行政書士試験3ヶ月で合格できる?独学でも可能?合格事例・勉強法など解説

「行政書士試験は3ヶ月でも合格できる」
インターネットで検索すると、こういった情報がいくつも出てきます。
これは本当なのでしょうか?
結論から言えば、行政書士試験に3ヶ月で合格することは不可能ではありません。
伊藤塾でも、3ヶ月で見事合格を果たした人は決して少なくありません。
とはいえ、決して簡単でないことも事実です。本来なら1〜2年かけてじっくりと勉強するべき試験を、わずか3ヶ月で突破するには、相当の覚悟と努力、そして正しい学習方法の実践が欠かせません。
本記事では、行政書士試験に3ヶ月で合格する方法について、具体的に解説します。
◉この記事を読んで分かること・実際に、初学者から3ヶ月で合格した人の体験談
・3ヶ月で合格するための具体的な戦略
・最短合格に欠かせない3つのポイント
3ヶ月で合格したい人はもちろん、時間をかけて勉強する人にも参考にしていただきたい内容を取り上げました。
行政書士試験に最短で合格したい方は、是非ご一読ください。
【目次】
1.行政書士試験は3ヶ月で合格できる?
2.【合格事例】初学者から行政書士試験に3ヶ月で合格!
3.「3ヶ月」で行政書士試験に合格する得点戦略
3-1.力をいれるのは民法・行政法
3-2.基礎知識科目も軽視してはダメ
3-3.憲法・商法は捨てるのもアリ
3-3-1.憲法・商法を捨てるメリット
4.「3ヶ月」で行政書士試験に合格するための3つのポイント
4-1.徹底的な絞り込み
4-2.絞り込んだ内容の深堀り
4-3.反復して継続する
5.独学でも3ヶ月で合格できる?
6.まとめ
1.行政書士試験は3ヶ月で合格できる?
行政書士試験に3ヶ月で合格することは不可能ではありません。
伊藤塾でも、8月から勉強をスタートして、見事に合格を勝ち取った人が数多く存在しています。机上の空論ではなく、実際に合格している人がたくさんいるのです。
・法律初学者から勉強した人・働きながら勉強していた人
・家事や育児に追われながら勉強していた人 など
合格者のバックグラウンドは様々ですが、彼らに共通していたのは、「なんとなく」ではなく、「超合理的な戦略」を立てて勉強していたことです。つまり、正しい方法で集中して勉強すれば、短期間(3ヶ月)での合格も夢ではないのです。
ただし、1年以上かかる試験に3ヶ月で合格するのですから、かなりの負荷はかかるでしょう。ハードルが高いことは間違いありません。
合格には「なんとしてでも合格したい」という強い想いと、大胆な戦略が必要です。3ヶ月で合格した人の実例や、具体的な得点戦略、勉強法については、次章以降で詳しく解説します。
2.【合格事例】初学者から行政書士試験に3ヶ月で合格!
それでは、合格者はどのようにして3ヶ月で合格を勝ち取っているのでしょうか?
まったくの初学者から、3ヶ月で行政書士試験に合格した人にお話を伺いました。
【2022年度行政書士試験合格者】
働きながらまったくの法律初学者から超短期一発合格!3ヶ月の学習期間で行ったこと
◉「行政書士を目指そうと思われたきっかけを教えて下さい。」
周りの友人が受験して、合格していたことが大きかったです。
それが身近に感じられたのと、法律家としての第一歩として行政書士は適していると思いました。
◉今まで法律を学習されたことはありましたか?
いいえ、今回が初めてです。大学では法学部ではなく、人文学部で文学を研究していましたので、法律の勉強は全くの初学者でした。
今までに、独学で行政書士試験の勉強をしたこともありません。
◉3ヶ月という短期間での挑戦でしたが、どのように勉強をされていましたか?
