なぜ宅建士証の更新は5年に一度必要なのか?更新しないとどうなる?

宅建士は宅地建物取引士証(宅建士証)を使って業務を行いますが、この宅建士証は生涯有効ではなく、一定の期間ごとに更新が必要です。
更新の際には都道府県の指定する講習を受ける必要がありますが、スケジュールや講習内容など気になることも多いでしょう。
更新を怠ると宅建士の独占業務を行えなくなるため、これから宅建士試験に合格して不動産業界で働こうと考えている人は、講習の概要や更新の流れをしっかり把握しておきましょう。
この記事では、宅建士の法定講習の流れやかかる費用などについてわかりやすく解説していきます。
【目次】
1.なぜ宅建士証に更新は必要なの?更新しないとどうなる?
1-1.宅建士証の法定講習は5年に1回
1-2.更新しないと宅建士証が無効に!再交付は可能?
2.宅建士証の更新が必要ないケース
3.宅建士証の更新手続きの流れ・日程
3-1.更新・法定講習に関するお知らせが届く
3-2.法定講習の予約をする
3-3.指定された会場で法定講習を受講する
3-4.更新された宅建士証を受け取る
4.法定講習の内容は?何をするの?
5.法定講習はいくらかかる?費用は?
6.宅建士証の更新に関してよくある質問
6-1.宅建士証の法定講習はいつまでに受ける?
6-2.法定講習はWebでも受けられる?
6-3.法定講習と登録講習・登録実務講習の違いは?
7.まとめ
1.なぜ宅建士証に更新は必要なの?更新しないとどうなる?
宅建士証は生涯有効ではなく、一定の期間ごとに更新が必要です。宅建士として業務を行う場合や今後宅建士としての業務を行う予定のある人は、必ず更新を行う必要があります。宅建士は、主に以下の場面で宅建士証の提示が必要になります。
・取引相手に重要事項の説明を行う場合(宅建業法第35条4項)・不動産取引に関し、取引関係者から請求があった場合(同法第22条の4)
重要事項説明の際に宅建士証の提示がなかった場合、10万円以下の過料を科せられる可能性があります。
宅建士証を提示する理由は、不動産に関する知識が不十分な者が取引に関する重要な事項を説明することで、取引相手に損害を与えることを防止するためです。宅建士証を持っている以上、取引相手に損害を与えることがないようわかりやすい説明を行う義務を負うため、一定期間ごとに講習を受けて知識をアップデートしておく必要があるのです。
1-1.宅建士証の法定講習は5年に1回
宅建士証の有効期限は5年間です。つまり、5年ごとに更新を行う必要があります。
更新の際には法定講習を受ける必要がありますが、この法定講習は更新ごとに行う必要があります。法定講習では、主に宅建士証の有効期限5年以内の法改正や不動産取引に関する紛争事例などについて学びます。更新ごとの講習で最新の知識をアップデートして行くことになるのです。
1回更新すればそれで宅建士証が生涯有効になるわけではないので、注意してください。なお、宅建士試験に合格した実績や宅建士としての登録自体に期限は設けられていません。
1-2.更新しないと宅建士証が無効に!再交付は可能?
