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行政書士はやめとけって本当?気になる7つの真実を徹底解説

2025年03月26日

 
合格講座


 

「行政書士はやめとけ」
「行政書士は稼げない」

行政書士試験の勉強中、こんな声を耳にすると落ち込んでしまいますよね。しかし、ネガティブな意見を気にする必要は全くありません。

「やめとけ」という理由の多くは正確ではなく、行政書士になることで将来の可能性は確実に広がります。

本記事では

◉「行政書士はやめとけ」と言われる理由と実情
◉ 本当に向いていない人の特徴
◉ 行政書士資格を手に入れるメリット

について取り上げました。行政書士に興味がある方は、是非ご一読ください。

【目次】
1.「行政書士はやめとけ」は本当?7つの理由
 1-1.行政書士は年収が低い?
 1-2.行政書士は就職できない?
 1-3.行政書士は飽和している?
 1-4.行政書士は将来性がない?
 1-5.行政書士の仕事はAIに代替される?
 1-6.行政書士は独占業務が少ない?
 1-7.行政書士試験は難しすぎる?
2.やめとけも嘘ではない!行政書士をオススメできない人の特徴
 2-1.努力を「全く」したくない人
 2-2.資格を取った「だけ」で稼げると思っている人
3.不安を払拭!行政書士になると広がる3つの可能性
 3-1.【夢を実現】独立開業して自由な働き方へ
 3-2.【堅実派の方へ】副業で収入アップも可能
 3-3.【新たなステップ】法律家の登竜門として
4.【Q&A】行政書士に関するよくある質問
 4-1.Q.行政書士だけでは生活できない?
 4-2.Q.ぶっちゃけ行政書士資格を取って良かったと感じる人は多い?
 4-3.Q.行政書士の廃業率は?
 4-4.Q.行政書士は企業に雇われてはいけないって本当?
5.まとめ

 

1.「行政書士はやめとけ」は本当?7つの理由

「行政書士はやめとけ」という根拠としてよく挙げられるのは、次のような理由です。

 ・年収が低い
 ・就職できない
 ・飽和している
 ・将来性がない
 ・AIに代替される
 ・独占業務が少ない
 ・試験が難しすぎる

しかし、本当にそうなのでしょうか。「やめとけ」と言われる7つの理由について、詳しく見ていきましょう。

 

1-1.行政書士は年収が低い?

行政書士は年収が低いと言われることがありますが、これは誤解です。

どんな職業でも言えることですが、開業直後や経験の浅い行政書士の収入は、必ずしも高いとは言えないかもしれません。しかし、経験を積み、専門性を高めることで年収アップの可能性は十分にあります。

例えば、

・SNSなどを活用して、営業活動に力を入れる
・特定の分野で実績を積み、単価を上げる
・ダブルライセンスを取得して仕事の幅を広げる

など、行政書士が年収を上げる方法はいくつもあります。

独立開業して成功すると、年収1000万を超えるケースも少なくありません。行政書士は、年齢や性別に関係なく、本人の能力とアイデア次第で、大きく稼げる可能性を秘めた職業です。

※行政書士の年収については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 行政書士の年収の現実は?女性・雇われ・開業・中央値など比較解説

 

1-2.行政書士は就職できない?

行政書士になっても就職できないという声もあります。確かに、行政書士試験に合格した後、会社に就職する人はあまり多くありません。

しかし「就職できない」というと、少し語弊があります。就職する行政書士が少ないのは、次のような理由があるからです。

・未経験からでも独立開業しやすい
・開業に必要な資金が少ない
・企業から行政書士として雇われることは認められていない

行政書士は、そもそも独立開業型の資格です。初期費用が安く、未経験からでも開業しやすいため、多くの行政書士が即独(試験合格後すぐに独立すること)を選択しているのです。

また、企業内行政書士は認められていないものの、行政書士の知識やスキルを活かせる職場は多く存在します。例えば、法務事務所や企業の法務部門などで、行政書士の資格を持つ人材を求めているケースも少なくありません。

※行政書士の就職については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 行政書士は就職できないって本当?行政書士資格がおすすめな理由を徹底解説!

