行政書士試験合格に必要な勉強時間とは?目安や平均・最短合格のポイントについて解説
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法律系の国家資格のひとつである行政書士試験ですが、合格するためには、実際どれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。
法律系の資格と聞くと漠然と難しいイメージがあるかもしれませんが、受験指導校を利用して正しい方向で勉強を継続できれば、他の資格試験と比べても比較的短い勉強時間で合格することができます。
この記事では、行政書士試験合格までにかかる勉強時間や、最短で合格するためのポイントについて解説していきます。
行政書士の資格を取得することによるメリットについても解説していますので、行政書士試験にチャレンジしようか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
1.行政書士試験合格に必要な勉強時間の目安は?
1-1.600時間以下の勉強時間で1年での合格も可能?
1-2.独学だと1,000時間以上かかるケースも
1-3.法学部出身だと勉強時間は短くなる?
1-4.他の資格試験における勉強時間を比較
2.行政書士試験に最短で合格するためのポイント
2-1.基礎基本をしっかりとマスターする
2-2.スキマ時間を有効活用する
2-3.学習を習慣化する
3.独学で行政書士試験に合格することは可能?
4.行政書士の資格を取得すればメリットがたくさんある
4-1.就職活動や転職活動で有利に働く
4-2.独立開業すれば年収1,000万円も十分可能
4-3.ダブルライセンスでさまざまなフィールドで活躍する
5.まとめ
1.行政書士試験合格に必要な勉強時間の目安は?
行政書士試験合格に実際に必要な勉強時間の目安は、今まで法律を勉強したことがあるかどうか、受験指導校などを利用して効率良く勉強するのか、独学での合格を目指すのかどうか、など学習環境によっても大きく変わってきます。
ここでは、それぞれのケースでかかる勉強時間を確認していきましょう。
1-1.600時間以下の勉強時間で1年での合格も可能?
行政書士試験合格に必要な勉強時間は、一般的に600〜1,000時間が目安とされていますが、実は受験指導校などを利用して効率よく勉強を行なうことで、600時間もかからずに合格することが可能になります。
たとえば、平日に2時間ずつ、土日のどちらかで4時間勉強時間を確保できるのであれば、1週間に1回、勉強しない休息日を設けたとしても、およそ10ヵ月〜11ヵ月で合格できる計算になります。
もちろん、合格までに必要な勉強時間には個人差があり、必ずしも600時間以下の勉強時間で合格できるとは限りません。
しかし、受験指導校などで質の高い講義を受けたり、効率良く勉強を進めるための洗練されたテキストを使用することで、独学で合格を目指す受験生より、確実に勉強時間を短縮することができるでしょう。
また、過去に法律系の資格試験の勉強経験があれば、さらに短い時間で合格することも可能となります。
1-2.独学だと1,000時間以上かかるケースも
独学で行政書士試験の合格を目指す場合、参考書や問題集の選別、法改正に伴う情報のキャッチなど、実際の勉強以外の部分で余計な時間がかかってしまうことが多く、どうしても合格までの勉強時間が増えてしまいがちです。
また、初学者が法律の学習を一から勉強することは非常にハードルが高く、参考書を読んでも理解するまでに多くの時間がかかってしまい、遠回りの勉強になってしまう可能性が高いでしょう。
とくに、社会人が働きながら合格を目指す場合には、そもそも勉強時間を満足に取れないことも多く、合格までに2〜3年程度の時間がかかってしまうことも少なくありません。
転職で有利になるよう資格取得を目指したり、大学生が在学中の合格を目指したりするのであれば、できる限り最短で合格することが重要になるため、その場合には、受験指導校などを利用して効率良く学習を進めることが望ましいでしょう。
1-3.法学部出身だと勉強時間は短くなる?
