中小企業診断士の勉強時間は1000時間?短時間で合格するコツも解説

中小企業診断士の勉強時間は一般的に1,000時間とされています。
中小企業診断士試験は1次試験と2次試験があり、1次試験で800時間、2次試験で200時間が目安です。
「本当に1,000時間もかかるの?」
「どうすれば勉強時間を短くできる?」
「いつから勉強を始めるのがオススメ?」
「合格者の勉強スケジュールを知りたい!」
この記事ではこれらの疑問を解決します。
中小企業診断士を受験しようか迷っている人や、学習計画を作ろうとしている人は、ぜひご覧ください。
【目次】
1.中小企業診断士の勉強時間は1,000時間?
1-1.1次試験の勉強時間は800時間が目安
1-2.2次試験の勉強時間は200時間が目安
2.合格者が実践していた勉強のコツ
2-1.「隙間時間」や 「ながら勉強」を活用
2-2.理解重視の科目から勉強する
2-3.問題演習で知識を定着
3.中小企業診断士の勉強時間に関するよくある質問
3-1.勉強を始めるタイミングは?いつがオススメ?
3-2.短期間で合格する人の特徴は?
①合格点に焦点を当て、効率的な学習ができる人
②受験指導校を利用した人
4.まとめ
1.中小企業診断士の勉強時間は1,000時間?
中小企業診断士試験は1次試験(7科目)と2次試験(4科目)があります。
一般的に、中小企業診断士試験に合格するには1,000時間が必要と言われていますが、実際にはどれくらいの勉強量が必要なのでしょうか。1次試験と2次試験、それぞれの勉強時間の目安と各科目の特徴をご紹介します。
1-1.1次試験の勉強時間は800時間が目安
中小企業診断士試験の1次試験は例年8月上旬に実施され、7科目、マークシート方式、配点は各100点です。
日程 | 時間帯 | 試験科目 | 試験時間 |
1日目 | 午前 | A. 経済学・経済政策 | 60分 |
B. 財務・会計 | 60分 | ||
午後 | C. 企業経営理論 | 90分 | |
D. 運営管理 (オペレーションマネジメント) | 90分 | ||
2日目 | 午前 | E. 経営法務 | 60分 |
F. 経営情報システム | 60分 | ||
午後 | G. 中小企業経営・中小企業政策 | 90分 |
中小企業診断士の1次試験に合格するためには、およそ800時間の勉強が必要とされています。ただし、この学習時間はあくまでも目安です。
既に本業等を通じて、中小企業診断士試験の知識を持っている人は、もっと短期間で合格できる可能性が高いですが、逆に、初めて試験科目について学ぶ人や社会人経験が少ない人は、800時間を超える学習時間が必要になる場合もあります。
中小企業診断士試験に必要な勉強時間は科目によって異なります。全7科目で800時間が必要となると、単純計算で1科目あたり100時間強の勉強が必要となります。しかし、実際には科目ごとの難易度や重要度によって必要な勉強時間は異なり、具体的には以下の通りです。
【1次試験合格に必要な勉強時間】
科目 | 勉強時間 |
財務・会計 | 各150時間 |
企業経営理論 | |
運営管理 | |
上記以外 | 各80〜100時間 |
学習計画を立てるのに苦労しているという方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
※中小企業診断士試験の詳細についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→中小企業診断士試験とは?日程・科目・受験資格など試験内容を分かりやすく解説!
1-2.2次試験の勉強時間は200時間が目安
中小企業診断士の2次試験に合格するためには、およそ200時間の勉強が必要とされています。多くの受験生は8月上旬の1次試験後から勉強を始めるため、期間は約3ヶ月です。
そのため、1日あたり2時間程度の学習が目安となります。
中小企業診断士の2次試験は10月末頃に実施され、4科目(事例)、記述試験、配点は各100点です。
科目(事例) |
A 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 I |
組織(人事を含む)を中心とした 経営戦略および管理に関する事例 |
B 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 II |
マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 |
C 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 III |
生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 |
D 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 IV |
財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 |
勉強時間は事例Ⅰ〜Ⅲの合計で100時間、事例Ⅳで100時間が目安です。
事例Ⅳは多くの受験生が苦手とする科目です。財務・会計が得意であれば、勉強時間は少なくなるはずですが、逆に苦手な人は100時間以上の勉強時間が必要となる可能性があります。
2.合格者が実践していた勉強のコツ
中小企業診断士の合格者はどのように勉強していたのでしょうか。
合格者が実践していた勉強のコツや、効率の良い勉強法についてご紹介します。
2-1.「隙間時間」や 「ながら勉強」を活用
中小企業診断士の受験生の多くは社会人です。仕事や家庭の用事で忙しい人が多いでしょう。そのため、勉強時間を確保することが難しく、受験をあきらめる人も一定数いるようです。まとまった勉強時間を確保することが難しい場合は、「隙間時間」や「ながら勉強」を活用することが重要です。
例えば、「隙間時間」として通勤時間があります。平日は仕事で忙しいという人も、通勤時間は勉強ができるのではないでしょうか。細かい時間を積み重ねて勉強時間を捻出するなど、ご自身の生活スタイルに合わせて最適な勉強法を見つけ、合格に向かっていってください!
