宅建は就職や転職に有利?未経験もOK?不動産以外で活かせる仕事も紹介

こんな悩みを抱えている方は、多いのではないでしょうか。
・宅建士を取って就職に役立てたい
・未経験だけど、宅建士を取って不動産業界へ転職したい
・不動産以外でも、宅建士を活かせる仕事が知りたい
宅建士は、不動産取引のスペシャリストとして、不動産業界で働く上で必須の資格です。しかし、宅建士の活躍の場は、不動産業界だけではありません。金融や建設、保険業界など、幅広い業界で、実は宅建士の知識を活かして活躍できるのです。
この記事では、
◉ 宅建士の資格が就職や転職に与える影響
◉ 不動産以外で宅建士の資格を活かせる仕事
◉ 特に宅建士がおすすめの人
について解説します。宅建士の資格を取得して、キャリアアップを目指したい方は、是非ご一読ください。
※宅建士の資格の詳細については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→【完全版】宅建とは?試験の詳細や宅建士の仕事内容など資格のすべてを徹底解説!
【目次】
1.不動産業界へ就職するなら「宅建士」は必須
1-1.宅建士がいないと取引ができないから
1-2.宅建士の設置義務があるから
1-3.高い能力の裏付けになるから
2.不動産以外で宅建が活かせる仕事はある?
2-1.金融業界
2-2.建設業界
2-3.保険業界
2-4.士業(行政書士や司法書士など)
2-5.公務員
3.宅建士資格は転職でも有利になる?
4.副業で宅建士資格を活かせる場合も
5.宅建士資格の取得がおすすめな人
5-1.新卒で就職する予定の大学生
5-2.未経験から不動産業界に就職・転職したい人
5-3.法律について勉強したい人
5-4.女性の再就職にも役立つ
6.【Q&A】宅建士の就職に関するよくある質問
6-1.40代や50代で、未経験でも宅建士として就職できる?
6-2.宅建士を取得して就職できないことはある?
7.まとめ
1.不動産業界へ就職するなら「宅建士」は必須
不動産業界へ就職したいなら、宅建士の資格は欠かせません。「宅建士」に対する需要は高く、一部の会社では「宅建士資格」が求人の必須条件になっていることもあるほどです。
さらに資格手当として、「1〜5万円」を追加で支給することで、宅建士を確保しようとしている会社も多く、不動産会社へ就職するなら、宅建士は「必須資格」だといっても過言ではありません。これ程までに、宅建士が求められるのは、次のような理由からです。
【不動産業界で宅建士が求められる理由】
・宅建士がいないと取引ができないから
・宅建士の設置義務があるから
・高い能力の裏付けになるから
それぞれ見ていきましょう。
1-1.宅建士がいないと取引ができないから
宅建業者は、宅建士がいないと不動産取引を行うことができません。なぜなら、不動産契約に必要な手続きの多くが、「宅建士の独占業務(宅建士以外できない業務)」となっているからです。
宅建士の独占業務・重要事項の説明
・重要事項説明書への記名(35条書面)
・契約書への記名(37条書面)
これらの業務を宅建士が行わなければ、不動産取引を進めることはできません。つまり、宅建業者にとって宅建士は必要不可欠な存在なのです。
そのため、不動産業界へ就職する場合、宅建士であることは大きな武器になります。宅建士を取得すれば、不動産業界への就職を格段に有利に進めることができるでしょう。
※宅建士については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→【完全版】宅建士とはどんな資格?仕事内容やメリットなど宅建士の魅力を徹底解説!
