【最新版】2024年司法書士試験の合格率は?合格点や基準点など試験結果を徹底分析

本記事では、2024年度司法書士試験の合格結果について、試験制度の変更点や合格点、試験区分別の基準点、さらに前年度との比較分析を交えながら、法務省の公式発表データに基に詳しく解説します。
これから司法書士試験の受験を考えている方はもちろん、今回受験をされた方や現在受験勉強中の方にとっても、今後の学習計画を立てる上で重要な情報となりますので、ぜひ最後までご一読ください。
【目次】
1. 2024年度司法書士試験の合格最終結果
2.2024年度司法書士試験の合格点・基準点
3.試験区分別の基準点分析
3-1.午前の部(多肢択一式問題)
3-2.午後の部(多肢択一式問題)
3-3.記述式問題
4. 過去5年間の合格率推移
5.試験区分の特徴と基準点の詳細分析
6. 記述式配点変更2年目の学習戦略
6-1.択一式対策をしっかり行う
6-2.記述式対策を早期に開始する
6-3.記述式対策は基本から段階的に行う
7. まとめ
1. 2024年度司法書士試験の合格最終結果
2024年11月6日、法務省より2024年度(令和6年度)司法書士試験の最終結果が発表されました。
2024年度の受験者数は13,960人(午前の部及び午後の部の双方を受験した者)、最終合格者数は737人、合格率は5.3%となり、2023年度の受験者数、最終合格者数、合格率をすべて上回りました。
また、合格者の男女別人数と割合は、男性495人(67.2%)、女性242人(32.8%)となり、女性の合格者の割合が初めて3割を超えました。
また、合格者の平均年齢は41.5歳、最低年齢は20歳、最高年齢は73歳でした。
年度 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
2024年 | 13,960人 | 737人 | 5.3% |
男性495人(67.2%) 女性242人(32.8%) | |||
2023年 | 13,372人 | 695人 | 5.2% |
男性487人(70.1%) 女性242人(29.9%) |
参照:令和6年度司法書士試験の最終結果について|法務省
令和5年度司法書士試験の最終結果について|法務省
2.2024年度司法書士試験の合格点・基準点
今年度の合格点は、総合点で350点満点中267.0点以上と設定されました。
試験の合格判定において特に重要なのは、各試験区分にも独自の基準点が設けられており、一つでも基準を下回ると総合点に関係なく不合格となる点です。
【2024年度 合格基準点一覧】
試験区分 | 満点 | 合格点 基準点 | 合格点率 基準点率 |
総合点 | 350点 | 267点 | 76.3% |
午前の部(多肢択一) | 105点 | 78点 | 74.3% |
午後の部(多肢択一) | 105点 | 72点 | 68.6% |
記述式問題 | 140点 | 83点 | 59.3% |
3.試験区分別の基準点分析
2024年度の司法書士試験における試験区分別の基準点について、詳しく分析していきます。
3-1.午前の部(多肢択一式問題)
基準点は105点満点中78点で、74.3%という高い正答率が要求されています。午前の部は基礎的な法律知識を問う問題が中心となっており、合格のためには確実な基礎力が必要とされます。
3-2.午後の部(多肢択一式問題)
基準点は105点満点中72点で、68.6%の正答率が必要です。午前の部と比べてやや基準点率は低くなっていますが、より実務的で複雑な問題が出題されます。
3-3.記述式問題
基準点は140点満点中83.0点で、基準点率は59.3%となっています。他の試験区分と比較すると基準点率は低めですが、登記申請書のひな形の正確な記憶と事例を素早く的確に判断する能力が問われます。
4. 過去5年間の合格率推移
【過去5年間の合格率データ】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2024年 | 13960人 | 737人 | 5.30% |
2023年 | 13372人 | 695人 | 5.20% |
2022年 | 12727人 | 660人 | 5.19% |
2021年 | 11925人 | 613人 | 5.14% |
2020年 | 11494人 | 595人 | 5.18% |
2024年度の受験者数、合格者数、合格率はすべて、過去5年で最も高い数値となりました。
さらに、合格率5.30%は、司法書士試験史上、最も高い合格率となっています。