働きながらだったので、仕事の通勤時間にスマホを利用して、講義を受講しました。
土日は、問題演習にあてて、アウトプットを重点的に行なっていました。
最初は不安でしたが、伊藤塾の「超スピードマスター講座」は、内容が厳選されていたので、無理なく進めることができました。
「これだけで大丈夫なのかな?…」と不安になることもあったのですが、他の教材には一切手を広げずに、1つの教材に集中して勉強を進めました。
十分な時間はありませんでしたが、最初の1ヶ月程度で講義動画の視聴(インプット)が終了したので、残りは問題演習(アウトプット)に当てることができました。内容が絞られていたので、時間的にも間に合って、何度も繰り返し演習できたことが大きかったです。
◉最後に、これから行政書士試験を目指す方にメッセージをお願いします。
私も法律の勉強は初めてで、直前の模試でも合格点に届かないことがありました。
でも最後まで諦めずに頑張れば、必ず結果が出ます。皆さんも自分を信じて最後まで挑戦してください。
3.「3ヶ月」で行政書士試験に合格する得点戦略
3ヶ月で行政書士試験に合格するには、短期合格に特化した得点戦略が必要です。
まずは、次のデータをご覧ください。
これは、行政書士試験の配点比率を示したグラフです。
青が行政法、赤が民法、緑が基礎知識科目、紫がその他科目の配点比率を表しています。前提として、行政書士試験の配点は「合計300点」、そして合格に必要な点数は「180点(60%)」です。
つまり、コスパの悪い科目は大胆にカットしても、配点の高い科目で得点できれば十分に合格できるのです。
「180点(60%)」を取ることさえできれば、全ての科目を勉強する必要はありません。そうすると、最短で合格するには、次のような戦略が効果的です。
・民法と行政法〈青と赤〉に力を入れる・基礎知識科目〈緑〉も軽視しない
・憲法、商法(その他)〈紫〉は捨てるのもアリ
それぞれ更に詳しく説明します。
3-1.力をいれるのは民法・行政法
3ヶ月での合格を目指す場合、まず取り組むべき科目は、民法と行政法です。なぜなら、民法・行政法だけで試験全体の配点の60%以上を占めているからです。
極端な話、民法・行政法の2科目で80%以上の得点が取れれば、基礎知識で基準点をクリアするだけでも合格することができます。
つまり、民法と行政法こそ、行政書士試験で最も力を入れるべき科目だと言えるでしょう。
超短期での合格を目指すなら、この考え方を徹底することが必要です。配点の高い分野に力を入れて、コストパフォーマンスの悪い部分は思い切ってカットする勇気がなければ、3ヶ月という短期間での合格は難しいでしょう。
民法と行政法は、最優先で勉強を進めていきましょう。この2科目で確実に得点を積み上げることが、合格のカギとなるのです。
※行政書士試験の配点や民法・行政法の対策は、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 行政書士試験の配点と対策ポイントを科目別・出題形式別に解説
→【行政書士の受験生必見】民法の勉強法を各分野・出題形式に分けて解説
→ 行政書士試験合格の鍵!行政法の効率的な勉強法を徹底解説
3-2.基礎知識科目も軽視してはダメ
一方で、基礎知識科目も軽視してはいけません。なぜなら、比較的配点が高く、独自の基準点も設定されているからです。これを捨てると不合格になる可能性が高くなります。
◉行政書士試験の合格基準
① 法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者② 基礎知識科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③ 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
ここ数年の傾向として、基礎知識科目では、非常に正答しやすい問題が増えています。
以前は、「足切り(基準点落ち)にならないことが大切」と言われていましたが、最近はかなり勉強しやすくなっているのです。
受験生の正答率が高い問題も多く、むしろ得点源となりうる科目だと言えるでしょう。
特に、令和6年度から新たに加わった「諸法令」や「個人情報保護法」は、勉強すれば確実に得点できる科目です。3ヶ月という限られた期間でも、絶対に捨ててはいけません。