法学部出身であれば、法律初学者よりも法律の勉強に取り掛かりやすくなるのは間違いありません。
しかし、法学部出身であるからと言って必ずしも最短で合格できるわけではありませんし、他学部出身であるからといって、必ずしも法学部出身者よりも合格までに時間がかかる訳ではありません。
行政書士試験は、司法試験や司法書士試験などの法律系の難関国家資格の中でも、とくに登竜門的な位置付けにある国家資格であり、他の法律系の資格試験と比べて合格しやすい試験です。
そのため、今まで法律を学んだ事がない人であっても、基礎をしっかり身につけることを意識してコツコツと勉強を続けることができれば、学部に関係なく合格レベルまで到達することは十分可能です。
1-4.他の資格試験における勉強時間を比較
行政書士試験は、法律関係の資格試験の中では比較的合格しやすい部類の試験となりますが、実際に合格するまでにかかる勉強時間は、どれくらい違うのでしょうか。
ここでは、行政書士試験の難易度を把握するために、他の法律系国家資格についても合格するまでにかかる勉強時間の目安を確認していきましょう。
資格試験名 | 合格までに必要な 勉強時間の目安 |
司法試験 | 2,000〜5,000時間 |
司法書士試験 | 2,000~3,000時間 |
弁理士試験 | 2,000~3,000時間 |
土地家屋調査士試験 | 1,000~1,500時間 |
中小企業診断士試験 | 800〜1,000時間 |
社会保険労務士試験 | 800〜1,000時間 |
行政書士試験 | 600~1,000時間 |
宅地建物取引士資格試験 | 400〜600時間 |
この表を見ていただけるとわかる通り、行政書士試験に合格するまでにかかる時間は、他の資格試験に比べて短いことが分かります。
もちろん、先に述べた通り、合格までの勉強時間は受験生の属性や学習環境によって大きく異なりますし、各試験ごとの制度や科目等が異なるため、一概に比較をすることはできません。
しかし、絶対評価の試験で合格基準点が明確であることや、出題される問題が基礎的な問題が多いことなどを考えると、合格までにそれほど時間がかからない試験であると言ってよいでしょう。
※行政書士試験の難易度や合格率については、こちらの記事をご参照ください。
→行政書士試験の難易度とは?偏差値や難しい理由・独学で合格できるかも解説
→行政書士試験の合格率はどのくらい?合格率が低い理由や推移についても解説
2.行政書士試験に最短で合格するためのポイント
行政書士試験に最短で合格するためには、ただがむしゃらに長時間の勉強を続けるのではなく、合格するためのポイントを頭に入れて勉強を継続する必要があります。
行政書士試験に最短で合格するためのポイントは、次の3つです
行政書士試験に最短で合格するための3つのポイント |
◉基礎基本をしっかりとマスターする ◉スキマ時間を有効活用する ◉学習を習慣化する |
法律学習のコツを理解するためにも、法律学習のポイントをしっかり理解するようにしましょう。
2-1.基礎基本をしっかりとマスターする
行政書士試験に最短で合格するためには、法律学習の基礎基本をしっかり身につける必要があります。
行政書士試験では、基本的に法律の深い理解が必要とされる問題は出題されません。本番で確実に得点を伸ばすためには、基礎基本を徹底して繰り返し、受験生が落とさないであろう問題を確実に得点することが重要です。
また、基礎基本をしっかりと身につけることができれば、法律の学習もスムーズに進み、結果として他の受験生に差をつける応用力を身につけることができます。
法律の勉強は奥が深く、勉強が進めば進むほど基礎基本を忘れてしまいがちです。
行政書士試験に最短での合格を目指すのであれば、基礎基本を徹底して繰り返し、盤石な基礎力を身につけることを意識して勉強を進めましょう。
2-2.スキマ時間を有効活用する
社会人受験生のように、勉強時間を確保することが難しい場合には、スキマ時間を有効活用する事が重要です。
通勤や通学の時間はもちろん、お昼休憩の30分で過去問を解いたり、仕事前の時間や寝る前の時間も有効活用することができれば、社会人でも合格ラインに到達するための十分な勉強時間を確保することができます。
まとまった勉強時間が取れない時にこそ、スキマ時間を有効活用して勉強を進めることを心がけましょう。
2-3.学習を習慣化する
学習を継続する上で、「習慣化」は非常に大切です。
例えば、出勤前の1時間、職場近くのカフェで学習することを毎日のルーティーンにしたり、帰宅後は、どんなに疲れていても「5分だけ」「1問だけ」でもいいので、机に向かって問題を解くなどというように、学習を生活サイクルの中の一部として位置づけ、習慣化することにより、意志の力に頼らない自然な形で学習を続けることが可能になります。
また、一度習慣化されてしまえば、学習がモチベーションの高低によって左右されにくくなります。
長期の学習が必要な資格試験に臨む方には、ぜひ身につけていただきたい手法です。
3.独学で行政書士試験に合格することは可能?