 

1-3.行政書士は飽和している?

行政書士は飽和状態にあるという指摘もありますが、実態はどうでしょうか。

確かに、行政書士の数は年々増加しています。しかし、それ以上に行政書士の需要も拡大しているのです。例えば、総務省の「経済センサス活動調査」によれば、行政書士事務所の売上は、ここ10年間で2倍になっています。

年度(百万円)
売上金額
(百万円)
一人当たり売上
201230,8023.60
201640,7444.02
202162,2604.67

(総務省統計局 平成24年平成28年令和3年 経済センサス-活動調査)
※令和3年についてはデータの表示形式が変更となっています。産業小分類でソートをかけ行政書士事務所を選択するとデータを確認することができます。

行政書士1人当たりの売上も大きく拡大しており、決して飽和状態にあるとはいえません。むしろ、行政書士業界の市場は拡大しており、行政書士に対する需要も高まり続けています。

 

1-4.行政書士は将来性がない?

行政書士に将来性がないという意見もありますが、これは短絡的な見方です。確かに、行政のデジタル化や手続きの簡素化により、従来の業務の一部は減少する可能性があります。しかし、法改正や新たな制度の導入により、行政書士の役割が拡大する分野も出てきているのです。

例えば、外国人の入管業務、民泊やドローン規制など、社会の変化に伴う新たなニーズが生まれています。また、高齢化社会の進行によって、相続関連の需要も急拡大しています。

行政書士に将来性がない訳ではなく、社会の変化に伴って、活躍する場面に変化が生じているというのが正しい認識です。

社会ニーズにあわせて専門性を高めたり、新しい分野に挑戦したりすることで、今後も活躍していくことができるでしょう。

※行政書士の将来性については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【市場規模が倍増?】行政書士に将来性がある理由について徹底解説!

 

1-5.行政書士の仕事はAIに代替される?

AIの発展により、行政書士の仕事が奪われるのではないかという不安の声もあります。確かに、定型的な書類の作成などの一部の業務はAIに代替される可能性があります。しかし、行政書士の本質的な価値は「人と人との対話」によって、最適な解決策を探っていくことにあります。

そのため、例えば、

・顧客との信頼関係の構築
・スムーズに許認可を得るための事前の根回し
・豊富な経験を活かしたコンサルティング業務

など、人間にしかできない業務が数多く残されています。むしろ、AIを上手く活用することで、より高度な業務に専念できるようになるでしょう。

行政書士は、他の職業と比較しても、AIに代替されづらい仕事の1つです。AIに不安を感じる必要はなく、AIを活用して、人間ならではの価値を提供していくことが、質の高いサービスの提供につながるのです。

 

1-6.行政書士は独占業務が少ない?

行政書士の独占業務が少ないと思っている人もいますが、これは完全に誤りです。行政書士は、士業の中でも特に独占業務の幅が広い資格の1つで、次のような独占業務を有しています。

行政書士の3つの独占業務
 ・「官公署に提出する書類」の作成
 ・「権利義務に関する書類」の作成
 ・「事実証明に関する書類」の作成

例えば「官公署に提出する書類」の数は、1万種類を超えるとも言われており、膨大な種類の書類を扱っています。さらに、新たな法律や条例が制定されることで、今後も拡大する可能性があります。

行政書士は決して独占業務が少ない資格ではありません。むしろ仕事の幅が広すぎるため、特定ジャンルに特化して活躍する行政書士が増えています。数ある独占業務の中から、社会ニーズを見極め、自身の適性に応じて専門性を高めていくことで、行政書士として活躍することができるのです。

※行政書士の独占業務については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 行政書士の独占業務一覧!業務範囲やできない事について解説

 

1-7.行政書士試験は難しすぎる?

