中小企業診断士の更新方法は?費用・有効期間・手続きを解説!

中小企業診断士の有効期間は登録の日から5年間です。
そのため、中小企業診断士を更新するためには以下の2つの要件を満たし、中小企業庁に更新登録申請をする必要があります。
(1)専門知識補充要件 (2)実務要件 |
本記事では診断士の更新に必要な要件や、手続きを具体的に解説します。
中小企業診断士の更新について知りたい人や、中小企業診断士に興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
1.中小企業診断士の有効期間・更新方法
1-1.中小企業診断士の有効期間は5年
1-2.中小企業診断士の更新要件
1-2-1.専門知識補充要件
1-2-2.実務要件
2.診断士の更新に必要な書類・申請方法・費用
2-1.更新に必要な書類は4点
2-2.更新申請は郵送で行う
2-3.中小企業診断士の更新に必要な費用、維持費
3.中小企業診断士の更新に関するよくある質問
3-1.中小企業診断士の期限は?いつまでに手続きが必要?
3-2.中小企業診断士を更新しないとどうなる?
3-3.中小企業診断士の登録証を紛失したら?
3-4.中小企業診断士の更新を忘れたら?
3-5.サラリーマンは更新が大変?
4.まとめ
1.中小企業診断士の有効期間・更新方法
資格には登録した後に、更新が必要なものと不要なものがあります。
中小企業診断士は、更新が必要な資格です。そのため、中小企業診断士を更新するために、更新登録申請をする必要があります。
1-1.中小企業診断士の有効期間は5年
中小企業診断士の有効期間は登録の日から5年間です。
診断士の登録証に記載された登録の有効期間の満了日までに、更新登録申請が必要です。
なお、申請は有効期間の満了日の約1ヶ月前から受け付けられます。ただし、内容に不備がある場合は、満了日までに対応を行う必要があります。
1-2.中小企業診断士の更新要件
中小企業診断士を更新するためには、更新要件を満たす必要があります。
更新要件には専門知識補充要件と実務要件があります。
1-2-1.専門知識補充要件
専門知識補充要件とは以下のいずれかを合計して5回以上の実績を有することです。
①理論政策更新(理論政策)研修を修了したこと②論文審査に合格したこと
③理論政策更新(理論政策)研修講師を務め、指導したこと
多くの中小企業診断士は「①理論政策更新(理論政策)研修を修了したこと」で、専門知識補充要件を満たします。ただし、理論政策更新研修を登録有効期間5年間で5回以上修了することが必要です。
研修終了後に修了証明書を入手し、更新の際に提出します。理論政策更新研修は日本中小企業診断士協会連合会や、民間団体が実施しています。また、理論政策更新研修は法定研修のため、研修時間は4時間以上と定められています。
研修は講義形式であり、発言機会は少ないです。また、理論政策更新研修の開催形式は対面とオンラインがあります。なお、オンライン開催の場合でも、出席確認のためカメラは常時オンとする必要があります。
テーマは講師によって異なるため、申し込みの段階で興味のある分野を選ぶ人が多いです。理論政策更新研修の費用は6,000円〜7,000円程度です。
1-2-2.実務要件
実務要件とは、以下のいずれかを合計して30日以上行ったことです。
①診断助言業務等に従事したこと②実務補習を受講したこと
③実習、実務補習を指導したこと
多くの人は「①診断助言業務等に従事したこと」を満たすことで実務要件をクリアします。②の実務補習は、中小企業診断士試験に合格した際に受講した人も多いと思いますが、更新のために参加する人は少ないです。開催団体も更新者向け積極的募集していません。
「①診断助言業務等に従事したこと」は以下の2つがあり、「実務従事」とも言います。
・中小企業者に対する経営の診断助言業務・経営の窓口相談業務
中小企業に向けてコンサルティングを行っている場合は、「中小企業者に対する経営の診断助言業務」を満たすことができます。
窓口相談業務とは公的支援機関などで、経営の専門家として相談業務に対応することなどを指します。なお、有償無償はどちらでも大丈夫です。
一方で、普段は診断助言業務や、窓口相談業務をしていないという人も多いと思います。
そのような人に向けて、日本中小企業診断士協会連合会や民間団体が実務従事サービスという形で、診断助言業務を実施する研修を開催しています。このようなサービスを活用して、実務要件を満たす人も多いです。
※中小企業診断士試験の実務従事については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→中小企業診断士の実務従事とは?要件や知り合いの会社でも可能かなど詳しく解説
2.診断士の更新に必要な書類・申請方法・費用
中小企業診断士の更新に必要な書類、申請方法、費用は以下の通りです。
2-1.更新に必要な書類は4点
中小企業診断士の更新登録申請にするために必要な書類は以下の通りです。
①中小企業診断士登録申請書②専門知識の補充要件の証明書(以下のいずれか5回分以上、原本)
・理論政策更新研修 修了証明書
・理論政策更新研修 研修指導証明書
・論文審査合格証
③実務要件の実績証明書(以下のいずれか30日分以上、原本)
・診断助言業務 実績証明書
・窓口相談業務 従事証明書
・養成課程実習 指導証明書
・実務補習修了証書または指導証明書
④中小企業診断士の登録証(原本)