1-2.宅建士の設置義務があるから
宅建業者は、宅建士を置かないと、そもそも営業を行うことすらできません。法律によって、宅建業者には「宅建士の設置義務」というルールが設けられているからです。
※宅建士の設置義務とは?「宅地建物取引業者」は、事務所に「5人に1人以上の割合」で必ず宅建士を置かなければいけないというルールのこと。営業所の従業員が11人の場合、3人以上の宅建士を置く必要があります。(11÷5=2.2人)
そのため、例えば不動産会社を新規で開業したり、店舗を増やす際は、宅建士を新規で採用することになるのです。万が一、宅建士が不足してしまうと、業務停止や免許取り消しなどの厳しい処分を受ける可能性があります。
1-3.高い能力の裏付けになるから
宅建士の資格は、不動産取引に関する知識と能力の高さの裏付けになります。宅建士になるには、合格率16%程度の難関試験である「宅建士試験」を突破する必要があるからです。
宅建士試験では、「宅建業法」や「権利関係」や「税・その他」など、不動産取引に関する幅広い知識が問われます。さらに合格後は、
・重要事項説明書の作成
・契約書の作成
など、実務に直結するスキルを身につけるための講習も実施されます。
つまり、宅建士の資格を持っていることは、
「不動産取引について一定レベル以上の専門知識とスキルを有している」と客観的に評価されたことの証明になるのです。さらに、宅建士試験の合格は、継続的に努力する力があることの裏付けにもなります。
膨大な試験範囲をこなし、高い倍率の試験を突破するには、強い意志と計画的な学習が必要不可欠だからです。もちろん、宅建士の資格だけで採用が決まるわけではありません。しかし、就職や転職の際に大きなアドバンテージになることは間違いありません。
宅建士試験の合格率や難易度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 宅建士試験の合格率はなぜ低い?合格ライン・合格点や難易度を徹底解説!
2.不動産以外で宅建が活かせる仕事はある?
不動産業界以外でも、宅建士の資格を活かせる仕事はたくさんあります。例えば、金融、建設、保険、士業、公務員など、幅広い業界で宅建士の知識とスキルが役立ちます。
2-1.金融業界
金融業界では、不動産担保ローンの審査や管理、不動産投資に関する業務などで宅建士の知識が役立ちます。
宅建士は、不動産価値の評価や、法令上の制限など、不動産に関する専門知識を持っているため、顧客に的確なアドバイスを行うことができるのです。資格が人事考課で有利に働いたり、昇給スピードに影響するケースも珍しくありません。銀行や信用金庫、証券会社など、様々な金融機関で宅建士の資格を持つ人材が求められています。
2-2.建設業界
建設業界では、不動産開発や建築プロジェクトに関わる仕事で、宅建士の知識が活かせます。自社で売買を行っていなくても、営業などのビジネスシーンで、法令等各種規制に関する知識が求められるケースは珍しくありません。顧客との交渉や契約締結の場面でも、宅建士の資格を持っていると信頼を得やすくなります。
さらに最近は、建設会社自身が「不動産売買の部問」を設立するケースが増えており、「事業拡大」のために、宅建士を求める建設会社も出てきています。建設業界でも、宅建士に対するニーズが非常に高まっているのです。
2-3.保険業界
保険業界では、「火災保険」や「地震保険」など、不動産関連の保険商品を扱う際に、宅建士の知識が役立ちます。不動産の特徴や価値、リスクについて理解するためには、宅建士の知識が欠かせないからです。宅建士の知識をフル活用することで、顧客にとって最適な保険商品の提案が可能になるでしょう。
また、生命保険の営業として、顧客のライフプランの作成をサポートする際も、宅建士の知識が活きてきます。特に、マイホームの購入や不動産投資について相談を受ける場合、宅建士資格が、信頼の獲得に繋がります。損害保険会社や生命保険会社など、多くの保険会社で宅建士が活躍しています。
2-4.士業(行政書士や司法書士など)
司法書士や行政書士などの士業においても、宅建士の知識は役立ちます。不動産登記や相続、各種許認可手続きなど、数多くの業務で不動産に関する専門知識が必要となるからです。
実際、すでに現場で活躍している「司法書士」や「行政書士」が、仕事の必要性から、宅建士試験を受験するケースは珍しくありません。複数の法律資格を取得すれば、取り扱える業務の幅が拡大するため、事業の成長にも繋がります。
※宅建士とのトリプルライセンスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 司法書士・行政書士・宅建士のトリプルライセンスが最強!難易度も解説」
2-5.公務員
公務員の仕事にも、宅建士の知識が役立つ場面が多くあります。例えば、自治体の土地関連部署では、都市計画や建築行政、住宅政策などの業務に携わります。これらの業務では、不動産に関する法律や、土地の権利関係についての知識が必要です。
また、固定資産税をはじめとした不動産関係の税務を扱う部署でも、宅建士の知識が役立つでしょう。公務員では、3〜5年おきに人事異動が実施されるため、土地関連部署に配属される可能性は決して低くありません。
さらに最近は、自分で職務ジャンルを選択する「キャリア選択型人事制度」を実施している自治体も多く、宅建士の資格を活かして「不動産行政のスペシャリスト」を目指すこともできます。
3.宅建士資格は転職でも有利になる?