2-2.理解重視の科目から勉強する
1次試験は理解重視の科目と暗記重視の科目があります。
理解重視の科目:企業経営理論、財務・会計、運営管理、経済学・経済政策暗記重視の科目:経営情報システム、経営法務、中小企業経営・政策
理解重視の科目では、2次試験でも出題される「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」が含まれるため、比較的勉強時間が長くなる傾向があります。理解重視の科目は、一度理解すれば応用問題に対応しやすく、長期的に知識を保持しやすい特徴があります。したがって、理解を深めるために問題演習を通じて様々な切り口の問題に対応できる力を養うことが大切です。
一方、暗記重視の科目は単語の意味が解答に直結しやすいという特徴があります。そのため、単語帳を作成したり、単語同士の関係を表にまとめるといった勉強方法が有効です。
以上のように、科目ごとに特徴が異なるため、1次試験までの期間を考えて勉強の計画を立てることが大切です。半年以上の期間があれば、理解重視の科目から始めてみるのがオススメです。逆に、1次試験まで残り数ヶ月といった場合は暗記重視の科目を勉強してみてはいかがでしょうか。
2-3.問題演習で知識を定着
中小企業診断士の勉強では、教科書で基礎知識を学んだ後、問題演習や過去問演習が欠かせません。多くの合格者が、問題を解く過程で知識が定着し、より深い理解へとつながったと実感しています。
教科書を100%理解してからでないと問題演習はできないという考えは、必ずしも正しいとは言えません。むしろ、ある程度理解した段階で問題にチャレンジし、解けない部分があれば教科書に戻って復習するという繰り返しが、より効果的な学習方法です。
※中小企業診断士の難易度についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→中小企業診断士の難易度は?合格率や攻略法を徹底解説!
3.中小企業診断士の勉強時間に関するよくある質問
中小企業診断士試験を始めるにあたって、よくある質問をまとめました。
勉強を始めるべきタイミングや短期間で合格する人の特徴について紹介します。
3-1.勉強を始めるタイミングは?いつがオススメ?
中小企業診断士では科目合格制度があるため、いつ勉強を始めても大丈夫です。
また、皆さんのバックグラウンドによっては科目ごとの勉強時間をかなり減らせる可能性があるため短期合格も夢ではありません。総じて、中小企業診断士を受験してみようかな?と思った時が勉強を始めるべきタイミングです。
3-2.短期間で合格する人の特徴は?
中小企業診断士試験は、多くの学習時間を要する資格試験ですが、短期間で合格する人もいます。彼らには共通する特徴がいくつかあります。
①合格点に焦点を当て、効率的な学習ができる人
◉ 全範囲を完璧にしようとしない: 中小企業診断士試験の範囲は広いため、全ての分野を完璧に理解しようとすると多くの時間が必要となります。頻出分野を重点的に勉強することで、効率的に学習することができます。
◉ アウトプット重視: 短期で合格している人は、過去問を解いたり、模擬試験を受けたりすることで、理解度の確認を重視した勉強を行っていることが多いです。
②受験指導校を利用した人
受験指導校を利用する人は、最新の試験動向や要点を絞った効率の良い勉強を実現できる可能性が高まります。
◉ 効率的な学習法を取り入れられる:中小企業診断士試験を知り尽くしたプロの講師から、出題傾向や科目ごとの学習のポイント、効率的な勉強法を教わることができます。
◉ 疑問点の解消:勉強中に出てきた疑問点を質問できる環境があり、学習の効率が向上します。
◉ 記述試験の対策:独学では対応が難しい記述試験も、添削サービスなどを通して解答精度を上げていくことができます。
◉ モチベーション向上:同じ目標を持つ仲間と情報交換したり、一緒に学習することで、モチベーションを維持しやすくなります。
4.まとめ
最後に、今回の記事の要点をまとめます。
◉中小企業診断士の勉強時間の目安は1,000時間
◉中小企業診断士の1次試験の勉強時間は800時間が目安
◉中小企業診断士の2次試験の勉強時間は200時間が目安
◉試験まで時間がある場合は理解重視の科目から勉強するのがオススメ
◉試験まで時間がない場合は暗記重視の科目を勉強するのがオススメ
◉自分に合った勉強計画を立てることが大切
◉短期間で合格したいなら受験指導校に通うことを検討
中小企業診断士を目指したいが、勉強時間の確保が難しいと感じた方も多いかもしれません。そんな方にとっては、効率の良い学習を継続できる環境を手に入れることが不可欠です。
短期間で合格するためにも、受験指導校を利用して、"ノウハウを習得する"という選択肢を持ってみるのはいかがでしょうか。
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著者:伊藤塾 中小企業診断士試験科
伊藤塾中小企業診断士試験科が運営する当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、中小企業診断士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。