司法書士は登録しないとどうなる?登録料や流れ・登録不要なケースとは

司法書士として活動するためには、必ず司法書士名簿への「登録」が必要です。
試験に合格しただけでは、司法書士として活動することはできません。
万が一、「登録」せずに司法書士の業務を行ってしまうと、違法行為となってしまうため、十分に注意が必要です。
本記事では、次の点について取り上げました。
・司法書士の「登録」の概要
・登録料として必要な費用
・登録しないとどうなるのか
・登録しないでよいケース
司法書士の「登録」について知りたい方は、是非ご一読ください。
【目次】
1.司法書士の「登録」とは?
2.司法書士登録の流れ
2-1.登録で必要な書類
3.司法書士の登録料は「10万円〜」が目安
3-1.登録手数料(25,000円)
3-2.登録免許税(30,000円)
3-3.司法書士会の入会金(35,000円)
3-4.司法書士会の会費(17,200円/月)
4.登録料以外に必要な費用
4-1.司法書士バッジの費用(6,500円)
4-2.職印の作成費(数千円程度〜)
5.司法書士として登録しないとどうなる?
6.合格後、登録しないでよいケース
6-1.組織内司法書士として働く場合
6-2.補助者として働き経験を積む場合
7.【Q&A】司法書士の登録に関するよくある質問
7-1.Q.司法書士の登録はいつからできる?
7-2.Q.司法書士の登録にはどの程度時間がかかる?
7-3.Q.合格後、登録までに期限はある?
7-4.Q.登録料を安くする方法は?
8.まとめ
1.司法書士の「登録」とは?
司法書士として活動するためには、司法書士名簿への「登録」が必要です。
この「登録」は、司法書士法8条によって義務付けられています。
第8条(司法書士名簿の登録)司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、日本司法書士会連合会に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する司法書士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない。
試験に合格するだけでは、あくまでも「司法書士となる資格」を持っている状態にすぎません。「司法書士」の肩書きを付けて名刺を作成したり、「司法書士 〇〇」と名乗ったりすることはできないため、注意しましょう。
※司法書士試験の合格後の流れについては、次の記事で詳しく解説しています。
→司法書士合格後の流れとは?研修から登録までの詳細を徹底解説
2.司法書士登録の流れ
司法書士登録の基本的な流れは、次のとおりです。
1,所属予定の司法書士会の「司法書士登録申請書」を入手する2,必要な書類を提出する
3,司法書士会の役員と面談をする
4,提出した書類が司法書士会から司法書士連合会に送付される
5,司法書士連合会で登録審査が実施される
6,審査に通過すると、司法書士登録証が発行される
まずは、所属する予定の司法書士会の「登録申請書」を入手しましょう。
HPで公開されているケースもありますが、司法書士会に問い合わせるのが最も確実です。
その後、必要な書類を入手し、司法書士会に提出します。
多くの地域では「郵送」による提出が認められていません。司法書士会に「持参」し、その場で記載内容や必要書類をチェックされます。
役員面談の内容も、司法書士会によって異なります。
本人確認や倫理面など、取り組む予定の仕事などを中心に質問されて、20分〜30分程度で終了する地域が多いです。
「司法書士会」での手続き終了後、提出した書類は「司法書士連合会」へ送付されます。
その後「司法書士連合会」の審査が行われて、司法書士登録証が発行されます。
2-1.登録で必要な書類
司法書士登録では、次のような書類が必要です。
・司法書士登録申請書
・司法書士試験の合格証書
・司法書士名簿
・住民票の写し(本籍の記載があるもの)
・身分証明書(後見の登記・破産宣告を受けていないこと等の確認)
・入会届
・誓約書
・履歴書 など
上記はあくまでも一例です。
必要な書類は、各司法書士会によって異なるため、事前に問い合わせを行いましょう。
3.司法書士の登録料は「10万円〜」が目安
司法書士の登録料として必要な費用は、次のとおりです。
合計「10万円」程度が目安になるでしょう(※会費を月単位で納入する場合)。
項目 | 金額 |
登録手数料 | 25,000円 |
登録免許税 | 30,000円 |
入会金 | 35,000円 |
会費 | 17,200円/月 ※年間206,400円 |
ここでは「東京司法書士会」のケースを例に説明します。
「入会金」や「年会費」は、各司法書士会によって異なるため、所属予定の司法書士会に確認しましょう。
3-1.登録手数料(25,000円)
登録手数料は「日本司法書士会連合会」の司法書士名簿へ登録するための費用です。
金額は「25,000円」と決められており、各司法書士会による違いはありません(日本書士連合会会則第50条)。
登録手数料は、「人件費」「会員データ管理費」などに使用されます。
本来であれば「46,779円」が必要なところ、不足分は日本司法書士会連合会によって補填されているようです。
3-2.登録免許税(30,000円)
登録免許税は「30,000円」が必要です。
国に対して支払う税金なので、各司法書士会による違いはありません。
3-3.司法書士会の入会金(35,000円)
司法書士会への入会金も必要です。
東京司法書士会では「35,000円」となっていますが、金額は各司法書士会によって異なります。
「25,000円〜50,000円」程度を目安にすると良いでしょう。
3-4.司法書士会の会費(17,200円/月)
入会金と別に、会費も必要です。
東京司法書士会の場合、「月額金:17,200円」となっており、年間で「206,400円」が必要です。
会費の支払い時期は、次の2種類から選択できます。
・毎月15日に当月分を納入(分割払い)
・毎年度の4月15日に当該年度分を一括して納入
新規で入会する場合は、入会月の翌月から会費が発生します。
詳細は各司法書士会によって異なるため、所属予定の司法書士会に確認しましょう。
4.登録料以外に必要な費用
司法書士として活動するためには、登録料以外にも様々な費用が発生します。
必要な費用の例・司法書士バッジの費用(6,500円)
・職印の作成費(数千円〜)
それぞれ見ていきましょう。
4-1.司法書士バッジの費用(6,500円)
司法書士バッジは、司法書士会から貸与されます。
貸与費は「6,500円」程度となっているケースが多いです。
バッジの着用は「義務」となっているため、業務中は必ず身につける必要があります。
あくまでも「貸与」なので、司法書士会を退会する場合は返還が必要です。
4-2.職印の作成費(数千円程度〜)
司法書士として登録する際は、必ず「職印」の届け出が必要です。
「職印」とは士業に携わる方が使う印鑑のことで、「司法書士〇〇之印」のように「資格名+氏名」が刻まれているものです。
「職印」は登録の際に必要なだけでなく、司法書士として書類を作成する際も必ず使用します。
「職印」は、ネットなどでも注文することができて、価格帯も様々です。安いものであれば、2,000円程度からある一方で、物によっては数万円を超える場合もあります。
※参考 司法書士法施行規則第21条(職印)
司法書士は、会則の定めるところにより、業務上使用する職印を定めなければならない。
第28条(書類等の作成)
司法書士は、その作成した書類の末尾又は欄外に記名し、職印を押さなければならない。
5.司法書士として登録しないとどうなる?