宅建士の資格は、転職する際にも大いに役立ちます。例えば、未経験から不動産業界への転職を考えている人にとっては、宅建士の資格は必須だといえるでしょう。宅建士の資格があれば、不動産取引に関する専門知識やスキルがあることを証明できるからです。
転職先の企業からすれば、未経験でも、十分に戦力として期待できる人材です。また、不動産業界以外に転職する場合でも、宅建士の資格は強みになります。
例えば、金融機関や建設会社、保険会社などでは、不動産に関する知識を持つ人材を求めていることがあります。宅建士の資格を持っていれば、専門性の高さをアピールでき、転職に有利になるはずです。さらに、宅建士試験合格を目指して勉強することで、法律に関する幅広い教養を身につけることができます。
これらの知識は、不動産業界以外の仕事でも役立つことが多いでしょう。転職の際に、法律や不動産に関する知識をアピールできれば、企業からの評価も高まります。
宅建士の資格は転職においても、大きなアドバンテージになります。転職を考えている人は、ぜひ宅建士の資格取得にチャレンジしてみてください。
4.副業で宅建士資格を活かせる場合も
宅建士の資格は、本業だけでなく、副業でも活かすことができます。近年、副業を解禁する企業が増えてきており、副業で宅建士の仕事をする人も少なくありません。
例えば、「週末宅建士」として、宅建士の独占業務を請け負い、土日だけ宅建士として働く人もいます。週末は、多くの不動産会社で宅建士の数が不足しているため、このような働き方にも一定の需要があるのです。
また、副業ライターとして不動産記事の執筆を請け負ったり、YouTubeを通じて情報発信したりする人もいます。いずれも、宅建士の資格を持っていれば、信頼性の高い情報を提供できるため、大きなアドバンテージになります。このように、宅建士の資格は副業でも大いに活用できます。宅建士の資格を取得することで、副業の選択肢が広がるはずです。
※宅建士のオススメ副業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 宅建士資格を活かしたオススメ副業4選!在宅・土日のみ・未経験もOK
5.宅建士資格の取得がおすすめな人
ここでは、特に宅建士の資格取得がおすすめな人を、3つのタイプに分けて解説します。
5-1.新卒で就職する予定の大学生
就職活動を控えた大学生にとって、宅建士の資格取得はおすすめです。宅建士は不動産業界で働く上で必須の資格であり、資格を持っていれば就職活動での優位性が高まるからです。特に、不動産業界を志望する学生にとっては、宅建士資格の取得は、内定獲得の近道になるでしょう。
また、宅建士の知識は不動産業界以外でも役立つため、幅広い業界への就職を考えている学生にもおすすめです。就職活動の際に、宅建士資格を取得していることをアピールすれば、企業からの評価を高めることができます。
※宅建士が大学生におすすめな理由については、こちらの記事で詳しく解説しています
→ 【宅建士になれば就活無双?】大学生が宅建士を目指すべき理由とは
5-2.未経験から不動産業界に就職・転職したい人
未経験から不動産業界へ就職したい場合、宅建士の取得は最も効果的な方法の1つです。
宅建士の資格をアピールすることで、一定の専門知識があり、即戦力になり得ると証明できるからです。不動産業界は、他業界からの転職者も多い業界です。未経験でも、宅建士の資格を保有していることを伝えれば、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