5.試験区分の特徴と基準点の詳細分析
2024年度の司法書士試験における最も重要な変更点は、記述式問題の配点が大幅に見直されたことです。これまで70点満点だった記述式問題が140点満点となり、試験全体に占める比重が大きく増加しました。この変更により、受験者の論理的思考力と法的文章作成能力をより詳細に評価することが可能となりました。
多肢択一式問題は、午前の部と午後の部でそれぞれ異なる特徴を持っています。午前の部では105点満点中78点という高い基準点が設定され、基準点率は74.3%に達します。この試験区分では基礎的な法律知識が問われ、確実な得点が求められます。一方、午後の部は105点満点中72点が基準点となっており、基準点率は68.6%とやや低めに設定されています。しかし、より実務的で応用的な問題が出題されるため、深い理解力が必要とされます。
新しい配点となった記述式問題では、140点満点中83.0点が基準点として設定されました。基準点率は59.3%と他の区分と比べて低めですが、これは記述式という試験形式の特性を考慮したものと考えられます。配点が倍増したことで、より詳細な採点が可能となり、受験者の実力をより正確に評価できるようになりました。
特筆すべき点は、記述式問題の配点が大きく変更されたにもかかわらず、全体の合格率は過去最高となったものの、前年とほぼ同水準を維持していることです。これは、試験全体の難易度が適切に調整され、公平性が保たれていることを示しています。
法務省の発表によると、このような試験制度の変更は、より実務に即した能力の評価を目指したものとされています。特に記述式問題の配点増加は、事例を素早く的確に判断する能力をより重視する方向性を示すものといえます。
6. 記述式配点変更2年目の学習戦略
2024年度試験から、記述式の配点が70点から140点に倍増し、記述式の重要度が増すこととなりました。
そこで、記述式配点変更2年目となる2025年度試験に対する学習戦略を、以下3点に分けて解説していきましょう。
1.択一式対策をしっかり行う2.記述式対策を早期に開始する
3..記述式対策は基本から段階的に行う
それぞれ具体的にご説明します。
6-1.択一式対策をしっかり行う
まずは、択一式で基準点相当の得点を挙げられるようになるまでは、「択一式7:記述式3」、もしくは「択一式8:記述式2」くらいの割合で学習を進めていきます。
その後、実力が付いたら(択一式で基準点相当の得点を挙げられるようになったら)、「択一式6:記述式4」くらいの学習バランスに変えていきます。
6-2.記述式対策を早期に開始する
受験前年の9月頃には記述式の学習をスタートさせ、以後は日々のルーティンとして取り組むようにしていきましょう。
6-3.記述式対策は基本から段階的に行う
受験前年の10月頃までは、雛形の訓練や基本的な問題に重点的に取り組みましょう。そして、記述式の過去問のような本試験レベルの問題に徐々に取り組んでいき、年明けからは答練に入る流れが望ましい形となります。
詳しくは、伊藤塾講師が解説するこちらの動画をご視聴ください。
2024年度司法書士試験 本試験問題徹底分析講義~総評・択一編~
7. まとめ
2024年度の司法書士試験は、試験制度における重要な転換点となりました。特に大きな変更点として、記述式問題の配点が70点満点から140点満点へと倍増し、より実務的な能力が重視されるようになりました。
今年度の試験結果を見ると、受験者数13,960人に対して合格者数は737人、合格率は5.3%と過去最高の数値となりました。
男女別の合格者数を見ると、男性495人(67.2%)、女性242人(32.8%)となり、初めて女性の合格者割合が3割を超え、法律専門職への女性の進出を反映したものとなりました。
このように、記述式問題の配点変更という大きな制度変更があった2024年度は、従来の学習戦略を柔軟に変えていく必要がありました。
来年度は、択一式において不動産登記法の改正・通達の出題などが予想されますが、このような法改正知識のアップデートなど含め、様々な変化に対応していくことは独学では厳しいといえるでしょう。
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著者:伊藤塾 司法書士試験科
伊藤塾司法書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法書士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。