行政書士試験の難しさを理由に、挑戦をためらう人もいます。

確かに、合格率は例年10%程度と決して高くありません。難関資格であることは間違いないでしょう。しかし、正しい学習計画を立てて、継続的に努力することができれば、合格は十分に可能です。実際、合格者の多くは、法律の知識が全くない状態から、行政書士試験に挑戦しています。

・働きながら挑戦した人
・子育てしながら挑戦した人
・高校中退から挑戦した人

など、バックグラウンドは様々ですが、粘り強く勉強することで見事合格を勝ち取っています。試験の難しさに尻込みするのではなく、挑戦する価値のある目標として捉えることが大切です。

※行政書士試験の合格率の実態については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 行政書士試験の合格率はどのくらい?合格率が低い理由や推移についても解説

 

2.やめとけも嘘ではない!行政書士をオススメできない人の特徴

これまで見てきた7つの理由を踏まえると、「行政書士はやめとけ」という意見は必ずしも正しくないことがわかります。確かに難関試験ではありますが、挑戦するだけの魅力と可能性を秘めています。 

ただし、行政書士という資格が全ての人に向いているわけではありません。ここでは、行政書士をオススメできない人の特徴を2つ紹介します。

行政書士をオススメできない人
・努力を「全く」したくない人
・資格を取った「だけ」で稼げると思っている人

それぞれ見ていきましょう。

 

2-1.努力を「全く」したくない人

行政書士は、努力を惜しまない人にとっては魅力的な資格です。しかし、「全く」努力したくない人には向いていません。その理由は主に3つあります。

・難関試験を突破する必要があるから
・資格取得後も継続的な学習が欠かせないから
・自分の努力次第で収入や働き方が変わるから

まず、行政書士試験が難関であることです。合格するためには、法律に関する幅広い知識を習得する必要があり、一定の勉強が求められます。

次に、資格取得後も継続的な学習が欠かせません。法改正や新しい制度に対応するためには、常に最新の情報を収集し、知識をアップデートする必要があります。

最後に、自分の努力次第で収入や働き方が大きく変わる点です。

より多くの顧客を獲得し、質の高いサービスを提供するためには、継続的なスキルアップが不可欠です。ただし、これらの特徴は行政書士に限った話ではありません。医師や弁護士など、他の専門性の高い職業でも同様です。

 

2-2.資格を取った「だけ」で稼げると思っている人

行政書士資格を取得するだけで、すぐに高収入が得られると考えている人にも、オススメできません。行政書士は確かに稼げる資格の一つですが、それは資格取得「後」の努力次第です。資格取得はあくまでスタートラインに立ったに過ぎません。

大きく稼いでいくためには、専門性を高め、顧客を獲得し、信頼関係を築いていく必要があります。特に独立開業の場合、営業活動やビジネススキルの向上も求められます。

また、競争の激しい分野では、他の行政書士との差別化を図ることも必要でしょう。資格を取得しただけで安泰だと考えている人は、現実とのギャップに苦しむ可能性があります。行政書士として成功するためには、資格取得後も継続的な努力が不可欠です。

ただし、これは行政書士に限った話ではありません。医師や弁護士など、どの専門職でも、資格を取っただけで稼げる時代ではなくなっています。資格取得をゴールではなく新たなスタートとして捉え、日々の努力を惜しまない姿勢が、成功するための鍵となるのです。

 

3.不安を払拭!行政書士になると広がる3つの可能性

行政書士に関する不安を聞くことがありますが、実際には多くの可能性が広がっています。ここでは、行政書士になることで広がる3つの可能性について紹介します。

・独立開業による自由な働き方
・副業としての収入アップ
・法律家へのキャリアチェンジ

これを理解することで、行政書士資格を取得するメリットが、より具体的にイメージできるはずです。

 

3-1.【夢を実現】独立開業して自由な働き方へ

行政書士の大きな魅力の一つは、独立開業して自由な働き方ができることです。「時間」の使い方や、仕事をする「場所」を自分で決められるため、ワークライフバランスを重視した柔軟な働き方が可能となります。

また、独立開業することで、自分の得意分野や興味のある分野に特化したサービスを提供することもできます。

例えば、

・語学力を活かして、国際業務に特化する
・経験を活かして、相続業務を専門に取り扱う
・ダブルライセンスを活用して、業務の幅を広げる

など、自分の強みを活かしたビジネスモデルを構築することができるのです。好きな場所で、好きなペースで、自由に仕事を進められることは、何ものにも代え難いメリットだといえるでしょう。

※行政書士の独立開業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 行政書士が独立開業するには?年収・資金・成功のポイントを解説!