宅建士証の更新を怠ると、有効期限が切れてその宅建士証が無効になります。その結果、宅建士であることを名乗れなくなるだけでなく、不動産取引の場面における重要事項の説明など、宅建士としての業務もできなくなります。
更新を後回しにしたからといって、講習内容が軽くなったり、費用が安くなったりするなどのメリットはありません。不動産取引に従事している場合は、更新案内が届いたら速やかに法定講習の予約を行いましょう。
2.宅建士証の更新が必要ないケース
宅建士証の更新は任意なので、不動産業に従事していない場合や今後宅建士としての仕事に就く予定がない方は、更新を行う必要はありません。更新を怠っても、宅建士としての仕事ができないだけで、特にペナルティはありません。
例えば、他業種に転職して不動産取引業を行わなくなった場合には、あえて手間と費用をかけてまで更新を行う必要はありません。法定講習自体はいつでも受けられるため、今後宅建士証が必要になる場面があれば、その際に講習を受けることで宅建士証を再交付してもらうことも可能です。
3.宅建士証の更新手続きの流れ・日程
ここでは、宅建士証の更新手続きの流れ・日程を確認していきます。まず、宅建士証の更新手続きの流れは以下のとおりです。
【宅建士証の更新手続きの流れ】●更新・法定講習に関するハガキが届く
●法定講習の予約をする
●指定された会場で法定講習を受講する
●更新された宅建士証を受け取る
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1.更新・法定講習に関するお知らせが届く
宅建士証の有効期限が切れるおおよそ6ヵ月前になると、更新および法定講習に関する案内が届きます。お知らせは書面で届くこともありますが、都道府県によってはハガキで届くこともあります。
更新のお知らせは「宅地建物取引業協会」や「全日本不動産協会」などから届きますが、両方からお知らせが届いた場合、好きな方で受講して問題ありません。実施日程や会場を見て、自分で参加しやすい方の日程を抑えましょう。
3-2.法定講習の予約をする
各都道府県の宅建協会から届くお知らせには、講習日や講習会場などが記載されています。会場は自分で選択できますが、定員が一杯になるとその会場は締め切られてしまうため、早めの申し込みを心がけましょう。
講習の予約は、基本的に郵送もしくは窓口での申し込みとなっています。申請書類を作成後、提出書類と一緒に提出しましょう。予約に必要になる主な書類は、以下のとおりです。
【法定講習の予約に必要な書類】・法定講習受講申込書
・宅地建物取引士証交付申請書
・記入書類への押印
・カラーの顔写真(複数枚、サイズ指定あり)
・宅地建物取引士証(原本またはコピー)
・費用の振込証明書類
・返信用封筒
提出書類は都道府県や各講習団体により異なる場合があるので、あらかじめホームページや更新案内などで確認しておきましょう。
3-3.指定された会場で法定講習を受講する
法定講習の申し込みが完了すると、宅建協会から受講証が届きます。指定された日時・会場を確認して法定講習を受講しましょう。講習当日に持参する物は、以下のとおりです。
・受講票・宅地建物取引士証(原本)
・認印
会場に到着したら、まずは有効期限が迫っている(もしくは切れている)宅建士証を返却します。その後は講習に移りますが、1日かけて最新の法改正などにつき講義形式で学んでいきます。
3-4.更新された宅建士証を受け取る
講習が終了したら、会場の受付で更新された新しい宅建士証を受け取ります。講習当日の流れは宅建協会によってそれぞれ異なりますが、大まかな流れを東京都を例に確認してみましょう。
【法定講習当日の流れ】
受付開始 | 9:30~ | ・受講票の確認 ・宅建士証の回収 |
事務連絡 | 9:55~ | 注意事項等の事前 説明 |
講習(午前) | 10:00~12:40 | ・宅地建物取引士 の使命と役割 ・法令改正の主要 な改正点と実務上 の留意事項 前半:宅建業法、 その他 後半:都市計画 法、建築基準法 |
昼休み | 12:40~13:20 | |
講習(午後) | 13:30~17:10 | ・紛争事例と関係 法令および実務上 の留意事項 ・改正税制の主要 な改正点と紛争事 例および実務上の 留意事項 |
宅地建物取 引士証交付 | 17:10~ | 新しい宅建士証の 交付 |
参照:当日のスケジュールと時間割|全日本不動産協会東京都本部・(公社)不動産保証協会東京都本部
4.法定講習の内容は?何をするの?
法定講習では、宅建士証の有効期限である5年以内に起きた法令・税制改正や事務上重要な紛争などを、講義形式で学びます。実務上必要な知識を得ることで宅建士としての資質の維持・向上を図り、もって宅建士として適正な業務遂行能力を確保することを目的としています。
法定講習で学ぶ具体的な科目は、以下の4つです。
・宅地建物取引士の使命と役割・法令改正の主要な改正点と実務上の留意事項
・紛争事例と関係法令及び実務上の留意事項
・改正税制の主要な改正点と紛争事例および実務上の留意事項
法定講習を受けると、実務上重要な法令・税制改正のポイントを短時間で学ぶことができます。更新するには法定講習を受けることは必須ですが、それ以上に宅建士として働く上で重要な知識を身につけることができるのです。
5.法定講習はいくらかかる?費用は?