また、宅建士試験の勉強の過程では、不動産業界で必要な知識やスキルを身につけることができます。「民法」や「宅建業法」などの法律知識だけでなく、不動産取引の実務についても学べるため、未経験からでもスムーズに業界に入っていけるはずです。
5-3.法律について勉強したい人
法律を深く学びたいと考えている方にとっても、宅建士の資格はおすすめです。宅建士の試験範囲は、民法や宅地建物取引業法など多岐にわたる法律分野に及びます。資格取得に向けて勉強することで、これらの法律について体系的な知識を身につけることができるでしょう。
単に条文を暗記するのではなく、法律の目的や考え方、実務への応用についても理解を深められます。宅建士は、不動産に関する専門資格であると同時に、法律系国家資格の入口的な位置づけにもなっています。法律家への第一歩としても最適な資格だといえるでしょう。
5-4.女性の再就職にも役立つ
宅建士は、女性の再就職にもおすすめの仕事です。結婚や出産をきっかけに、一時的にキャリアから離脱した女性が、宅建士を取得して不動産業界で活躍するケースは、年々増えています。
宅建士が女性から人気を集めている理由としては、次のような理由が挙げられます。
・未経験からでも、専門知識を活かして、第一線で活躍できる
・パートタイム等で、宅建事務として働くこともできる
・不動産業界は女性の平均年収も高く、資格手当も支給される
・お客との信頼関係の構築に、女性ならではの感性やスキルが発揮できる
不動産業界は、特に女性の活躍が期待されている業界です。実際、女性の宅建士の数は増え続けており、女性宅建士の割合も急増しています。
(参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 機関誌「RETIO」 NO.130 2023 年夏号)
「宅建士」は一時的にキャリアから離れていた女性にも、非常におすすめの資格だといえるでしょう。
※宅建士が女性におすすめな理由については、こちらの記事で詳しく解説しています
→ 宅建士の年収とメリットは?女性にもおすすめな理由を徹底解説
6.【Q&A】宅建士の就職に関するよくある質問
6-1.40代や50代で、未経験でも宅建士として就職できる?
40代や50代からでも、宅建士の資格を取得して、不動産業界に就職することは可能です。仮に不動産業界が未経験でも、自身がこれまで培ったスキルやキャリアについて整理し、それをどう活かせるのかを説明できれば、十分にチャレンジできます。
6-2.宅建士を取得して就職できないことはある?
宅建士を取得したからといって、必ずしも就職できるとは限りません。資格の取得は、あくまでもスタート地点に過ぎないからです。いくら資格を取得しても、その後の努力を怠れば、就職できない可能性はゼロではありません。
もっとも、宅建士の資格が、就職活動で大きなアドバンテージになることは間違いありません。合格だけで満足するのではなく、その後も地道な努力を積み重ねていけば、大きな不安を感じる必要はないでしょう。
7.まとめ
最後に、今回の記事の要点をまとめます。
◉不動産業界に就職するなら、宅建士の資格は必須
◉不動産以外でも、宅建士の知識が活かせる仕事は多い
◉未経験からでも、宅建士を取得することで、不動産業界に転職できる
◉宅建士の資格は、新卒や女性の再就職にもおすすめ
宅建士の活躍の場は、不動産業界だけではありません。宅建士のスキルを活かせば、不動産に関連する幅広い業界で活躍できるでしょう。
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著者:伊藤塾 宅建士試験科
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