※こちらの記事もご一読ください。
→「【2024年】行政書士試験科目「一般知識等」から「基礎知識」への改正と対策について解説」
→「行政書士試験の2つの足切り(基準点落ち)とは?科目別の対策を徹底解説」
3-3.憲法・商法は捨てるのもアリ
では、憲法・商法はどうでしょうか。
結論から言えば、憲法・商法は捨てることも選択肢の1つです。
その理由は、配点が低く、コストパフォーマンスが非常に悪いからです。
憲法については、以前は力を入れて勉強した方が良いと言われていました。しかし、ここ数年で本試験の傾向が変わり、難易度が急激に上がっています。現場思考型の問題が増えており、知識を身につけても、確実に得点できるとは限りません。
商法は、そもそも時間がかかる科目です。1年以上余裕があるケースを除けば、あまり力を入れるべきではないでしょう。
超短期での合格を狙う場合、憲法・商法の対策をどうするかが、合否を左右するポイントになります。時間が足りないと感じたら、バッサリと捨ててしまうことも必要です。
3-3-1.憲法・商法を捨てるメリット
「そうは言っても、できれば勉強したほうがいいのでは?」
このように考える人もいるでしょう。
もちろん、余裕があるなら対策するに越したことはありません。しかし、時間がないのなら、自信を持って捨てることをおすすめします。憲法・商法を捨てるからこそ得られるメリットもあるのです。
・配点の高い科目を重点的に勉強できる・当日も、憲法・商法を解かなくていいので時間が不足しづらい など
むしろ、憲法・商法を勉強することで、全体が中途半端になることを恐れるべきでしょう。限られた時間を有効活用するためにも、時間が無ければ、思い切って捨てる勇気が必要です。
※憲法、商法については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 行政書士試験の憲法・基礎法学を攻略!捨てても良いのか?についても詳細解説
→ 商法・会社法は捨てないで!行政書士試験で差がつく効率的な学習法
4.「3ヶ月」で行政書士試験に合格するための3つのポイント
行政書士試験に3ヶ月で合格するためには、次の3つのポイントを押さえることが必要です。
・徹底的な絞り込み・絞り込んだ内容の深堀り
・何度も反復して継続する
3ヶ月で合格できるかは、これらのポイントを「最後まで守り抜けるか」にかかっているといっても過言ではありません。それぞれのポイントについて、さらに詳しく説明します。
4-1.徹底的な絞り込み
1つ目のポイントは、「徹底的に絞り込む」ことです。3ヶ月という短い期間で合格するためには、学習範囲を思い切って絞り込むことが重要です。
出題サイクルを分析して、受験する年の試験「だけ」に特化して絞り込んでいきましょう。
重要論点であっても、近年の傾向とズレていたり、前年・前々年に出題されたりした内容はカットする等、大胆な戦略が必要です。
・頻出のポイントではない部分は省略する
・出題される可能性の低い論点はカットする など
ただし、絞り込むとは言っても、単に予想論点だけを勉強すれば良いわけではありません。内容を絞り込むほど、全体像が掴めなくなって、かえって理解に時間がかかるリスクが高くなるからです。
時間が限られていても、基本的なポイントは確実に押さえなければなりません、学習範囲の見極めは、最大限に慎重に行うことが必要です。
4-2.絞り込んだ内容の深堀り
2つ目のポイントは、「絞り込んだ内容を深堀りする」ことです。学習範囲を絞り込んだら、次はその内容を理解できるまで、徹底的に深堀りしていきます。
大幅にカットするからこそ、「深化」には力を入れなければなりません。失敗する人に多いのが、せっかく学習範囲を絞り込んだのに、内容の深堀りを軽視するケースです。
・絞り込んだ内容を、表面的にだけ理解して満足してしまう・「これだけで足りるの?」と不安になり、途中で範囲を広げてしまう
・SNS等に影響されて、直前期に手を広げてしまう など
浅く広く、中途半端な勉強をしても、3ヶ月で合格することはできません。
単に問題を解くだけでなく、根拠となる条文や判例までしっかりと押さえることが必要です。表面的な知識ではなく、本質的な理解を目指しましょう。