法定講習にかかる費用・手数料は、以下の通りです。
・法定講習の受講料:12,000円・宅地建物取引士証の交付手数料:4,500円
受講料および交付手数料は、法定講習申し込みの際に銀行や郵便局で振込みにより支払います。宅建士証の更新は5年に1回ですが、更新ごとに16,500円の費用がかかるのは大きな負担になるかもしれません。
しかし、他の士業と比べると、宅建士証の更新費用は比較的安めに設定されています。例えば、行政書士が業務を行う場合には行政書士会に入会する必要があります。東京都行政書士会では3ヵ月で1万8,000円の会費がかかるので、5年間で換算すると36万円もの会費がかかることになります。
参照:登録入会のご案内|東京都行政書士会
費用はかかりますが、事務上重要な知識を得られる機会だと割り切って考えるとよいでしょう。
※法定講習の情報について、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 宅建士の法定講習とは?日程や流れ・Webの効果測定について解説
6.宅建士証の更新に関してよくある質問
6-1.宅建士証の法定講習はいつまでに受ける?
法定講習は、宅建士証の有効期限が切れる6ヵ月前から受講できます。法定講習の申し込みに期限はありませんが、講習を受けずにいると宅建士証の有効期限が切れてしまいます。
うっかり講習を忘れてしまい有効期限が切れてしまったら、宅建士証の再交付をしてもらうことも可能です。再交付の場合、法定講習実施団体の日程表を確認して法定講習の申し込みを行ってください。
6-2.法定講習はWebでも受けられる?
宅建士証の法定講習は特定の会場で行うのが原則ですが、オンラインによるWeb法定受講で宅建士証の更新ができる場合があります。例えば、東京都でWeb法定受講を行う場合の流れは、以下の通りです。
・受講期間内にパソコン等で講義動画を視聴し、効果測定を実施する・Webシステムより新宅建士証の交付申請を行い、新宅建士証引換票を印刷する
・必要書類を宅建協会に郵送する
・新宅建士証が交付される(郵送もしくは窓口)
参照:WEB講習情報・申込・日程|全日本不動産協会東京都本部・(公社)不動産保証協会東京都本部
6-3.法定講習と登録講習・登録実務講習の違いは?
宅建士には、法定講習の他に「登録講習」や「登録実務講習」と呼ばれる講習があります。それぞれの違いは、以下の通りです。
講習名 | 内容 |
法定講習 | 宅地建物取引士(宅建士) の資格を持つ人が、資格 登録後も業務に従事する ために必要な講習 |
登録講習 | 宅地建物取引業に従事し ている人が、宅建士試験 の際に5問免除を受けら れる講習 |
登録実務 講習 | 宅建士試験合格後、登録 をする際に、実務経験が 2年未満の場合に受けな ければいけない講習 |
それぞれの違いをよく理解し、混同しないよう注意しましょう。
7.まとめ
◉宅建士証は5年に1回更新する必要があり、更新の際には法定講習を受講する必要がある
◉法定講習は実務上重要な法改正や紛争事例などを講義形式で学ぶ
◉更新にかかる費用は16,500円で、Web受講も可能
宅建士として仕事をするのであれば、法定講習の受講は必須です。5年ごとに更新が必要にはなりますが、講習を受けることで実務上重要になる知識を短期間でインプットできます。申し込みを後回しにしていると希望する会場が埋まってしまう可能性もあり、有効期限が切れると宅建士として業務を行えなくなるというデメリットもあります。宅建協会から更新・法定講習のお知らせがきたら、なるべく早めに申し込みを行うようにしましょう。
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◉受験生のビジョンに合わせた「3コース」をご用意
◉ゼロから宅建士試験合格を目指せる「スタンダードコース」
◉難しい「権利関係」の講義時間を手厚くした「スタンダードコースプラス」
◉民法の学習経験者を対象とした「法律既修者コース」
◉分かりやすい講義でテキストを解説するので理解できる
◉講義内で問題の解き方もマスターできる
◉試験傾向を徹底分析して出題されやすいテーマを効率良く講義していくので結果、学習時間が少なくて済む
◉1コマ30分でスキマ時間でも勉強可能
◉スクーリング(4時間)やオンライン質問会(2回)もあるので、わからないことは講師に直接質問が可能など、受講生からの要望に応え、独学のデメリットも解消するため、講座全体を徹底的に改良しました。2025年の宅建士試験に合格したい方は、ぜひ伊藤塾をご活用ください。
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著者:伊藤塾 宅建士試験科
伊藤塾宅建士試験科が運営する当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、宅建士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。