登録しないと、司法書士として活動することができません。
最終合格後、登録をしていないタイミングでは「司法書士」ではなく、あくまでも「司法書士となる資格を有する者」という立場になるからです。
そのため、次のようなデメリットが生じます。
・「司法書士」の名称を使用できない
・「不動産登記」や「商業登記」などの「独占業務」は一切行えない
・司法書士会のサポートや研修を受けられない
ただし、司法書士として登録しなかったからといって、資格が失効することはありません。
また、司法書士試験に合格しているだけで、専門的な法律知識の証明にはなるため、司法書士登録をせずに、法務職として働く人もいます。
6.合格後、登録しないでよいケース
人によっては、司法書士試験の合格後、あえて登録しない選択をする人もいます。
登録を急ぐ必要がないケースとしては、次のような場合があります。
・組織内司法書士として働く場合
・補助者として働き経験を積む場合
それぞれ説明します。
6-1.組織内司法書士として働く場合
企業や官公庁などの組織内で、司法書士の資格を活かして働く場合、必ずしも登録が必要とは限りません。
「組織内司法書士」は、組織の法務部門を中心に、契約審査や新規部門の立ち上げなど、様々な場面で活躍しています。
特に近年は、金融機関の投資部門や、不動産会社などで、法律知識を活かして働く人も増えており、「日本組織内司法書士協会」という組織も設立されています。
ただし、登録を行っていない以上、司法書士としての独占業務は行えません。
司法書士としての実務経験が不足しやすいのは、組織内司法書士の大きなデメリットです。
将来的に独立して開業する可能性がある場合は、早めの登録をおすすめします。
6-2.補助者として働き経験を積む場合
合格者の中には、司法書士事務所で補助者として働きながら、実務経験を積む人もいます。
補助者であれば、司法書士の指示に基づいて業務を行うため、登録は必須ではありません。
先輩司法書士の管理・監督の下で、登記申請や裁判関連書類の作成など、司法書士として役立つ実務を経験できるでしょう。
ある程度の実務経験を積んだ後、改めて司法書士として登録し、活動を開始するのも1つの方法です。
ただし、これらはあくまでも「補助者」としての経験であって「司法書士」としての経験ではありません。ある程度の経験を積んだら、早めに「登録」を行い、司法書士としての活動を開始しましょう。
7.【Q&A】司法書士の登録に関するよくある質問
7-1.Q.司法書士の登録はいつからできる?
司法書士の登録が行える時期は、各司法書士会によって異なります。
新人研修前に登録できる場合、研修が終わってから登録する場合など様々なので、所属予定の司法書士会に問い合わせましょう。
7-2.Q.司法書士の登録にはどの程度時間がかかる?
登録に要する時間も、各司法書士会によって異なります。
概ね「1〜2ヶ月」が目安だと言われていますが、時期によっても変わってきます。
登録を急ぐ場合は、事前に確認しましょう。
7-3.Q.合格後、登録までに期限はある?
司法書士試験の最終合格に有効期限はありません。
合格後しばらく経ってから登録する人もいます。
司法書士の業務を開始するタイミングや、自分の状況に合わせて登録しましょう。
7-4.Q.登録料を安くする方法は?
司法書士事務所によっては、福利厚生の一貫として「司法書士会費全額負担」といった制度を設けています。こういった事務所を選べば、登録料の負担を下げられるでしょう。
ただし、事務所選びで最も大切なポイントは、事務所の雰囲気や考え方が自分と合っているかです。「登録料の負担」だけで事務所を選ぶことは、全くオススメできません。
※司法書士の就職については、次の記事をご一読ください。
→司法書士は就職できない?40代や未経験は?就職先を探す5つの方法
8.まとめ
最後に、今回のポイントを整理します。
◉ 最終合格後は、司法書士名簿への「登録」が必要
◉ 登録しないと、司法書士としての活動はできない
◉ 登録に必要は費用は「10万円〜」が目
◉ 期限はなく、合格後しばらく経ってから登録することも可能
伊藤塾は、2023年度司法書士試験最終合格者の「60.3%」※が利用していたという圧倒的な実績を誇っています。(※2023年度司法書士試験最終合格者695名のうち、伊藤塾司法書士試験有料講座を利用した合格者は419名)
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著者:伊藤塾 司法書士試験科
伊藤塾司法書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法書士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。
