習は司法試験に直結していることに起因しています。

予備試験に合格することができれば、9割以上の確率で司法試験に合格することができるのです。

また、年々受験者数が増えている点から、大学在学中に予備試験に合格する人が増えてきていることが分かります。

予備試験は、正しく勉強すれば誰でも合格できる可能性がある試験であることが、受験業界でも一般的になってきているのです。

 

2.在学中に司法試験に合格する事のメリット

大学在学中に司法試験に合格することができれば、様々な面でメリットがあります。

ここでは大きく3つのメリットをご紹介します。

 

2-1.法科大学院に費用をかけないで済む

法科大学院ルートで司法試験を受験する場合、当然ながら法科大学院に学費を支払う必要があります。

学費は大学により異なりますが、入学金で30万円前後、年間の学費で100万円前後かかることもあります。

予備試験ルートであれば、法科大学院に学費を支払う必要がないため、その費用を浮かすことができるという大きなメリットがあります。

もちろん、各種奨学金制度や成績優秀者に対する学費の補助など、経済的負担を軽くするための制度はそれぞれの法科大学院で行われてはいますが、それでも法科大学院に2〜3年支払う必要がある高額な学費を支払う必要がないことは、特に経済的な事情から法科大学院に通うことができない方にとっては大きなメリットとなるでしょう。

 

2-2.若いうちから実務経験を積むことができる

できる限り早い段階で司法試験に合格することで、周りよりも若いうちから実務の経験を積むことができます。

法務省の発表によれば、司法試験合格者の平均年齢は約28歳となっています。
参照:司法試験に年齢制限はある?最年少合格者と最高齢合格者も詳しくご紹介!

また、新設された法曹ルートの場合、最短で25歳で法曹デビューとなりますが、予備試験ルートで在学中に合格することができれば、それよりも早く実務経験を積むことができます。
参照:法科大学院・法曹コースとは?メリット・デメリットや設置大学一覧などを詳細解説

このように、20代前半で実務の経験を積むことができることが予備試験ルートの大きなメリットの一つであると言えるでしょう。

 

2-3.予備試験合格者は就職活動でも重宝される

予備試験の合格率は毎年4%程度と難易度の高い試験になっています。そのため、予備試験ルートで司法試験を受験した人の合格率は、法科大学院ルートよりも高くなっています。

これは予備試験に合格する時点で、すでに司法試験に合格するだけの高い法律知識がついていることが大きな理由のひとつになります。

そのため、弁護士として働くため、法律事務所への就職活動を行う際にも、「難関な予備試験に合格しているということは優秀な人材であるに違いない」と評価され、選考時に有利に働くことになるでしょう。

他のメリットも知りたい方はこちらもぜひご覧ください。
参照:データと合格者が教える!司法試験大学在学中合格への道 

 

3.予備試験の「大学」区分の合格率

最終学歴合格率
大学卒業1.84%
大学在学中5.11%
大学中退0.79%
法科大学院修了2.49%
法科大学院在学中11.44%
法科大学院中退1.83%

参照:令和4年司法試験予備試験(法務省)

最終学歴から合格率を見てみると、法科大学院在学中が11.44%で最も高く、次いで大学在学中が5.11%で二番目に高い合格率となっています。

このことから、予備試験は数年かけてやっと合格するような試験ではなく、大学在学中の短期間で十分合格することが可能な試験であることがわかります。

もちろん、人の人生を左右するような重大な責任を担う法曹の資格を得るための試験なので、決して簡単な試験ではありません。

しかし、効率良く正しい方向での勉強を続ければ、大学在学中でも合格できる試験が予備試験です。

 

4.在学中に予備試験に合格するためには?

在学中に予備試験に合格する重要なポイントは、効率の良いインプットとアウトプットを中心とした勉強をすることです。

法律の勉強は深く勉強しようと思うと、どこまでも学習範囲を広げることが出来てしまう学問で、範囲を決めることなく勉強していては何年かけてもインプットを終えることが出来ません。

司法試験や予備試験で最も重要な試験は論文式試験ですが、この論文式試験で良い成績を出すために近道はなく、必要十分な知識があることが大前提で、毎日コツコツと論文を書いていくしか方法がありません。

必要な知識が備わっていないまま、むやみにアウトプットをいくらやっても合格に近づくことはありません。インプットは軽ければいいものでもないのです。

つまり、合格に「必要十分な」知識のインプットを効率よく、素早く正確に終わらせて、そのうえでできる限り早くアウトプットをすることが司法試験や予備試験の勉強では重要になってくるのです。

アウトプット中心の勉強方法についてはこちらの記事を参照ください。
参照:【決定版】司法試験論文式の勉強方法総まとめ

 