 

3-2.【堅実派の方へ】副業で収入アップも可能

行政書士は副業としても魅力的な資格です。「会社を辞めるのは抵抗がある」という堅実派の方も、会社員として働きながら、副業として収入を得ることができます。

副業として行政書士の仕事をスタートすることには、次のような魅力があります。

・副業収入でプチ贅沢ができる(旅行など)
・爆発的に収入アップする可能性もある
・本業の保険になる
・事業主としての経験が積める

まずは副業としてスモールスタートし、事業が軌道に乗ってきたら、仕事を退職するという選択肢も良いでしょう。副業として始めることで、リスクを最小限に抑えながら、経験を積むことができます。

本業で安定的な収入を得つつ、自分のペースで顧客を増やしていけることは、副業行政書士の大きなメリットです。

※行政書士の副業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【サラリーマン必見】行政書士を副業から始める5つのメリットと注意点

 

3-3.【新たなステップ】法律家の登竜門として

本格的な法律系国家資格の中でも、行政書士試験は「登竜門」のような位置づけにある資格です。なぜなら、行政書士資格を取得することで、法律に関する幅広い知識と実務経験を得られるからです。

例えば、行政書士として学んだ知識を生かして、弁護士や司法書士などの他の法律資格に挑戦するのも良いでしょう。また、宅建士の資格を追加で取得すれば、不動産分野にも活躍の場が広がります。

行政書士は、法律家になるための第一歩として最適な資格です。法律の世界に興味がある方や、法律家へのキャリアチェンジを考えている方にとって、非常に魅力的な選択肢だといえるでしょう。

 

4.【Q&A】行政書士に関するよくある質問

4-1.Q.行政書士だけでは生活できない?

行政書士だけで生活できるかは、人によって異なります。もちろん行政書士資格だけで生活している人もいますが、スキルアップのためにダブルライセンスやトリプルライセンスを取得する人も多く、人によって様々です。

 

4-2.Q.ぶっちゃけ行政書士資格を取って良かったと感じる人は多い?

行政書士資格を有効活用できるかは、本人の努力次第です。ただし、「行政書士試験に挑戦して良かった」という声は、毎年多くの合格者から届いています。そして合格後も様々なフィールドで、行政書士資格を活かして活躍されているようです。

※行政書士として活躍中の先輩実務家の皆様の「ぶっちゃけ話」をぜひご覧ください。
「合格後の活躍 実務家レポート 」

 

4-3.Q.行政書士の廃業率は?

行政書士の廃業率は「約4%程度」です。

令和5年度当初における登録者数51041
令和5年度の廃業者数2368
(※廃業届を提出した廃業者数)2064
令和5年度の廃業率4.60%
(廃業届の提出による廃業率)4.00%

総務省 行政書士の登録状況(令和5年度)

 

4-4.Q.行政書士は企業に雇われてはいけないって本当?

はい。一般企業内で行政書士として働くことは認められていません。ただし、行政書士法人であれば、雇われ行政書士として働くこともできます。また、一般企業で、行政書士の知識を活かして働いている人もいます。

 

5.まとめ

最後に、今回の記事の要点をまとめます。

◉「行政書士はやめとけ」を気にする必要はない
◉ 行政書士は数多くの可能性を秘めた魅力的な資格
◉ 独立開業、副業、キャリアチェンジなど
◉ 難関試験だが、誰でも合格できる可能性がある

行政書士は、頑張って挑戦するだけの魅力と可能性を秘めた素晴らしい資格です。 
「やめとけ」という声に惑わされず、自分の可能性を信じて挑戦する勇気を持ちましょう。

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伊藤塾行政書士試験科

著者:伊藤塾 行政書士試験科

伊藤塾行政書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの行政書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、行政書士試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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