知識の習得と問題演習をバランス良く行い、使える知識として身につけていくことが大切です。
4-3.反復して継続する
最後のポイントは、「何度も反復して継続する」ことです。一度や二度では身につかない知識も、何度も反復することで確実に自分のものになっていきます。
テキストと問題を何度も往復して、インプット・アウトプットを徹底的に繰り返しましょう。問題と回答を見た時に、根拠条文が浮かんできたり、正誤の理由を人に説明できるレベルまで落とし込んだりすることが必要です。
「テキストは何周繰り返せばいい?」「過去問はどれくらい回せば合格できる?」
こういった疑問が浮かんでくるうちは、まだまだ反復・継続が不十分です。
繰り返すことの重要性を理解している人は、回数を数えるのではなく、とにかく徹底的に繰り返します。
テキストや過去問に取り組んだ回数自体を覚えていないケースも珍しくはありません。3ヶ月という超短期での合格を目指すからこそ、絞り込んだ内容は、徹底的に繰り返すことが必要なのです。
5.独学でも3ヶ月で合格できる?
行政書士試験に独学者が3ヶ月で合格することは、「不可能」とは言い切れません。実際に、独学者が短期間での合格を果たしている例もあるからです。
では、独学で短期期間合格を果たせるのは、どのような人なのでしょうか。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
・行政法、民法などの法律を専門的に研究していた
・大学生などで、毎日10時間近く集中して勉強できる環境だった
・適当に塗ったマークシートが、たまたま的中した
もちろん、中には「気合と根性だけで合格できた」という猛者もいるかもしれません。しかし、大半の人にとって、独学での3ヶ月合格のハードルは非常に高いです。
そもそも、行政書士試験は決して簡単な試験ではありません。本来なら1、2年の勉強期間を要する試験です。何度も不合格になって、ようやく合格する人も少なくないのです。その難関試験に、3ヶ月、それも独学で挑むのは現実的ではありません。
3ヶ月という超短期で合格したいのであれば、やはり受験指導校の力を借りることは不可欠といってよいでしょう。
・膨大なノウハウによって裏付けられた、超合理的なカリキュラム・行政書士試験のプロ講師による洗練された講義
・本人の「なんとしても合格してやる」という強い意思
これらの条件が揃って、初めて3ヶ月での合格が見えてくるのです。限られた時間で確実に合格するには、専門家の力を借りることを強くおすすめします。
6.まとめ
最後に、今回の記事のポイントをまとめます。
◉行政書士試験に3ヶ月で合格することは不可能ではない
◉ただし、次の3つのポイントを守り切ることが必要
・絞り込んだ内容の深堀り
・何度も反復して継続する
◉具体的な得点戦略は次のとおり
・基礎知識科目も軽視しない
・憲法、商法は捨てるのもアリ
◉独学者が3ヶ月で合格することは現実的ではない
◉次の条件が揃ってはじめて、超短期での合格が見えてくる
・行政書士試験のプロ講師による洗練された講義
・本人の「なんとしても合格してやる」という強い意思
以上です。
行政書士試験に3ヶ月で合格することは不可能ではありません。
しかし、確実に合格するのであれば、少しでも早くから勉強をスタートすることをオススメします。
焦らず着実に学習を進めていけば、必ず合格への道は開けるはずです。
行政書士試験に合格したい方は、ぜひ法律資格専門の指導校である伊藤塾へご相談ください。伊藤塾では、行政書士試験で必要な内容を、初歩からしっかり学習していくことができる「行政書士合格講座」を開講しています。
夢の実現に向けて、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
伊藤塾が、あなたの挑戦を全力でサポートいたします。

著者:伊藤塾 行政書士試験科
伊藤塾行政書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの行政書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、行政書士試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。