5.大学在学中に予備試験に合格するための学習スケジュールの立て方

在学中に予備試験に合格するためには、効率よく学習を進めるためのスケジュール作りが非常に重要です。

司法試験と聞くと、起きてから寝るまで机に向かい続け、食事とトイレ以外は全て勉強していなければ合格できないようなイメージを持たれているかもしれません。

しかし、予備試験や司法試験は正しい方向で計画的に勉強すれば誰でも合格できる試験です。

そのため、大学の講義だけでなく、部活やサークル、友達との時間と司法試験の勉強を両立する事は十分に可能なのです。

できる限り効率的に勉強を進めるために、計画を立てる際には以下のような点に注意してください。

◉ゴールから逆算して計画を立てる
◉目標を細かく設定する
◉計画を毎日見直す
◉常に合格という目標を意識して計画を立てる

計画を立てる際には、常に司法試験合格を視野に入れておくことが重要です。

例えば、インプットを重視しすぎるあまり、「六法全書を全部暗記する」という目標を立てたとしても、司法試験合格には届かないでしょう。それは、司法試験が法律を暗記しているかどうかを問う試験ではなく、与えられた問題を適切に処理できるかどうかを問う試験だからです。

間違った勉強を続けて合格が遠のいてしまわないよう、効果的な学習スケジュールを立てるようにしましょう。

※詳しくはこちらの記事もご参照ください。
司法試験に最短で合格するための効率の良いスケジュールの立て方

 

6.在学中に予備試験に合格するために必要な勉強時間は?

合格までに必要な勉強時間は、人によって個人差があるため一概には言えませんが、一般的には2,000〜5,000時間程度と言われています

司法試験は試験範囲も膨大で、それ相応の勉強時間を確保できなければ合格できないことは間違いありません。

しかし、勉強した時間の長さが長ければ長いほど合格率が上がるというものではなく、どれだけ勉強時間を確保しても、間違った方向で勉強していては、いつまでたっても合格することはできないでしょう。

「単に知識を確認するにとどまらず,掘り下げた考察をしてそれを明確に表現する能力,論理的に一貫した考察を行う能力,及び具体的事実を注意深く分析し,法的な観点から適切に評価する能力を確かめること」(令和元年司法試験民事系科目第一問採点実感)を目的とする司法試験では、上辺だけの知識だけではなく、真の法的思考力を身につける必要があるのです。

そのためには、「1日◯時間勉強した」といったような”量”を重視する勉強をするのではなく、予備試験・司法試験に合格するための法的思考力を鍛える”質”を重視する勉強を心がけることが大切です。

 

7.司法試験予備校をうまく活用するべき理由

予備試験や司法試験に合格するためには、むやみやたらに使用教材を増やさないということも、合格における重要な要素の一つになります。

勉強を始めた当初は、試験への不安から様々な方法で知識を学びたくなる気持ちはよく分かりますし、試験に出る範囲の知識を満遍なくに吸収しておきたくなるのは、受験生であれば当然のことでしょう。

しかし、大学在学中という限りある時間の中で結果を出すためには、試験に直接関係のない知識をつけるための勉強に時間を割く余裕はありません。

100の曖昧な知識より10の確実な基礎知識をつけることが司法試験合格の鍵です。基本書や判例集など、勉強する教材はできる限り一つに絞り、むやみやたらに手を広げないようにしてください。

もし、教材選びで迷った際には、予備試験や司法試験を熟知している予備校を利用することも選択肢のひとつとして検討されてはいかがでしょうか。予備校の教材では、学習すべき重要なポイントがまとめられていて、自分で教材を吟味する手間を省く事が出来るため、時間のない学生にとって非常に有意義な選択になると言えるでしょう。

また、オンラインでの講義やいつでも講師に質問できる学習サポート、合格者によるカウンセリング制度など、充実した学習サポートもあり、試験合格までモチベーションを落とすことなく勉強を続けることができるでしょう。

他にも、受験生の中での自分の立ち位置が確認できる答練や、孤独な受験勉強を乗り越えモチベーションアップにもつながる受講生同士の交流会などに参加できることも予備校ならではの魅力ではないでしょうか。

ぜひ予備校を上手に活用して、大学在学中の合格を勝ち取っていただきたいと思います。

 

8.まとめ

◉大学在学中に司法試験に合格することは十分可能
◉在学中に合格すれば、早くから実務経験を積むことができたり、就活にも有利
◉限りある時間の中で効率良く勉強するためには予備校の活用も有効

予備試験や司法試験の最短合格に特別な才能は必要ありません。

必要なのはやる気だけで、あとはあると決めたことをコツコツと毎日積み重ねるだけで合格は見えてきます。

もし、在学中での最短合格を目指したいのであれば、限りある時間を有効活用するためにも予備校を有効活用してみてはいかがでしょうか。

ぜひ、大学生活と勉強の両立をしながら法曹になる夢を叶えましょう。

伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、司法試験合格はもちろんのこと、合格後の活躍まで見据えたお一人おひとりへの丁寧なサポートで、受講生の皆様を全力で支えています。

無料の体験受講や説明会も実施していますので、司法試験の受験に興味をお持ちの方は、ぜひ一度伊藤塾までお問い合わせください。

2024年 司法試験合格者1,592人中 1,436名(90.2%)※1
2024年 予備試験合格者 449人中 405名(90.2%)※2
伊藤塾有料講座の受講生でした。
※1(講座内訳:入門講座698名、講座・答練337名、模試401名)
※2(講座内訳:入門講座231名、講座・答練126名、模試48名)

なぜ、伊藤塾の受講生は、これほどまでに司法試験・予備試験に強いのか?
その秘密を知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。

 

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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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