中小企業診断士登録証を紛失した場合は、中小企業診断士登録証再交付申請書を添付
2-2.更新申請は郵送で行う
診断士の更新に必要な書類を揃えたら、郵送で中小企業庁へ郵送します。
普通郵便でも可能ですが、簡易書留など追跡できる方法だと安心です。
2-3.中小企業診断士の更新に必要な費用、維持費
中小企業診断士の登録や更新に際して、費用は不要です。
ただし、更新要件を満たすために、理論政策更新研修や実務従事サービスに参加する場合は費用がかかります。
診断士活動の状況や、どのサービスを活用するかで費用は大きく異なりますが、中小企業診断士の維持費は5年で3万円から55万円が目安です。
①専門知識要件に必要な費用(3万円〜3万5千円程度)
理論政策更新研修は1回あたり6,000円〜7,000円程度必要です。
5年で5回受講する必要があるため、専門知識要件を満たすために合計3万円〜3万5千円程度かかります。
②実務要件に必要な費用(0円〜30万円)
実務要件はどのように要件を満たすかによって、費用が異なります。例えば、普段から中小企業向けにコンサルティング等を行っている場合や、知り合いの企業に向けて診断助言業務を行う場合は費用はほとんどかからないでしょう。
一方で、日本中小企業診断士協会連合会や民間団体が実施する実務従事サービスを活用する場合は費用がかかります。
実務従事サービスの期間や費用は実施団体によって様々です。
日本中小企業診断士協会連合会であれば、1回あたり4万円〜6万円程度で、6日分の実務従事に該当します。30日分確保するために5回受講する場合は、25万円〜30万円が必要となります。他にも、10万円弱で30日分の実務従事サービスを行う団体もあります。
③更新の登録申請に必要な費用(数百円)
更新の登録申請に際して、費用は不要です。
ただし、郵送にて提出するため、郵送料は数百円かかります。
④日本中小企業診断士協会連合会など所属団体に必要な費用(0円〜25万円)
中小企業診断士はいくつか団体があり、会費を払うことで参加することができます。
会費は数千円/年〜数万円/年と、団体によって異なります。
日本中小企業診断士協会連合会であれば年間5万円程度(5年で25万円程度)です。なお、協会や団体への参加は任意です。
3.中小企業診断士の更新に関するよくある質問
ここでは中小企業診断士の更新に関するよくある質問に回答します。
3-1.中小企業診断士の期限は?いつまでに手続きが必要?
中小企業診断士の有効期間は登録日から5年です。
登録を更新したい場合は、有効期間の満了日までに更新手続きが必要となります。中小企業診断士登録証に有効期間の記載があります。
3-2.中小企業診断士を更新しないとどうなる?
中小企業診断士を更新しない場合は、診断士の登録が削除されます。
また、登録を削除された場合は、氏名、登録番号、削除年月日が公示されます。
3-3.中小企業診断士の登録証を紛失したら?
中小企業診断士の登録証を紛失した場合は、再交付申請書を届け出ることで再交付されます。なお、更新の手続きの際に紛失に気がついた場合は、登録証の代わりに再交付申請書を添付することで更新の登録申請を行うことができます。
3-4.中小企業診断士の更新を忘れたら?
中小企業診断士の登録の有効期間内に、更新登録の要件を満たしていた場合に限り、登録を削除された日から1年を超えないものについては、再登録申請を行うことができます。したがって、有効期間が終わった後に理論政策研修を受講するなどして、更新登録要件を満たそうとしても再登録の対象とはなりません。
3-5.サラリーマンは更新が大変?
サラリーマンで普段は診断士活動ができない場合は、更新が大変だと思うかもしれません。費用はかかりますが、日本中小企業診断士協会連合会のサービスを活用すれば更新自体は難しくありません。
費用を安くして更新を目指す場合は、実務要件を普段から満たせるように平日の夜や土日を活用して、診断士活動を行うことがオススメです。
4.まとめ
今回の記事では中小企業診断士の更新の要件、費用、手続きについて紹介しました。
まとめると次の通りです。
◉中小企業診断士を更新するための要件は①専門知識補充要件、②実務要件を満たす必要がある
◉中小企業診断士の有効期間は5年
◉専門知識補充要件とは、以下のいずれかを合計して5回以上の実績を有すること
①理論政策更新(理論政策)研修を修了したこと
②論文審査に合格したこと
③理論政策更新(理論政策)研修講師を務め、指導したこと
◉実務要件は以下のいずれかを合計して30日以上行ったこと
①診断助言業務等に従事したこと
②実務補習を受講したこと
③実習、実務補習を指導したこと
◉中小企業診断士の更新に必要な書類は以下の4点
①中小企業診断士登録申請書
②専門知識の補充要件の証明書
③実務要件の実績証明書
④中小企業診断士の登録証
◉中小企業診断士の更新料は無料
◉更新の要件を満たすために必要な費用の目安は5年間で3万円〜55万円
更新要件を満たすことが難しいと感じるかもしれませんが、普段から少しずつ診断士として活動すれば、費用もあまりかからず更新要件を満たすことができます。
中小企業診断士の醍醐味は資格を取得した後にありますので、ぜひ自己実現に向けて挑戦を続けてください。
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著者:伊藤塾 中小企業診断士試験科
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