行政書士試験で出題される問題は、法律系の資格試験の中では基礎的な出題であることから、独学での合格も不可能ではありません。
多岐に渡る出題範囲の中から、重要な箇所を絞り込むのが独学の難点です。
また、今まで法律を学んだ事がない人にとって、一から難解な法律の勉強をしても理解するまでに相当な時間がかかってしまい、途中で挫折してしまう可能性が高くなります。
無駄な時間をかけずに、また、最後まで挫折することなく確実な合格を目指すのであれば、多くの受験生がそうしているように、受験指導校を活用して効率よく勉強する事をおすすめします。
4.行政書士の資格を取得すればメリットがたくさんある
行政書士試験は気になるけど、難易度が高いと聞いてチャレンジするのを迷っている方もたくさんいるでしょう。
行政書士試験は、取得すればさまざまなメリットがある資格です。
ここでは、行政書士の資格取得の主なメリットを3つご紹介していきます。
4-1.就職活動や転職活動で有利に働く
行政書士試験に合格すれば、就職活動や転職活動を優位に進めることができます。
行政書士試験は、法律系の難関国家資格試験であるため、資格を持っていることは法律の専門的な知識があることの証明になります。
特に、法律事務所や企業の法務部への転職を考えている場合には、法律の基礎知識や、会社法や民法などの企業法務にとって重要になる法律に精通していることが、大きなアピールポイントになります。
4-2.独立開業すれば年収1,000万円も十分可能
行政書士は自由度が高い資格であり、資格取得後からすぐに独立開業することが可能です。
もし、独立開業して経営が波に乗れば、年収1,000万円を目指すことも夢ではありません。
もちろん、独立開業すれば必ずしも上手くいくわけではなく、成功させるためには、実務能力を磨くことはもちろん、士業間の人脈を広げたり、営業力や集客力を向上させる必要があります。
ただし、本人の努力やアイデア次第では、職業のフィールドを超えてさまざまな分野で活躍できるのも、行政書士の強みです。
※なお、行政書士の年収については、こちらの記事もご参照ください。
→行政書士の年収の現実は?中央値や雇われ・女性の年収も解説
4-3.ダブルライセンスでさまざまなフィールドで活躍する
行政書士だけでなく、他の士業の資格を取得すれば、ダブルライセンスで業務の幅を広げることができます。
たとえば、行政書士の業務との関連性が高い社労士や宅地建物取引士などの資格であれば、ダブルライセンスのアドバンテージを活かして集客することができます。
また、行政書士より難易度の高い司法書士を取得することで、書面作成だけでなく、不動産登記や商業登記も行うことができるようになります。
行政書士は、資格が取得しやすいことから、ライバルも多い職種です。同業者と差別化し、自身の強みを最大限に押し出すためには、ダブルライセンスで業務の幅を広げることも有効です。
5.まとめ
行政書士試験では、一般的に合格するまでに600〜1,000時間必要とされていますが、受験指導校を利用して効率的に勉強することで、600時間もかからずに合格レベルに達することが可能になります。
行政書士試験に確実に合格するためには、合格のためのノウハウを持つ受験のプロと一緒に、合格を目指すのが効率的です。
受験指導校の講義であれば、難解な法律も具体例などを織り交ぜながらわかりやすく説明されるため、理解を伴いながら自然と知識を定着させることができます。
つまり、自分で情報の取捨選択をしなくても、カリキュラム通りに講義をこなしていくだけで、自然と合格に必要なレベルに達することができるのです。
また、実践形式の問題演習を通して、本番の問題で正解を導くための実践的な解法スキルを身につけることができるのも、受験指導校ならではと言えるでしょう。
もちろん、合格まで高いモチベーションを維持するために、カウンセリングや質問制度など、さまざまなフォロー制度が充実しているのも、受験指導校を利用するメリットの1つです。
最短で行政書士試験に合格し、次のステップに進むためにも、受験指導校を利用して効率よく勉強する事をおすすめします。
伊藤塾では、法律を初歩からしっかり学習していくことができる「合格講座」を開講しています。
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著者:伊藤塾 行政書士試験科
伊藤塾行政書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの行政書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、行政書士試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。
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